2、3ページ あなたとともに歩む医療 市立病院 問い合わせ先(電話76-3111)  緩和ケアチームが自分らしい生活を送れるようサポートします  医療に関わるすべての職種がそれぞれの専門性を生かし、連携して治療にあたる市立病院のチーム医療の取り組みについて紹介します。 緩和ケアとは  身体や心にさまざまな痛みやつらさがあると、毎日の暮らしに支障を来たし、気持ちも暗くなります。痛みやつらさを和らげることは、生活していく上でも、治療を続けていく上でも大切な要素です。  がんや心不全などに伴う身体と心の痛みやつらさを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方が「緩和ケア」です。緩和ケアは、病気であると診断された時から必要に応じて行い、患者やその家族が「自分らしく」過ごせるように支えることを目指します。 地域医療の中核を担う  これまで市民が「緩和ケア」を受けるためには、市外の病院に通院しなければならないことや入院先が少ない事が課題となっていました。市立病院では、このような課題を解決するため、令和2年に身体症状の緩和や精神面のケア、療養場所の調整など多方面からサポートする「緩和ケアチーム」を発足しています。  今後も地域医療の中核を担う医療機関として、安心して利用できる医療サービスを提供していきます。 つらい状況が続く場合、主治医に相談しましょう  がんなどの病気では、診断や治療を受ける中で、次のような心と身体のさまざまなつらさを伴うことがあります。 心と身体のさまざまなつらさの例 身体的苦痛 だるさ、痛み、吐き気など 精神的苦痛 不安、落ち込み、うつなど 社会的苦痛 医療費、生活費、家族への負担など スピリチュアルペイン 人生の意味、苦しみの意味、死生観に対する悩みなど  心と身体の痛みやつらさは、患者やその家族にしか分かりません。つらい症状が続いている、どのように支えていったら良いか不安に感じているなどの場合は、主治医や看護師に気軽に相談してください。 たくさんの人に知ってほしい 緩和ケアチーム  チームは次の専門職種で構成され、身体症状の緩和や精神面のケア、療養場所の調整や意思決定支援など、さまざまな機関と情報交換を行いながら、幅広く患者やその家族をサポートしています。 医師 痛みなどの身体症状、不安などの精神症状を緩和します。 緩和ケア認定看護師 ケアに関わる専門的知識と技術を用いて、患者とその家族をケアします。 地域全体で緩和ケアが提供できるように、院内外のスタッフへの指導、教育も担当しています。 看護師 患者とその家族を総合的にサポートします。 自宅療養の場合は訪問看護にも対応します。 管理栄養士 患者一人一人の体調や症状に合わせた食事を提供します。 食欲がない、食べにくいなどの相談にも対応します。 社会福祉士精神保健福祉士 患者とその家族などを対象に、相談援助によって心理的な支援をします。 理学療法士 患者に合わせた個別のリハビリテーションを提供します。 無理のない動きや生活の工夫をアドバイスします。 薬剤師 薬に関わる調整や情報を提供します。薬の副作用への不安を和らげ、飲み方などをアドバイスします。 望月 泉(いずみ)統括院長  わが国の緩和ケアは、これまでがん医療を中心に発展してきましたが、がん以外の疾患の患者にも不可欠だと広く認識されるようになりました。市でも高齢化を背景に緩和ケアがとても重要になっています。  当院では、令和2年に緩和ケア認定看護師が誕生した事をきっかけにチームを発足し、専門的に緩和ケアを提供しています。  地域医療には、患者さん一人一人の尊厳を守り、最期のときまで生に焦点を当てることが不可欠。今後、苦痛を緩和するだけではなく、患者さんやご家族がどのように過ごしていきたいかを共に考え、寄り添い、共に歩んでいきたいと考えています。