24ページ   輝(キラリ)人 第146回 フォレストアイで開催する石川啄木の企画展に合わせ、コラボメニューを提供する「森のイタリアン ラ ミア マンマ」 高橋典恵(のりえ) さん (70歳) 刈谷   昭和29年生まれ、長野県出身。長野県で老舗の建築業を営む夫とともに、自身も技術者として働き、長野県内の女性で初めて一級土木施工管理技士の資格を取得。自身の性格を「せっかち、のんびりしていられない」と自己分析。本市移住後は「お店の仕入れや生活の面で、さまざまな人との縁のおかげで助けられることも多い。岩手はいいところよ」と笑顔を見せる。 美味しかった、楽しかったと思えるひとときを  「企画展をきっかけに、お店に来てもらえると、やっぱり嬉しいですね」と微笑むのは、6年前からロイヤルシティ八幡平でイタリア料理店「森のイタリアン ラ ミア マンマ」を営む高橋典恵さん。県民の森 森林ふれあい学習館フォレストアイで開催している石川啄木の企画展(11月3日まで開催)に合わせ、3年続けてコラボメニューを提供。八幡平エリアへの誘客につなげている。  本市移住前は、家事を切り盛りしながら、夫が長野県内で営む建設会社で、自身も技術者として家業を盛り立てていた高橋さん。働きながらも「学生時代にアルバイトした飲食業を、いつかやりたい」という思いが「頭にずっとあった」という。  夫が病気で他界すると「頑張る気持ちが、もう、本当に切れちゃって」家業など全てを息子に引き継いだ。  本市との縁は、新しい生活を始めるため、探していたフルタイムで雇用してくれる職場を知人に紹介されたのがきっかけ。市内で仕事を続けながらも「どうしてもやりたい」と飲食業への思いを持ち続けていた高橋さん。働きながら調理師の資格を取得。売りに出ていた物件を購入、改装し、令和元年10月に、若い頃から抱き続けた夢を叶えた。  イタリア料理店にしようと決めたのは、ビジネスパートナーであり、現在は同店で、マスターとしてコーヒーを提供を担当する宮島幹雄さんのアドバイス。紅葉が始まると、森に佇む小さなログハウスの店の外は秋色に映え、四季の移ろいが店の雰囲気を一層引き立てる。訪れる外国人からは「キュート」と声を掛けられ、イタリア料理店にして良かったと感じている。  コラボメニューは「啄木ソムリエ」として活動する山本玲子さん(温泉郷在住)から打診され、3年前の啄木の企画展開催の際に提供したのがきっかけ。  具材をピザ生地で包んで焼くイタリア料理「カルツォーネ」(包み焼き)を高橋さんが提案すると、山本さんは具材に、啄木が好きだったじゃがいもとコーンとキノコ、鮭を選び「包み焼き」と「舌づつみ」の語呂から「啄木舌づつみ」と名付けた。  「美味しかった、楽しかったと思ってもらえるよう」お客様を迎えているという高橋さん。  企画展とコラボする店舗は増え、昨年からは3店舗になった。「もっとコラボする仲間が増えて『ここにも行ってみよう』と輪が広がればいいですね」と思いを込める。 編集後記  スペースの都合上、紹介できないのが残念ですが、ラ ミア マンマさんの取材では、長野県の雇用のこと、勉強で訪れたイタリアでのお話、日本と現地でのジェノベーゼの違い、平舘高校さんとのコラボのことなど、たくさんお話を聞かせていただきました。貴重な時間を頂戴し大変ありがとうございました。(智)  20周年記念式典を取材。これまでの市の歩みを振り返りつつ、来場された皆さんや児童、生徒の皆さんの力も借り、 次の節目に向け、明るい気持ちで出発できる式典になりました。  また、来市された澤田知可子さんにインタビューさせていただきました。来月号で紹介します。(千)