24ページ キラリ輝人 Vol.121 何気ない日常生活に潤いを与える一品を作りたい 平館地区に工房「tamari窯」を構える 陶芸家 髙村麻里(たかむらまり)さん 35歳 岩手町 昭和63年生まれ。平館地区出身。 大学卒業後は福島で3年修行し、陶芸家としてのノウハウを学ぶ。手仕事の雑貨を見たり集めたりすることが好きで、最近気に入って購入したものは型染めの風呂敷。 今は子育てに奮闘中。休みの日は子どもたちと遊んで過ごす。  「購入していただいた人から、生活に役立っていると教えてもらったときに、やりがいを感じます」と温和な笑顔を浮かべるのは、生まれ育った平舘地区に工房tamari窯を構える髙村麻里さん。 マグカップなど普段使いの器を中心とした作品は、やわらかな色合いとシルエットが上品な印象を受ける。 結婚を機に、現在は岩手町から工房へ通い、創作活動を続けている。  大学で陶芸の基礎を学んでいた髙村さん。在学中に初めて出品した展示会で、作品を購入した人が器を絵はがきに描いて送ってくれた。 「自分が作った作品を売る仕事に就きたいと思ったきっかけかもしれません」と懐かしそうに目を細める。  大学卒業後、修行期間を経て平成25年に実家の隣に工房を開いた。 当初は商売として成り立つのか不安だったが、次第に認知され、窯を開いて3年を迎えたころ活動に手ごたえを感じたと話す。  工房を開いてから今年で10年。作品作りには自らが調合した釉薬(ゆうやく= 陶磁器の表面を覆うガラス質の層。水や汚れが素地に染み込むことを防ぎ、表面もなめらかになることで、普段の生活で使いやすい器となる。)を成形した器の表面に掛けている。 何度もテストを繰り返すため、作品に取り入れるまでかなりの時間がかかる。 表現の幅を広げるため、新しい釉薬の調合に取り組んでいるが「文系寄りで、化学式や計算などの作業が本当に苦手です」と苦笑い。  手作り作品を展示販売するイベントへの出品がひと段落した現在、依頼のあった陶芸教室でその楽しさを伝える活動もしている。 「丁寧な仕事、暮らしに役立つものづくり」をモットーに、作品を待っている人へ新しい彩りを届けたいと試作に取り組む。 編集後記 平舘小相撲フェスティバル。閉会行事では、協力していただいた地域のみなさんに児童から「ありがとうございました」がありました。 児童の熱心な取り組みに、関係者のこれまでの労も報われた様子でした。(智) 初めてのキラリ。取材の中で、タイミングは違えどデッサンを習った先生が一緒と判明。 人との縁はどこかで繋がっているんだなあと実感しました。(千) 白坂観音大祭。相撲、鹿踊、ステージ発表、鼓笛隊、山車など、子どもたちの活躍で祭りが盛り上がる。 4年ぶりに地域が活気に溢れ、熱い夏の始まりを感じました。(福)