28ページ キラリ輝人 第141回 市観光協会と連携し、犬ぞり体験イベントを開催 齋藤顕人(あきと)さん55歳、宏恵(ひろえ)さん55歳 上野駄  令和3年5月に茨城県から本市に移住。犬8頭と夫妻2人暮らし。「水抜き」を知らず、移住して初めて迎えた正月に、水道が凍結し困り果てたことも。休日は犬2頭ずつ4キロの散歩をこなしているため体力、持久力には自信がある。尊敬する人は「犬との向き合い方やトレーニング方法などを教えてくれた先輩マッシャー」。 日常の体験で、交流が生まれる場になるように   「笑顔で参加者が、そりに乗っている姿を見て、とてもうれしかった」とほほ笑むのは、市さくら公園周辺を会場に犬ぞり体験イベントを開いた齋藤顕人さんと妻の宏恵さん。市観光協会と連携し1月から3月まで計7日間開催したイベントは、多くの愛犬家でにぎわった。  もともと茨城県に住んでいた齋藤さん夫妻が犬ぞりを始めたのは平成22年ごろ。「娘が犬を飼いたい」と言いだしハスキー犬を迎えた。試しに、隣県で開かれていた犬ぞり大会に参加してみると「犬と一体になって走っている感じが好きになって」と当時を振り返る。  各地の犬ぞり大会を追いかけるようになったが、コース途中で犬が走らなくなるなど、調整が上手くいかず悩んだ時期もあったという。「人間の基準で考えるのではなく、犬がやりたいか、やりたくないかで考えると良い」と先輩マッシャーにアドバイスを受け、犬との向き合い方を見直すと「面白いくらい走ってくれるようになった」と夫妻でうなず  大会参加のため、毎年本市にも足を運ぶ中、人とのつながりや関東の積雪量の減少、犬に適した環境が決め手となり令和3年に移住した齋藤さん夫妻。「移住したばかりのころは環境の変化に辛くなったこともあった」という宏恵さんだが「犬ぞりでつながった人や近所の人に支えられた」と話す。  「やらないで後悔よりやって後悔」がモットーの顕人さん。これまで市内で開かれていた犬ぞりレースが、今年は開かれないこととなり、自分たちでの開催を模索。「犬ぞりの町プロジェクト」を立ち上げると、市観光協会との共催で「初心者、未経験者も体験できるような形で」のイベント開催にこぎつけた。「手探り状態でやっているが、協力してくれる人がたくさんいるので心強い」と支援に感謝する。  「犬ぞりは人と犬が信頼し合う、パートナーになれるスポーツ。もっとアピールして、気軽に楽しめるようにしていきたい」とイベントの継続を誓う。 編集後記  大更小の卒業式を取材。ピンと背中を伸ばすと、受け取った証書を照れながらも親御さんに誇らしげに見せる卒業生の姿に、自分の娘の姿を重ね合わせて想像し、グッと来ると同時に、鼻の奥がつぅーんとなりました。新生活に慣れ、元気な3年間を送ることができるよう願っています。(智)  キラリの齋藤さん夫妻を取材。2、3回ほど犬ぞり体験イベントに足を運びましたが、毎回快く受け入れていただきました。会場は、ワンコ愛と、もふもふに溢れていて、犬派の私はとても楽しみながら取材をさせてもらいました。ありがとうございました。(千)