24ページ キラリ輝人 Vol.122 啄木の背中越しに映るふるさとの自然を味わって欲しい 啄木が詠んだ自然の情景を写真とともに紹介する企画展を開催 啄木ソムリエ(石川啄木研究家)山本玲子(やまもとれいこ)さん 66歳 温泉郷 昭和32年生まれ。県立博物館に勤務したのち、石川啄木記念館に24年間勤務。現在はフリーの立場でその魅力を伝える活動をしている。尊敬する人は、さまざまな喜怒哀楽を経験し、現在93歳になる母。好きな言葉は「あせるな、のんきになれ!」。  「啄木の魅力をいろんな角度で紹介し、地域の人を楽しませることができれば」と話すのは、石川啄木記念館元学芸員の山本玲子さん。 10月30日まで県民の森森林ふれあい学習館フォレストアイで「自然の声に心潜めて 県民の森と啄木」と題した企画展を開催し、自然を詠んだ啄木の歌やメッセージを選んで、県民の森の情景を収めた写真とともに展示している。  県立博物館の開館目前の昭和55年7月に同館に就職した山本さん。勤務の傍ら民俗研究に携わり、明治生まれの人からの聞き取り調査などで民俗学の研さんを深める。 平成2年からは(財)石川啄木記念館に学芸員として勤務。「啄木の日記を見ると、明治時代の生活が書かれ、日記からどんどん啄木にのめりこんでいきました」と当時を振り返り目を輝かせる。啄木研究を進め、その魅力を伝えていく中で、日常の言葉を用いた解説が分かりやすいと、講演依頼が多く寄せられるようになる。  今回の企画展では、啄木の作品に、県民の森のスタッフ小松範子さんが撮影した写真を添えて展示。「啄木の背中越しに映るふるさとの自然を味わって欲しい」と山本さんは話す。  今の生きづらい世の中で、何か生活に生かせるヒントがあるのではないか、との思いでこれまで啄木研究に取り組んできた山本さん。 現在は〝啄木ソムリエ〟と称し、啄木の魅力を伝える活動をしている。今後も展示スペースがあれば、どこへでも出掛け、地域の人の希望に沿ったテーマで企画展をしてみたいと話す。  啄木について熱心に説明するそのまなざしは温かい。 編集後記  「そうだ りんどう 持ってもらおう」と、二十歳のつどい前日にひらめき、市内の農家さんの協力でりんどうを入手。 7月号の表紙は花が咲く前でしたが、本号で花を紹介できました。すっきりしました。 (智)   イワナつかみフォーラム、初めて見学させていただきました。実は魚つかみの経験がない私。 イワナを次々捕まえる子どもたちに圧倒されつつ尊敬の念を抱きました。 (千)  西根一中相撲部を取材。試合の合間には時折屈託のない笑顔を見せる選手たちも、行司の合図で力強い表情に。 緊張から感動に変わる瞬間に立ち会うことができました。 (福)