6から7ページ  市制施行20周年記念インタビュー 市ふるさと大使 澤田知可子さん  本市のふるさと大使で、歌手の澤田知可子さんによる市制施行20周年記念コンサート(主催 市、岩手日報八幡平広華会)が8月30日、安比高原プラザホールで開かれました。  開催にあたり、幼少期に過ごした本市での思い出や大使としての活動のほか、記念コンサートに向け新たに作詞し、コンサートで初披露した新曲「りんどうの花」に込めた思いなどを伺いました。 インタビューは、内容を整理し、文章の順番を入れ替えたほか、時期など、一部を補足表記しています。 澤田知可子さんと八幡平市とのご縁について、あらためて教えてください  母が旧安代町出身で、荒屋新町駅から歩いてすぐのところに実家があります。母は、里帰り出産でこちらに帰り、私は昭和38(1963)年の8月4日に産声を上げたということですね。  その後私は、神奈川県川崎市などで育つのですけれど、物心がついてから、毎年夏になると、1カ月ぐらいずっと岩手にいる感じでした。鮮明に覚えているのは小学校2年生の夏ですね。私の弟が生まれたばかりで、岩手に来ても、私と姉は、おばあちゃんと暮らしていたような感じです。  夏は毎日、虫取りをするんですが、すくうだけでトンボが取れるっていう、すごいです、大自然です。あと、町のお祭りの時は、家から花火が見えるとか、そういうのを夏休みの宿題で、絵にしていました。  おばあちゃんは歌が大好きで、盆踊りの時に、櫓に登って、スピーカーを使って、歌ったり、踊ったりしていた記憶があります。母は全く歌わないので、私は隔世遺伝ですかね。 八幡平市へはどのくらいの頻度で足を運ばれているのですか  コロナ禍前までは、毎年2回くらい来ていたんですが、コロナ禍でまったく動きが止まり、市に来るのは5、6年ぶりです。  歌手としては、旧安代町のとき、平成16(2004)年に、初めてコンサートをやらせてもらいました。その後は、平成27(2015)年の合併10周年の際に、コンサートをやらせていただいたあと、平成29(2017)年には新安比温泉静流閣の女将さんに呼んでいただき、ディナーショーをやらせていただきました。おばあちゃんが一番前の席で見てくれたんだけど、一曲終わるたびに『うまい。うまい』と。また別の時には、特別養護老人ホームりんどう苑でも歌いました。慰問みたいな感じですね。  10周年記念式典では、江間章子さんの「夏がくれば思い出す(詩人 江間章子さんが作詞。曲名は「夏の思い出」)」と歌ったのを覚えています。その時のコンサートでは、おばあちゃんがステージに上がってきて、1曲アカペラで歌ったんだよね。生きているうちに歌声が聞きたいっていう思いがあったからうれしかったですね。 八幡平市は澤田さんにとってどんな場所ですか  自分の夢の種が全部ある、礎のような場所です。私が「安代の四天王」って呼んでいる人たちがいるんですけど、平成16年に開いた最初のコンサートの時に意気投合して『あなた、これから八幡平市になったら、絶対にふるさと大使になるべきよ(平成28年(2016)年5月27日に対しに委嘱)』って。10周年のときも歓迎してくださって。その人たちが背中を押してくれたようなものです。  今まで、機会があれば、いろいろなところで『岩手県で産声を上げました』という話をさせてもらっています。スキージャンプの小林陵侑選手が活躍すると、うれしいし自慢ですね。そこで八幡平市というキーワードを出すと『ああそうなんだ』と皆さんに思っていただけています。 今回の記念コンサート開催と「りんどうの花」誕生の経緯を教えてください  1月に市長が東京にいらしてくださいまして、市制20周年の記念行事を8月にやるということで、とあるカフェで打ち合わせをしました。『せっかく八幡平市で歌わせていただくし、たくさんのお客さんに来ていただきたいから『地元の方とコラボしましょうよ』って。で、せっかくコラボするなら新曲作りましょう』と言ったら、市長が『えーっ、本当ですか』と、とても喜んでくれて。私も『みんなで歌える市の歌を作りたいですね』と。リンドウという花が、世界を渡るくらい勢いがあると聞いて『リンドウに絞って作らせてください』と言いまして、とんとんと。明日の20周年記念コンサート(記念コンサート前日の8月29日にインタビュー)で初披露です。 どのような思いを込めて「りんどうの花」を作詞されたのですか  「風」、「岩手山」もそうなんですけれど、心地よい、素敵なキーワードを全部入れたいなと思って。そして、夢をかなえるという意味で「引き寄せ」っていう言葉を使いたかったのと、日ごろ頑張っている人たちが憩い、癒やされに訪れたら『いらっしゃい、このまちはあなたを祝福してくれる場所だよ』っていうようなイメージで。で、またリンドウが、とにかく美しい。なんだか青龍のような色だなと思って。そのリンドウが世界のいろんな場所に飛び立っていく、このまちから青龍のごとく世界を旅する花よって。私はなかなかここに来ることができないけれども、いつも気持ちはここにありますよっていう思いを乗せました。 ご自身や芸能活動で、今後予定していること、考えていることはありますか  今年の10月5日でデビュー38周年で、再来年で40周年になります。今、歌は薬になるっていうテーマで、全国で「うたぐすりコンサート」をさせていただいています。これは「会いたい」という曲のおかげです。  「会いたい」という歌は、大切な人を亡くしてしまった。けど、悲しいっていうだけではなくて、歌を聴きながら、記憶の中で会いに行く時間旅行をして、自己肯定感を上げていくっていう。コンサートではそんな風にお話をしています。この「うたぐすりコンサート」をもっと全国に広げ、八幡平市でも「うたぐすりコンサート」が定着できるよう、澤田知可子の音楽活動をもっと皆さまに知っていただければうれしいなと思っています。そういう思いも持って、この「りんどうの花」を作りました。  次は30周年ではなく、毎年のように『ただいま』と。『八幡平ドラゴンアイを見に行こう』っていうふうに、歌を通じて、みんなを連れて来れるようなふるさと大使になりたいですね。 『りんどうの花』作詞 澤田知可子 作曲 小野澤篤 むらさきのりんどうが ひかり引き寄せて咲く 凛々とりんどうが 安代を彩るころ 岩手山のふもとに 旅人は立ち止まり 八幡平の風 そよそよと手招く路 あなたのがんばりを 祝福するように 夏の輝きを浴びて ここに芽吹きました 悠々とりんどうは 清らかに咲き誇る 青龍のごとく 世界を旅する花よ 遠く会えなくても 心はここにある かすみ行く空の下で ともに芽吹かせましょう あい色のりんどうが 愛を引き寄せて咲く 幸せのつぼみ  あなたへ捧げたい花 Youtube動画で『りんどうの花』のメロディーができます。