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令和5年5月

ケヤキ(欅)ってすごい。

令和5年5月30日

以前博物館のまわりにあるブナの木についてご紹介しましたが、今回は正面右側にどっしりと構えるケヤキの木をご紹介します。ケヤキの字を漢字で書けと言われると、正直自信はありませんが皆さんどうですか?(特につくりのほう)
木目の美しさと硬さから高級木材として知られるケヤキですが、建築資材はもちろん、家具や太鼓の胴、臼や杵など古くから日本人に愛されてきた樹木です。花言葉は「健康」、「幸運」、「長寿」で、樹齢千年以上の木もあるというから驚きですよね。太い幹に大きく枝を広げたスケールの大きい樹形は小さいころの夢だったツリーハウスのモデルにはぴったりの木です。その形からして、正に木の代表格みたいな感じがします。
風が強く吹く日のさわさわと乾いた圧倒的な音を聞いていると、まるで大きな生き物にも感じることがあります。 「~の大ケヤキ」や「~の伝説が残る大ケヤキ」など、ケヤキにまつわる言い伝えが全国に残るのもうなずけるような気がします。博物館のまわりにはケヤキのほかにも数種類植栽されていますが、この中でケヤキの葉がどれか分かりますか? 分かった方はすごいです。
これからも博物館のまわりにある自然についてご紹介していきますのでお楽しみに。

ケヤキは

​おすすめ展示資料の紹介「曲田I遺跡の土器」

令和5年5月23日

おすすめ資料の紹介と題して、今回は常設展示中の「曲田I(まがたいち)遺跡の土器」の紹介をしたいと思います。
まず、曲田I遺跡は八幡平市安代地区(旧安代町)にある縄文時代後期~晩期の集落遺跡です。昭和50年代、東北自動車道建設工事に先立って発掘調査が行われ、縄文時代後期~晩期の竪穴住居跡や土器などの遺物がコンテナ約200箱見つかりました。出土した遺物は縄文時代晩期前葉のものが多く、なかには現代の美術工芸品と見間違えるような美しくも精巧な土器もあり、見る者の目を惹きつけます。

曲田Ⅰ遺跡 壺形土器

↑壺形土器。メインの雲形文を浮き立たせるように、それ以外をすり消しています。当館で展示中の考古資料で最も人気があるのは言わずもがな釜石環状列石の土偶ですが次点で人気なのはこの土器です。

曲田Ⅰ遺跡 浅鉢 透かし彫り

↑複雑な文様の透かし彫りがすばらしい浅鉢。当時、曲田の遺跡には土器作りの名手がいたのでしょう。

曲田Ⅰ遺跡 浅鉢 人の目?

↑パピヨンマスクのような透かし彫りがされた土器。人の目を表現したのでしょうか?

曲田Ⅰ遺跡 とっくり?

↑変わった形の土器もあります。右側の土器は、とっくりのような形をしています。お酒がのみたくなりますね。

曲田Ⅰ遺跡 補修孔のある土器

↑土器の表面に穴が2つある鉢形土器。この穴は補修孔といい、土器の一部が壊れた時に穴と穴をひもで結んで補修するために開けたものと考えられています。

 写真では見にくい部分もあるので、是非、博物館にご来館頂き実物を間近でご覧ください!写真撮影も可能です!​

博物館のまわりの自然

令和5年5月16日

八幡平市博物館は、主に郷土の歴史、民俗、考古、美術及び工芸等に関する資料を対象とした博物館です。ご来館いただいた皆さんのアンケートには、自然について知りたいという要望もあるのですが、十分な展示がされていないのもそのような理由からです。

ただ、館から一歩外に踏み出すと、他ではなかなか見られないような自然が体験できます。

一つ目は、このブログでも何度か触れていますが、ブナについてです。

昨年度は当館のブナが豊作で、たくさんの実をつけました。春になって、ブナの木の周辺には今たくさんのブナの稚樹が芽生えています。

ブナの稚樹

ブナは5年に1度程度しか実をつけないといわれます。当館は安代ふるさと資料館から20年以上の歴史があります。この間、昨年度のようにブナが豊作だった年が何度かあったはずです。でも、当館の周りのブナはこの建物が立った時の本数のままです。稚樹はどうなってしまったのでしょうか。

食害や草刈りなどの理由が考えられますが、今年度はこの稚樹の囲い込みを行い、その変化を観察することにしています。

二つ目は、タンポポです。この時期、周囲が緑に変化していく中にタンポポやアブラナが黄色い色を添えていますが、皆さんはタンポポの花をよく観察してみたことがありますか。当館の周辺では2種類のタンポポを見ることができます。一つは在来種のエゾタンポポ、もう一つは外来種のセイヨウタンポポです。下の写真で区別してみてください。

セイヨウタンポポ エゾタンポポ 

     セイヨウタンポポ             エゾタンポポ

タンポポはたくさんの花の集まりなのですが、左のセイヨウタンポポは、総苞と呼ばれる花を包み込んでいる部分が反り返っているのに対し、右のエゾタンポポは反り返っていません。外形的にはこのような違いがあるのですが、そのほかにもエゾタンポポは1年に一度、春にしか花をつけないのに対し、セイヨウタンポポは秋までに何度も花を咲かせるなどの違いがあります。また、セイヨウタンポポは荒れ地や道路、住宅地のようなあまり他の植物が生えないような乾燥したにも生息しているのが特徴です。おそらく、皆さんのお宅の周辺で見ることができるタンポポはほとんどがセイヨウタンポポではないでしょうか。

当館の周辺は、どちらのタンポポも見ることができる、自然豊かな環境の中にあります。

そしてもう一つ、当館の周辺で落としてはいけない自然が、星空の素晴らしさです。来館時にご確認いただけないのが残念ですが、夜になると安代の町中にある当館からも素晴らしい星空を見ることができます。夏には天の川がはっきりと確認できます。

当館では季節ごとに星空を観察する会も行っていますので、機会があればご参加ください。

体験教室

令和5年5月9日

ご存知の方もいるかと思いますが、当博物館では4月から体験教室を開催しております。

4月は紙皿と透け千代紙で桜の吊るし飾りを、5月上旬は紙コップとストローと折り紙で卓上ミニこいのぼりを作りました。

5月の下旬には造花のあじさいでのリース作りを予定しております。

体験教室の年間計画表は、参加するお子さんたちが楽しめるように現在鋭意作成中です!基本的には午前10時~12時の2時間の間に楽しく作れるものを計画しております。日付や何の体験教室を行うかは、事前にチラシを作成し配布しますのでどうぞチェックしてみてください。また、ハロウィンやクリスマス、お正月などの大きなイベントの前に開催する体験教室では、季節に合わせた体験教室を行う予定なので、どうぞお楽しみに♪

初めての試みなので職員も試行錯誤して計画しておりますが、無料ですのでどうぞお気軽に参加してみてはいかがでしょうか?

(※体験教室は小~中学生が参加することができます。)

吊るし飾り      卓上ミニこいのぼり

▲4月に製作した桜の吊るし飾り   ▲5月上旬に製作した卓上ミニこいのぼり

 

博物館のブナその2

​令和5年5月2日

思えば、今シーズンの冬は最初にドカ雪が降りそのまま真冬に突入し、3月中はほとんど雪が降らないまま一気に春の到来……。

でも皆さん、この極端な気候って、逆にこれから寒い夏が来るんじゃないかと心配になったりしませんか? いずれにしても、やっとのことで長い冬が終わり博物館のある安代地区にも新緑の季節が到来したのですから、とりあえずは素直に喜びたいと思います。

さて、今回は昨年の12月に引き続き博物館の敷地内に植栽されているブナの木の様子についてお知らせします。その枝を観察してみると完全に葉が開き勢いを感じるものもあれば、いまだに固い葉芽が残っている木もあります。

おそらく光の加減や特性など様々な要因があるのだとは思いますが、それにしてもこれほど差があるとは驚きです。それと、12月には気付かなかった白い繭玉が枝にぶらさがっていることを発見しました。個体差はあるものの、大きさは4センチ以上あり、10個以上は確認できました。詳しくは不明ですが、さなぎの抜け殻からして蛾の幼虫(ヤママユ?)ではないかと思います。東宝映画の怪獣モスラのモデルとなったあの蛾です。色々調べてみると、一見気持ち悪く見える蛾も、モフモフした毛でおおわれていたり、触角の部分が「櫛」の形に見えるようで、ファンがいるというから驚きですね。

5月に入り、地面をよく見るとブナの新芽が顔を出していました。

虫も木も新たな営みの始まりですね。これからも博物館のまわりにある小さな自然にも目を向け、時々ご紹介できればと思います。

繭 つぼみ

   ブナの枝についた繭            ブナの葉芽  

繭の中身

   繭の中のさなぎの抜け殻