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父母の離婚後等のこどもの養育に関する規定の見直しについて(民法等の一部改正・共同親権等)
父母の離婚等に直面するこどもの利益を確保するため、こどもの養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権(単独親権・共同親権)・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定(ルール)が見直され、令和8年4月1日に施行されます。(令和6年5月17日成立の、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号))
詳しくは、下記パンフレット、法務省ウェブサイトまたはこども家庭庁ひとり親家庭のポータルサイトをご覧ください。
パンフレット
父母の離婚後等の子の養育に関するルール改正 [PDFファイル/1.67MB]
法務省ウェブサイト
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00357.html<外部リンク>
法務省ウェブサイト(Q&A形式の解説資料・民法編)
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00377.html<外部リンク>
こども家庭庁ひとり親家庭のポータルサイト
https://support-hitorioya.cfa.go.jp/<外部リンク>
改正ポイント(概要)
1.親の責務に関するルールの明確化
父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことなどが明確化されています。
父母の責務
- こどもの人格の尊重
- こどもの扶養
- 父母間の人格尊重・協力義務
- こどもの利益のための親権行使
【参考】
2.親権に関するルールの見直し
(1)父母の離婚後の親権者
父母の離婚後の親権者の定めの選択肢が広がり、離婚後の父母双方を親権者と定めることができるようになります。(単独親権または共同親権とすることが可能)
親権者の定め方
協議離婚の場合
父母が、その協議により、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。
父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合
家庭裁判所が、父母とこどもとの関係や、父と母との関係などの様々な事情を考慮した上で、こどもの利益の観点から、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。この裁判手続では、家庭裁判所は、父母それぞれから意見を聴かなければならず、こどもの意思を把握するよう努めなければなりません。
次のような場合には、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。
- 虐待のおそれがあると認められるとき
- DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき
親権者の変更
離婚後の親権者については、こどもの利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所が、こども自身やその親族の請求により、親権者の変更(父母の一方から他の一方/一方から双方/双方から一方)をすることができます。離婚前の父母間に一方からの暴力等があり、対等な立場での合意形成が困難であったといったケースでは、こどもにとって不利益となるおそれがあるため、この手続によって親権者の定めを是正することが出来ます。
(2)親権の行使方法(父母双方が親権者である場合)
1.親権は父母が共同して行う(ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、 他方が行います)。
2.親権の単独行使が出来る場合
- 監護教育に関する日常の行為をするとき(食事や服装の決定、短期間の観光目的の旅行、習い事など)
- こどもの利益のため急迫の事情があるとき(DVや虐待からの避難をする必要がある場合、こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合など)
3.特定の事項について父母の意見が対立するとき、家庭裁判所の手続で親権行使者を定めることが出来ます。
(3)監護についての定め
監護の分担や監護者の権限について、父母の離婚後のこどもの監護に関するルールが明確化されています。
3.養育費の支払確保に向けた見直し
- 養育費の取決めに基づく民事執行手続が容易になり、取決めの実効性が向上します。
- 法定養育費の請求権が新設されます。
- 養育費に関する裁判手続の利便性が向上します。
(1)合意の実効性の向上
養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与されるため、債権名義が無くても養育費の取決めの際に父母間で作成した合意文書に基づいて、差押えの手続きを申し立てることが出来るようになります。
(2)法定養育費
離婚のときに養育費の取り決めをしていなくても、離婚のときから引き続きこどもの監護を主として行う父母は、他方に対して、一定額の「法定養育費」を請求出来るようになります。また、法定養育費の支払いがされないときは、差押えの手続きを申し立てることが出来ます。
(3)裁判手続の利便性向上
養育費の額の算定手続きをスムーズに進めるために、家庭裁判所が、当事者に対して収入情報の開示を命じることが出来ることとしています。
養育費を請求するための民事執行の手続きにおいては、地方裁判所に対する1回の申し立てで、(1)財産開示手続き (2)情報提供命令 (3)債権差押命令 という一連の手続きを申請することが出来るようになります。
4.安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
- 家庭裁判所の手続中に親子交流を試行的に行うこと(試行的実施)に関する制度が設けられています。
- 婚姻中の父母が別居している場面の親子交流のルールが明確化されています。
- 父母以外の親族(祖父母等)とこどもとの交流に関するルールが設けられています。
(1)親子交流の試行的実施
家庭裁判所は、調停・審判において、こどもの利益を最優先に考慮して親子交流の定めをします。その際には、適切な親子交流を実現するため、資料を収集して調査をしたり、父母との間で様々な調整をします。
(2)婚姻中別居の場合の親子交流
婚姻中別居の場合の親子交流について、次のようなルールを明らかにしています。
- 婚姻中別居の場合の親子交流については父母の協議により定める。
- 協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定める。
- 上記の1や2に当たっては、こどもの利益を最優先に考慮する。
(3)父母以外の親族とこどもの交流
こどもの利益のため特に必要があるときは、家庭裁判所は、父母以外の親族とこどもとの交流を実施するよう定めることが出来ることとしています。また、こどもが父母以外の親族と交流をするかどうかを決めるのは、原則として父母ですが、例えば、父母の一方が死亡したり行方不明になったりした場合など、ほかに適当な方法がないときは、次の1から3の親族が、自ら、家庭裁判所に申立てをすることが出来るようになります。
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 1と2以外で過去にこどもを監護していた親族
5.財産分与に関するルールの見直し
- 財産分与の請求期間が2年から5年に伸長されています。
- 財産分与において考慮すべき要素が明確化されています。
- 財産分与に関する裁判手続の利便性が向上します。
(1)財産分与の請求期間
これまで、この財産分与の請求をすることができる期間が、離婚後2年に制限されていましたが、今回の改正により、離婚後5年を経過するまで請求出来るようになります。
(2)財産分与の考慮要素
財産分与の目的が各自の財産上の衡平を図ることであることを明らかにした上で、以下の考慮要素を例示しています。このうち「財産の取得または維持についての各自の寄与の程度」については、直接収入を得るための就労だけでなく、家事労働や育児の分担など様々な性質のものが含まれることから、寄与の程度は、原則として夫婦対等(2分の1ずつ)とされています。
(例示された考慮要素)
- 婚姻中に取得または維持した財産の額
- 財産の取得または維持についての各自の寄与の程度 →原則2分の1ずつ
- 婚姻の期間
- 婚姻中の生活水準
- 婚姻中の協力及び扶助の状況
- 各自の年齢、心身の状況、職業、収入
(3)裁判手続の利便性向上
手続をスムーズに進めるために、家庭裁判所が、当事者に対して財産情報の開示を命じることができることとしています。
6.養子縁組に関するルールの見直し
- 養子縁組がされた後に、誰が親権者になるかが明確化されています。
- 養子縁組についての父母の意見対立を調整する裁判手続が新設されています。
(1)養子縁組後の親権者
未成年のこどもが養子になった場合には、養親がそのこどもの親権者となり、実親は親権を失います。複数回の養子縁組がされた場合には、最後に養子縁組をした養親のみが親権者となります。
離婚した実父母の一方の再婚相手を養親とする養子縁組(いわゆる連れ子養子)の場合には、養親(再婚相手)とその配偶者である実親が親権者となります。この場合には実父母の離婚後に共同親権の定めをしていたとしても、他方の親権者は親権を失います。
(2)養子縁組についての父母の意見調整の手続
養子縁組の手続に関する父母の意見対立を家庭裁判所が調整するための手続を新設しています。
家庭裁判所は、こどもの利益のため特に必要があると認めるときに限り、父母の一方を養子縁組についての親権行使者に指定することができるようになります。親権行使者は、単独で、養子縁組の手続を行うことが出来ます。
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