6から7ページ 持続可能な地域公共交通ネットワークを目指し 新たな地域公共交通計画を策定 誰もが安心して往来できるように  市は、将来にわたって持続可能な地域公共交通ネットワークの再構築を目指し、市地域公共交通計画を策定しました。  本号では、新たに取りまとめた計画の概要をお知らせします。  市民生活の足を担う公共交通について、市はこれまで各種交通計画(「八幡平市地域公共交通計画(平成20年度)」「八幡平市地域公共交通実施計画(平成21年度」「八幡平市地域公共交通網形成計画(平成27年度)」)を策定し、バス路線の再編など利便性の向上に取り組んできました。しかし、公共交通を取り巻く環境は厳しさを増しており、利用者の減少や減便による利便性の低下などの問題は深刻となっています。 地域公共交通の課題  計画策定にあたり行ったヒアリングやアンケートの結果などから、市内の公共交通は次のような課題を抱えています。 鉄道 JR花輪線の利用者は年々減少を続けています。次のとおり、平均通過人員は花輪線の全区間で、大きく減少しています。  好摩から荒屋新町まで 収支-6億8千2百万円 収支率5.4パーセント 平均通貨人数一日1キロメートル当たり 1987年1,561人、2022年346人  荒屋新町から鹿角花輪まで 収支-4億9千2百万円 収支率0.9パーセント 平均通貨人数一日1キロメートル当たり 1987年915人、2022年55人  鹿角花輪から大館まで 収支-7億2千百万円 収支率4.7パーセント 平均通貨人数一日1キロメートル当たり 1987年1,646人、2022年448人 路線バス 2023年は次のとおりです。現在運行している5路線は、いずれも国の補助を受けて運行しています。しかし2路線について、国の補助要件(輸送量15人以上)を下回っています  平舘駅前線 輸送量16.8人  八幡平マウンテンホテル(田頭経由)線 輸送量22人  松川温泉線 輸送量15.9人  八幡平マウンテンホテル(平舘経由)線 輸送量12.2人  大更駅前線 輸送量13.5人 コミュニティバス 路線、系統数が多く、複雑な運行となっています。また、利用者数は減少しており、利用者が無い便も発生しています。 タクシー 乗務員が高齢化しつつあり、インバウンドの回復を見込んだ場合には乗務員不足が問題となるほか、繁忙、閑散(時間、シーズン)の差による安定雇用が課題となっています。 観光交通 市内の移動手段が不足しています。また、観光シーズンにはタクシー不足が発生しています。  市は、これらの課題に対応するため、令和6年3月に新たな地域公共交通計画を策定しました。計画では3つの基本目標の基、6年度から12年度までの7年間で取り組む項目を定めています。  計画の実施にあたっては、関係機関と連携し、交通環境の利便性向上を図っていきます。 地域公共交通計画の内容をピックアップ   計画に掲げた方針と3つの基本目標の実現に向けて取り組む、具体的な内容を抜粋してお知らせします。  計画は市ウェブサイトで確認できます。問い合わせ先 まちづくり推進課(電話 内線1453) 基本目標1 効率性と利便性を高め持続性のある地域交通をつくる 路線バス 現在の路線バス5路線を2路線(八幡平マウンテンホテル線と平舘駅前線)に再編し、輸送量を確保することで国や県の支援を受けながら将来的に安定した運行の維持を実現する コミュニティバス  (西根地区)移動ニーズに対応し、運行時刻を見直す。また、利用状況に応じてデマンド運行への移行も検討していく  (松尾地区)デマンド運行への移行を検討する また、運行範囲も見直し、交通空白地の解消を図る。再編によって運行外となる【平舘駅前―南寄木】の区間は、コミュニティバス(デマンド運行型)で対応する  (安代地区)受け付けと配車システムを導入し、デマンド運行の充実を図る  利便性の向上に合わせて運賃の見直しを検討し、運行効率を高める 鉄道、その他   通学定期券購入費補助金を継続する  サイクルトレインの実現とサイクリングロードとの連携を進める  利用状況やニーズに応じて、幹線バスの経路の見直しやバス停の増設、ダイヤ見直しに取り組む  福祉団体など多様な主体による買い物ツアーなどの活動を支援する 基本目標2 子どもからお年寄りまで安心して頼れる地域交通をつくる  終電、終バス後のIGR好摩駅からのバスなどの運行により、盛岡からの帰宅に使える交通手段を確保する  免許返納時に公共交通利用券を助成する制度を継続  (仮称)大更駅前顔づくり施設のほか、商業施設や医療施設と連携し、バス待ち環境を整備  公共交通の出前講座や体験乗車会を積極的に開催  ユニバーサルデザインなど乗り降りしやすい車両の導入を進める 基本目標3 訪れやすく、にぎわいを創出する地域交通をつくる  広域観光に対応したハイヤー車両の確保などを支援  安比高原周辺や松川温泉周辺などの交通不便地域における来訪者の移動手段の充実 各種の支援を行っています  市は交通や移動に関して、次の支援を行っています。詳しくは問い合わせてください。 通学定期券購入費補助金 問い合わせ先 教育総務課教育総務係(電話 内線1363)  公共の交通機関を利用して高等学校などへ通学する生徒などに対して、通学定期券購入金額の10パーセントを補助しています。 運転免許自主返納者への支援 問い合わせ先 防災安全課地域安全係(電話 内線1265)  運転免許を自主返納した75歳以上の市民を対象に市コミュニティバス回数券またはタクシー券のいずれかを交付しています(1人につき1回限り)。 福祉的移送サービス「福祉タクシー助成券」 問い合わせ先 地域福祉課障がい福祉係(電話 内線1111)   重度の障がいがある在宅者で、自動車税などの減免を受けていない人に対して、タクシー料金の一部を助成しています(1枚600円のタクシー券を最大24枚交付)。 なお、障がい者手帳所持者のうち、一定の要件を満たす人の鉄道や路線バス、コミュニティバス、高速道路の利用料金はいずれも5割引きになります。