24ページ キラリ輝人 Vol.119 フランスで漆製品の精巧な技術と魅力に出会う 安代漆工技術研究センターで学ぶ 海外からの研修生 ルーシー・オーク さん 32歳 荒屋 1991年生まれ。フランス・モンペリエ出身。 特技は「ラ・キャン」と言われるつえを使ったフェンシングのような剣術。最近、漢字で「漆」が書けるように。好きなフランスのことわざ「あなたは自分の夢に、しがみつかなければなりません」。 「ここでの生活は落ち着いていて、気に入っています。自然は美しく、街並みを見るのも興味深いです」と語るのは、市安代漆工技術研究センターにフランスから1年の長期研修生として4月に入所したルーシー・オークさん。 現在は月曜から金曜日まで、他の研修生とともに漆塗りの知識と技術を学んでいる。 もともと歴史的建造物やその歴史、復元技術に興味があり、専門学校で家具修復を学んでいたルーシーさん。 ある日、フランス東部の町「コルマール」で開かれていた国際旅行博に出かけると、岩手県の展示ブースも設けられ、蒔絵(まきえ)の実演披露も見ることができた。 魚の鯛(たい)の牙を使った道具「鯛牙(たいき)」で金粉(きんぷん)を漆器に押しつぶすように磨くと、とても綺麗な光沢が出ることを目の当たりにする。 目を丸くしながら「ピッカピカ」と日本語で当時を振り返るルーシーさん。漆塗り製品の美しさや精巧さ、その歴史を知り、日本で漆塗りを学ぶことを決意する。 なかなか研修先を見つけることができないでいた時、フランス国内で日本の物を販売している人を紹介され、センターの存在を知る。 またとない機会と研修を申し込んだものの、新型コロナウィルス感染症対策の影響で渡航できず、合わせて3年ほど研修を延期。念願かない、この春からセンターで学び始めることができた。 来日前は、フランスの工房で家具の修理などの仕事をしていた。 将来は起業し、家具修理や漆塗り製品の修復、販売などをしたいと考えている。 「日本人にもフランス人にも漆製品の良さを広めたい」と意欲を燃やす。 編集後記 今まで外国の人に話しかけられても、微笑みを返すことしかできなかった自分。 今回はスマホ型の翻訳機を介し、ルーシーさんにお話を聞くことができました。 外国語が分かれば世界は広がると感じました。智 十数年ぶりに母校の運動会を見学しました。 当時と変わらず、地域の人たちが温かく見守っている中での運動会。 とてもほっこりしながら撮影させてもらいました。 千 裸足で田んぼに入り、一列ずつ苗を植える寺田小児童。一人の尻もちがみんなの笑顔を誘う。 その光景に幼い頃の近所で結っこした賑やかな田植えを思い出しました。  福