6、7ページ スパルタキャンプ育ちがまた一人起業家に 金野利哉さんが市起業家支援センター内に会社設立 Golden Field(ゴールデンフィールド)株式会社 01キャンプからの成果 企業立地協定書調印式が6月12日、市役所で行われ、市は新たに市内に起業するゴールデンフィールド㈱と企業立地協定を締結しました。 ゴールデンフィールド㈱は令和2年のスパルタキャンプの修了生で、翌3年度から地域おこし協力隊として活動している金野利哉(こんのとしや)さん(28歳=一関市出身)が起業した会社で、IT技術を駆使して救命救急対応を補助するアプリ 「ベッドサイドヒーロー」とこれを備えた装置の開発・販売などを手がけます。 金野さんは「このアプリは世界中で使っていただくことを想定しています。八幡平市から世界に展開できるよう作っていきたい」と意気込みます。 同社は、市が運営する起業家支援センターに立地し、事業展開を進めます。 Golden Field (ゴールデンフィールド)株式会社 代表取締役 金野 利哉 事業概要 ソフトウェア業 立地場所 市起業家支援センター 救急隊として活動した経験から着想した、救急救命活動を補助する独自のアプリと補助装置「BetsideHero」の開発・販売などを計画。 この装置は、昨年度、起業家万博東北地区予選で東北総合通信局長賞ほか3賞を受賞したビジネスプランを実現したもの。 02起業家支援の取り組み ITによる起業を志す人を支援するため、市は平成27年度から25回にわたり、起業家育成プログラム「スパルタキャンプ」を開いています。 キャンプでは、プログラミング言語を学習し、未経験者であっても約1か月ほどで、アプリを開発できるまでに成長することができます。 またキャンプ修了後に、市内でビジネスを始めようとする人には、伴走支援として事業計画の立案や資金調達についてもサポ―トを行います。 このように単にプログラミングを学ぶだけにとどまらない取り組みにより、修了生はこれまでで335人に。ここから法人が11社、個人事業主4者が市内に誕生しています。 志ある起業家が集う場に 市は起業初期の事業運営を強力にサポートする起業家支援センターを設置 1階には事業所設置後5年間無償のシェアオフィス 03起業初期の環境も整備 市の起業家支援は前述の伴走支援のみならず、活動拠点の提供も行っています。 新たに事業を始めたばかりの頃は収入も不安定でオフィスの賃料は重い負担になりがちで、事業用物件も限られています。 そこで市は、情報通信業などに向けたシェアオフィスとして、賃料が最大5年間無料の市起業家支援センターを平成28年12月に旧西根総合支所の3階に設置。 その後、令和3年3月に民設公営の方式で現在の大更駅前付近に移転新設しています。 市は今後も起業家の育成とそれを次の成長につなげる環境づくりを進めていきます。 今年もやりますスパルタキャンプ  受講生を募集中 Voice センターに入居している起業家さんに聞いてみました ㈱NEXT REVOLUTION 代表取締役 髙橋 一真さん スパルタキャンプを運営 最初から起業を考えていたわけではありませんでしたが、起業できるようなスキルを持ち、自分の力で生きていく覚悟は必要と感じていました。 そんなときにスパルタキャンプのことを知り、起業をキャッチコピーにしていたキャンプにひかれて申し込むと、当時はキャンプが有名でない時期にも関わらず、参加者はみな熱心で講師も含めて対等に取り組む雰囲気が気に入りました。ITで教育事業もできるということを認識したのもこの頃です。 センターには、起業当初から入居しています。賃料が無料なのは、会社設立時の自分にとって大きな魅力でした。現在は有料で2階の個室を借りています。駐車場も広く打ち合せにも使いやすい施設だと思います。 将来は地方限定の婚活事業などの展開も考えています。 Aqsh㈱ 代表取締役 塚田 崇博さん 八幡平市まちの人事部を運営 父の移住先の八幡平市に、自分も6年前に移住しました。4年前にスパルタキャンプを知り応募すると、高倍率だったそうですが、受講することができました。参加者は、自分も含め自らを動かすきっかけを求めている人が多いように感じました。 ITで人材事業ができるということを認識したのはこの頃で、キャンプ受講の約半年後に起業。市は当時、企業の採用や育成支援に関する事業を構想しており、移住前に人材会社をしていた自分のノウハウを活かして「八幡平市まちの人事部」を立ち上げました。 人材紹介業はオフィスを備えることが要件となりますが、センターは固定費がかからないことが大きなメリットでした。現在は2階の有料の個室を借りています。 今後は人事部事業を他自治体にも展開したり、人材紹介のマッチングを、IT技術を使い効率化することを考えています。