24ページ キラリ輝人 Vol.125 後輩や子どもたちの目標となるよう練習に励む 写真撮影から仕上がりまでの奥の深さに魅せられて 第107回 二科展 写真部門 初入選 佐々木 嘉久(よしひさ) さん 69歳(松尾)  昭和29年生まれ。美術館巡りや映画鑑賞が趣味で、年に200本近く映画を見たことも。好きな言葉はガリレオ ガリレイの「物事には見えないものがある。それこそが重要かもしれない」。現在、全日本写真連盟岩手県本部委員や二科会写真部岩手支部の運営委員などを務める。  9月に国立新美術館(東京都)で開かれた二科展の写真部門で、初入選を果たした佐々木嘉久さん。入選写真(画題「ワープ」)は、樽を利用した遊具の中で遊ぶ親子を撮ったもので「タイムマシンでワープするイメージで撮影しました。思いがけない入選に驚きましたが、周りに認めてもらい、写真を見てもらえることがとても嬉しい」と笑みを浮かべる。  本格的に写真を始めたのは数年前から。毎週のように映画館に出掛けていたものの、コロナの影響で足が遠のき、生活に張り合いの無さを感じていた。そんなときに、写真の撮影会があることを知り、気分転換を兼ねて参加した。  「立派なカメラを持った周囲の参加者の中で、良い写真が撮れるか不安に思った」という佐々木さん。先生から「遠慮しないで前に出て撮影していいんだよ」と声を掛けられ撮影の指導を受ける。当日撮影した写真は高評価で、以降全国規模の写真グループに属し、本格的に勉強するようになった。指導を仰ぐ先生からは、撮影承諾などのマナーや構図、カメラの設定など基本から手ほどきを受け、我流で撮影していた自分にとっては、目からうろこだった。  主に人物を撮影する佐々木さん。部屋には、動きのある中で捉えた笑顔や、朗らかな表情が特徴的な写真が並ぶ。「単に撮影し保存しただけでなく、調整、プリントアウトして自分が思う作品に仕上がっているかどうかも奥深い」と写真の魅力を語る。  今は、さまざまなコンテストにチャレンジするため撮影に出掛ける忙しい日々を過ごす。「反省、創造、美しいものを求める」を自分との合言葉に、自問自答しながら被写体と向き合う。 編集後記  昨年の松尾中70周年記念で製作した石碑の除幕式が、10月に同校にゆかりのある俳優の倍賞千恵子さんを招いて行われました。交流の縁をつないでいるのは、一時の関係にとどまらず、その後も関係者が思いを大事にし続けてきた証で、縁だけでは続かないと実感しました。 (智)  今月号は叙勲や表彰を受けられた皆さんを紹介させていただきました。スケジュール調整に苦戦し、さまざまな時間帯に取材や原稿の確認をお願いしてしまい反省。皆さんに快く対応していただきました。お忙しいところ本当にありがとうございました。(千)