4から5ページ 高付加価値なインバウンド観光地づくりマスタープランを策定  当市を含む八幡平エリアが、令和5年3月に「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり事業のモデル観光地」として観光庁から選定れました。  このことを受け、当市を含む観光協会など地域の団体で構成する市観光協議会は、訪日外国人の誘客に向けた取り組みを示したマスタープランを策定したのでお知らせします。  問い合わせ先 商工観光課(電話 内線1316) 重点支援地域に指定  観光庁は、令和4年5月に、訪日旅行者の観光消費額拡大を目的として「地方における高付加価値なインバウンド観光地域づくりに向けたアクションプラン」を策定しました。昨年3月には、このアクションプランに基づき、集中的な支援を実施するモデル観光地として、公募により「八幡平エリア」を含む全国11の地域を選定しました。  当市を含む観光協会など地域の団体で構成する観光協議会は、高付加価値旅行者(訪日旅行一回あたりの総消費額が一人100万円以上の旅行者)を誘致するための「高付加価値なインバウンド観光地づくりマスタープラン」を令和6年3月に策定しています。  マスタープランでは、訪日外国人の消費や行動の傾向分析に加え、エリア内の現状や、潜在的な観光資源となり得る要素を明確化し、グループごとにゾーン分けを行いました。 八幡平エリアの現状  2023年3月時点で、日本に訪れた外国人観光客が宿泊したエリアは、東京都40.2パーセント、京都府10.9パーセント、大阪府14.2パーセント、北海道5.9パーセント、東北0.9パーセント、その他27.9パーセントとなっています。中でも八幡平エリアを含む東北エリアは全体の0.9パーセントにとどまり、海外での注目度や認知度が低いことが伺われます。  次に、モデル地区に選定された主な地域と比べると、八幡平エリアへの訪問者数は7番目で約8万7千人。訪問者数が1番多い「せとうちエリア」の165万人と比較すると約19倍近くの差がありました。訪問率で見ると、全国の観光地の中で八幡平エリアは0.4パーセントにとどまります。  また、八幡平エリアにおける外国人旅行者一人当たりの買物代は7千円となっており、モデル地域で消費単価が一番高い鹿児島、阿蘇、雲仙エリアとは4,600円の差があります。  八幡平エリアに対する外国人観光客の認知度の低さが顕著で、消費機会の少なさにつながっていると考えられます。 訪日客にとっての魅力  現在、旅行で日本を訪れる外国人は、メジャーではない旅行先で「その地域の日常」、すなわち外国人にとっての「非日常」の体験を求める傾向にあります。  当市には、郷土料理、漆器などの伝統工芸、寺社、伝統行事、自然環境など、昔からの風景や文化が今も残っており、これらがそのまま、訪日外国人を呼び込む観光資源となります。  私たちにとっての日常を、体験として訪日外国人に提供できるように、ブランド力を高め、体験環境を整えていく必要があります。 誘致対象の主な国  マスタープランでは、高付加価値な体験型観光への関心と消費意欲が高い国として、このエリアに訪れる外国人観光客の主な国である7か国(台湾、中国、香港、タイ、アメリカ、韓国、オーストラリア)を誘致戦略のターゲットに定めました。さらに、上記7か国との共通点が多いアジア圏の国も加えて、継続的なアプローチ方法などを検討します。 分類ごとの目標  マスタープランでは、高付加価値旅行者を誘客しようとする場合に必要となる取り組みを、ウリ(高付加価値旅行者のニーズを満たす滞在価値)、コネ(海外高付加価値層とのネットワーク、情報発信)、ヤド(宿泊施設)、ヒト(地方への送客、ガイド)、アシ(交通)の5つの観点から、次のとおり取りまとめました。  今後、これらを基にターゲット層の誘致に取り組みます。 ウリ ・地域資源の収益事業化を目指し、コンテンツ開発および観光人材育成を最優先課題と位置付けた取り組みを推進する ・際立つ特別感の情勢とストーリーの設定により独自性を創出し「八幡平エリア」を選ぶべき理由を明確にする ・長期滞在型を想定し、滞在中のオプションとなるコンテンツを季節ごとに設定する コネ  ターゲット国の既存会員組織ファンクラブへの直接アプローチにより、効率的かつ効果的な「八幡平エリア、北東北エリア」のファンづくりを行う ヤド  八幡平を含む北東北エリア内における宿(部屋)の不足数とクオリティの現状調査を実施し、将来的な回遊性を高めるよう宿の適切な配置を誘導する ヒト  地域住民にこだわらず、国内外から広く人材を受け入れ、公的機関の設定資格者(ガイドなど)を広く活用していく仕組みづくりを推進する アシ  観光事業者による地域の公共的な運送を確保するため、自家用有償旅客運送制度の活用や自動運転車両の導入などに取り組む交通特区を提案する  これらの取り組みを行い、多くの訪日外国人に当市を含む八幡平エリアの自然、文化、歴史を伝え、海外の富裕層が訪れたいエリアとしての認知度を向上させることで地場産品の購買につなげ、観光産業の持続化を図ります。