24ページ 輝(キラリ)人 第158回 8テラスに、子育て世代向けの雑貨店「enne by nii-ni(エンネバイニーニ)」を開いた 遠藤真理(まり)さん 44歳 寺田  親の転勤の都合で、小学生の時に大阪府から岩手県に移住した遠藤さん。県外の大学で音楽を学び、卒業後は盛岡市や仙台市内の音楽教室で働いていたが、震災を機に岩手県に戻った。8テラスに開いた「enne(エンネ)」は、「つながり」を意味するフィンランド語。「試行錯誤中ですが『応援しています』と言ってもらえてうれしい」と柔らかな笑みを見せる。趣味は自身で施した刺しゅうを生かしたアクセサリーや小物づくり。夫と4歳の娘、義理の母と4人暮らし。 暮らしに寄り添う小さな幸せを届けたい  「子どもたちや子育て世代に向けた商品を、身近に紹介できる場所にしたい」と朗らかに話すのは、8テラスに「enne by nii-ni」を開いた遠藤真理さん。店内には、かわいらしい雑貨や文房具が並ぶほか、施設に遊びに来る家族向けに、週3回ほど、おにぎりや弁当も提供している。  大学卒業後、音楽関係の仕事をしていた遠藤さん。東日本大震災を機に本県へ帰郷し、異業種で働く傍ら、趣味で取り組んでいたハンドメイドが、現在の店づくりにつながる原点となった。  県内外のハンドメイド作家とも交流する中、「イベントや都市部でなければ出会えない作品を常設のお店で、普段から見ることができたらすごくいいなって」と考えるようになった。「お店を開くなら30代のうちに」とも思いながら創作活動を続けていたところ、空き店舗を使えることになり「今がその時かな」と決意。30代最後の年となった令和3年7月に念願の店「雑貨&カフェnii-ni」を平舘地区に開いた。  もともと「体に良いものを食事に取り入れたい」という思いもあった遠 さん。地域の人が「食」も求めているという感触もあり、店舗の補修で3カ月間ほど休業するのを機に料理を学び直し、メニューを一新。現在のランチプレートを中心とするスタイルを始めた。「元気になるきっかけになれば」と、ハーブやスパイスを使い、栄養バランスを意識した献立にもこだわりが光る。  店を始めて、本年7月で6年目。子育て世代や一人でランチを楽しむ男性、農作業の休憩で利用する近隣の高齢者など、さまざまな人が利用してくれるようになった。常連さんが「ここに通うのが生活の一部」と言っていたことを人伝えに聞き「なんて言ったらいいか、すごいうれしかった」とはにかむ。平舘地区に開いた店の名前「ニーニ」は「菩提樹」を意味するフィンランド語。「根を張り、地域の人たちにとって、欠かせない場所になりたい」とも。  今後は、ものづくりを体験できる機会の創出に、もっと力を入れたいと考えている。これまでも「普段できない体験を」と、ソーセージ作りや子ども向けキーホルダー作りなどのワークショップを開いてきた。8テラスでも、子どもから大人まで楽しめるような体験や、普段の生活にも取り入れたくなるような企画を提案したいと意欲を示す。  「おいしい物を食べて幸せだと感じたり、気に入った雑貨を見つけてうれしくなったり。そんなちょっとした小さな体験が、毎日の力になると思う」と笑みを浮かべ、「今日も1日頑張ろう、そう思ってもらえるような空間や食事を届けたい」と、変わらない店づくりへの思いを言葉に込める。 編集後記  数年前の市小学校陸上競技会でカメラに収めた選手も多く出場する岩手地区中学校駅伝競争大会。タスキをつなごうと懸命な選手の姿はもちろん、出番が終わった選手、出番の無かった選手もみんなで一生懸命応援する姿に「こんなに立派になったんだ〜」と、しみじみと心動かされました。(智)  取材で、土日出勤した帰りに、ちょくちょくお弁当を購入していたnii-niの店主、遠藤さんを取材。週替わりランチなど、メニューはどれもおいしく、土日勤務の際には、いつも力をもらっています。8テラスとの2店舗運営で忙しい中、取材対応いただいたことに、この場を借りて御礼いたします。(千)