令和5年八幡平市議会第3回定例会
議事日程(第3号)
令和5年9月13日(水)
日程第 1 一般質問
井 上 辰 男
古 川 津 好
熊 澤 博
出 席 議 員(17名)
1番 外 山 一 則 君 2番 田 村 正 元 君
3番 齊 藤 隆 雄 君 4番 関 治 人 君
5番 羽 沢 寿 隆 君 6番 工 藤 多 弘 君
7番 勝 又 安 正 君 8番 北 口 功 君
10番 熊 澤 博 君 11番 立 花 安 文 君
12番 渡 辺 義 光 君 13番 工 藤 直 道 君
14番 古 川 津 好 君 15番 橋 悦 郎 君
16番 橋 光 幸 君 17番 井 上 辰 男 君
18番 工 藤 隆 一 君
欠 席 議 員(なし)
説明のために出席した者
市 長 佐 々 木 孝 弘 君
副 市 長 田 村 泰 彦 君
教 育 長 星 俊 也 君
企 画 財 政 課 長 関 本 英 好 君
総 務 課 長 佐 々 木 善 勝 君
防 災 安 全 課 長 多 田 和 雄 君
ま ち づ く り推進課長 工 藤 輝 樹 君
文 化 ス ポ ー ツ 課長 関 貴 之 君
税 務 課 長 藤 原 重 良 君
市 民 課 長 高 橋 繁 範 君
地 域 福 祉 課 長 村 上 郁 子 君
健 康 福 祉 課 長 齋 藤 美 保 子 君
農 林 課 長 佐 々 木 仁 君
花 き 研 究 開 発 津 島 佐 智 幸 君
セ ン タ ー 所 長
商 工 観 光 課 長 佐 々 木 宣 明 君
建 設 課 長 工 藤 剛 君
上 下 水 道 課 長 高 橋 康 幸 君
八幡平市立病院事務局長 小 笠 原 文 彦 君
会 計 管 理 者 兼 橋 誠 君
会 計 課 長
西 根 総 合 支 所 長 金 田 一 捷 誠 君
安 代 総 合 支 所 長 畠 山 健 一 君
教 育 総 務 課 長 遠 藤 幸 宏 君
教 育 指 導 課 長 柏 英 保 君
農 業 委 員 会事務局長 田 村 春 彦 君
監 査 委 員 事 務 局長 佐 々 木 由 理 香 君
事務局出席者
事 務 局 長 及 川 隆 二
議 事 係 長 高 橋 美 穂
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開 議
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〇議長(工藤隆一君) ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達していますので、会議は成立いたします。
これから本日の会議を開きます。
(10時00分)
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一般質問
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〇議長(工藤隆一君) 日程第1、一般質問を行います。
通告順位5番、井上辰男議員。
(議員 井上辰男君一般質問席登壇 ※プロジェクター使用)
〇議員 井上辰男君 17番、八起会、井上辰男です。里山の荒廃による課題と対策について質問いたします。
岩手県の森林面積は、47都道府県の中で、北海道に次ぎ2番目に広い117万1,000ヘクタールであります。令和4年9月の森林・林業統計要覧によります。森林は、里地里山と原生自然(深山)に区分され、里山は人間が暮らす人里と野生動物が生息する深山の緩衝地帯となり、古くから日常的に人が立ち入り、植林や除間伐、山菜やキノコ採りなどを行ってきたため、野生動物も里山より人里にはめったに下りてきませんでした。また、管理された里山には、多種多様な草花が咲き、昆虫などが生息し、子供の遊び場でもありました。
しかし、近年里山の荒廃により、人里と深山の緩衝地帯としての役割を果たさなくなり、野生動物が食料を求めて人里へ接近する機会が増えました。除間伐などの管理、保全が行われず、放置された里山の立木は痩せ、地盤がもろくなり、保水能力も低下し、土砂災害が起きやすく、また薄暗くなった里山は光も当たらず、希少価値の高い山野草も育たなくなりました。さらに、人が立ち入らなくなった里山では、産業廃棄物や粗大ごみ等の不法投棄が横行するようになりました。以下、里山の荒廃による様々な課題と対策について伺います。
(1)、2020年調査によりますと、八幡平市の森林面積は県内33市町村でも6番目に広い6万3,861ヘクタールとなっております。年々森林面積は減少しており、人口減少や高齢化に伴い、今後も里山の荒廃が進むと懸念されております。緩衝地帯となっている里山の荒廃が進めば、有害鳥獣の生息域を拡大し、出没の回数も多くなり、農作物への被害、人身被害などの危険性も増してきます。自治会や組合組織などが草刈りを行っている地域もありますが、現状では高齢化による人手不足となっています。有害鳥獣の生息域と人里のすみ分けを図り、侵入しにくい環境の整備が必要と思うが、見解を伺います。
(2)、里山の荒廃や温暖化により、オミナエシやキキョウなどの山野草も少なくなったと感じています。特に平舘高校の校章にもなっているムラサキがいわてレッドデータブックのAランク(環境省:絶滅危惧TB類)に分類され、絶滅の危機にあります。伸び放題の葉っぱが地面への日光を遮り、新しい草木が育ちにくい環境を改善し、多種多様な植物が生育できる里山づくりが大切と考えるが、見解を伺います。
(3)、八幡平市公衆衛生組合連合会では、不法投棄監視パトロールなど、環境保全活動を実施していますが、手入れがされず、放置された里山は、見通しが悪く、人の目が行き届かなくなり、粗大ごみなどの不法投棄が散見されます。過去5年間の不法投棄の状況と件数を伺います。
(4)、管理保全が放置状態にある里山の立木は、細く長くなり、雪や風で倒れやすくなります。このことから、以下について伺います。
@、近年多発している集中豪雨時には、雨水を吸収できないほど土壌も悪化しており、地滑りや倒木が河川災害の一因にもなっています。災害を未然に防ぐため、計画的な間伐作業が行われているのか伺います。
A、里山の環境整備を行う交付金、補助金制度の活用状況を伺います。
(5)、八幡平市の総面積の約74%が森林(2020年農林業センサスによる)であります。この自然豊かな森林環境を生かした里山教育は、子供たちの情緒的発育、感性的発育、知的発育を養う好環境と言われています。自然は、遊びの素材が豊富にあります。子供の頃から遊びを通して、森林の大切さを感じてもらえる里山体験学習は不可欠だと思いますが、教育現場としての考え方を伺います。
以上、答弁よろしくお願いします。
〇議長(工藤隆一君) 市長。
(市長 佐々木孝弘君登壇)
〇市長 佐々木孝弘君 おはようございます。井上辰男議員のご質問に順次お答えしてまいります。
大きな1点目の里山の荒廃による課題と対策についてのお尋ねでございます。初めに、1点目、有害鳥獣の生息域と人里のすみ分けを図り、侵入しにくい環境の整備が必要と思うが、見解を伺うについてでございますが、里地里山は食料や木材など、自然資源の供給、美しい景観形成、水源涵養や山林災害防止、身近な自然との触れ合いの場、文化の伝承などの観点からも重要な役割を果たしてまいりました。
しかしながら、近年は担い手の減少による遊休農地の拡大や未施業森林の増加、また化石燃料の普及により、まきや炭の需要減少などを背景とした森林の管理放棄により、集落と森林の間で緩衝帯となっておりました農地や里山の空間が減少してきておるわけであります。手入れ不足や利用がなされない二次的自然が増加することで、生物多様性が低下し、野生鳥獣による被害の増大、ごみの投棄、景観及び国土保全機能の低下などが生じております。樹木が密集した暗い林や、やぶ化している耕作放棄地の伐採や刈り払いを行うことで、野生動物の隠れ場や通り道、餌場にならないように、明るく見通しのよい空間づくりが大切でございますし、これらの活動により里山林の整備が進み、鳥獣とすみ分けられ、有害鳥獣の出没や農林業への被害防止も図られることから、周辺環境を改善することが最も重要だと考えております。
次に、2点目、伸び放題の葉っぱが地面への日光を遮り、新しい草木が育ちにくい環境を改善し、多種多様な植物が生育できる里山づくりについてでございますが、里山は人々が農林業のために水田や畑地、ため池や雑木林、草地などを造り出した結果、多種多様な生物が生息できるようになった環境であります。生き物を絶滅させないために、私たち市民でできることとして、身近な自然に関心を持つ、絶滅のおそれがある生き物を捕まえない、自然の中にはペットや外来種を放さない、森や川などへ出かけたときはごみを全て持ち帰る、野生の生き物に餌を与えたり触ったりしないなど、配慮することが大切であります。地域の里山から得られる自然の恩恵を無駄にすることなく、繰り返し利用すること、地域の伝統や文化の価値と重要性を認識し合いながら、地域の様々な皆様が協力することによって、将来にわたり生態系を守り、そして自然からの恩恵を受けられるように里山への理解の促進や地域の取組が促進されると考えており、また豊かな里地里山が形成され、地域の宝として次の世代へ引き継がれる持続可能な里山づくりを進めていくことが大切であると考えておるところであります。
次に、3点目の過去5年間の不法投棄の状況と件数についてでございますが、品目別では冷蔵庫、洗濯機などの家電4品目やタイヤなどが特に目立っておりまして、そのほか空き缶、ペットボトル等のポイ捨てなどが数多くございます。これらの不法投棄の情報は、市民の方々や八幡平市公衆衛生組合連合会において実施する不法投棄パトロールによるものでございます。なお、悪質な案件につきましては、警察と連携して対処しているものでございます。件数につきましては、平成30年度が15件、令和元年度が15件、2年度も15件、3年度が11件、4年度が10件となっておりまして、5年度においては8月末現在で3件となっております。
次に、4点目、管理保全が放置状態にある里山の立木についての1つ目、災害を未然に防ぐため、計画的な間伐作業についてでございますが、植林を実施している人工林につきましては、森林経営計画や特定間伐計画などで間伐を計画的に実施しているところではあります。しかしながら、一部の人工林の森林所有者は施業ができず、管理が不十分と思われる方もおられます。市では、森林環境譲与税を活用して、これまで森林解析業務を行ってきており、令和3年度より田山地区から森林経営意向調査を実施しておりますが、森林所有者の方から今後の森林管理についてお伺いしたところ、約3割の方は将来寄附や売却を希望しておりまして、管理が難しいとの回答をいただいておるところであります。意向調査を実施した地区では、順次地域説明会を開催し、森林経営や森林施業、それに伴う補助事業を説明しながら適切な森林管理を広げてまいりたいと考えています。県が進めておりますいわての森林づくり県民税を活用したいわて環境の森整備事業や、本年度から市で実施しております八幡平市除間伐等促進事業などの補助制度がありますので、ぜひご活用していただきながら、適切な森林整備への啓発と助成を継続して進めてまいりたいと考えておるものであります。
また、今後においては危険箇所となり得る森林につきましては、森林環境譲与税を活用しながら、災害に強い森林になるよう進めてまいりたいと考えているところであります。
次に、2つ目の里山の環境整備を行う交付金、補助金制度の活用状況についてでございますが、森林、山林、多面的機能の発揮を図るため、里山林の整備、保全を推進し、山村地域の活性化を目的とした森林・山村多面的機能発揮対策事業の交付金を活用していただくことができます。本年度は、市内で2つの団体が活用する予定でありまして、国から76万6,500円、県と市からそれぞれ11万7,435円が交付される予定となっております。この2つの団体は、地域住民と地区外の方々の協力で組織する団体と、市外の方々の団体でありまして、高齢化や人口減少により荒廃の一途をたどっている市内の里山林の刈り払いや枯損木の除去、除間伐等の実施、まきやシイタケ原木等の生産、山菜や薬用広葉樹の資源調査などを実施しておられます。
なお、このほかのご質問につきましては、教育長から答弁がありますので、以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(市長 佐々木孝弘君降壇)
〇議長(工藤隆一君) 教育長。
(教育長 星 俊也君登壇)
〇教育長 星 俊也君 私からは、議員お尋ねの大きな1点目の5点目、里山体験学習についての教育現場の考え方についてお答えいたします。
学校教育において、体験活動は大変重視されております。特に自然体験活動を通して、自然を尊重したり、環境を保全したりしようとする態度を養うことは大切な目標の一つであり、動物や植物などにすぐに関わることができる里山は、自由な発想を促し、様々な発見ができる環境として貴重な教育資源であると捉えております。
学習指導要領においても、自然体験活動の充実を図るよう示されており、市内小中学校では地域の特性を生かしながら、様々な里山教育等の自然体験活動が行われております。例えば小学校においては、八幡平登山や安比高原の自然探索、地域の森林を題材とした樹木についての学習、地域に流れる川の水生生物調査や清水巡りなどが行われております。中学校においても、八幡平山頂周辺の外来植物駆除作業や緑の少年団活動での植樹体験、学校林の作業体験など、本市の豊かな自然を題材とした自然体験活動が行われております。これらの活動を通して、児童生徒は森林の果たす役割を理解するだけでなく、郷土の自然のすばらしさに気づいたり、自然を大切にしていきたいという思いを持ったりしております。
教育委員会といたしましては、今後においても里山教育をはじめとする自然体験活動の充実を通して、自然を尊重し、環境を守っていこうとする児童生徒を育成していきたいと考えております。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(教育長 星 俊也君降壇)
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 それでは、再質問をします。
まず初めに、里山の役割と有害鳥獣の被害について伺います。本市は岩手山、七時雨、田代平、安比高原など、緑豊かな大自然に囲まれた風光明媚なまちですが、一方で観光で市内を車で走りますと、木の枝や雑草が道路にせり出すなどして、手入れがなされていない林も見受けられます。従来、里山は人との暮らしと非常に関わりがありまして、先ほど市長答弁がありましたとおり、燃料となるまきとか、それから食料としていた山菜、キノコ採りなどで常に人が立ち入り、刈り払いや伐採を行ってきました。したがいまして、そういう管理がなされた里山は、自然と人の生活圏と野生生物との生息域のすみ分けがしっかりしてきました。いつも人が入っている里山は見通しがよく、野生動物はめったに人里にまで下りてきませんでした。
しかし、荒廃することによりまして、里山はやぶとなって、緩衝地帯としての役割を果たさなくなってきた関係上、野生動物が隠れやすくなりまして、結果として熊やハクビシンが出没しまして、農作物や人身被害も多発するようになりました。特に4月から5月、冬眠明けの熊などが食べ物を探すために広範囲に出没することになりました。特に春先なんかは山菜時期と重なりまして、人身被害も何件か出ております。
これは、令和3年度から令和5年度の4月と5月の出没件数を比較したものでございます。3年度は、安代地区で4件でございました。4年度は、全体として92件ありましたけれども、春先の4月、5月につきましては16件と4倍に増えています。これは、安代だけではなく西根、松尾全域で熊などが出ております。特に4月ですか、笹目溜池付近では人身被害も出ております。ただ、目撃数だけでなく、こういった人身被害もちょくちょく散見されるようになりました。令和5年度につきましては、かなり増えまして、4月と5月だけで26件とだんだん増えております。
もともと臆病だと言われている熊も、人里では簡単に残飯とか、食べ物を得られるということを覚えまして、あんまり人を怖がらなくなりました。最近朝晩だけではなく、昼も、日中でも町なかとか、あと学校や民家の敷地まで出没しているという情報も入っております。学校なんかの校庭とか、その周辺に熊が現れますと、子供たちにも被害を及ぼす危険性が非常にあります。
そこで、教育指導課長に伺いますけれども、学校現場は熊が出没した場合どのような対応を取るとか、そういった申合せは行っているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 教育指導課長。
〇教育指導課長 柏 英保君 お答えいたします。
熊の出没に関しましては、もちろん安全第一ということでございますので、例えば登校や下校に関しましては、保護者の方にご協力をお願いをすることもございますし、また日中でありましたらば、例えば子供たちが休み時間に外で遊んでいるときにということも考えられますので、その場合は外での子供たちの活動を制限するなど、とにかく安全面に最大限配慮したような取組を学校ではしているというところでございます。
以上です。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 熊とか、そういった野生動物が出ますと、子供さんたちは走って逃げると思うのです。野生動物というのは、走って逃げるのを追いかけるという習性があるという話を聞いていましたけれども、その辺りも、例えば校庭で子供さんたちが体育なり、そういう行事とかやっているときに、なければいいのですけれども、熊が出たとか何かといったときに走って逃げると思います。そのときの対応というのは、先生方も人数少ないので、大変難しいと思いますけれども、その辺の対応をどのように考えているのか伺いたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 教育指導課長。
〇教育指導課長 柏 英保君 お答えいたします。
今議員おっしゃったように、一般的に逃げれば追いかけてくるというような習性については、学校のほうでも理解はしているところではございます。ですので、とにかく出そうなところにおいては、例えば大きな音を出す、また登校、下校等でも熊鈴をつけている子供たちもいるようでございますけれども、基本的には出たときの対応ということに関しましては、その大きな音を出したり、またはむやみに逃げないということについては、学校のほうでは意識はしておるところではございますが、ただ実際そういう場面に遭遇したときに、そのような冷静な行動ができるかというのもなかなか難しいところもあろうかなというふうには考えてはございます。
以上です。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 人的被害を未然に防ぐ対策の一つとしては、熊の通り道、動線を把握することが一番大事かなと思っています。ただ、その動線を把握するといってもかなり難しいと思いますけれども、できる限り熊がどの場所から侵入して、どこの場所に去っていくのか、あるいは出た熊が同じ個体なのか、別物なのか、そういったものを把握できれば、例えば教育指導課長も言われたような適切な警戒や注意喚起ができるのではないかなと私自身思っていますけれども、これについてはどういった考え方を持っているのか、ちょっと見解を伺いたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
非常に難しい問題でございまして、どこから出てきて、どこに帰っていくかというような行動は把握できておりませんし、一定の行動パターンがあるというのも、特に食べ物を求めて歩いて回っているわけでございますし、同じような箇所に出てくる場合もございますが、一定の行動パターンがあるというような報告というか、調べ物等もないことでございますので、まずはご自分の周りで出没が予想されるようなところはきれいにしていただくと、あるいは食品等を外に出していただかない、あるいは音を出すといったような基本的な対処方法を守っていただくしか方法がないのかなと思っておるところでございます。
以上です。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 岩手県の熊の捕獲上限というのがありまして、令和4年度は626頭でした。5年度は686頭、そして来年度、6年度は796頭を予定しているということで、昨日の外山議員への答弁で、9月末現在既に14頭捕獲したという答弁がありましたけれども、八幡平市の捕獲割当て頭数、4年度以降、それと実際に捕獲した頭数を伺います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
熊の捕獲頭数につきましては、有害鳥獣の特別捕獲枠ということで、令和4年度は11頭捕獲しております。令和5年度につきましても、当初の特別枠の捕獲枠は11頭でございまして、それも8月いっぱいでほぼというか、捕獲になっておりまして、追加枠の配分があったのが、私農林課長をやって4年なのですけれども、追加枠の配分というのは初めてでございまして、それが3頭、今年初めて9月1日付であったところでございます。したがいまして、今年は14になります。それのほかに、春グマといいまして、八幡平と西和賀町で春期捕獲というものが行われておりまして、そちらでは昨年は八幡平市は10頭捕獲しておりますし、今年の春につきましては5頭の捕獲があったと聞いているところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 最近は、熊だけではなく、昔は雪国には生息していないと言われていましたイノシシあるいは猿も目撃されるようになりました。それで、現在市で把握しているイノシシや猿の目撃情報、あるいは駆除、捕獲の例はあるのか伺いたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
イノシシにつきましては、今年の目撃情報は現在で15件ほどであったと、ちょっと資料を見つけられないのですが、15件ほどで、これは例年に比べましておおむね例年並みの数字でございます。ですので、今年につきましては、ツキノワグマのほうが非常に目撃情報も多くなっているということで、イノシシに関しては農作物被害等も報告はされておりますが、件数としては例年並みで来ている状況でございます。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 前は、イノシシ、安代のほうに出るという話も私聞いたことあるのですけれども、この目撃情報というのは市内全般ですか。西根とか松尾とかも結構あるのか、ちょっと伺いたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
目撃情報につきましては、市内全域で報告がほぼ出てきておりまして、特にも多いのが安代地域あるいは西根寺田、そのほかは松尾のほうでも報告がございますので、既に結構な形で侵入してきているのではないかと思っているところでございます。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 こうした熊などの農作物への被害を防ぐため、市では電気柵設置補助制度というのを行っていますけれども、令和3年度以降の申請件数というのはどのぐらいあるのか、よろしいですか。お願いします。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
電気牧柵等の補助事業を事業としてはやっておりますが、令和3年度は13件、交付額の金額で58万8,000円でございます。令和4年度は14件、交付額で69万円でございます。令和5年度は、7月末の時点で8件、34万円となっておりまして、既にこの件数は8件を超えて交付決定をしているところでございます。事業内容といたしましては、6万円上限の2分の1補助でございましたので、12万円が取りあえずは補助事業の2分の1の上限といいますか、なっておりますし、実際はそれ以上に経費がかかっている方もいらっしゃるかと思いますが、補助ベースといたしましては、1件当たりは6万円が上限となっているところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 補助金額が6万円ということですけれども、これは鳥獣被害防止総合対策交付金と、これ農林水産省だと思いますけれども、5年度版なのですけれども、この中に侵入防止柵の整備支援というのがありますけれども、これ市の行っています電気柵設置補助制度と併用申請というのは可能なのかどうか、市の場合は1か所当たり1基として、設置後5年間は再度補助を受けることができないということですけれども、こういった制限もあるのかどうか伺いたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
まず、国の事業でございますが、3戸以上の農家で構成される組織、有害鳥獣被害対策防止協議会等が事業主体になっているという例がございますが、国の事業と市の事業の併用という部分では、市の事業と基本的には重複はないと思っていただいて結構かと思います。大きな違いは、市は個人の方への補助を認めていると、お一人の方の事業に対して補助金交付決定をすることができるわけでございますが、国の場合は3人以上、3戸以上の方の組織に対して補助をするということでございますので、補助額や事業規模も国のほうは大きくなっておりますので、地域でまとまって取り組みたいという方がいらっしゃれば、相談等には応じてまいりたいなと思っているところでございます。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 有害鳥獣の駆除捕獲には、猟友会の協力も必要でございますけれども、猟銃、箱わなを含めまして令和5年度の会員数、それとこのうち女性の会員は何名ぐらいおられるのか、ちょっと分からなければ……すみません。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
昨年は52名でございまして、今年、直近では56名でございます。お辞めになる方と新規の方もいらっしゃいます。その内訳でございますが、女性の方はいらっしゃいましたが、人数までは今ちょっと調べてお答えしたいと思いますので、しばらくお待ちください。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 かなりの猟友会の人数ですけれども、ただ聞くところによりますと、猟友会の方もだんだん高齢化になってきたという話を聞いております。それで、将来このままでいけば新しい方、若い方が入ってこないと、対応も非常に難しくなるのではないかなというふうに懸念しておりますけれども、これに対する対策というものはあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
猟友会の会員数でございますが、今年度は4名増えていただいたということで、猟友会の会員になっていただくためには、いわゆる鉄砲の免許とわなの免許を取っていただくと、わなの免許だけでも猟友会のほうに加入は可能ではございますので、そういった形で全員が全員猟銃の免許を持っているかというと、そうでもないわけではございますが、そういった免許取得の際には費用助成をするということで、補助事業等を用意してございます。そちらは、毎年活用が1名、2名といったような状況でございますので、なかなか増えてはいないわけではございますが、そちらを活用いただいて、幾らかでも地域の農地を守って、農作物のほうを守るというような活動のほうに従事いただくように周知もしてきておりますので、引き続きご活用のほうをお願いしたいなと思っているところでございます。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 次に、希少植物の保護についてお伺いします。
写真のように、私子供の頃は山に行くとキキョウとかオミナエシ、こういったのが普通に咲いていましたけれども、今山に行くとあんまりこういうのも見かけなくなりました。それで、左にあるのがムラサキでございます。共新町内会では、長年自生しているムラサキの保護活動を続けてきました。年々本数が減少しています。原因は、盗掘やネズミの食害によるものもありますけれども、一因には里山の環境保全も影響しているものと思っております。ニホンムラサキは、県指定の希少野生動植物14種には入っていませんが、紫根染めは冠位十二階の最高位の色として、古くから南部藩の手厚い保護を受けてきた多年草植物でございます。町内会で保護していたムラサキも高温などで、今年は特に異常気象でありましたので、残念ながら今年は1本しか確認できませんでした。左にある写真は、貴重な1本でございます。今まではたくさん生えていましたけれども、とうとう1本だけになりました。
それで、このニホンムラサキというのは、セイヨウムラサキと違いまして、なかなか育てにくいということで、私も過去に2度ほど、まだたくさん生えている頃、種を採集しまして、うちで芽出しをちょっとやってみたのですけれども、2回とも失敗しました。1回目は普通に種をまいたのですけれども、2回目は一回冷蔵庫に入れて冬眠状態にして、それを春になったら植えればいいよという話も聞きまして、そのとおりにやりましたけれども、実際やってみたのですけれども、失敗しまして、全然一粒も芽が出ませんでした。
それで、今あるムラサキ、ほとんど使われているのは、中国由来や交雑種のムラサキだと思います。これは、栽培もしやすく、すぐ芽が出るということで、ほとんどのムラサキ栽培している方はこの交雑種だろうと思います。本来の今まで、従来から自生しておりますムラサキというのは、ほとんどないと思います。ここにあるのは、貴重な1本でございます。まだ里山のほうに入っていくと、生えている可能性もあるかもしれませんけれども、多分もうないのかなというふうに私自身思っております。こういった絶滅のおそれのある種の保護増殖事業、この中の16種にもムラサキの保護は対象になっておりませんけれども、こういった希少な植物を地域で守り育てるためにも、里山の整備が大切ではないかと思いますけれども、これについて見解をいただければと思います。
〇議長(工藤隆一君) 市民課長。
〇市民課長 高橋繁範君 お答えいたします。
保護増殖事業ということでございますけれども、環境省のほうに確認いたしましたところ、保護増殖事業につきましては、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、いわゆる種の保存法で指定された国内希少野生動植物のうち、個体の繁殖の促進、生息地等の整備事業を推進することが必要な種を対象として、環境大臣が保護増殖事業計画を策定し、実施される事業であり、ムラサキは国内希少野生動植物には指定されておらないとの回答をいただいております。市として、活動の支援を検討する考えはないかということでございますけれども、そのようなご相談がございましたならば、市としてはどのような支援が可能かどうか、関係する部署等々で連携しながら検討してまいりたいと考えております。
以上です。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 里山の保全についてでございますけれども、対策としては定期的な除間伐が有効と考えますけれども、市としても八幡平市除間伐等促進事業費補助金、こういった制度がありまして、補助金を交付していると思いますけれども、先ほども答弁もありましたけれども、計画的な間伐作業が行われると思いますけれども、現在補助事業を行った場合、間伐された木材、これの活用はどのようにされているのかお伺いします。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
一定の割合で間伐された木材につきましては、その行き先まではちょっと私もまだ把握はしておりませんが、材として使えるものにつきましては売却等、いろいろな素材のほうに回っていると思いますし、一部はチップ等になっている場合もあろうかと思います。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 17番、井上辰男議員。
〇議員 井上辰男君 最後に、里山学習について伺います。
私が子供の頃の話をするとあれですけれども、うちの近くの電柱ではセミが本当にうるさいくらい鳴いていました。それで、道路も小さな穴が空いていまして、その穴をちょっとほじくると言うとあれだけれども、掘ってみるとセミの幼虫などがいまして、そういったセミとかセミの幼虫などを捕まえました。そういった遊びの延長線上が里山でした。里山に行くと、セミだとか、カブトムシだとか、そういったものを捕まえたりしていましたけれども、子供ながらにカブトムシがいる木というのが分かりまして、その木のところに行くと必ず間違いなくカブトムシが二、三匹止まっていました。その木が、大人になって初めて分かったのですけれども、ここにあるようなコナラとかクヌギの木だったのです。当時は何の木か分かりませんけれども、ただカブトムシがいる木という認識しかありませんでした。それで、子供の頃は、このコナラの実もクヌギの実も全部一緒くたにして、ドングリの実というふうに認識しておりました。だから、このコナラとかクヌギという区別はありませんでした。それで、今の子供さんたちにも見せて、「これ何の実だ」と言うと、「ドングリの実」と答えてくれます。
ただ、あまり山でそういった学習をしたことがない子供さんは、右上にあるこの実を見せたときに、「これ何の実なんだろう」と尋ねると、ほとんど答えません、分からないです。というのは、里山に行って、こういった実を拾ったこともないから結局分からないということです。
これは、左下にあるブナの実なのですけれども、なかなかこういったものは見かけることはないわけですけれども。ですから、里山教育というのは、こういった自然の学習においても非常に大切なのかなというふうに思っております。
それで、これは平舘青商会の斎藤学会長が平舘小学校の1、2年生に、アカハライモリというのがあるのですけれども、これがアカハライモリなのですけれども、これの放流を、平舘のひょうたん池というのがありますけれども、そこで実施しているところです。それで、斎藤会長が、この新聞の記事によりますと、コメントがありまして、かつての自分たちのように、子供たちの心に残る場所になってほしい、こんなことを言っていました。私もまさにそのとおりだと思います。八幡平市は、自然の中で遊ぶとき、素材は豊富にありますので、そういった恵まれた環境にあると思います。
それで、これを行った場所が、これが平舘ひょうたん池の絵なのですけれども、非常に里山というか、管理がなされています。草刈りもしていますし。ここで子供さんたちが遊んだり学んだりするところで、本当にいいところだなというふうに思っております。それで、こういった場所で体験することは、子供さんたちにとっては生物の生態に興味を持ちながら、好奇心を引き出す場所でもあり、大人になったときにやっぱりふるさとはよかったなというふうに思う心も養うと思いますので、確かに今時代も変わりまして、デジタルもいいですけれども、こういった里山で遊ぶ、それから学ぶ、こういう心のゆとりができるアナログ的な学習も必要ではないのかなというふうに私思っていますけれども、これについて教育長、どういうお考えなのでしょうか、お伺いいたします。
〇議長(工藤隆一君) 教育長。
〇教育長 星 俊也君 お答えいたします。
今の里山での様々な体験のお話を伺って、私も非常に懐かしい思いで伺わせていただきました。井上議員と同じ体験を私も小さい頃ずっとしてまいりまして、里山に入っては虫を追いかけたりしたものであります。子供たちにとって心に残る場所になってほしいという先ほどのお話でありますが、全くそのとおりだというふうに思っております。そして、八幡平というこの土地は、そういう環境が十分にある、そういう土地だとも思っております。ただ、日常の生活の中で、ややもすると子供たちの生活は、里山から目を離して、例えばスポーツ少年団活動であったり、家庭に帰ってからの学習であったりというような生活がどうしても多くなってくるわけなのですけれども、そういう中でやはり学校教育は意図的、計画的にそういったことも組み込みながら、小学校生活あるいは中学校生活の中で自然に親しみ、八幡平のよさを十分に味わうことができるように、そして環境に対する意識も高めることができるような、そういう教育活動がこれからまさに必要なのだろうなと、そういうふうに思っております。
以上であります。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 先ほど保留にしておりました女性の猟友会の会員の人数でございますが、3名でございます。
以上でございます。
(議員 井上辰男君一般質問席降壇)
〇議長(工藤隆一君) これで井上辰男議員の質問を終わります。
ここで11時5分まで休憩いたします。
(10時49分)
☆
休 憩
再 開
☆
〇議長(工藤隆一君) 休憩前に引き続き会議を再開します。
(11時05分)
〇議長(工藤隆一君) 引き続き、一般質問を行います。
通告順位6番、古川津好議員。
(議員 古川津好君一般質問席登壇)
〇議員 古川津好君 議席14番、古川津好です。最初に公共施設の再編計画についてお伺いいたします。
市の人口減少が続く中で、市民の公共施設の利用度合いも、これまでの利用状況から変化してきていると思います。そういう中で、令和3年度から計画された八幡平市公共施設再編計画について、その後の計画の進捗状況を含めまして推移を何点か伺います。
1点目、再編計画策定時における対象施設が253施設で、その中では廃止が29施設、譲渡は20施設の削減計画をしております。廃止並びに譲渡の現在の進捗状況はどのようになっておりますでしょうか。
2点目、廃止となれば施設が利用できなくなるわけで、現に使っていないものは問題がないと思いますが、廃止方針となった施設の関係者との協議などはどのように行われておりますでしょうか。
3点目、老朽化して再利用もされていない田山中学校は、再編計画では廃止とあるが、過去には田山地区の議員から解体後の跡地利用の提案もなされました。今後の解体等の計画はありますでしょうか。どのようになっておりますか。
4点目、計画の中で、安代の生活支援ハウスの課題として、半数が夏の間も入居していて、水道光熱費のみの負担で居住していることは公平性に欠けるので、検討するとありました。その後の検討の経過はどのようになっておりますか。
5点目、安代の荒屋新町にある中央生活改善センターは、計画では急傾斜地危険区域にあるために休止していて、耐震基準を満たしていないので、廃止とするとあります。この建物に関して言えば、例えば防災上、土砂災害が起こったときのダム機能が果たされるので残存するとか、もしくははたまた土砂と一緒になって下流の民家へ押し寄せ、被害を拡大させる危険度があるとすれば、早い時期での解体も検討課題ではないかと思いますが、町内での何らかの検討はされているでしょうか。今後どのようにしていく考えでしょうか。
6点目、何人かの議員が過去の議会でも何度か取り上げてきている斎場に隣接する旧ごみ焼却場は、アスベストの問題も抱えていることは私も承知しておりますが、今後どのように処理されていく予定でしょうか。
7点目、令和5年度の当初予算に、安代老人憩の家の解体設計業務委託料が計上されております。予算審議の過程で質疑をすればよかったのですが、かつての全員協議会で説明されたように、憩の家のみを解体してゲートボール場の駐車場とする内容でこの予算を捉えてよいのでしょうか。
次に、大きな2点目の敬老会について伺います。敬老会は、過去にはホテル等を利用して各地区で行われておりました。他の県内の市の状況を参考にして廃止されてから、数年経過しました。現在は、一部の地域では敬老会が行われていないところもあるようです。敬老会を開催する自治会、開催しない自治会、はたまた開催する自治会によって敬老会の内容が違っていては、対象となる方々にとりましては不公平感を感じる方もあろうかと思います。私は、全市的な統一した形が必要ではないかと考えておりますので、そこで市における敬老会の状況を伺います。
1点目、過去のホテル等を開催していたときの敬老会にかかる費用と、昨年の費用実績はいかほどになりますか。
2点目、現在はそれぞれの自治会ごとの開催となっているようですが、対象者数、開催自治会数、参加者数と、その状況はどのようになっておりますか。
3点目、現況は開催する自治会の方のみに、記念品が配付されている状況と聞き及んでいます。開催する、しない、それぞれの自治会に関係なく、対象者全員に記念品を配付することが公平ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
以上、よろしくお願いします。
〇議長(工藤隆一君) 市長。
(市長 佐々木孝弘君登壇)
〇市長 佐々木孝弘君 古川津好議員のご質問に順次お答えしてまいります。
初めに、大きな1点目の公共施設再編計画についてのお尋ねでございます。1つ目の削減計画の現在の状況についてでございますが、令和4年3月に策定した八幡平市公共施設再編計画において、施設の方向性を廃止とした施設は29施設、譲渡とした施設は20施設となっております。施設の方向性を廃止とした施設については、総合計画実施計画の3年ごとに施設の経過年数や危険度等を勘案して、計画的に解体することとしており、これまでの取組状況といたしましては、令和4年度に西根相撲練習場の解体、本年度の当初予算におきましては、保土沢教員住宅の解体と旧安代老人憩の家の解体に係る実施設計の予算を措置しております。また、施設の方向性を譲渡とした施設につきましては、主に貸付けや指定管理施設となっておりますことから、貸付者及び指定管理者と譲渡に係る協議を進めているところでございます。
これまでの取組状況といたしましては、再編計画において廃止としていた旧渋川消防屯所につきましては、購入希望者があったことから、令和4年度に入札を行い、落札者に対し譲渡を行い、また畑保育園につきましては、施設の起債の償還が終了したことから、令和5月4月1日に譲渡をいたしておるところであります。
次に、2つ目の廃止方針となった施設の関係者との協議についてでございます。再編計画におきまして、廃止とした29施設のうち、関係機関等との協議を実施することとした施設は、西根地区体育館、三ツ森グラウンド、松尾柔剣道場、旧安代老人憩の家の4施設となっておりますが、本年度の当初予算において解体に係る実施設計の予算を措置した旧安代老人憩の家を除く3施設につきましては、今後関係機関との協議を実施する予定となっております。
次に、4つ目の安代地区の生活支援ハウスの課題についてのその後の経過についてでございますが、生活支援ハウスは高齢者が安心して健康で明るい生活を送れるように、介護支援機能、居住機能及び交流機能を総合的に提供する施設でございまして、居住部門事業及び老人デイサービス事業の2事業を行っております。このうち、居住部門事業は60歳以上の一人暮らしの方、夫婦のみの世帯に属する方または家族による援助を受けることが困難な方であって、かつ原則として常時介護を必要としない高齢等の理由で独立して生活することに不安のある方を対象としており、八幡平市では豪雪で冬期間は自宅での生活が困難となる高齢者の支援を主な目的としておるものであります。
居住部門事業の利用者は、市の条例によりまして、対象収入による階層区分ごとに定めております利用料及び光熱水費の実費を納入することとしておりますが、年間の対象収入が120万円以下の最低区分に該当する方は、利用料の月額が無料、ゼロ円であることから、光熱水費のみ負担する形となっているものでございます。階層区分及び利用料は、国の生活支援ハウス運営事業実施要綱に則して定めたものであり、利用希望者の中には低収入の方が現に複数いることなどから、現時点では見直しはできないものと考えております。
一方で、居住部門事業は、10部屋で利用定員はおおむね10名程度、最大20名までとし、利用期間は6か月以内を基準としておりますが、実際の利用状況を見ますと、例年冬期間はほぼ満室となり、夏期間の利用者は少なくなる傾向ではありますが、事情により冬期間から継続して利用する方が半数ほどいる状況でございました。このことから、市では指定管理者と協力をいたしまして、利用に係るルールについて、利用者及びご家族に対しまして丁寧に説明を繰り返し、理解していただくよう努め、年間を通して自宅での生活が困難と判断される方に対しましては、ご本人の状況に応じた適切な生活の場についての情報提供を行ってまいりました。おのおのの事情によりまして、日常生活に何らかの不安を抱えている方々のため、決して機械的に進めることはできませんが、それぞれの状況に応じて、可能な方から順次住み替えていただいているところであります。その結果といたしましては、昨年度は年間を通して利用した方が2名でございました。
次に、5つ目の市立中央生活改善センターについてでございます。市立中央生活改善センターは、昭和43年に旧耐震基準で建設された鉄筋コンクリート造り2階建て、延べ床面積791.96平方メートルの建物でございます。建設から55年が経過しているとともに、立地場所は土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条に定める土石流、急傾斜地の土砂災害警戒区域にも指定されておりまして、施設を廃止したものでございます。同センターは、集会施設の中でも古い建物となっておりますことから、今後他の廃止方針の公共施設と併せまして、総合計画実施計画の中で解体撤去の設計及び解体撤去工事の実施年度等を検討してまいりたいと考えているところでございます。
次に、6つ目の旧ごみ焼却場の今後の処理予定についてでございますが、旧ごみ処理場、いわゆる旧じんかい焼却場につきましては、昭和59年4月より供用開始し、市清掃センターの新規稼働に伴い、平成10年3月に用途廃止をしております。構造等につきましては、鉄筋コンクリート造り地上2階、地下1階建て、延べ床面積742平方メートルの焼却場及び軽量鉄骨造り平家建て、延べ床面積73平方メートルの管理棟、そして管理棟への増築である軽量鉄骨造り平家建て、延べ床面積52平方メートルの事務所棟につきましては、存置となっております。
令和元年度に、解体工事実施計画の基礎資料のためにアスベスト分析調査を行い、アスベスト含有の可能性がある26の建材について、試料を採取し、分析を行ったところ、アスベスト関連法規において、発じん性が比較的低いレベル3に区分される成形板が12、レベル外に区分されるアスベスト含有シール材が3、計15の建材からアスベスト含有が確認されたところでございます。
旧じんかい焼却場の解体につきましては、アスベスト含有建材を含む建築物となることから、法にのっとり適切な措置を講じながら、今後進めてまいりたいと考えております。
次に、7つ目の旧安代老人憩の家の解体についてでございますが、施設全般にわたりまして老朽化が認められていることから、老人憩の家本体のみではなく、附帯施設である屋内ゲートボール場も含めた敷地内の全ての建物を解体しようとするものでございます。解体後の跡地の具体的な利活用につきましては、今後検討を行っていきたいと考えているところであります。
次に、大きな2点目の敬老会についてのお尋ねでございます。初めに、1つ目のホテルなどを利用して開催していたときの費用と昨年の費用実績についてでございますが、市の敬老会は令和元年度までは、主に市内のホテル等を会場として開催しておりましたが、2年度は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、開催を取りやめ、3年度からは敬老事業全体を見直しいたしまして、市主催の敬老会は行わないこととしたところでございます。この見直しの中で、平成30年度から自治会が主体となって、地域で敬老会を開催した場合に、経費の一部を助成するモデル事業を行っていた経緯もありまして、地域の方から地域開催に対する助成を継続してほしいと要望がありましたことから、身近な地域で敬老のお祝いの機会を設けていただくことで、より高齢者が参加しやすくなり、敬老意識の高まりや交流の深まりにもつながるものとして、新たに八幡平市地域敬老事業費補助金交付要綱を定めまして、令和3年度から助成を開始したものであります。
費用でありますが、元年度の敬老事業全体の支出額は1,432万3,662円で、そのうち市主催の敬老会に係る経費は1,401万2,756円となっております。4年度の敬老事業全体の支出額は365万6,986円で、そのうち地域敬老事業費補助金として211万5,968円を支出しているところであります。
次に、2つ目の各自治会での開催における対象者数、開催自治会数、参加者数などについてでございますが、地域敬老事業費補助金における対象となる高齢者は、事業実施年度の3月31日時点において75歳以上の方々としておりまして、4年度の対象者数は5,739人でございました。また、地域敬老事業費補助金は、祝い品を贈呈する敬老祝い品贈呈事業と、高齢者や地域住民が集う敬老つどい事業の2つが対象事業となっておりまして、4年度におきましてはこの2つの対象事業のいずれか、または両方を実施した団体は、自治会、地域振興協議会等の補助金の交付団体を単位といたしまして49団体、事業の対象となった高齢者は3,495人となっております。
次に、3つ目の記念品は開催する自治会に関係なく、対象者全員に配付することが公平ではないかとのご質問についてでございますが、市の敬老事業につきましては、事業全体の見直しを行いまして、敬老記念品の贈呈は77歳の喜寿及び88歳の米寿の方へ、100歳の方へは長寿祝い金の贈呈といたしまして、ほかに地域敬老事業費補助金制度による助成事業を実施しているところでございます。敬老記念品につきましても、この助成事業の対象経費としており、事業を実施する地域団体がそれぞれ創意工夫した記念品を贈呈しているところでございます。補助金事業の実施率でございますが、事業開始年度の3年度は、対象となる75歳以上の高齢者5,713人に対しまして、補助金事業の対象となった高齢者は2,823人、49.4%でありまして、4年度は5,739人に対しまして3,495人、率にして60.9%となっております。比較しますと672人、11.5%増加しているものの、4割弱の方が補助金事業の対象となっていない、そういう状況になっています。市といたしましては、さらに多くの地域で事業が実施されますように、制度の周知に努めてまいりたいと、そして後押しをしてまいりたいと考えておるところであります。
また、敬老事業全体に関しましては、記念品を含め、様々なご意見をいただいているところであります。当面は、現在の内容で実施してまいりますが、引き続き地域団体等関係者の皆様からご意見を伺いながら、見直しを含め検討してまいりたいと考えております。
なお、このほかのご質問につきましては、教育長から答弁がございますので、以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(市長 佐々木孝弘君降壇)
〇議長(工藤隆一君) 教育長。
(教育長 星 俊也君登壇)
〇教育長 星 俊也君 私からは、大きな1点目、公共施設再編計画の3つ目、旧田山中学校の解体等の計画についてのご質問にお答えいたします。
旧田山中学校は、昭和39年建設の校舎と昭和42年建設の特別教室棟2棟で構成されており、総延べ床面積は2,708平方メートルの施設であります。旧耐震基準で建設された建物であり、建築から50年以上が経過し、老朽化が進んでいること、また平成25年の閉校後は、耐震上課題があることから使用しておらず、公共施設再編計画の方向性は廃止としているところです。しかし、公共施設再編計画の中で、廃止の方向性としている教育委員会管理の施設は旧田山中学校だけではなく、既に閉校している旧舘市小学校や旧田山幼稚園のほか、教員住宅につきましては西根、柏台、保土沢、叺田の4施設も廃止となっており、計7施設が対象となっております。このうち保土沢教員住宅については、今年度解体することで事務を進めているところでございます。
旧田山中学校を含め、廃止の方針となった施設につきましては、市総合計画実施計画の公共施設廃止要望を行っており、市総合計画実施計画の年次計画に基づき、順次解体を進めてまいりたいと考えております。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(教育長 星 俊也君降壇)
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 それでは、何点か再質問させていただきます。
最初に、敬老会のことについてお伺いいたします。昔盛大にという表現が適切かどうか分かりませんけれども、ホテルでやっていたときと今の経費の差額が約1,000万ちょいございます。経費削減ということで、それはそれでいいのかもしれませんけれども、何か老人の対象になっている方にとっては、少し減額されて寂しいというか、そういう感じがすると思うのですけれども、この1,000万の部分、単純にほかの老人の福祉のために使っているわけではないでしょうけれども、何か特別にこういう部分が充実したとか、そういうものはありますでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 健康福祉課長。
〇健康福祉課長 齋藤美保子君 お答えいたします。
その差の分というところなのですけれども、令和2年度に見直しをいたしまして、令和3年度から今のスタイル、状況になったわけですけれども、老人クラブの補助金等の事務の支援ということで、市老連のほうに補助金を出しているというところございます。ただ、大変事業費が少なくて、20万程度でございます。それから、その差の分というところでございますけれども、予算規模でいえばそういうことになるのですけれども、今敬老つどい事業、2,000円と、それから200円の合計額を上限としております。それから、贈呈事業は500円を上限としております。そうすると、高齢者人口、75歳人口が五千幾らありますけれども、その方たちがつどい事業、皆さん対象になれば同じぐらいな規模になるというところも想定しておりました。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 全員に満遍なく平等というのは、これは無理なことは分かっております。もう一つちょっと確認したいのですけれども、今課長が答弁いただきましたように、自治会を通していろいろ敬老会の開催に対して援助をしているということなのですけれども、私のところの自治会も今度やるのですが、自治会長さんは市役所のOBの方で、その方が手続が面倒だというか大変だと、事務手続が、そういう話をしております。この中で、ほかの自治会にも働きかけて開催して、できるだけ多くの方に参加していただくことで考えていますというのは大変結構なことなのですが、事務的な面で、私はどの程度なのか分からないのですが、もし改良、簡易的にお金をあげるという、補助を出すというのはいかがなものかと思うのですが、市役所を経験した方がちょっと煩雑だと言っていますから、そうではない自治会長さんなり事務局の方にとっては、結構大変なのかなと思っているのですが、その辺どのように把握していますでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 健康福祉課長。
〇健康福祉課長 齋藤美保子君 お答えいたします。
ちょうど先月でございますけれども、新しく敬老事業を検討していらっしゃる地域団体向けの説明会を西根、松尾地区につきましては庁舎の多面的ホール等で、それから安代地区におきましては荒屋のコミュニティセンターで開催したところでございます。そのときにも、手続についてもっと簡単にできないかというお話は実際に頂戴しておりました。その部分につきましては、今のところ、補助金なので、簡単にできるというところが思いつかないのですけれども、課内でもその件については話合いをいたしまして、何かできるのであれば、そこのところは考えていこうというふうに意思を統一したところでございます。敬老者の対象者の名簿の貸与も昨年度から始めまして、その部分の手続が確かにプラスになったというところがご負担になっているところもあるのかなというふうに思っております。
以上です。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 せっかく多くの自治会に参加していただいて、敬老の事業をやってもらいたいという趣旨であれば、その辺のところは、事務的なところはちょっと努力していただいて、やっていただきたいと思います。
それから、もう一つ、全員に粗品、お祝いの品を配るということはできないのは、私も分かります。現に実際に喜寿、米寿、100歳は皆さんには配っていらっしゃるようですので、ただもう一つ付け加えて言いますと、75になった新人敬老の方にも、やっぱり何か最初の方にも、予算が少しかかるかもしれませんけれども、その辺も今後検討の中に入れていただいて考えていただければと、事務的なことも含めてですけれども、そのように検討していただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いします。
それでは、公共施設再編計画について伺います。最初に、田山中学校の件を代表的に取り上げたのは、このほかにも、今教育長さんおっしゃったように、使っていない舘市の小学校とか幼稚園とか、いろいろ建物があるわけですよね。そういうことも含めまして、廃止ということですから、解体するという方向になるようですので、地域の皆様とはこのことについて、田山中学校以外のところについてもお話しというか、意見交換というか、そういうことはなされているでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 教育総務課長。
〇教育総務課長 遠藤幸宏君 お答えいたします。
まず、今教育長答弁でありました7施設につきましては、地域にも使われていないところということでございます。そのほかにも廃校になったものとか、財産はありまして、そこは利用されているということで、そこは継続の方向性ということでございます。使われていない廃止方向のところにつきましては、まだいわゆる利用されている方もいない状況ですので、市のほうとしても勝手に壊すということは考えておらないわけですが、いずれ取壊しの年度を含めた方向性が決まったときに、地域の方々とも相談してまいりたいと思っているところでございます。
以上です。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 取壊しの予定がまだはっきりしないのに、地域の皆さんとのお話合いというのも早いのかもしれませんけれども、今の課長の答弁は分かりますけれども、でもやはりもう少し壊す方向であれば、全体の計画をしっかりとつくっていただいて、順次順番を決めてやるというふうな体制にしていただきたいなというふうに思います。この質問全般に通じることなのですけれども、廃止になったものの壊す順番というのはどういうふうに決まっているのか。それから、この財源ですけれども、私もう10年以上前に建物を造るだけではなくて、最後は壊さなければいけなくて、昔のように簡単に壊せなくて、住宅でも今は坪5万円ぐらいの解体費用がかかると言われていますので、造るよりも壊すほうが大変な時代になってきて、その財源をどうするかということで、前にも質問したったという記憶があるのですけれども、市では市有財産の整備基金がありますよね。こういうものの整備というのは、造るためだけのものであって、解体とか、そういうものに使えるというふうなものにはならないものなのでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 副市長。
〇副市長 田村泰彦君 お答えいたします。
今ご質問あった市有財産の基金ですけれども、八幡平市で持っている市有財産の管理運営全般を対象とすることができるので、要は例えばパソコンから、あとは解体まで全て対象にすることができるので、基金を充当して解体するということも可能というふうな形になっております。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 私は、会社には減価償却費ということでお金を積み立てて、新しい自動車買ったら、5年後古くなって使えなくなったとき、また新しい車を買えるようにそういう準備しているわけです。これも同じような考え方に立てば、やはり解体の計画をしっかり立てて、足りないものはこういうものを使って、空き家バンクとか、いろんな市民の皆さんの空き家に対しては市で働きかけて、空き家を利用、もしくは解体して更地にして、環境を整えてくださいということをしている中で、市が自分のところの古いものはそのまんまにして、田山中学校のことについて質問された方も、草はぼうぼうだし、蛇は出るしということをこの間の質問の中で言っていました。やはり市民の方に対して、市役所として範を示すべきなところがあるのではないかと思いますので、この計画について順番をしっかりと決めていただきたいなということを要望したいのですが、いかがでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 お答え申し上げたいと思います。
古川議員おっしゃるとおり、民間企業であれば減価償却ということで、次に備えるというのは当たり前なわけでありますが、我々地方自治体、国も含めて、そういった考え方がないといいますか、そういったいわゆる会計システムではないというようなことも一因となってきたわけでありますので、国からは減価償却的な考え方も含めてバランスシートの作成等も求められてきている部分もあるわけであります。そういった考え方をやはり我々も基本としながら、今後進めていかなければならないということは、そのとおりであります。その上で、既存の廃止、取壊し等をしている公共施設再編計画の中で、取壊しとしているものにつきましては、できるだけ早期に解体して、安全を担保していきたいということはそのとおりであるわけでありますが、正直申し上げまして、令和3年度に個別の再編計画をつくり上げた後に、優先順位をどうしていくかというところまではまだ至っていないというような状況であります。答弁でも申し上げましたとおり、この計画を基に総合計画の実施計画の中で優先順位を決めていく、そこの実施計画の期間は基本的には5年ということで、3年ごとにローリングしていくわけでありますが、その期間の中で考えていくというような形で現在は考えているところであります。
あと、財源につきましても、やはり壊すだけだということであると、なかなか補助金等もないわけでありますが、例えば一部何か施設を整備しながら取壊ししていくというような方向で持っていけば、過疎債の対象にもなったりとか、そういったようなこともありますので、ただただ全て取り壊すということも必要ではあるわけでありますが、その中で跡地活用も含めて何かしらの整備を要するものについては、そういった財源も考慮しながら対応をしていくということも考えていきたいというふうに思っています。繰り返しますけれども、対象となる全部の施設について優先順位をつけていければよろしいわけではありますが、現状ではその財源も含めて、先ほど申し上げましたとおり、実施計画の中で優先順位をつけながら、短期間ではありますけれども、そういったような形で取り組んでいく、そういったことで現在進めているものでございますので、よろしくお願いいたします。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 次に、安代の中央生活改善センターというところは、谷間の沢の出会い頭のところにあるわけなのですけれども、私通告の中でも申し上げましたけれども、この危険度については、そういう災害が起きたときにどういうふうになるかということについての話合いというか、シミュレーションというか、そういうものはされましたでしょうか。壊すという方向性は、答弁で分かりましたけれども。
〇議長(工藤隆一君) 防災安全課長。
〇防災安全課長 多田和雄君 お答えいたします。
建物にダム機能みたいなものがあるのかというようなことでのご質問がございましたが、そういった部分の検証はちょっと技術的にも不可能ですので、そういった機能を持たせられるかどうかというのは想定してございません。
以上です。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 ちょっと失礼ですけれども、どこか大学の先生にでも見ていただければ。私、もしかしたらあったほうがいいのかなと思ったりもしたのです。逆にだから、あれが倒れたら被害がもっと拡大するのかなと。今壊す話をしていて、壊さないほうがいいのではないかみたいな意見も言っているのですけれども、私は専門の方に一回聞いてみるというのも一つなのかなとも思いますので、ご検討していただければと思います。
次に、焼却炉のことですけれども、これは今までも何回かアスベスト云々ということで、いろいろ解体については前に進んでいないのですが、原発の処理水のことをいろいろニュースで見るにつけ、いつか誰かがやらなければいけないことなのです。やはり後々の方にあんまり負担を残さない、危ないものだからこそ、今それを使った人たちが生きているうちに始末をして、次の方に渡すというのが理想ではないかなというふうには思いますので、これ私の考えですけれども。ですから、もう一つ新しい広域のごみの焼却のシステムが稼働し始めますと、八幡平市は2つ昔のごみ焼却場が残るということになりますので、せめてここは1つだけにするような形で、解体についてももう少しスピード感を持って考えていただけないものかなと思うのですが、いかがでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 お答え申し上げたいと思います。
なるべく早期に取り壊したいという思いではあります。今のごみ焼却施設に移行したときに、今おっしゃられていたごみ焼却場を取り壊す、そのときの見積りといいますか、工事費を見たことがありますけれども、当時は二千数百万で取壊しが可能だと、まだアスベストとか、そういった産廃の処分のことも今とは全然違う状況でありましたので、そういった金額があったというのを確認しています。これが今もう10倍以上に跳ね上がっているというようなことで、そして実施計画で議論するたびに、毎年見積り等あるいは設計等を見ていくと、どんどん、どんどん上がっていく、そのたびに先送り、先送りというような、正直言いますと、そういった状況で現在まで推移しているわけであります。ただ、いずれ老朽化も大分著しくなってきておりましたし、あと窓のガラスとか、そういったのも時々割れたり、いろいろな意味で少し、少しといいますか、維持管理費もかかっている、そういった状況でもありますので、何とか、議員さっきおっしゃられましたけれども、次の盛岡広域でのごみ焼却施設の建設までの間には、といいますとまだ10年もあるわけではありますが、それまでの間には何とかしていきたいと。
ただ、もう一つは、工事の施工方法につきましても、やはり斎場の利用がありますので、その近くの中で、日中から解体工事というのはなかなか難しいのかななんていうことも思うわけでありますが、そういったことも専門業者の方からいろいろ知見をお借りしながら進めていきたいと思っておるところでございます。いつということはまだ明言できるわけではありませんが、いずれ私どもとしても何とか早い段階で取壊しをしていきたいというようなことは考えているところでございます。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 前の10倍と言っていますから、多分この10年のうちに早い段階でやらないと、また丸が1つつくような形にもしかしたらなるかもしれませんので、もう少し具体的な方向で前向きに検討して早めにやらないと、追いかけっこになって、いつまでもできないと思いますので、私は10年以内に新しいものができる前に、1つはなくしてほしいということを申し上げたいと思います。
それでは、7番目のところの、当初予算で旧安代老人憩の家解体設計業務委託料529万1,000円、ここを私もちょっと見落として、質疑をしないで予算に賛成しました。ちょっと反省しております。再確認で伺います。再編計画書、令和4年3月に出ております。これです。その中では、廃止に向けて検討すると、関係者と協議するとあります。それがこの間の3月議会では、平成27年に老人憩の家は条例廃止により、ゲートボール場も一緒に廃止されたと答弁されていました。老人憩の家についての廃止は、皆さん異論がないところなのですが、ゲートボール場については廃止に向け関係者と協議するということになっていまして、令和4年3月にこの中でそういうふうにうたっているわけです。そして、5年の3月には、27年にはもう廃止してしまったのだよと。今年の7月に出ました、議員の皆さんに配付いただいた公共施設の建物に係る概算事業費の試算結果という中では、もう廃止というふうになっているわけなのです。これまでの一連の流れを見ますと、後から既成事実化する文章を作っているように私には思えるのですけれども、いかがでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 健康福祉課長。
〇健康福祉課長 齋藤美保子君 お答えいたします。
旧安代老人憩の家につきましては、老朽化が著しいということで、取壊しを進めたいということで予算のほうを要望したところでございます。ゲートボール場につきましても、利用している方がいらっしゃいましたので、廃止、閉鎖に向けて協議を進めるということで、昨年の初めにもそういう予定で進めてまいりましたけれども、なかなか協議に至らないところがございまして、そのうち請願とか、いろいろそういう状況になりました。市といたしましては、令和4年12月28日に屋内ゲートボール場の傷み、例えば屋根の破損ですとか、壁のへこみ、それから落雪による窓ガラスの破損等々勘案いたしまして、令和4年12月28日で完全閉鎖を決定したところでございます。ですので、協議をするというところでの方向性では進めておったものでございます。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 協議をするということだったようですけれども、何か聞きますと協議していないとかと関係者の方は言っている方もいらっしゃいます。これは水かけ論ですから、しようがないのですけれども。3月議会の中で、ゲートボール場は老人憩の家の附帯施設だから、条例がないけれども、壊せるというか、一緒だよというふうなことのお話を橋悦郎議員の質問に対してもされていたのですけれども、この附帯施設だという根拠というのは何か、どういうものが根拠なのでしょうか。その根拠になるものが隣に建っているからということなのか、ちょっと分かりかねたのです。この建物は、ゲートボール場は設計図がないそうですよね、建てたときの。解体の見積りを作るのに500万の予算ということなのですけれども、私は設計図書もなくて、隣に建っているから附帯施設だと言っているけれども、どうも納得し難いのです。建っている場所も、地番も違いますよね。老人憩の家は保戸坂24番というところですし、ゲートボール場の大部分は保戸坂21番2という土地に建っています。公共建物というのは、不動産登記の義務もないようですので、多分建物の表示登記なり所有権保存登記もしていないと思うのです。そうすると、附帯施設だというだけで進めているのですけれども、何か戸籍のない人間と同じように、存在しないものに公的なお金を使ってやっていると、現に物はありますよ。私は、附帯施設だというものの根拠がまだちょっとしっくりこないのです。だから、副市長も答弁なさっていましたけれども、同じようなものだからそれでいいのだみたいな話ですけれども、もう一回条例つくってゲートボール場をちゃんと存在させて、それで進めないと、何か不法なことをしているように私のほうからは見えるのです。だから、附帯施設の根拠と、それからもう一回戻って一からやりませんかという2つ、質問させていただきます。
〇議長(工藤隆一君) 副市長。
〇副市長 田村泰彦君 前の議会のときに答弁したったのですけれども、今みたいな形の類似の施設が市内の八幡平市の公共施設の中であるかというふうな質問に対しては、類似した施設はないというふうに確かにお答えいたしました。はっきりした根拠となると、なかなか示すことは難しいのかもしれないですけれども、ただ要は老朽化しているということで、もともとゲートボール場を設置した目的というのが、要は老人憩の家の利用者のために設置したものというふうに解されますので、ただそれが今の議論からいくと、スポーツ施設か娯楽施設かでもう一回条例を設置したらというふうな話だとは思いますけれども、老朽化しているものをさらにもう一回条例化して議論するという考えには、当然今の段階ではならないものというふうな形になるかと思います。利用するものに、例えば修繕を必要とした場合に、議員さん方も現地確認したとは思いますけれども、穴が空いているものをもう一回張り直しして、またはもう一回塗装し直しして、本当に耐震も調べて使えるような形にするということ自体には、やっぱり莫大な費用がかかるというふうな形になろうかと思います。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 要するに、附帯施設の根拠もはっきりしなかったものですから、何度も繰り返し質問していますけれども、前には進まないのかもしれませんので、これはここでやめます。
それで、もう一つ、議会に出されました請願と一緒に、同じ内容のものが市長部局のほうにも出されていると思いますけれども、出されていますでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 健康福祉課長。
〇健康福祉課長 齋藤美保子君 要望書は頂いております。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 要望書ということは、議会に出た請願の写し的なものではなくて、それとは違うものが出ているというふうに受け止めていいのでしょうか。議会のほうには、請願と一緒にそれに賛同する方々の署名もついたものが出されたのですけれども、そちらにはそういうものは出されなかったでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 健康福祉課長。
〇健康福祉課長 齋藤美保子君 今ちょっとここに本物がないのですが、議会に出された請願書の写しではない要望書であったというふうに記憶しております。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 時間がなくなりましたから、議会には賛成する方の名簿が100名分署名されたものが出されました。そちらには出ていなかったのかもしれないです、見ていないのであれば。見ていないね。いいのです、それで。その中に、あのゲートボール場を設置しました旧安代町の町長さんのお名前もありました。それを見ていただいていればよかったなと思いながらなのですけれども、突然質問すると何か戸惑うところがあるかもしれませんけれども、やはり旧町村の首長さんからも、そういう署名をされているというものが出ている書類というものは、行政に今現に携わっている皆さんにとりましては、どのように受け止めていますでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 ご署名をいただいたということで、その議会に出された請願のコピーは私も確認させていただいております。それぞれ100名近くの方々のどなたが署名されていたかというところまでは、私ちょっと記憶はありませんけれども、やはり旧安代町の町長さんがその当時、建てられた時期に在職していた方だというふうに思っておりますが、私どもとしてはそれぞれの肩書きというよりは、署名された方々全てを等しく見るものというふうに思っております。
以上であります。
〇議長(工藤隆一君) 14番、古川津好議員。
〇議員 古川津好君 分かります、私も。昔何だったから何だというのは関係ないよと言われると、全くそのとおりですけれども、でもやはり一つのまちのトップを務められた方がそういう意見を表明なさったということについては、私は重く受け止めていただきたいというふうに思いますし、自分自身は重く受け止めております。
3月議会に続きまして、繰り返し一般質問しています、このゲートボール場に対して。これは、ゲートボールを愛する方というか、同好会の皆さんの方から、お願いしたと言っている声が届かない、そして市内にはもっと危険だと思われるような建物、それからもっと早く壊して除去しなければいけないもの、景観上の問題を抱えているもの、将来に危険を及ぼすかもしれないような建物、これはゲートボール場よりも早く解体撤去すべきだと私は思っております。12月議会に、ゲートボール場の中をもう少し整備してほしいという請願が出されました。議会で否決されましたら、ゲートボール場の閉鎖の通知がすぐに出ました。そして、3月には解体をするための設計予算が計上され、来年度にはもう多分解体のための予算が計上されると思うのです。何でこんなにスピーディーに早くやるのか。私は、3月にもお話ししましたように、危険性が極めて高いとは思っていません。こんなに早くやる必要性が分からないのと、100名の方々がそういう思いで請願を出していますので、なぜそんなに急いで解体しなければいけないのか、最後に急ぐ理由をお聞かせください。
〇議長(工藤隆一君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 お答え申し上げます。
12月に請願をいただいたということなわけでありますが、今回の解体の予算につきましては、令和5年度の当初予算に計上させていただいて、お認めいただいたわけでありますが、この予算要求の時点は10月であるわけであります。請願をいただく前に、私どもはいろいろな状況を勘案した上で、旧安代老人憩の家の解体の実施設計を予算化するということで、10月以前からいろいろ協議をしながら予算措置をしたわけであります。先ほどご質問にもありましたが、現状では附帯施設というような位置づけで捉えておりましたので、やはり当然本体である老人憩の家のほうはもう非常にひどい状態でありますので、そこはのり面の問題もありますし、早急に解体しなければならないというような判断の下に、附帯施設でもあるゲートボール場も併せて取り壊すというようなことで予算計上をしたと、そういった経緯でありますので、ここに来て壊すということを急に決めたというようなお話のされ方ではありますが、決してそうではないということはご理解いただければと思います。
(議員 古川津好君一般質問席降壇)
〇議長(工藤隆一君) これで古川津好議員の質問を終わります。
ここで昼食のため13時5分まで休憩いたします。
(12時06分)
☆
休 憩
再 開
☆
〇議長(工藤隆一君) 休憩前に引き続き会議を再開します。
(13時05分)
〇議長(工藤隆一君) 引き続き、一般質問を行います。
通告順位7番、熊澤博議員。
(議員 熊澤 博君一般質問席登壇)
〇議員 熊澤 博君 議席番号10番、自由クラブの熊澤博でございます。一般質問を行います。
1、酪農、畜産の経営危機への対応について。昨今の気候変動などによる世界的な食料生産は不安定化しております。食料自給率の低迷や食料品、農業生産資材の価格高騰で、将来の食料輸入に対する消費者の意識調査は、8割近い人が不安があると考えていると指摘されております。国の打ち出す施策は、従来型のものばかりでございます。矛盾した政策にも手をつけようとしない、特にも酪農と和牛の子取り生産は深刻な事態になっております。以下について伺います。
@、酪農経営の現状と対策について。
A、和牛の子取り生産の現状と対策について。
B、繁殖育成センターの利用状況と今後の見通しについて。
C、農業共済組合の家畜共済の今後の見通しについて。
大きな2番、就学援助の在り方について伺います。学校教育法第19条において、「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」とされております。以下について伺います。
@、就学援助対象者は、「要保護者」と要保護者に準ずる程度に困窮しているとされる「準要保護者」とに区分されます。要保護者、準要保護者、それぞれの人数を伺います。
A、市が規定する準要保護者の認定基準の内容について伺います。
B、準要保護者に対する就学援助については、三位一体改革により、平成17年度より国の補助を廃止し、税源移譲、地方財政措置を行い、各市町村が単独で実施しているとされておりますが、その実態はいかがでありましょうか。
以上、大きな2点につきましてお伺いいたします。
〇議長(工藤隆一君) 市長。
(市長 佐々木孝弘君登壇)
〇市長 佐々木孝弘君 熊澤博議員のご質問に順次お答えしてまいります。
まず初めに、大きな1点目、酪農、畜産の経営危機への対応についてのお尋ねでございます。1つ目の酪農経営の現状と対策についてでございますが、近年の酪農経営を取り巻く状況につきましては、飼料価格の高騰による経営圧迫、市場価格の下落による収益低下、燃料費、光熱費の上昇によりコストが増加し、非常に厳しい状況にあると捉えております。
一般社団法人中央酪農会議が令和5年3月に、全国の酪農家157人を対象に実施した日本の酪農経営実態調査の結果によりますと、酪農家の84.7%が赤字経営であり、そのうち4割以上が1か月100万以上の赤字で離農を考えてはいるが、生活維持、借入金返済、日本の食の基盤維持のために経営を続けているという実態が浮かび上がりました。この調査において、現在の状況を変えるため、酪農家が最も求める対策といたしましては、飼料価格の抑制と生乳価格の上昇を望んでいるという結果でありました。
配合飼料につきましては、ウクライナ情勢に伴う穀物価格の上昇等によって、価格が過去最高の水準まで高騰をいたしました。現在も高止まりの状況にございますが、全農によるとトウモロコシのシカゴ定期や大豆かす価格が値上がりしていることなどから、令和5年7月から9月期の配合飼料供給価格については、同年4月から6月期に対し、全国全畜種総平均トン数当たり2,000円値下げすることをお聞きしております。また、乳価につきましては、昨年11月にキロ当たり10円引き上げられ、本年8月からさらに10円引き上げられたとお聞きしておりますが、依然として飼料や資材などの価格高騰が続いており、経営改善にはつながっていない状況にあります。
国では、配合飼料価格高騰緊急特別対策として、配合飼料価格安定制度による補填金とは別に、生産コスト削減などに取り組む生産者に対し、補填金の交付を予定しているほか、配合飼料価格高騰緊急対策事業として、令和5年度以降、配合飼料価格の高止まりが続き、制度の仕組み上、補填が急減することが懸念されるため、一定期間にわたり、連続で補填が続いた後の配合飼料価格の高止まりなどの場合に、飼料コストの急増を段階的に抑制する新たな特例を制度内に設けて、生産者に対する補填金の交付を予定しております。また、国産粗飼料利用拡大緊急酪農対策として、生産コストの削減や国産粗飼料の利用拡大に取り組む酪農経営に対し、購入粗飼料等のコスト上昇分の一部に対する補填金の交付も予定しております。
市といたしましても、昨年度は配合飼料の価格高騰により経営に影響を受けている畜産経営体を支援するため、配合飼料を購入した畜産経営体に対し、1トン当たり600円の飼料高騰対策支援給付金を交付いたしました。本年度につきましても、配合飼料の価格高騰が継続していることから、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、9月補正において畜産飼料価格高騰対策支援補助金を計上させていただいたところであります。今回の補助金の内容につきましては、1頭当たりの補助金額を設定し、畜種ごと、飼養頭羽数に応じて補助金を交付したいと考えております。
総じて、様々な要因により、農業資材関係に限らず、多くの製品が値上がりしており、先が見通せないところではございますが、市といたしましても新岩手農業協同組合、農業改良普及センター、農業共済組合などの関係機関と情報を共有しながら経営状況を把握し、農家の支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、2つ目の和牛の子取り生産の現状と対策についてでございますが、和牛の繁殖経営につきましては、1戸当たりの飼養頭数は増加しているものの、生産者の高齢化や後継者不足などにより、飼養戸数は減少傾向にあり、生産者の確保や経営の規模拡大が大きな課題となっております。和牛子牛市場においては、全国の和牛子牛平均価格が令和5年5月には1頭当たり60万円を割り込みました。繁殖農家においては、1頭当たり60万円が精算ラインとなるため、経営に大きな影響を与えております。
市場価格の低迷が長期化すれば、繁殖農家や肥育農家の生産意欲の低下が懸念されるところでございますが、新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられ、外食の機会も増えてきておりますので、消費の落ち込みに歯止めがかかればと期待しているところでもあります。
市といたしましても、先ほどの答弁と重複いたしますが、昨年度は飼料高騰対策支援給付金を交付いたしました。本年度につきましても、八幡平市畜産飼料価格高騰対策支援補助金を交付し、農家を支援してまいりたいと考えているほか、国、県、他市町村の支援対策の状況を確認しながら、農家の支援に努めてまいりたいと考えているものであります。
次に、3つ目の繁殖育成センターの利用状況と今後の見通しについてでございますが、繁殖育成センターは畜産農家の牛を預かることにより、農家の設備投資及び労力の軽減を図りながら、牛の増頭を支援する目的で、昨年の9月1日に開所に至り、1年が経過をいたしました。同センターの運営につきましては、新岩手農業協同組合が指定管理者となり、現在は職員6名、臨時職員2名の計8名体制で運営しているところであります。同センターの利用状況でございますが、8月末現在の預託頭数と預託戸数につきましては、肉用牛が142頭の27戸、乳用牛が96頭の9戸で、計238頭の36戸となっております。また、開所からの分娩頭数につきましては96頭、市場出荷頭数は7頭でございます。
同センターの大きな特徴として、子牛に適量のミルクを自動で与える哺乳ロボット、分娩時期を的確に捉えるための分娩監視システム、牛の活動状況をスタッフのスマートフォンに知らせる牛群管理システムなど、最新のIT技術を活用した機器を備え、スタッフ全員で情報を共有しております。センターに牛を預けることにより分娩作業がなくなり、畜産農家の負担軽減につながるものと考えております。
今後の見通しでありますが、本年度末の目標とする預託頭数を肉用牛318頭、乳用牛201頭の計519頭に設定をしており、さらなる預託頭数の増加を推進してまいります。また、同センターは、地域畜産経営を支える重要な役割を担っており、市といたしましても指定管理先であります新岩手農業協同組合と連携しながら、地域の畜産、酪農の振興に努めてまいりたいと考えているところであります。
次に、4つ目の農業共済組合の家畜共済の今後の見通しについてでございますが、農業共済組合の家畜共済につきましては、牛、馬及び豚を対象として養畜の業務を営む人が加入することができ、死亡廃用共済と疾病障害共済のどちらか一方、または両方の加入が選択できるものであります。八幡平市における家畜共済加入割合は、約9割となっておりまして、補償の内容によって掛金の額が決まるため、畜産農家の多くは、獣医師による家畜診療経費が補償される疾病障害共済に加入しているとお聞きしておるところであります。
家畜共済制度につきましては、平成30年度に国によるNOSAI団体家畜診療所の経営の仕組み改正が行われ、家畜診療所に対する国の補助がなくなったため、運営が大変厳しい状況であると伺っております。家畜共済は、畜産農家の経営安定には欠かせない制度であると理解しておりますが、今のところ市として具体的に支援できるものはないわけでありますが、必要に応じて相談等に応じてまいりたいと考えているところであります。
なお、このほかのご質問につきましては、教育長から答弁がございますので、以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(市長 佐々木孝弘君降壇)
〇議長(工藤隆一君) 教育長。
(教育長 星 俊也君登壇)
〇教育長 星 俊也君 私からは、大きな2点目の就学援助の在り方についてのご質問に順次お答えいたします。
初めに、1つ目の就学援助対象者のうち、要保護者と準要保護者の人数についてのお尋ねでございますが、就学援助につきましては、ご質問にあるとおり、学校教育法第19条において、「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」とされており、市としましても、その法の規定に基づき、八幡平市要保護及び準要保護就学援助費支給要綱を制定し、経済的理由によって就学が困難と認められる児童生徒の保護者に対して援助を行っております。
就学援助の対象者についてですが、要保護者とは生活保護法第6条第2項に規定する「保護を必要とする状態にある者」のことであり、準要保護者とは八幡平市要保護及び準要保護就学援助費支給要綱に規定する「要保護者に準ずる程度に困窮している者」のこととなっております。要保護者と準要保護者のそれぞれの人数についてですが、児童生徒の人数となりますが、今年8月1日現在において要保護者は9人となっており、準要保護者は237人となっております。この割合については、市全体の児童生徒数のうち、要保護者は0.7%、準要保護者は17.7%となっております。
次に、2つ目の市が規定する準要保護者の認定基準の内容についてでございますが、市では準要保護者の認定基準につきましては、八幡平市要保護及び準要保護就学援助費支給要綱にて規定しております。準要保護者の認定基準は、要綱第2条第2項において、「生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者で、次のいずれかに該当し、その世帯の所得の額を生活保護法第8条第1項に規定する需要を基準として教育長が定めた需要の額で除して得た数が1.3未満であるもの」と規定しております。ここでいう「次のいずれかに該当し」という条件につきましては、「児童扶養手当の支給を受けている者」などのほか、「その他援助が必要と認められる者」としておりまして、いわゆる生活保護制度による認定所得基準を3割増加分まで認めた所得未満の世帯を援助が必要な者として認定しております。
次に、3つ目の準要保護者に対する就学援助については、市町村が単独で実施しているとされるが、その実態はについてでございますが、議員ご案内のとおり、準要保護者に対する援助につきましては、現在は市が単独で実施しております。準要保護者の就学援助に関する財政措置につきましては、三位一体改革による財政措置として普通交付税に算入されております。また、要保護者の就学援助に対する財政措置に関しましては、国庫補助である要保護児童生徒援助費補助金が交付されております。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(教育長 星 俊也君降壇)
〇議長(工藤隆一君) 10番、熊澤博議員。
〇議員 熊澤 博君 実は、答弁でも価格が表現されておりましたが、私の調べました最新の情報を基にして、一般質問をさせていただきたいと思います。
7月の和牛の子牛市場の雌と去勢の平均価格は49万3,000円でした。子牛の生産費は70万と言われております。いわゆる餌が上がったわけです。ですから、1頭売るたびに20万円の赤字が生じるという実態でございます。特にも7月の雌子牛は40万3,000円でございました。ですから、雌の場合には30万円の赤字です。ちなみに、この雌の価格は、全国の家畜市場の中で最低だったそうです。そういう報告が農家から私に寄せられております。
また、6月分の乳価に補給金を加えた県の平均は、キロ当たり123円でございました。酪農、畜産問題の第一人者とされます東京大学の鈴木宣弘教授の試算によりますと、生乳1キログラム当たり30円の赤字だそうでございます。酪農家の生計を守るには、あと30円必要だということです。ですから、153円の乳価が実は必要なわけでございます。
答弁の中でありましたが、「乳価につきましては、昨年11月にキロ当たり10円引き上げられ、本年8月からさらに10円引き上げられたとお聞きしておりますが」とありますが、酪農家から伺いますと、10円の引上げということで期待しておったところ、実際の手取りは2円にしかならなかった、これはうそではないと思います。さっき私が報告しました、いわゆる6月分の乳価、県の平均で123円、前年同月比は10円安いだけなのです。ですから、これはうそではないと思うのです。そういう実態があるようでございます。ですから、私たちが思っている以上に酪農家は厳しい情勢に置かれているということが言えると思います。
実は、欧米でも今同じ情勢にあるのです。餌が高くて燃料も、それこそ同じような状況で欧米諸国と日本は苦しんでおります。欧米では、ご存知のとおり、価格保証と所得補償の両方で酪農を支えているのです。日本でも、やはり価格保証と所得補償で基幹産業の農業、酪農、畜産を守らなければならないものだというふうに思っております。ご存知のとおり酪農に、そして和牛の子取り生産に直接関わります米を守るための水田活用支払交付金の復活も、本当に重要だというふうに思います。これも実は、酪農、畜産を支えるという点では非常に大事なものだったのですが、これが今回3割以下に引き下げられると、いわゆる水張り減反以外の牧草を取るだけの生産ですと、そういうふうに3万5,000円が1万円になるというような厳しい情勢でございます。私の牛舎のあります川原目近辺で、田んぼの取引がありました。反当10万円です。これが今相場なのです。本当はゼロでもいいと言うのですが、贈与になると税金上大変だから、何とか10万円にしてくれということで、買うほうが10万円払っているそうです。1町歩100万円です。やはり水田活用支払交付金の減額というのは、こういう形で影響が既に今年におきましても出ております。子牛の配合飼料は1.7倍です。高いものは2倍だと言われております。肥料は3倍、燃油、電気料金、高騰を続けております。やはりこの際、国への追加支援の要請、もっともっと必要ではないかと思うわけなのですが、その辺の私の見ました情勢分析を基に、市としての考え方をまず伺いたいというふうに思います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
確かに酪農、繁殖農家等も様々経費等が上がっているという状況は、重々承知しているところでございます。制度といいますか、私どもの市だけでは、もうどうにもできないような状況にもあるというのも、これも承知しているところでございます。国、県等に要望するかどうかにつきましても、かなり酪農家、畜産農家の皆様の経営が厳しいというような状況も把握しているところでございましたので、もう一度内部のほうで協議しながら、要望するかどうか検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 10番、熊澤博議員。
〇議員 熊澤 博君 今酪農家は非常に厳しいという話をしたのですが、やはり生き残らなければならないということで、乳用牛への黒毛和種の交配の状況についてというので、実は「開拓情報」の7月15日号で紹介してありました。日本家畜人工授精師協会の6月30日のいわゆる報告でございます。今年度の第1・四半期、1月から3月期の内容を公表しているわけです。乳用牛への黒毛和種の交配は、42.7%に上昇したそうです。それから、性判別の精液、雄雌産み分けられるという性判別です。乳用牛の場合には、雌が欲しいわけですから、乳用雌種を授精するのです。その利用割合が全国平均20.7%と、2期連続で増加傾向にあるそうです。この背景は何か、悪化が続く酪農情勢を反映して、乳牛への和牛精液の授精によるF1生産、和牛受精卵の移植による和牛子牛の生産、性判別の乳用雌種の利用による乳雌子牛の生産、これは結果的に和牛の子取り生産にまで和牛子牛の続落という影響を及ぼしているという実態なのだそうです。非常に厳しい情勢がございます。かといって、酪農家を悪く言うわけにも、和牛子取り農家は言うわけにはいかないわけです。お互いに苦しいわけですから。
そういう中で、実はこの間寺田地区の和牛改良組合の焼き肉交流会があったのですが、その際紹介されておりました。いわゆるゲノミック評価ということで、生まれたばかりの子牛の尻尾の毛を抜いて、毛根の検査でもって、家畜改良事業団がやってくれるそうですが、分析、ゲノミック評価をしますと、将来の能力すっかり分かるのです。そういう動きも今出ているようです。1頭当たり1万円から2万円ぐらいでできるそうです。
ですから、これは酪農家に限らず、和牛の子取り農家にも共通するのですが、具体的な活用例として遺伝的に高能力な初産牛、和牛も含め、乳牛も、これには高能力の種雄牛の雌種を交配して、確実に和牛なりホルスの後継牛を確保する。ほかの牛には、いわゆるそのほど能力の高くない牛には雄種の和牛をかけると、あるいは受精卵移植でもって高能力牛を、子牛を確保する、こういう非常に今まで考えられなかったようなスピードで今改革が進められようとしております。これ私考えるに、やはり市としても助成していく必要があるのではないでしょうか。キャトルセンターのためばかりではなく、生き残り策として酪農と和牛の子取り生産に幾分なりとも市で助成しながら、やっぱりこれを普及させる必要があるのではないかというふうに、一つの対策として考えているのですが、この辺、課長の考え伺いたいなというふうに思います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
確かに今、ここ2年ほどでしょうか、受精卵移植という技術が非常に進んできているなというのは、現場というか、農家の皆様からのお声を聞いても、受精卵移植で対処しているというようなことも聞いているところでございます。また、最近ではかなり精度も上がってきて、確実にいい牛が生まれてくるというような技術も確立されつつあるというところまで聞いているところでございます。
また一方で、乳牛に受精卵移植をして、黒毛和種の子供を取るというようなことも、これは全体的な配合飼料の価格高騰もあって、乳牛、ホルスタイン種の雄子牛の価格が暴落したというようなこともあって、酪農家の皆さんも幾らかでも手取りを増やそうということで、黒毛和種の受精卵をホルスタインのほうにつけるというようなことも最近かなり進んできているということで、今熊澤議員さんおっしゃったとおりの内容となっているところでございます。
我々といたしましても、県も交えながら、今後の畜産酪農の在り方ということで、振興するための方策の一つではないかなと私は考えておりますので、今現在ですぐ事業化というか、そういうふうなお話もないわけではございますが、ただ現場のほうは我々よりも先に進んでいるような感はございますので、そういったところに幾らかでも支援していくことは、これは必要なことではないかなと思っているところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 10番、熊澤博議員。
〇議員 熊澤 博君 前向きな答弁ありがとうございました。
それと、私この際伺いたいと思うのですが、これは和牛についてなのですが、農業共済新聞の9月6日付に出ておりました。和牛繁殖への支援拡充で全国平均との差額をブロック別に補償、こういう報道でございました。肉用子牛生産者補給金制度の和牛の補償基準価格は55万6,000円なわけですが、これは四半期ごとに全国平均価格が下回った場合に差額が発動になって支払いされるという仕組みなのですが、実は今回のように異常事態の場合は、やはりこれではうまくないという全国の要望がありまして、ブロック別の平均価格が全国平均価格を下回った部分についても、実はそこの差額の4分の3を補填するというふうに言われております。また、今年限りの措置ではございますが、農畜産業振興機構が実施する和子牛生産者臨時経営支援事業の支給を拡充したようでございます。いわゆる四半期ごとのブロック別の平均価格が発動基準の60万円を下回った場合、その差額の4分の3を支援するというものなわけでございます。つまりこれまでの肉用子牛生産者補給金制度だけでは、もう間に合わなくなったという情勢の下に、枝肉価格の低迷や生産コストの高止まりを受けて、肥育農家の買い控えがご存知のとおり続いているわけなのですが、これに対してブロックによっては全国平均価格を大幅に下回って推移している、例えば岩手県のような場合です、推移しているところがあるということで、それに対する対応策が実は先月の農業共済新聞に報道されておりましたが、これに対しましての市の対応を伺いたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
今熊澤議員おっしゃったとおり、私どもはまだ正式な通知という形でもらってはおりませんが、新聞報道等で60万円を下回った場合の補填、あるいはその補助基準価格の55万6,000円を下回った場合の新たな別枠での対策を国がやるようだというような報道を受けまして、市といたしまして、今現在でこれに対してすぐどういった対策を取るかということは、まだ検討をしていないわけではございますが、ある程度60万円というラインを見て、それを下回った場合の補償を国で行うということでございますので、畜産農家さんにとってみれば、ある程度所得のほうが補償されるということで、非常にこれはいい対策だなと思っているところでございます。市といたしましては、今回の9月定例会に配合飼料価格のほうの補助事業等を予算要求させていただいておりますので、取りあえずはそちらのほうで畜産農家さん等の支援を行ってまいりたいと思いますし、また今後こういう配合飼料の価格上昇等や燃料関係がまだ上昇しておりますように、いつそれぞれ落ち着いた料金になるかというのは、非常に見通しがつかないわけでございますので、今後につきましてはまたさらにいろいろ情勢を把握しながら、必要な措置については検討してまいりたいなと思っているところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 10番、熊澤博議員。
〇議員 熊澤 博君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
実は、私酪農畜産の経営危機への対応についての最後のCで、農業共済組合の家畜共済の今後の見通しについてという質問をしております。答弁はいただいたわけなのですが、家畜共済の農家の掛金というのは、半分は国が負担しているのです。これで維持されているわけです。
しかし、答弁にもちょっとありましたが、事務費と共済の家畜診療所への国からの支援が減らされ続けているという情勢にあります。その結果、家畜共済の診療費の1割が今は農家負担にされました。今まで、かつては初診料だけで、あと全部対象だったのです。共済の掛金の診療給付限度額の枠内であれば、初診料以外は全部ただにしてもらえたのです。これが今度は、診療費の1割が農家負担にされ、そして現在あります共済組合の家畜診療所、ここの獣医さんに診療を依頼しますと、診療費が2割増しにされます。言わば、共済組合の診療所を使わないでくれと言わないばかりの差をつけたわけなのです。これがかつての農業災害補償法に基づく畜産振興のための家畜共済なのかと、目を疑うような変貌ぶりでございます。岩手県内に現在3つある家畜診療所を将来はやめて、地域センターと2つの支所の数をさらに減らせという国の方針があるようです。ところが、この国の方針に言いなりにならざるを得ない情勢に今共済組合は置かれているそうです。将来的には、国の共済から民間の保険へと移行する構想まであるそうでございます。
酪農畜産の採算割れが非常に深刻になっている中、産業動物でもある大家畜の診療に就きたいという若い獣医師が激減しているというふうに言われております。人間生活に本当に必要なものを生産する産業を守り抜かなければならないわけなのですが、実は共済組合の診療所の獣医さんがほとんど退職して、開業しました。幸い八幡平市は、キャトルセンター取っかかっておったものですから、そのうちのお二方が現在八幡平市で個人開業しております。非常にありがたいと思っております。辞めるときは大げんかしたそうです。私が獣医になる頃はそうではなかったのですが、今の獣医科卒業した獣医師というのは、本当に東京大学、国立の医学部に簡単に入れるような人しか受からないそうです。それくらい獣医師が狭き門になっているそうです。そして、将来を期待して共済組合の家畜診療所に就職したのに、こういう将来の方向性を示されて、言わばだまされたような仕掛けです。ですから、大げんかして辞めたというふうに聞いております。
今何起こっているかといいますと、全国の共済組合の獣医向けの雑誌があるのですが、その中で大きなページを割いて獣医師の募集を共済組合がやっている、こういう情勢にあります。将来こうなりますよということを告げられた共済組合の勤務獣医師たちは辞めたわけですから、当然下手すれば全部辞めて、今ある診療所を維持できないということで、慌てて募集を取っているという実態です。こういう実態があるということ、やはり私は市としても頭に入れておいて、繁殖育成センターの獣医師確保に当たっていかなければならないのではないかなというふうに思っているのですが、今の話を聞いて、課長さんどうでしょうか。
〇議長(工藤隆一君) 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
なかなか熊澤議員さんを目の前に獣医師のお話をするのは非常に大変なわけでございますが、ご質問をいただきまして、私どもも農業共済組合の北岩手支所の家畜診療所さんの状況について伺ってきたところでございます。経営の状況等から申し上げますと、農業共済組合の家畜診療所という部門としては、大変厳しいという状況でございます。そして、そういった状況につきましては、先ほど熊澤議員さんおっしゃったとおり、国からの補填金がなくなったというようなところも非常に影響が大きいというようなお話をされておったところでございます。そういった中で、獣医師の確保も続けていかなければならないし、本県だと岩手大学さんで獣医師の養成の科がございますが、岩手大学さんのほうでも小家畜よりは大家畜のほうに力を入れて育成を図っていく方針だというお話は、直接聞いたわけではありませんが、伺っているところでございます。
そして、北岩手診療所、今獣医師さん6人いらっしゃいまして、当市のほうも巡回していただいておりますし、市内には開業医さん5人の方がいらっしゃって、それぞれ順次診療いただいているというような状況となっているところでございます。
また、その場の話では、やはり家畜共済さんでもいろいろなラインを通じて、経営が厳しいというようなところは、当然自らの経営改善もするけれども、獣医師の充足につきましては、いろいろな支援をいただけないものかというようなお話もされておったところでございますので、内容をちょっと把握した上で、市として診療体制を充実というのは望むところではございますので、何か要望等できないものかなということで伺ってきたところでございますし、今現在すぐに、では国、県に要望するかというようなところにまでは至っていないわけですけれども、なかなか厳しい経営の状況にあるなというのを把握してきたところでございますので、今後につきましてはそういったところも含めながら、市として何ができるかというようなところは検討してまいりたいなと思っているところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤隆一君) 10番、熊澤博議員。
〇議員 熊澤 博君 現在のキャトルセンターは、指定管理による管理なわけで、いわゆる市営のキャトルセンターの業務委託ではないわけです。ですから、今農協さんに全てを委ねているという形になっているのですが、たださっき報告受けましたとおり充足していない、預託頭数が当初予定していたよりかなり少ないという中で、私たち市としましては費用対効果というのをやっぱり考えていかざるを得ない、そういう点では、私はかねてから言っておりましたが、農協さんと市長、話し合っていく必要があるのではないか、今後どうあるべきかということ、そういうお話を申し上げました。そのこと、もしありましたら伺いたいことと、それから私が聞いた情報では、滝沢市、岩手町、岩中酪、利用させてもらいたいという希望が結構あるようなのです。ただ、問題は割増しです。もちろん市としましては、市外の酪農畜産農家と一線を画すというのは当然なわけなのですが、今現在は2割増しですか、これをぜひ検討してもらいたいという声もあるようです。そうすれば利用させてもらいたいという声が、実は和牛改良組合の組合長さんにも寄せられておるということを伺っております。そういう点での今後の見直し、どういうふうにお考えか、これは市長でなくても、課長でも結構ですが、ぜひ伺いたいと思います。
〇議長(工藤隆一君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 私からお答え申し上げたいと思います。
熊澤議員さんおっしゃったとおり、岩中酪の組合長さんとも懇談の機会もありました。そして、和牛の部会長さんとの意見交換も、直接話をさせていただく機会もありました。そういういろいろな方々と話をする中で、議員さんおっしゃったとおり滝沢のキャトルセンターが、まず滝沢の状況についての話があったわけでありますが、経営が軌道に乗るまで5年以上かかったと、やはり立ち上げから5年間は非常に厳しい状況であったということで、その立ち上げ当時はかなり危機感を持っていらっしゃったという話もあったようであります。ただ、現状では、やはり規模が小さいということもあって、滝沢市内の畜産農家の要望にも応えることができないぐらいもう満床になっているというようなことでありまして、滝沢市にも増頭の要望をするとかしないとかというお話も今何か言っていらっしゃるそうですが、ただこのような状況下でありますので、現実に新しい施設をまた造るということはなかなか難しいであろうというようなことは、岩中酪の組合長さんもお話をしていました。
そういう話の中で、八幡平市のキャトルセンターは、基本的には市が建てたわけでありますので、八幡平市内の畜産農家のための施設であるということが大前提だとは思います。ただ、可能性とすれば、滝沢あるいは岩手町から直接は聞いておりませんけれども、そういったようなことで、先ほどおっしゃられたとおり2割増しなりの料金で、まだ空いている二、三年の間ぐらいは受入れすることも可能というか、やはり農協の指定管理者の経営も考えれば、そういうことも視野に入れていかなければならないのかなということを懇談している中で考えてはおりました。
そういうことも含めて部会長さんと意見交換もしましたが、部会のほうでも経営を最優先にして考えていかなければならない部分もあるであろうと、ただやはり組合の方々からは、ほかから入れたときに、これからどんどん市内から増頭していくわけでありますけれども、その市内の組合員の皆様の要望に応えられなくなったらどうするのだと、市のキャトルセンターが受け入れられなくなったらどうするのだというような不安はあるという話は聞いています。ですから、そこら辺の兼ね合いも含めて、どのようにしていったらいいのかということは、具体的にこれから指定管理者ともさらに協議していかなければならないかなというふうに今私のところで思っている、そういった状況であります。
〇議長(工藤隆一君) 10番、熊澤博議員。
〇議員 熊澤 博君 前向きな答弁ありがとうございました。
最後に、就学援助の在り方について1点伺いたいと思います。この就学援助というのは申請給付、いわゆる申請受給なわけです。これまで酪農畜産の経営危機について、るるお話ししてまいりましたが、この経営危機に瀕する酪農畜産農家の学齢児童生徒の保護者に対する周知徹底というのはどういうふうになされているか、私はここが非常に大事だと思うのです。間違いなく軒並み対象になる酪農畜産農家だというふうに思います。かつて冷害が頻発していたあたり、私は先輩議員と就学援助を取り組んだことがあります。ほとんど対象になりました。漏れたの1人あったかないかです。ですから、こういう困ったときのための就学援助でもあるわけです。そういう点での制度の周知徹底をどのように考えておられるか、市の考え伺いたいと思います。これで終わりにします。
〇議長(工藤隆一君) 教育総務課長。
〇教育総務課長 遠藤幸宏君 お答えいたします。
就学援助制度の周知につきましては、学校を通じてではございますが、毎年その保護者に周知しているということで、今熊澤議員からありましたとおり、申請主義ということであります。その基準以下の所得の方でも、まずもらうつもりはないというような声もたまには聞くこともあります。実際理解できないで、申請していない方もゼロとは言えないとは思っております。そういうことで、やはりこれまでどおり学校を通じた周知には努めてまいりますが、酪農農家に特化したということは考えておりませんで、いずれ今あるルールで生活保護世帯のまず3割甘くした基準で、計算しやすい数字でいえば、100万円の所得以下だと、生保の人は130万以下だとまず就学援助は対象にしていますよということですので、それでご理解いただきたいと思います。
(議員 熊澤 博君一般質問席降壇)
〇議長(工藤隆一君) これで熊澤博議員の質問を終わります。
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散 会
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〇議長(工藤隆一君) 以上をもちまして本日の日程は終了しました。
本日の会議はこれをもって閉じ、散会いたします。
(14時01分)