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八幡平市病院事業は、八幡平市立病院、安代診療所、田山診療所の3施設が医療体制の連携及び一体的な経営運営を行い、スタッフ一丸となり、地域への良質な医療サービスの提供を行っております。近年の少子高齢化、患者の大病院志向、新興感染症の流行など厳しい環境が続く中、岩手県立中央病院、岩手医科大学附属病院等との連携強化を図り、公立病院として八幡平市及び盛岡西北域の地域医療を担える医療機関の実現に努めております。院外では特別養護老人ホームへの出張診療や在宅療養を支えるための訪問診療・訪問看護を実施するなど「地域に根ざし、親しまれる病院づくり」を目指しております。
当院のある八幡平市は岩手県の北西部に位置し、岩手山や八幡平などの山々に囲まれた自然豊かな場所にあります。昭和50年から45年にわたり地域医療を支えてきた「八幡平市国民健康保険西根病院」の老朽化が激しくなったことから移転新築し、名称を「八幡平市立病院」に変え、令和2年8月3日に新たな一歩を踏み出しました。
当院は、救急指定病院として医師の常駐体制を敷くとともに、常設の内科、外科、小児科に加え、県立中央病院等より専門医の応援・派遣を受けて、専門外来による診療を行っています。人工透析機器台数を大幅に増強し、透析治療を必要とする市内の患者さんの通院にかかる身体的疲労や経済的負担の少ない医療環境を提供することが可能となっています。また、発熱患者さんに専用の診察室を作り、一般の患者さんとは動線を別にし、安心して受診していただけます。
入院病床60床のうち36床を地域包括ケア病床とし、良質なリハビリテーションを提供、医療介護連携を強化し在宅復帰を目指すと同時に、緩和ケアも行っております。
八幡平市の高齢化率は41%を越え、超高齢化社会であり、今後も高齢化率は上昇していくと予想されています。住み慣れた地域で医療の提供を安心して受けられるよう、病院内職員による多職種連携を行っていくとともに、地域との連携も積極的に行っていきます。患者さんとそのご家族の不安や悩みに寄り添いながら、真摯に取り組んで参ります。
新たな八幡平市立病院が地域住民に良質な医療を提供し、地域の皆さんに親しまれながら八幡平市及び盛岡西北域の地域医療を担える病院となれるよう、職員一同努力していく所存ですので、引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
八幡平市病院事業管理者 望 月 泉