24ページ キラリ輝人 Vol.136 雪や気象変化も学びながら、八幡平を楽しんでほしい 旧八幡平スキー場跡地を活用しバックカントリーエリア整備に取り組む 大黒森管理組合の代表理事に就任 工藤嘉充(くどうよしみつ)さん 47歳(間羽松) 昭和52年生まれ。農業を営む。主食用水稲12ヘクタール、飼料用米6ヘクタールの管理、刈取りなどの作業受託のほか牧草採草に携わる。20代の頃、スキーのモーグル種目で、全日本選手権に7回連続出場。自己最高位は、2004年の17位。楽しみは、仲間とのバーベキュー。好きな言葉は「温故知新」  「八幡平の雪質の良さは、全国でも有数だと思います」と太鼓判を押すのは、前任の鈴木央司さんからバトンを受け、9月に大黒森管理協同組合の代表理事に就任した工藤嘉充さん。  旧八幡平スキー場(平成19年閉鎖)の跡地を、バックカントリー(未圧雪の雪上をスキーやスノーボードなどで滑る)を楽しめる場として維持管理するため、令和元年に地元ガイドと9人で同組合を結成。創設時から鈴木さんらとともに活動してきた。  20代の頃、全日本選手権に出場するほどスキーにのめり込んだ工藤さん。海外も含めさまざまな山を滑る中で、身近にあった旧八幡平スキー場の閉鎖を目の当たりにする。  ふかふかな雪質で、バックカントリー愛好家の穴場エリアになっていたゲレンデ跡地。組合を立ち上げたのは、手入れがなされなくなり、木が繁茂し始めた状況に「せっかくの雪を楽しめなくなると危機感を感じた」からだ。  組合では、入山者を雪上走行車で輸送するキャット事業も実施。手軽さや珍しさから、今では人気事業になっている。  キャット運行が注目されがちだが、このエリアがどうあるべきか、何度も協議を重ねてきた。利用者の安全を第一に考え、刈払いや雪崩事故防止講習を行うほか、定点観測する積雪データも公開。工藤さんは「雪や気象の変化は目まぐるしいことを知ってほしい」と語る。  今年は、市を通じ積雪データを防災科学技術研究所(防災に関する科学研究を行う国立研究開発法人)に提供。雪崩対策に役立てようとする取り組みも進めている。工藤さんは「笑顔で八幡平を訪れた人が、もっと笑顔になって帰ってほしい」と、まもなく訪れる冬に向け、新たな気持ちで準備を進める。 編集後記  冬を迎える機会を捉えて、という思いで、大黒森管理組合の工藤さんを取材。農作業の繁忙期でしたが、快く取材に応じていただきました。本市の雪や雪原は、これを目当てに、多くの人が訪れる貴重な資源ですが、環境整備には多くの関係者の支えがあると感じました。(智)  今回で2回目の開催となったはちマルシェを取材。あいにくの雨でしたが、さまざまな人がイベントを楽しんでいる様子を見ることができました。スタンプラリー企画もあり、楽しみながらイベント会場を巡りました。来年開催する際は天気が良いことを願うばかりです。(千)