18ページ 博物館だより 博物館 電話63-1122 漆文化を伝える小山田家塗室(ぬりむろ)と道具  令和2年度に日本遺産に認定された「奥南部漆物語 安比川流域に受け継がれる伝統技術」を構成する文化財のひとつに「小山田家塗室(ぬりむろ)」があります。  塗室とは、塗師(ぬし)が椀などの木地に漆を塗る作業小屋です。かつて、数多くの塗師が住んでいた安代地区浅沢周辺の安比川中流域に点在していましたが、漆器生産の衰退に伴い廃業する塗師が増え、使われなくなった塗室は解体されていきました。  小山田家の塗室は、岩屋地内に残されていた市内唯一の塗室で、明治期から昭和22年ころまで使われていたものです。塗室として使用されなくなり、道具を含めて当時のままの状態で残されていましたが、地域の伝統的な漆器生産技術を伝える貴重な文化財であることから、後世に残そうと、3年度に浅沢地域振興協議会と地域の子どもたちの手で市博物館の敷地内に移築復元されました。 一連の作業が分かる貴重な資料  塗室は、内部を漆の乾燥に適した温湿度に保つために土壁となっており、天井は床面から150センチと低く、入り口は小さく作られています。入り口付近に石製の炉が設けられ、炭火で温湿度を調節していたようです。  塗室に残された道具などは、一人の塗師が使用したもので、一連の作業工程が分かる貴重な資料です。  資料は整理中ですが、塗室は見学ができます。この夏、漆文化にふれてみませんか。 図書館だより 図書館 電話 75-1700 松尾コミュニティセンター図書室 電話 76-3235 荒屋コミュニティセンター図書室 電話 72-2505 休館のお知らせ  8年4月に開館を予定している新図書館の移転・開館準備のため、現図書館での資料の貸し出しは8月31日(日曜日)をもって休止となり、9月は資料の返却、館内での資料閲覧のみとなります。なお、10月以降の図書サービスについては改めてお知らせします。  ご不便をお掛けしますが、ご理解いただきますようお願いします。  松尾コミセン図書室、荒屋コミセン図書室も同様のスケジュールです。 心躍る一冊との出会いまで、あと少し。  8テラス(市交流複合施設)に移転、開館する新図書館は、さまざまな形で子どもが読書に親しめるように、壁面本棚や円をイメージした書架を配置し、多くの知的要望に応えられるよう、蔵書数を現在の5万5千冊から9万冊へ順次増やしていきます。  未就学児専用の読み聞かせコーナーのほか自習席も拡大し、子どもから高齢者まで、誰もが本に親しめる図書館を目指し、準備を進めています。