24ページ 輝(キラリ)人 第153回 八幡平市から、自慢の馬とチャグチャグ馬コに参加している  遠藤岩男(いわお)さん 66歳 (土沢) 普段は、息子たちに引き継いだ酪農(搾乳30頭、育成牛30頭)を手伝いながら、農耕馬とポニー(小型馬)の繁殖事業を行っている。「息子たちは黒毛和牛もやっているが、そっちの牛舎はノータッチ。俺が行くと口出ししちゃうから」と苦笑い。チャグチャグ馬コの時期は、牧草(一番草)の採草作業時期と重なるが「家族みんなが協力してくれるからうれしい」と目を細める。  馬がいる風景をできるだけ残したい 安比塗の鞍に思いを乗せて  「好きでやってるだけで、特に話すこともねぇんだけど、俺の人生のメインだから、毎年楽しみにしている」とにこやかな笑みを浮かべるのは、馬の無病息災を祈る伝統行事「チャグチャグ馬コ」に、4年前から愛馬と共に参加している遠 岩男さん。  チャグチャグ馬コは鬼越蒼前神社(滝沢市)から盛岡八幡宮(盛岡市)までの、およそ14キロを、華やかな装束をまとった農耕馬が行進する初夏の風物詩。今は行事本番に向け、馬の調整や道具の確認に余念がない。  高校卒業後、家業の酪農に従事していた遠藤さんが、繁殖のため馬を飼い始めたのは23歳のとき。程なくして「馬を貸して」とチャグチャグ馬コの関係者から声を掛けられたのが縁で、以来40年近く行事の際には馬を貸してきた。  自身が初めて馬コ行列に参加したのは令和4年。それまで行列への参加は、滝沢市、盛岡市、矢巾町の居住者を要件とする「チャグチャグ馬コ同好会」の会員に限られていたが、3市町以外の人も会に加入できるようになると「ずっと馬を貸していたので、せっかくだから自分の名前でも」と、会への加入を決めた。鞍と、馬に着せる装束を揃え、初めて行列に参加すると、翌年は息子も会員に名を連ね、同時に安比塗の鞍も特注。重厚かつ華やかで「八幡平市 遠 」と記された鞍を見た人から「これもいいね」と声を掛けられ頬が緩んだ。さらにその翌年、翌々年と孫2人も順次会員になると、その都度、安比塗の鞍も増やし、今は4人で4頭を参加させている。「滝沢市さんの行事だけど、せっかく俺もお手伝いしているから、ちょっとは八幡平市をPRしようと思ってね」と遠藤さんは言う。  「1年に1回しかない伝統行事。好きだからやっているだけで、あんまり真面目に考えたことはねぇけど『馬がいる風景を、出来るだけ残していきたい』っていう思いはあるかな」と遠藤さん。今年のチャグチャグ馬コは6月13日(土曜日)。「14キロの行程だけど、歩けるうちは、この先も参加し続けたい」と朗らかに笑みを広げます。 編集後記  先日のオリンピック距離競技に、日本女子で唯一出場した土屋選手。「日本で一番速い人が世界で戦えなかったら、希望が無くなってしまう」との覚悟を持って臨んだと、所属先企業がある青森県の地元紙に紹介されていました。感謝を何度も口にする真摯な人柄と、使命感に心を動かされました。(智)  キラリの遠藤さんを取材。馬コとして活躍する農耕馬の迫力はもちろんですが、飼養しているポニーのかわいさも紹介したいので写真を載せます。八幡平市内にポニーって居たんだ。(千)