2から3ページ  次世代へ希望をつなぐ 佐々木市長 市政2期目に向けて所信表明  9月21日に告示の八幡平市長選挙で再任された佐々木孝弘市長が、10月9日に招集された市議会第3回臨時会で、自らの所信を表明しました。  本号では、今後の市政運営の方針と、ゆとりと潤いのある市民生活の実現など、まちづくりのテーマに掲げた6項目について、その要旨を紹介します。  去る9月21日告示の八幡平市長選挙の結果、引き続き市政を担わせていただくこととなりました。  1期目を振り返りますと、新型コロナウイルス禍での市長就任となり、ワクチン接種や疲弊する市民生活への経済的な支援、各種産業への支援を最優先に考え、議会のご賛同を得ながら補正予算を組み、対応してまいりました。  本市は9月1日に市制施行20周年を迎え、8月31日に記念式典を開催。市のこれまでを振り返るとともに、これからの市勢発展を市内外の皆さまに約束したところです。  8月に開催の第3回定例会で議決いただいた第3次市総合計画基本構想は、8年度から17年度までの10カ年の本市のグランドデザインです。少子化が激しく進む日本にあって、本市も人口減少を一定程度受け入れた未来を描いていかなければならないと考えています。  この現実を受け止め、さらに30年後、50年後を思い描きながら、次世代へ希望をつなぐ八幡平市に向かって取り組んでまいります。 6項目をテーマに取り組みます 1 ゆとりと潤いのある市民生活の実現  市制施行20周年を迎える中、4月にはNHKのど自慢を、8月には澤田知可子さんのコンサートを開きました。こうした文化、芸術、芸能に触れることができる環境を、より充実させることが大事だと、あらためて感じています。まずは、現有施設の改修などにより、環境整備を進めたいと考えています。  また、市民の皆さんから、公園が欲しいとの要望を多くいただきます。現在、50カ所以上ある市内の公園を再編し、さまざまな人が憩うことができる公園の整備に取り組みます。 2 農と輝の大地のさらなる振興  岩手県第3のブランド米「白銀のひかり」は本市をメインに栽培が始まっているほか、マッシュルーム、九条ネギ、さらに羊の飼育を手掛ける農家も現れ、本市は1次産業への取り組みに、高い可能性を持つ市です。この1次産業をさらに活発化するため、農業所得の向上と後継者対策に取り組むとともに、観光産業との連携を強化します。  本年度は市産業まつりを開き、市の特産品を広くアピールしました。高品質な市の農産物を全国に向けて発信していくとともに、世界ブランドである安代りんどうを、さらに広めていく取り組みに力を入れます。 3 市の経済発展と環境保全の取り組み  省エネ設備の導入や森林管理などの取り組みによって削減、吸収された温室効果ガスの量を「クレジット」として国が認証する制度「J-クレジット」を利用し、CO2の排出削減量を収入に結びつける取り組みをさらに拡大していきます。  また公共事業は、予算の確保が年々厳しくなる中で、民間投資を促す取り組みを進めていかなければならないと感じています。公民連携事業に取り組むとともに、民間投資を呼び込む環境を整備します。 4 教育環境の整備と促進  小中学校の統合を迅速に進めるとともに、県立平舘高校の生徒を確保するため、市内、近隣市町からの入学を促す取り組みや、県外の生徒を受け入れる地域みらい留学に取り組みます。そのためにIT人材の育成公営塾や寮の整備を行いたいと考えています。  また、学校給食については、各家庭からご飯を持参することとしている現状を見直し、完全給食にする方向で進めていきます。 5 移住、定住対策の強化  岩手県の経済は南北格差が広がる一方だと感じています。働く場の確保は〝待ったなし〟ですが、一方で工業団地を作っても企業を誘致できる保証はありません。そこで、株式会社はちまんたいジオパワーの地熱電力を活用した新たな産業団地の造成に取り組みます。地熱発電の電気が活用できることを地域の強みとして、企業誘致を進めていきます。  また、住宅団地を大更駅東側に造成し、若者を中心とした定住を促します。 6 県境を越えた自治体連携の推進  本市の市域は広く、市民の生活圏も盛岡市、二戸市のほか秋田県鹿角市に広がっています。  市民生活の向上のためには、県境を越えた自治体との連携が必要だと考えています。特に、鹿角市とは火葬場も含めた公共施設の相互利用や、コミュニティバスなどの相互乗り入れなどにより、田山地区を中心に市民の利便性の向上を図ることが可能だと考えています。  この6つのテーマは、検討の上、現在策定中の第3次市総合計画前期基本計画や新年度予算などに盛り込み、市の施策事業として順次進めてまいります。  市勢発展、市民福祉の向上は職員が一丸となって同じ方向を見て取り組んでいかなければ達成できず、本市に対する思いと、職員としての当事者意識を持って一緒に市政を進めていくよう、職員に訓示し、理解を求めたところです。  引き続き、八幡平市のさらなる発展に向けて全身全霊で取り組んでまいりますので、議員の皆さま、市民の皆さまのご理解、ご協力を心よりお願い申し上げ、2期目の市長就任にあたってのあいさつとさせていただきます。