24ページ   輝(キラリ)人 第145回 横間の伝統をつなぎたい。その一心で 横間虫追い祭り(市指定無形民俗文化財)保存会会長 畠山修悦(しゅうえつ)さん 75歳(曲田横間)  昭和24年生まれ。勤め先を退職した現在は、リンドウ、水稲栽培を「自分の楽しみで」行っている。  今年は息子に譲ったが、長年、行列の先頭に立ち「五穀豊穣、稲虫はらえ、豊作祭りやー」と掛け声を切り出す役を務めてきた。「青空の下で、大きな声を出して歩くのは気分が良いもんだよ」と笑顔を見せる。    「今年も祭りを無事に開催できてよかった」と笑顔を見せるのは、7月20日に行われた市指定無形民俗文化財「横間虫追い祭り」の保存会会長を昨年から務めている畠山修悦さん。「祭りで使う人形の制作を専門でやってきた自分は、会長をやるタイプでねぇんだけど。地区の伝統行事を守るために、頑張らねぇと、と思って」と語る。  安代町史によれば、祭りは、天明3(1783)年の飢饉の際に山伏が現れ「五穀豊穣」と「悪病退散虫追い」をしたのが始まりとされ、悪い虫をはらう鬼を模した男人形、女人形を掲げた行列を作り、かねや太鼓を鳴らしながら「五穀豊穣、稲虫はらえ、豊作祭りやー」と集落を練り歩く、祈りの行事です。  この地で生まれ育ったが、祭りのことを知ったのは「働き始めてからだなぁ」という畠山さん。「昔は大人だけでやってたんじゃねぇがな。小さいころは行列に参加した記憶がねぇもん」という。また、祭りに関わり始めたのは「当時、大工として働いていたせいか、先輩に教えられながら、人形制作に携わったのがきっかけ」とも。今は、人形制作に使う稲わらは、自分の田んぼで収穫したものを使い、着せるタスキは、マンダの木の皮を用い、自ら制作している。  これまでを振り返り「祭りには、40年ぐらいしか携わってねぇけど、頑張って取り組んできたなぁ」と感慨深げ。祭りを若い人に伝えようと、教えながら準備に当たるが「さっさと準備するので、見ていて気持ちが良い」と感心する。   人が減り、行列をなす人数は少なくなった。祭りの維持は大変だが「市外に働きに出ていった人が、祭りに合わせ、子ども連れで帰って来てくれるのが嬉しい」と目を細める。  コロナ禍で休んだが、去年、今年と、お客さんを招いて開催し、祭りは取り戻した。来年は「もっと良い祭りに」と考えている。「人がいなくて大変だけど、まあ、頑張んのよ」と力を込める。 編集後記  市制施行20周年の節目に合わせ、広報の表紙をリニューアルしました。表紙を見て、まずは手に取ってもらい、さまざまな情報を知ってもらうとともに、より多くの人にもっと本市を好きになってもらえるような広報づくりに取り組みたいと思います。 (智)  白坂観音例大祭を取材。昨年はスケジュールの関係で見られなかった山車巡行を、撮影のベストポジションを教えてもらいながら、ようやくカメラに収めることができました。間近で見た山車の迫力に圧倒されつつ撮影した巡行の様子は、市公式インスタグラムでも紹介しています。 (千) 8月15日の「二十歳のつどい」の様子は10月号でお伝えします。