5ページ 江戸時代から続く 正月の伝統行事 裸参り 祈りを込めて一歩一歩   正月の伝統行事である裸参りが、市内2つの地区で行われました。  本号ではそれぞれの行事の様子を紹介します。 平笠裸参り(市指定無形民俗文化財)は1月8日に行われ、平笠小の児童10人を含む33人が白装束に身を包み、宮田神社から八坂神社までの約8キロを練り歩きました。  噴火した岩手山の安穏を祈願したのが始まりとされる平笠裸参りは、無病息災、家内安全などを願う江戸時代からの伝統行事です。戦時中には出兵した夫や息子に代わって女性が参加するようになり、現在も女性の荒行として続いています。  初めて参加したという金子千保(ちほ)さん(米国在住)は「能登半島地震をニュースで知り、自分には祈る事しかできないと思い参加を決めました。平笠裸参りは、子どもと大人が入り混じって何百年も続いている素晴らしい伝統行事だと思います」と感心した様子でした。 寒中に難行苦行することで無病息災や五穀豊穣、地域の安寧などを祈る寄木裸参りは1月16日、松尾寄木の天照皇大神宮で行われました。  寄木裸参りは、岩手山の噴火を恐れた住民によって、山の神を鎮める祈願として1700年代に始まったと伝えられる伝統行事です。  出発地点を南寄木、北寄木、新田の各集落持ち回りで行っている寄木裸参り。本年は北寄木分館で、白装束に身を包んだ33人の参加者は、出発式の神事ではらい清めてもらった供え物と「ハサミ」と呼ばれる白紙を挟んだ板状の竿を持ち、天照皇大神宮までの約1キロの雪道を練り歩きました。  氏子会会長の高橋初(はじめ)さんは「例年より小学生の参加者が多く、にぎやかでうれしい。病気や災害など無く、無事に秋を迎えられれば良い」と新年に期待を寄せました。2歳から参加している吉田琉生(るい)君(寄木小6年)は「寒かったけど楽しかった。今年は中学生になるので、勉強を頑張りたい」と笑顔を見せました。