24ページ キラリ輝人 Vol.134 変化する木目の色合いや 木の優しさを感じてほしい 丸太の輪切り時計職人「たくみ工芸」代表 工藤博二(ひろじ)さん 73歳(駅前二区)  昭和26年生まれ。妻、孫との3人暮らし。趣味は川釣りとドライブ。店に並ぶ珍しい魚を見つけるのを楽しみに、休日は、県内や隣県の沿岸方面へ妻と出掛ける。「相手の立場を考えて、対応するようにしています。少し気を使いすぎかも」と笑顔で自己分析。  「製品に感心して、手に取ってくれるお客さんの姿にやりがいを感じる」と笑みを浮かべるのは、木目を生かした製品作りに取り組んで15年ほどになる工藤博二さん。輪切りにした丸太に時計を組み込んだ商品は、父の代からの人気商品だ。  作業小屋には他にも、エンジュ(槐)やキハダ(黄肌)など、素材を生かした上品な器のほか、魚の頭を模した置物などユニークな作品も並ぶ。  もともと、木工製品の製造、販売は父が始めた事業の一つ。それまでは、別に父が興していた建築、建具製作の事業所で兄と働いていたが、今後のことを考え、木工製品作りは自分が引き継いだ。  「輪切り時計も含め木工製品は、年輪の形のほか、産地や育った標高により経年変化も異なり、同じものは2つと無い」とその魅力を語る工藤さん。  営業先で、思ったような評価が得られないときや商品が売れないときは「落ち込むこともある」というが、形や装飾を変え、飽きられないよう常に研究している。「こういう物も出来るんですね」と感心するお客さんの反応が嬉しいと話す。  輪切り時計は市内や盛岡市の商業施設のほか、父の代から山賊まつりでも販売している。「10年以上前に購入したお客さんからのメンテナンス依頼もあり、大切に使ってもらっていると感じる」とも。  依頼されて、工作教室を行うこともある工藤さん。参加した子どもたちの「自由な発想にはいつも驚かされる」という。「自分の価値観にとらわれず、新しい視点で製品を作っていきたい」と今後を見据える。 編集後記  スポーツ分野に光が当たりがちですが、1年以上前から掲載を考えていた吹奏楽部の皆さん(今回は松尾中)やキラリの工藤さんを本号で紹介することができました。今後も引き続き、芸術、手仕事、歴史、文化のほか各分野で頑張っている人を幅広く紹介していきます。(智)  「やってみたいね」と昨年の途中から係内で話題にしていたイベントの告知コーナー(21ページ参照)。本号でようやく掲載にこぎ着けました。秋の行楽シーズン前に本号が発行されるため丁度良かったと思います。まだまだたくさんイベントが予定されているので取材が楽しみです。(千)