24ページ キラリ輝人 Vol.120 アイデアとビジョンと体力で農業に挑戦し続ける ミニトマト栽培に意欲的に取り組む 古川佑史(ふるかわ・ゆうじ)さん 40歳 松尾 昭和57年生まれ。音楽や祭りで盛り上がるのが好き。 コロナ前は、親や地域の人から手ほどきを受けた盆踊りを子どもたちに指導。 今は親子で盛岡さんさ踊りに出るのが楽しみ。 好きな言葉はフランスのSF作家の言葉「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」。 「段取りや時期の見極めなど、自分の考えが、そのまま作業や品質、収量に影響するので、自分のやり方で成果が出たときはとても達成感があります」と判断の大事さをかみしめるのは、高い意欲でミニトマト栽培に取り組む古川佑史さん。 3年前から県農業研究センターの実証実験のほ場として、自らのハウスに光合成を促し、収穫量の増加につなげる装置などを設置し栽培を行っている。 農家の次男として生まれ、小さいころから、周りには自分が農業を継ぐと話していた。 「農作業が好きだったというのもあり ますが、自分で栽培し販売して小遣い稼ぎをしていたのも大きかったかも」と屈託なく笑う。 小学校の頃、初めて自分で栽培したのがミニトマト。農業短大の卒業論文のテーマには中ちゅうだま玉トマトを選んだ。 本格的に家業に従事するようになってからも試行錯誤を続け「20品種くらい栽培した年もありますが、病気に対する抵抗性も、成長速度もまちまちで管理しきれなかったこともあります」と振り返る古川さん。 取り組みの積み重ねで市内の代表的なミニトマト農家となったが、毎年の天気の変動の大きさには頭を悩ませる。 新しい装置を設置したハウスは「収量は2割近く増えた」という。 葉の病気の減少もみられ、手ごたえを感じている。 もうすぐ迎える収穫の最盛期には、例年1日16時間以上作業をする古川さん。将来の目標は「通年栽培」ときっぱり。今は水稲や野菜のほか、もち麦(※)の栽培にも取り組んでいる。 農業への向上心が尽きない。 ※お米と同じように、大麦にも「もち性」と「うるち性」があり、もち麦(もち性大麦)は食物繊維が豊富な穀物であることが知られ、注目されている(農林水産省HP)