24ページ キラリ輝人 第144回 岩手日報社八幡平支局 支局長(6代目) 工藤光(くどうあきら)さん 39歳  昭和61年生まれ。盛岡市出身。平成21年に岩手日報社に入社。これまで紙面編集などを行う整理部(現在のニュースセンター)、宮古支局などに勤務。4月から同社八幡平支局の支局長に就任。今はスマホで睡眠を計測するゲームアプリにハマっている。モットーは「一期一会」。相撲道場への取材をきっかけに、市出身力士にエールを送る。 隠れた話題や地域の主役にスポットライトを  取材相手の思いやエピソードのほか、表情や動作、風景など視覚的な情報も言葉に代え、読後の納得感を感じさせる記事で、市内の人や出来事を分かりやすく紹介するのは、この春、岩手日報社の八幡平支局長に就任した工藤光さん。「迷ったらワクワクする方を選べとよく言われますが、私もそういうタイプです。着任してから、新鮮な気持ちで取材に臨んでいます」と笑みを浮かべる。   同社就職後、これまで記者経歴の半分以上を宮古など沿岸の支局で勤務した工藤さん。東日本大震災に関係する取材や台風災害の取材機会も多かったと振り返る。「心情を思うと、声のかけづらさを感じたが、皆さん、とても丁寧に答えてくれた」と感謝するとともに「取材に答えてもらうのは、当たり前のことではない」と痛感。「自分自身も真剣に向き合うことを、今も取材の基本にしています」と言葉をつなげる。  取材の際には事前に調べ「こういうことかな」と準備して臨むが、話を伺うと「予想とは違う答えが返ってくることも多い」という。「実際に話を聞くことで得られる知識や驚きは、記者という職業特有の醍醐味」と感じている。「聞くは一時の恥 という言葉は、常に念頭に置いて取材しています」とも。  3月までは本社で新聞の紙面編集などに携わっていた工藤さん。本市に赴任後は「読者との距離の近さをとても感じるので楽しいですね」と4年ぶりの記者生活に充実した表情を浮かべる。  令和元年の台風19号で大きな被害を受けた宮古市や岩泉町の取材では「これまでの生活が一瞬で変わってしまうことを目の当たりにし、普段の行事や、繰り返し行われる物事がとても大切で、日常の尊さに気づかされた」という。  「これまであまり取り上げられなかった事や、光が当たってこなかった事柄も取材していきたい」と思いを抱く。 編集後記  簡単な説明と写真で紹介した田植え踊り、鼓笛隊、八幡平太鼓(2ページ参照)は、それぞれの学校が地域とともに歩んできた証です。学校のカタチがどのようになっても、過去の記憶ではなく、現在まで引き継がれる、各世代を貫く共通体験として未来に渡していきたいですね。(智)  叙勲や表彰を受けた皆さんを取材(4から5ページ参照)。これまでのこと、これからのことなどたくさんお話を伺いました。自身が経験することは無いだろうエピソードを聞くことができるのは、広報担当の得な部分だなと思います。貴重な時間をいただき、ありがとうございました。(千)