2、3ページ 歴史的資源 鹿角街道からまちおこしを考える とうほく街道会議第18回交流会八幡平大会が本市で開催  東北の各地で歴史ある街道の魅力や活用方法を話し合うため開催されている『とうほく街道会議』。 今回は本市に歴史的資源として残る鹿角街道をテーマに開催されました。  本号では、会議の概要や実際に街道を歩き当時に思いをはせた参加者の様子をお伝えします。 鹿角街道の歴史的背景を学ぶ  とうほく街道会議第18回交流会八幡平大会は10月6、7の両日、新安比温泉静流閣で開かれ、東北各地から街道好きなど約100人が参加しました。  初日は平泉世界遺産ガイダンスセンターのセンター長を務める八重樫忠郎(ただお)さんが「奥州藤原氏から始まる八幡平地域の歴史と街道」と題し基調講演。 奥州藤原氏と鹿角街道のつながりを地形の資料などを用いながら解説しました。 また、良好な状態で保存されている鹿角街道沿いの史跡についても触れ「地元の人が地域に残っている史跡などから歴史を知り、誇りを培っていくことが重要でそのきっかけをつくることが大事。 平泉もそういった地道な活動が実を結び世界遺産に登録された」と経験を語りました。 歴史的資源の活用方法を考える  基調講演の後、鹿角街道を活用したまちおこしの可能性についてパネルディスカッションが行われました。 地域独自の豊かな自然、歴史文化を体験する「アドベンチャーツーリズム」の需要が高まっていることを踏まえ、観光業界や地元の受け入れ側などさまざまな立場から意見を出し合いました。 とうほく街道会議 会長 宮原 育子(いくこ)さん   とうほく街道会議は地元の歴史や文化、風土や自然豊かな景観など、美しい故郷を次の世代に引き継いでいくための活動をしている人たちの、交流や連携を図る場所を作る団体です。 毎年、各県持ち回りで会議を開いており、岩手県では、過去に盛岡市と一関市で開催しています。  鹿角街道は歴史的に非常に素晴らしいところで、七時雨山など鹿角街道のハイライトにあたるところが八幡平市には現存します。 市特有の漆文化、郷土料理などの食文化といった歴史的経緯や、地域の風土に根ざした文化が残るまちの魅力を他県の人に知ってもらおうと、今回の開催地とさせていただきました。 この大会をきっかけとして、鹿角街道の可能性について、一緒に考えていくことができればと思います。 街道を歩き史跡の現状を知る  2日目は、実際に鹿角街道を巡る探訪会が行われました。  七時雨一里塚から曲田一里塚まで約8キロの道のりをたどるAコースと、白坂観音堂跡を見学した後、留の沢一里塚から七時雨一里塚の間の約4キロをたどるBコースに分かれて散策。 参加者は街道や街道沿いに現存するさまざまな史跡を巡りながら、ガイドとして同行した七時雨ロマンの会、八幡平歴史夢街道の会、八幡平市博物館友の会のそれぞれの会員による解説に 熱心に耳を傾け、街道の魅力に浸りながら歴史的資源の利活用の可能性を考える良いきっかけとなりました。  五日市コミセンは10月7日、とうほく街道会議の開催に併せて荒沢漆器を紹介するイベントを主催。 漆器の展示や荒沢漆器に盛り付けた郷土料理を提供したほか、安比塗漆器工房の工藤理沙(りさ)さんによる漆器の歴史文化や種類などの講演も行われました。 参加してみて どうでしたか Aコースを散策した、花巻市から参加の柴崎志賀子(しがこ)さん  もともと街道巡りが好きだったこともあり、とうほく街道会議には可能な限り参加しています。  今回特に車之走峠に興味があり歩くのを楽しみにしていました。このコースは史跡が多くて、とても面白かったです。 Bコースを散策した、秋田県から参加の阿部明広(あきひろ)さん  今回参加してみて、次の世代に街道を伝える活動として、鹿角街道全体で統一した道標を作ってみたら面白いし、区間を分けての説明会などもあれば良いと感じました。 鹿角街道のさまざまな活用方法を考えていければと思いました。