24ページ キラリ輝人 Vol.133 人とのつながりが 次の縁に結びつく場所 を目指して こだわりの商品を作る地域の事業者と連携し『笑マルシェ』を開いた ㈱麹屋もとみや 代表取締役 本宮啓(けい)さん 42歳  昭和57年生まれ。2019年に、それまで14年間勤めた銀行を退社し、家業の㈱麹屋もとみやに入社。その後2022年5月に同社の代表取締役に就任し、昭和5年から続く麹屋もとみやの4代目となる。尊敬する人は、人を喜ばせることに喜びを感じていた祖母。好きな言葉は「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる」。  「良い交流が生まれる場所を作りたいと思ったのがきっかけです」と楽しげに語るのは、地域の事業者と連携し「笑マルシェ」を開いている㈱麹屋もとみや代表取締役の本宮啓さん。同社駐車場を会場に月1回開かれているマルシェは、多くの人でにぎわう。  前職は銀行員で、もともと家業の麹屋を継ぐ気は無かったという本宮さん。仕事柄、地域の人と関わる中で、実家の商売が地域に愛されていることを実感。自分の代で家業を無くして良いものか考えるようになった。  「やりたいならやってみたら」という妻の言葉に背中を押されると、銀行を退職し37歳のときに㈱麹屋もとみやへ入社。製造や販売を担いながら家業を学んでいた矢先に、突如、新型コロナウイルスが流行した。  打撃を受けた飲食部門を中心とした運営の見直しに乗り出した本宮さんが大切にしたのは、さまざまな人の意見を聞くこと。店舗の運営方法を模索する中、社内で挙がったリニューアル計画を期に家業を継承すると、ワークショップを重ね、テイクアウト制を採用し素材にこだわったメニューに一新。6カ月が経つころには、売り上げをコロナ禍前の水準まで戻すことに成功した。  個性的で魅力ある商品が並ぶ「笑マルシェ」は、人同士がつながるきっかけ作りにと始めた。根底には、人との関わりから気付きを得て会社を良くしてきたという思いがある。  「生産者や消費者のみならず、さまざまな人の交流を盛んにして、地域を盛り上げたい」と意欲を燃やす。 編集後記  数年前、子どもが突然泣き出してアタフタ。休日当番医のページをなかなか見つけられず焦ったことを思い出し、6月号から「もしもの時は」(12ページ)と、見出しを付けています。先日、思いがけず「見やすくなったね」と声を掛けられ、ひと工夫って大事だなと実感しました。(智)  大更小の子ども神輿を取材しました。当日はとても蒸し暑く、立っているだけでもバテてしまいそうな気温でしたが、楽しそうに神輿を担いでいる子どもたちの姿に元気をもらいました。おかげで、夏のイベントラッシュもなんとか乗り越えられそうです。(千)