24ページ キラリ輝人 Vol.132 周囲への感謝を胸に、感じた思いを濃淡で表現 県内の美しい自然を水墨画で紹介する企画展を開いた 松浦 美矢子(まつうら みやこ)さん 74歳 (温泉郷) 昭和25年生まれ。青森県出身。20歳で来県し、5年前に八幡平市に移住。水墨画のほか、公益財団法人岡田茂吉美術文化財団・MOA美術文化インストラクターとして花による環境美化活動にも取り組む。尊敬する人は、創作の手ほどきを受けた岸本カヨ子先生(元岩手県水墨画協会副会長)。モットーは「人に優しく」。  「このように展示していただき、とても感謝しています」とにこやかに語るのは県民の森フォレストアイで「水簿画で楽しむ岩手の自然」を開催した松浦美矢子さん。描きためていた水墨画の中から、上坊の一本桜や夕暮れのススキなど主に自然の情景を、筆づかいや墨の濃淡で柔らかに描いた16点を展示し、来場者を魅了した。  水墨画を始めたのは、子どもたちが巣立ったこともあり、当時住んでいた滝沢市が開いていた講座に申し込んだのがきっかけ。先生が描く竹、松、梅を手本に、基本技術を学ぶと、叔父が温泉郷に持っていた別荘を拠点に、時間を見つけては八幡平市内の自然を数えきれないほど描いた。「丁寧に描かれているものもあるし、ガサツなものもある」と指導を受けた当時の評価を思い出し、笑みを浮かべる。  「これ、と思った題材を描いているときは、無心になっています」という松浦さん。乾燥させながら進めなければならないこともあり、作品を完成させるのに1カ月はかかるという。筆を休めた時期もあったが「子どもたちや、水墨画の先生などみなさんに励まされながらここまできました」と周囲の支えに感謝しきれない。  「岩手はどこも綺麗」という思いで描いてきた自分の作品は「優しい」と評されることが多いという。花や鳥にも関心はあるが、次は平和への願いを描きたいと考えている。根底にあるのは「人と人とのつながり」の大事さ。支えられて歩んだこれまでを振り返りなら、次の創作に思いを巡らせる。 編集後記  1年前の地区中総体。決勝を制した西根中男子バスケ部員が試合終了後にあいさつすると、惜しくも破れた相手側保護者席から「県大会でも頑張れよ!」のエール。熱い試合内容に加え、相手に敬意を払う様子にも心を動かされました。今年の地区中総体は8月号で紹介します。(智)  博物館で今月15日まで開かれている「おかえりなさい、神さま。」展の取材で、私が声を掛けた来館者の半分が県外(遠くは大阪)から訪れた人で驚きました。有名となった兄川山の神像は安定のかわいさですが、蒼前神騎馬像の馬の前髪パッツン具合も推しポイントです。(千)