4から5ページ 守り、伝えてきた神像に脚光 トピック展「おかえりなさい、神さま。」を開催  東京ステーションギャラリーなどで開かれた巡回展「みちのく いとしい仏たち」で展示され、話題になった神像が市に戻り、トピック展として市博物館で展示しています。  神像を見ようと市内外から多くの人が訪れたトピック展の様子を紹介します。 問い合わせ先 文化スポーツ課(電話 内線1141) かえってきた神様たち。 一躍有名になった神像  市博物館では6月1日から7月15日まで(好評のため6月30日までの展示期間を延長)、トピック展「おかえりなさい、神さま。」を開いています。  トピック展は、昨年度、巡回展に出展していた「兄川山の神像」、「山犬像」、「蒼前神騎馬像」が本市に戻った機会を捉えて企画したもので、館内で常設展示中の「佐比内山の神像(複製)」と併せて4体を展示しています。  北東北の「民間仏」(仏師でない人が造った仏像・神像)にスポットを当て、その魅力を紹介した巡回展「みちのく いとしい仏たち」で展示された神像3体は、そのかわいらし気な姿が、当時大きな話題になりました。  6月21日に来館した平笠小3、4年生9人は、学芸員の説明を受けながら見学。「かわいい」と、感じた思いを口にする児童や「変わったかたち」と、不思議そうなまなざしを向ける児童の姿が見られました。また同日は、京都での巡回展で感銘を受け「もう一度」と県外から訪れた人の姿も見られ、個性的で、かわいらしげな神像に、訪れた人は頬を緩ませていました。 次の時代につなぐ  これまで地域に身近に存在し、数百年にわたり大切に受け継がれてきた神像が、今回の巡回展をきっかけに注目され、その価値の大きさを再認識することになりました。  神像はトピック展が終わった後、それぞれの神社で保管される予定です。 今回展示した文化財以外にも、市内には有形・無形のさまざまな文化財が存在し、それらは地域で大事に受け継がれてきました。市は管理をする人の思いを共有しながら、貴重な文化財を今後も引き継いでいくため、必要な支援をしていきます。 兄川山の神像 兄川山神社  山仕事が盛んな兄川地区の人々に、山の神と呼ばれ親しまれています。江戸時代に造られたと考えられており、安代地区で最も古いものといわれています。 蒼前神騎馬像 松木田駒形神社  端正な顔立ちの蒼前神とぱっちりとした目がかわいらしい馬の神像です。馬の産地であった東北地方では、馬の健康や安全を願って馬の守り神とされる蒼前神を祭っていました。 山犬像 松木田八幡宮  「山犬」はオオカミのことを指し、火難よけや山仕事の安全などを願って祭られていました。昔は村の子どもたちが乗って遊んでいたなどのエピソードがあり、地域の人にとって身近な神さまであることが分かります。 おはなし 兄川山の神像を管理している 関善次郎(ぜんじろう)さん  招待していただき、東京ステーションギャラリーで開催された「みちのく いとしい仏たち」展を見てきました。会場にはたくさんの人が来場しており、想像より反響が大きくとても驚きました。  山の神像は林業を生業とする人が多いこの地域をずっと見守ってきてくれた存在で、地域ぐるみで大切にしてきた神さまです。 父の代から管理を任されているこの像を、今まで通り大切に次の世代に受け継いでいきたいと思います。 インタビュー 茨城県から訪れた 橋場 公亮(こうすけ)さん  展示を見ての第一印象は、神さまという感じがあまりしないことです。  「山犬像」は、近所の子どもたちが乗って遊べるくらい身近にあったというエピソードを聞き、地域で親しまれ、大切にされてきたと感じました。 二戸市から訪れた 田ノ上 彰(あきら)さん、かおりさん、瑛人(えいと)さん一家  漆のスタンプラリーの一環で、近隣を回っていて、博物館にも来館しました。  想像より小さくて、顔と手の大きさのアンバランスさがかわいい「兄川山の神像」が一番のお気に入りです。良いことがありそうな、ありがたい表情だと思いました。