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令和4年12月

博物館のブナ

令和4年12月27日

皆さん、博物館の敷地にブナの木が植栽されていることをご存知ですか?
ブナの実は数年おきに豊作の年があるそうで、今年は当たり年だったようです。

博物館のブナブナの葉と実

ブナといえば、世界自然遺産にも登録されている秋田、青森両県にまたがる白神山地や、十和田、八甲田山系にかけての大原生林があります。
わが八幡平市にも安比の美しい二次林がありますよね。
さらに、県の西側を南北に大きく連なる奥羽山脈。その中でも栗駒山周辺には広大なブナの森が広がっています。今では貴重な自然の代表格といったブナの木ですが、実は北海道南部から九州鹿児島まで広く分布するごく一般的な樹木で、私たちの暮らしの中で、とても身近な木でもあるのです。 その用途は家具や建築資材、パルプ、楽器、そのほか炭焼きの材料として広く使われていた時代もありました。
おそらく、今年のなめとこやまの熊さんは、ブナの実をお腹いっぱい食べて、今頃ぐっすりお休み中でしょう。
調べてみると、ブナの実はドングリなどに比べてアクは少ないものの、生の状態では少量の毒素が含まれているとのこと。決して生では食べないでくださいね。(炒って食べるとおいしいという話もありますが……) どうしてもその味が気になる方は、くれぐれも加熱することをお忘れなく。
そういえば、秋に海から遡ってくるサケをブナと呼ぶって知ってましたか? それは、この時期のサケの体がブナの木の模様に似ていることからそう呼ぶのだとか。
今年も残りわずかとなりました。新巻きザケのもらいものがごく普通だったころを懐かしく思い出す年の瀬です。

 

​用途不明の不思議な土器「香炉形土器」

令和4年12月20日

去る11月27日、令和4年度企画展『安比川流域の縄文文化』が終了しました。県内外から多くの方々にご来場いただき、ありがとうございました。
さて、今企画展の展示資料に、安代地区の水神(みずがみ)遺跡出土の香炉形土器(縄文時代後期・八幡平市蔵)があります。当館ホームページのトップ画面にも載っている土器です。胴部は所々に透かし彫りが施され、冠は円形状の突起が上に突き出ています。また、冠の下には目のようなものが付いているなど何とも不思議な土器です。
この土器は、お香をたく香炉に似ているため「香炉形土器」と呼ばれますが、器の中で何かを燃やしたような痕跡はなく、実際は何に使われたのかわかっていません。日常生活ではなく、特別な場面で使用したのでしょうか?

水神遺跡 香炉形土器 正面水神遺跡 香炉形土器 側面水神遺跡 香炉形土器 俯瞰

博物館にある望遠鏡

令和4年12月13日

博物館の体験ホールに一台の望遠鏡が置いてあります。なんだろうと思われた方もあるかと思いますが、もともと田山中学校の教材として使われていたものです。田山中学校閉校後、理科準備室にそのまま置かれていました。アクロマートですが、10cmの口径があり、しかも赤道儀に載っていますので、このまま眠らせておくのはもったいないと思い、教育委員会にお願いして博物館に置かせてもらいました。

望遠鏡

体験ホールの望遠鏡の鏡筒はほぼ水平を向いています。望遠鏡は星空だけを見るものではないのです。上下左右が逆の倒立像にはなりますが、地上の風景も普通に見えます。接眼レンズもついていて、ブラインドの隙間から外の景色が見えるように設置しています。赤道儀ですので、天の座標軸に沿った動きにはなりますが、微動ハンドルを動かして見える方向を変えることも可能です。

望遠鏡の倍率は、対物レンズの焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割って求めます。当館に設置している望遠鏡の対物レンズの焦点距離は1000mm、接眼レンズの焦点距離は20mmです。ご来館の際は、もしよろしければ、50倍の世界も眺めてみてください。

また、当館では、月食や惑星の観望好機などに観望会を行っております。その際、来館者に自由に動かしてもらう望遠鏡として活用しています。観望会の情報はホームページに掲載しますので、宇宙の不思議さ、面白さに触れていただく機会としていただくとともに、望遠鏡の操作も体験していただければと思います。