令和5年八幡平市議会第2回定例会
議事日程(第2号)
令和5年6月16日(金)
日程第 1 一般質問
関 治 人
渡 辺 義 光
勝 又 安 正
出 席 議 員(18名)
1番 外 山 一 則 君 2番 田 村 正 元 君
3番 齊 藤 隆 雄 君 4番 関 治 人 君
5番 羽 沢 寿 隆 君 6番 工 藤 多 弘 君
7番 勝 又 安 正 君 8番 北 口 功 君
9番 工 藤 隆 一 君 10番 熊 澤 博 君
11番 立 花 安 文 君 12番 渡 辺 義 光 君
13番 工 藤 直 道 君 14番 古 川 津 好 君
15番 橋 悦 郎 君 16番 橋 光 幸 君
17番 井 上 辰 男 君 18番 工 藤 剛 君
欠 席 議 員(なし)
説明のために出席した者
市 長 佐 々 木 孝 弘 君
副 市 長 田 村 泰 彦 君
教 育 長 星 俊 也 君
企 画 財 政 課 長 関 本 英 好 君
総 務 課 長 佐 々 木 善 勝 君
防 災 安 全 課 長 多 田 和 雄 君
ま ち づ く り推進課長 工 藤 輝 樹 君
文 化 ス ポ ー ツ 課長 関 貴 之 君
税 務 課 長 藤 原 重 良 君
市 民 課 長 高 橋 繁 範 君
地 域 福 祉 課 長 村 上 郁 子 君
健 康 福 祉 課 長 齋 藤 美 保 子 君
健 康 福 祉 課 長 補佐 工 藤 千 歳 君
農 林 課 長 佐 々 木 仁 君
花 き 研 究 開 発 津 島 佐 智 幸 君
セ ン タ ー 所 長
商 工 観 光 課 長 佐 々 木 宣 明 君
建 設 課 長 工 藤 剛 君
上 下 水 道 課 長 高 橋 康 幸 君
八幡平市立病院事務局長 小 笠 原 文 彦 君
会 計 管 理 者 兼 橋 誠 君
会 計 課 長
西 根 総 合 支 所 長 金 田 一 捷 誠 君
安 代 総 合 支 所 長 畠 山 健 一 君
教 育 総 務 課 長 遠 藤 幸 宏 君
教 育 指 導 課 長 柏 英 保 君
農 業 委 員 会事務局長 田 村 春 彦 君
監 査 委 員 事 務 局長 佐 々 木 由 理 香 君
事務局出席者
事 務 局 長 及 川 隆 二
議 事 係 長 高 橋 美 穂
☆
開 議
☆
〇議長(工藤 剛君) ただいまの出席議員は18名であります。定足数に達していますので、会議は成立いたします。
これから本日の会議を開きます。
(10時00分)
☆
一般質問
☆
〇議長(工藤 剛君) 日程第1、一般質問を行います。
この際、お願いいたします。本定例会の一般質問の方法は、会議規則第64条により行います。したがいまして、質問回数は制限しないこととし、再質問以降は一問一答方式または二問二答方式、三問三答方式のいずれかの方法で行うことができます。なお、質問者は一般質問席で質問を行い、再質問についても一般質問席で行うこととします。質問の制限時間については、議事運営に係る申合せ事項を適用し、答弁を含めて60分以内とします。また、通告以外の質問は行わないことなど、このほかの運用基準につきましても申合せ事項により取り計らうこととしておりますので、ご協力をお願いいたします。あわせまして、質問、答弁は要点をまとめて簡潔にお願いいたします。
通告順位1番、関治人議員。
(議員 関 治人君一般質問席登壇 ※プロジェクター使用)
〇議員 関 治人君 おはようございます。議席番号4番、八起会、関治人です。大きく3点について質問いたします。
1、観光振興について。観光庁の訪日富裕層外国人誘客モデル観光地に八幡平が選ばれました。この事業は、富裕層の訪日外国人を呼び込むため国が集中的に後押しするもので、具体的には新型コロナウイルス感染拡大により落ち込んだ訪日外国人客の本格回復に向け、専門家の派遣や観光ガイドの育成を支援する内容となっています。今年度は、ターゲットの具体化や戦略を定めた計画をエリアごとに作成し、関連経費として7億円を確保、各エリア全国11か所に配分することとしていますが、以下について伺います。
@、この事業の八幡平とは、どの自治体が対象になるのか。
A、関連経費7億円の配分はどのように決められるのか。
B、この事業のほかに、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ訪日外国人客の本格回復に向け、自然、文化体験ツアーなどを支援する観光再始動事業139件も採択されました。この中に、2023年に行くべき盛岡・岩手宝探しの旅が含まれていますが、この事業に対し、八幡平市がどのように関わっていくのか伺います。
2、教育環境整備について。八幡平市小中学校適正配置検討委員会は、令和4年度から13年度までの10か年を期間とする第3期八幡平市小中学校適正配置計画(案)を、令和4年10月に教育委員会に報告しました。この計画にある安代地区の小中連携教育推進について伺います。
@、小中一貫教育の推進とは、具体的にどのようなことを行っていくのか。
A、小中学校適正配置計画(案)において、安代地区での小中一貫教育の推進は、将来の安代小学校と田山小学校を統合しやすくするための環境整備ではないかとの声もあるが、見解を伺います。
3、安代クリーン作戦について。去る4月23日に、クリーン作戦安代が行われました。令和3年第2回定例会の一般質問で、貝梨峠付近の作業の安全性確保と峠の環境改善を求めました。作業状況を確認した上で、必要な安全策を検討するとの答弁がありましたが、どういった対応策を施したのか伺います。
以上、よろしくお願いします。
〇議長(工藤 剛君) 市長。
(市長 佐々木孝弘君登壇)
〇市長 佐々木孝弘君 おはようございます。関治人議員のご質問に順次お答えしてまいります。
大きな1点目の観光振興についてのお尋ねでございます。地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり事業につきましては、観光庁がインバウンド需要の本格的な回復を見据え、消費額の増加と地方への誘客をより重視するという観点から、訪日旅行における消費単価の高い傾向にある高付加価値旅行者、いわゆる富裕層をターゲットとした地方への誘客を促進するモデル観光地として、全国の11地域の一つに八幡平エリアが選定されたものでございます。本事業は、高付加価値旅行者の誘致を通じ、地域経済の活性化と持続可能な地域の実現に向けた取組を観光地経営という観点から、観光庁が支援を行い、観光地の再生と高付加価値化に取り組む事業となっており、本年度につきましては地域における現状と課題、地域の目指す姿、観光庁の方向性でもありますウリ、ヤド、ヒト、コネ、アシの5つの観点から、地域としての観光地づくりに関する基本的な方針、また具体的な事業計画の指針となるマスタープランを八幡平エリアで策定する計画となっているところでございます。
初めに、1つ目の本事業の八幡平とは、どこの自治体が対象となるのかについてでございますが、本事業のモデル観光地の選定につきましては、地域が一体となり取り組むべき事業として、八幡平市観光協議会での申請を行ったものでございます。モデル観光地の選定に至るまでには、本年2月に観光庁の現地視察、意見交換会などが行われ、このエリアの実情や可能性などについて意見交換を行ったところであります。観光庁の地方への誘客を拡大する狙い、また選定されました11か所のモデル観光地の状況から、北東北を念頭に置いた取組になるものと想定しているところでございます。
八幡平エリアの自治体につきましては、事業計画の指針となるマスタープランにおいて定められるところでございますが、北東北の共通の観光資源であります十和田八幡平国立公園での枠組み、さらには岩手県、秋田県、青森県の北東北での広域的な取組になることも想定されますことから、北東北の中心に位置する観光の拠点地としての立地特性を生かし、八幡平エリアの誘客促進に官民一体となった取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、2つ目の本事業における関連経費7億円の配分はどのように決められるのかについてでございますが、モデル観光地の発表につきましては、本年3月28日の観光庁の報道発表により、多くの報道機関で取り上げられ、一部の報道機関では関連予算7億円という具体的な予算規模の報道があったと認識しているところであります。現在本事業に係る予算配分につきましては、観光庁から示されていない状況でございますが、本年度につきましては体制の構築やマスタープランの策定が主な事業であることから、専門人材の派遣や市場調査に係る経費などが予算化されるものと想定しているところでございます。モデル観光地に選定されたことにより、観光庁から専門家とともに、地域に必要な取組の分析、戦略、体制づくり等の伴走支援、地域が一丸となった持続可能な地域経済の構築、世界的デスティネーションに向けた地域課題への個別の支援など、地域が目指す姿に向かうための支援を行っていただけるものと伺っているところでございます。
また、コロナ禍からの観光立国の復活を推し進める様々な補助事業が令和5年度も予算計上されており、市内事業者の施設改修、設備投資等につながるよう、株式会社八幡平DMOを通じ、引き続き補助事業などの活用を推進してまいりたいと考えております。
次に、3つ目の岩手県が採択された観光再始動事業、2023年に行くべき盛岡・岩手宝探しの旅事業に対し、八幡平市がどのように関わっていくのかについてでございますが、観光再始動事業につきましては、インバウンドの本格的な回復を図るため、地方公共団体、観光地域づくり法人、民間事業者等が取り組むインバウンド向けの体験コンテンツやイベント等に対し、観光庁が事業費を補助する内容となっているところでございます。岩手県が採択されました2023年に行くべき盛岡・岩手宝探しの旅事業につきましては、盛岡市がニューヨーク・タイムズ紙の2023年に行くべき52か所で、ロンドンに続く2番目に紹介されたことにより、国内外から多くの注目を集めている状況を踏まえ、盛岡市のコンテンツと県内の食文化や名所を組み合わせた特別なイベントを開催し、観光客にとって魅力的な旅行先として選ばれることを目的とした事業内容と伺っております。
本事業の連携という点につきましては、岩手県及び関係市町村等から構成される協議会が設置されると伺っているところでございますので、盛岡市を中心とした観光コンテンツ等と連携した取組により、本市への誘客促進につなげてまいりたいと考えているところでございます。
次に、大きな3点目、安代クリーン作戦についてのお尋ねでございます。関議員から、令和3年第2回定例会でご質問のありました貝梨峠付近での具体的な安全策についてでありますが、4年度から貝梨峠入り口に道路清掃を実施している旨の看板を設置し、通行者に注意喚起をしながら道路清掃を行っていただいているところであります。峠の道路清掃につきましては、注意喚起以上の安全対策は困難であるため、公衆衛生組合連合会と協議し、歩道のない国道での道路清掃は行わない方向で進めてまいりたいと考えております。
環境改善につきましては、国道を管理する盛岡広域振興局土木部、岩手土木センターに状況を説明し、待避所に監視カメラ等を設置していただいております。以前に比べ、待避所におけるポイ捨てごみは減少し、環境改善が図られたと感じておりますので、引き続き関係機関に働きかけるなど、対策を講じてまいりたいと考えております。
なお、このほかのご質問につきましては教育長から答弁がございますので、以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(市長 佐々木孝弘君降壇)
〇議長(工藤 剛君) 教育長。
(教育長 星 俊也君登壇)
〇教育長 星 俊也君 私からは、議員お尋ねの大きな2点目、教育環境整備についての質問にお答えいたします。
初めに1つ目、小中一貫教育の推進とは具体的にどのようなことを行っていくのかとのお尋ねでございます。小中一貫教育を推進してまいりますと、第1に義務教育9年間の見通しを持った教育活動を展開していくことが可能となります。小中学校で共通の教育目標を掲げ、9年間を通してその具現化を目指します。また、小中学校の異年齢の交流や学び合いを通して、集団としての学習経験や活動体験を積むことにより、少子化による児童生徒数の減少を相互に補いながら、望ましい人間関係を形成することができると考えております。さらに、小中一貫の教育活動を展開する中で、教員間の交流も活発になり、中学校の英語教員が小学校で授業を行うなど、専門性を生かした教育活動を展開することや児童生徒のつまずきやすい学習内容について、長期的な視点に立ったきめ細やかな指導を行うことも可能になると考えられます。
また、安代地区の地域的な特性を生かした活動も進めやすくなり、例えば安代小学校、田山小学校で取り組んでいるリンドウ学習を安代中学校での学びにつなげ、9年間での花育のプログラムを構築することもできると考えております。
次に、2つ目の安代地区での小中一貫教育の推進計画についてでございます。第3期八幡平市小中学校適正配置計画では、安代小学校と田山小学校の統合については、両校の児童数の推移や社会情勢を注視しつつ、地域や保護者の声を聞きながら、統合の可能性について検討していく、また安代地区3校については、小中一貫教育として小小連携、小中連携を行い、統合とは別の形で教育環境の整備に努めると計画しております。
令和5年1月27日に田山小学校で開催した住民説明会では、出席された保護者や地域の方々より、「今すぐの統合ではないので安心した」という声が多く聞かれました。その一方で、「今後子供の数が少なくなっていくことを考えると、統合を視野に入れていかなければならない」とか、「将来的に統合するのであれば、早くから交流を持ち、連携していってほしい」といった意見も頂戴しております。
教育委員会といたしましては、安代地区の小学校の統合については、現時点では優先して取り組む必要はないものと判断しております。将来的に統合するかどうかにかかわらず、安代中学校を中心に3校で小中連携を図っていくことは、子供たちの交流や集団としての体験を積む学びの機会となり、望ましい人間関係を形成できるものと考えております。そのように、小中一貫教育を推進することにより、安代地区ならではの特色ある教育を実現できるものと期待しております。今後も子供たちのよりよい教育環境の整備について、学校や地域、保護者の皆さんと一緒に考え、取り組んでまいりたいと考えております。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(教育長 星 俊也君降壇)
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 それでは、再質問をいたします。
まず、地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりについてですけれども、これ簡単に言えば、1回の旅行で100万円ぐらいを使えるようなお金持ち、こういうお金持ちの外国人旅行客のための環境整備を整えることに国が後押しする、その指定地域に八幡平が選ばれたという、ざっくり言えばこういうふうなものだと思います。今回の事業内容について、3月28日に報道されたとありますけれども、市民にとって非常に分かりづらいと思っています。特に富裕層というと、大変なお金持ちだということですよね、1回で100万円も使うということになりますと、雲の上の存在の話で、何かあんまり関心を持っていないというのが私は現状だと思っております。
そこで、今回は市民目線で何点か質問したいと思います。まずは、6月2日に意見交換会が行われたようですけれども、協議会を立ち上げ、本年度中に基本計画を示すとありますけれども、今後のスケジュールはどのようになっていますか。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 お答えいたします。
スケジュールの件ということでお答え申し上げます。ただいま議員おっしゃっていただきましたとおり、今回のモデル地区の認定につきましては、高付加価値、富裕層の獲得を目指すということで、国策での訪日外国人を地方にというところの政策が起点となっておるものでございます。とは申しましても、ご指摘のとおり1回で100万円以上使う旅行者という方々が一体何人ここにいらっしゃるのかという政策というものは、これからまさに検討していかなければならないということでございますし、今回モデル地区に認定されたことによりまして、全てが富裕層のほうに全体として向くということではなく、富裕層を獲得しつつ、富裕層のネットワークも生かし、地場産品の消費、そして将来的な投資につなげるというところまでが今回のモデル地区の目的となっております。
加えて、そういった富裕層が来る場所ということで広く認知されることによりまして、憧れの地と言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、いわゆる100万円までは使わなくとも、そういう方々が行っているのだ、行ってみようというところで、裾野を広げていくというところも一つの目的でございます。
一方、これまで来ていただいているお客様に対しても、取りこぼしのないような政策というのも並行して進めたいと考えておるところでございまして、スケジュールにつきましては、まずは観光庁といたしましては5年間、こういった目的のために伴走をしていくということで、しっかり観光庁が支援をしていくということを明確に宣言されております。
加えまして、6月2日に、答弁にもございましたが、将来的には北東北を狙うということもございまして、報道されましたとおり、ご承知の方も多いかと存じますが、モデル地区11地域、瀬戸内エリアあるいは北陸エリア、広範囲での認定をされております。八幡平エリアという小単位での認定をされたのは、このエリアだけでございますが、観光庁といたしましては将来的に北東北を狙っていくということでございますけれども、まずは八幡平で何ができるか、何をしたいか、どういうことを打ち出していくのかという、そういった素案というものを来月あたりまでに固めてまいりたいと、そのように考えております。その上で、観光庁と先ほどの目的に沿った整理を進めまして、5年度マスタープラン、6年度以降の実践というような、大まかなスケジュールという現状ではございます。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 最終的には北東北全体というふうな範囲のことだと思うのですけれども、いずれ協議会を立ち上げていろいろやっていくのでしょうけれども、実際に八幡平市のどの組織がこれを取りまとめるような形になりますか。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 現在八幡平市観光協議会というものを令和2年3月に設立をしております。この八幡平市観光協議会でございますけれども、市内の観光施設、宿泊施設、交通事業者、観光に関わる事業者の方々に加えまして、金融機関、県立大学等、いわゆる産学官金まで入った形での地域の合意形成、観光政策等に係る地域の合意形成の場として設立をしたものでございます。オブザーバーといたしまして、岩手県の観光・プロモーション室、盛岡広域振興局という県の部門にもご参会をいただいておる組織でございます。この事務局を商工会、観光協会、八幡平DMO、市、この4者で、場面に応じて主となるという形で組織をしたものでございます。
この組織の立ち上げの経緯は、観光庁の補助事業とスノーリゾート形成計画等をはじめ、観光庁の動きの中で、地域合意形成が得られた組織あるいは自治体という方向性が強く打ち出された流れもございまして、この協議会を立ち上げたものでございまして、年に3回から4回開催をしております。現在モデル地区の申請に当たりましても、この八幡平市観光協議会というところが主になる形で申請を行っておりましたので、引き続き先ほど申し上げました、八幡平で一体この事業に対して何を求めていくのかということの整理をこの協議会、当面は事務局の先ほどの4者が中心になろうかと思いますが、まずはこの事務局4者で明確にしてまいりたいと、そのように考えておるところでございます。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 今設立の経緯とか説明していただいたのですけれども、これは要するにDMOとかは、いわゆる株式会社なので、分かりやすく言えば、国への申請とかはやはりこういうふうな別法人をつくってやるというふうなことなのでしょうね、きっと。そういういろいろ先ほど経緯はあったのですけれども、この組織の会長は市長ということでよろしいですか。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 おっしゃるとおり市長を会長とした組織でございます。
DMOの申請につきましては、繰り返しで申し訳ございませんが、事務局4者の中で、観光庁としては合意形成の組織が主になるということで、協議会の名目で申請をいたします、あらゆるものに対しまして。その中で、中心となる役割を担うのが、その場面、場面に応じて4者の事務局で行っているという現状でございます。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 市長が会長ということで、今回1年間、7億円の、そういういろんな形で予算が出るということなのですけれども、将来的にこれは5年間ぐらい行う事業で、ちなみに八幡平市がこれに対して経費負担するということも出てくる話なのでしょうか。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 先ほどのご質問にもありました7億円でございますが、一部報道されておることは承知しております。改めまして、観光庁の予算状況につきまして確認をいたしましたところ、おっしゃるとおり23年度については、まずは1億円の事業展開ということで観光庁のほうでの公表となっております。ただ、これに加えまして、令和4年度からの2次補正予算も活用するというただし書がございまして、合わせますとおおむね7億円近くになるということが想定されておるところでございます。具体的に11か所に等配分をするということではなく、その11か所が何をしたいかということで、積み上げによりまして事業展開の予算配分が行われるものというふうに認識をしております。もちろん11か所ございますので、配分の上限というものはあろうかと思いますが、まずはこちらのほうで専門人材が必要なのか、あるいは施設改修等が当面必要なのか、そういったことを整理して積み上げた上で観光庁と協議をしていくものと、そのように捉えておるところでございます。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 3月に報道されてから、今のお話をいろいろ聞くと金額とか、そういうのもまだ決まっていないし、例えば報道されている中身なのですけれども、この辺のちょっと内容について、まだ決まっていないのかも分からないのですけれども、一応聞きたいと思いますけれども、この選定に当たって3つのポイントを挙げているのですけれども、八幡平が選定されることによって、1つはパウダースノーです。これは、安比を中心としたスキー場の上質なパウダースノーを売り物にするということだと思います。もう一つは、縄文時代の遺跡が残る独自の文化を有することというのは、これは二戸市の御所野遺跡とか、もしくは鹿角市のストーンサークル、こういうのも関わってくるのだと思うのですけれども、もう一つのこれが分かりにくいのですけれども、保存食や厳しい自然と生きる人々の精神性をストーリー仕立てに発信することが誘客につながる、これが分からなくて、ちなみに保存食や厳しい自然と生きる人々の精神性をストーリー仕立てというのは、どこの地域のどのような文化を表しているのでしょうか。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 ただいまのご質問でございますけれども、先ほど申しましたように国のほうでは訪日外国人を、いわゆる東京、大阪、京都、沖縄、北海道というようなゴールデンルートではなく、いかに本当に地方のほうに呼び込むかということに今尽力をされているというところでございます。その中の一つのキーワードといいますか、テーマとしてはやはり自然、文化、生活、そういったものが一つのテーマ、方向性として見据えられているということがございます。あとは、歴史ですね、歴史、文化といったものでございます。そうしたときに、今ご指摘がございましたところでございますけれども、正直ぱっと思いつく限りではございますが、例えばそば文化であったり、こうじ文化であったり、あるいは日本遺産に認定されました漆文化であったり、歴史という点では脈々と古くからつながる郷土芸能、神楽であったり、先ばらいであったりといった、こういったものをいかに外国の方にも受け入れていただけるのか、どのような形で精査をしていくことで、富裕層に刺さるコンテンツになるのかということが一つの課題になっていくものと考えております。現実実際に安代地区におかれましては、旅行代理店さんのほうでツアーを組んでいただきまして、古民家での郷土料理ツアーと、実際に一緒に作って食べるというようなツアーを実施しまして、富裕層には限りませんが、コロナ前は外国人観光客にとても好評であったという実績もございます。こういったものをいかに精査をして、刺さるようなコンテンツづくりができるかということを含めて、5年度、そういったものでマスタープランが作成できればというところで考えておるところでございます。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 イメージ的にこういう感じでとつくったようなものだと思うのですけれども、もう一つちょっと聞きたいのですけれども、この中に事業内容として、まず市場調査や高級宿、体験型施設などに詳しい専門家の派遣とか、もう一つおもてなし人材の育成ということを書いているのですけれども、このおもてなし人材、この辺よく分からないのですけれども。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 確かにおもてなし人材という表現も一部報道のほうでされていたと記憶しております。今回の事業につきましては、観光庁のほうでこの事業につきまして人材派遣ということを答弁させていただいておりましたが、こういった先ほど申し上げましたコンテンツ、いわゆるどういったものが商品として成り立つかという企画、プロデュース、そういったモニターツアーの実施の際の派遣、あるいはそういった事業の展開に予算が使えますということが1つございます。
もう一つ、人材というところに関わる点につきましては、海外の専門教育機関から地方に派遣して何が求められるかというところであったり、あるいは逆にこちらから一流ホテルに人材派遣をして、富裕層に向けたサービスというものを学ぶということも事業展開の目録の一つとして掲げられておるところでございます。
ですので、ただいまご質問にありましたとおり、おもてなしの人材ということは、いかにここで富裕層を受け入れられる環境、そういった受入れができる人材をどう育てられるかというところにかかってくるものと、そのように認識しておるところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 私もサービス業をやっておりまして、こういうおもてなし人材とか、今当局がおっしゃったようなことは大体何となくは分かるのですけれども、現場的にはなかなかこれはあんまりはっきりしていないなというのがありますし、既にもう3月からこれだけたっていながら、なかなか内容が見えてこない。これからだと言いながら、3月からですから、もうかれこれ3か月以上たっているということで、多少これに対しては私は違和感を覚えるのですけれども。
次に、ターゲットについてですけれども、先ほどから言っているとおり100万円以上使うような富裕層とありますけれども、現実的に市内において100万円使えるような富裕層を受け入れられるような施設は限られてくると思いますけれども、実際には市内のどのような施設が対象となると考えていますか。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 確かにおっしゃるとおり、現時点でいわゆる宿泊施設という視点で申し上げますと、ANAインターコンチネンタルというところが思い浮かぶ形になろうかと思っております。他の地方、他の地域の実例になりますけれども、例えば寺泊であったり、城泊であったり、そういったものの展開がなされております。そうした場合に、これからのお話にはなりますけれども、八幡平市内におきましても、例えば100万円とまではいかないにしても、古民家の活用であったりということは十分に考えられる素材ではないかなと、そのように考えておるところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 もう一つですけれども、例えば今回富裕層をターゲットにしているわけですけれども、世界では例えばスイスのツェルマットとかは、富裕層が来ることによって非常に町が潤っていると、市民も、そこに住む人たちも全てが潤っているというふうな、実際そういうところもあるのですけれども、富裕層を呼び込むことによって、市民に対してのメリットというのはどのようなことがあると考えておりますか。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 先ほど冒頭の質問の際にもお答えしたところと若干重複をいたしますけれども、確かにまずは富裕層を呼び込むということで、単純にその経済効果の恩恵があるというところでございます。2つ目は、次の展開といたしまして、来ていただいた際に地場産品、富裕層のほうに向けた地場産品をどのように売り込めるかというところ、もちろん課題は大きいかとは思いますけれども、地場産品を売り込むということで地域の経済活性につなげるということ。そして、富裕層が来なくても、富裕層のネットワークの中で八幡平の地場産品を購入いただくような仕組みをつくること。そして最後には、そのネットワークの中で、最終的に自分たちやネットワークの仲間たちが来やすいような場所としてここに投資を呼び込むこと、こういったステップを考えつつ、八幡平の地域経済の活性ということが観光庁としても目的の一つでありますし、市としても同じような考えの下に進めていければと、そのように考えてございます。
今ご指摘ありました海外の一例につきましては、やはり来て終わりではなく、来た後その地域の産品が買われているということで、そこに経済効果を強くもたらせているというものと考えております。
もう一つ付け加えますと、今回沖縄エリアも選定されておりますが、こちらから見ますと、沖縄ですと移住者も多く、観光客も多く、非常に恵まれているような感じを受けますが、残念ながら沖縄県内の所得というランキングを見ますと、ご承知のとおり四十何位というような下位のほうになっていると、こういったことをいかに打破できるかというところが今回のモデル地区の目的の一つであると、そのように捉えておるところでございます。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 ざっくりといろいろ聞いたわけですけれども、形はいろいろ見えてきたような気がしますけれども、私今回のこのモデル観光地に選ばれたことは、今後の日本国内だけではなくて、海外にまでもこの八幡平という名前がブランド化される大きな機会だと考えています。さらに富裕層が来て、この地にお金を落としてもらえることは、今後八幡平市の経済にとっても好循環をもたらすのではないかと思っていますし、様々な面においてこれは歓迎すべきことだと思っております。
ただ、大事なことは、中小事業者や観光事業者、それから一般市民にもその影響を実感できるようなものにしなければ何の意味もないと思っております。そして、やはりこの事業の市へのメリットを幅広く周知して、市民に理解してもらう、そしておもてなしの気持ちを持てるようにしていかなければならないと思っております。
もう一点は、この事業のための組織と役割分担をはっきりさせることだと思っております。組織的には、先ほどの答弁でありました、申請者が観光協議会であり、その会長が市長であるということであれば、市がしっかりと取りまとめていただきたい。そして、八幡平市が北東北全体の中でも主導権を握るぐらいの気持ちで頑張っていただきたいと思っております。そのためには、観光協会やDMOの役割分担をはっきりさせ、実践する体制を整えて事業を進めていただきたいと思うのですけれども、ここに関して市長から考えをお伺いしたいと思います。
〇議長(工藤 剛君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 お答え申し上げたいと思います。
いろいろご質問、ご意見等をいただきました。今回の高付加価値インバウンドモデル事業につきましては、まさに観光庁の肝煎りというようなことで、私も3月28日ですか、報道があった後に、すぐに観光庁の長官のところにご挨拶に伺わせていただきました。その際に、狙い等についても、概要については意見交換をさせていただいたところであります。通常の補助事業と違いまして、選定されたから八幡平エリアが主体的にこういうことをやっていきたいということで国に投げかけるというよりは、国が、観光庁自らが主体となって、そして観光庁の考え方も当然いろいろ打ち出してくるわけでありますが、そういう形が、これまで我々も進めてきた中では経験のないような進め方でもあるかなというふうに思っています。北東北3県まで広げると、今までの議論にあったとおり、やはり八幡平エリアと言いつつも北東北3県まで広げると、我々だけでは当然負えない、背負えない、そういった状況になるわけでありますので、八幡平市観光協議会として申請した以上は、我々のエリアは八幡平市が中心となって事業を構築していくと、マスタープランを構築していくというところを観光庁にも訴えながら、国のほうと調整を図って、しっかりとしたマスタープランをつくっていくということがまずは大前提になるというふうに思っています。
おっしゃるとおり、3月の下旬に選定されてから、もう3か月近くがたつわけでありますが、まだまだ国のほうでも、観光庁も走りながら考えているというような部分もあります。ですので、マスタープラン策定の中で、分かりやすく市民、あるいは先ほどおっしゃられた中小事業者の方々にも説明する機会というのは当然必要なわけでありますので、マスタープラン策定の際には、本当に皆さんに分かりやすいような資料も作成しながら、市民の方々にもこういうメリットがあるのだとか、そういったことをしっかりと伝えていければいいのかなというふうに思っているところであります。
富裕層がいらっしゃるということで、そこに対して、富裕層の方々がどのようなことを求めているのかというのは我々では推しはかれない、分からない部分も当然多々あるわけでありますので、いろんな人材の話もありましたが、やはり富裕層の方々が求めているものをしっかりと把握して、マスタープランに落とし込んでいかなければならないというふうに思っています。ですので、そういった中では、当然今ある施設では対応できないというようなこともあるかと思いますが、やはり一般の旅行客と違うのは、例えば100万円の費用を使うというのが、宿泊だけではなくて一つのセットとして、このエリアに来たときにもう全てひっくるめた形でのそういうことになるわけでありますので、おもてなし人材の話もありましたが、そういったのはそういう旅行に来た方にコンシェルジュとして1人付き添うような、そういったイメージになるのかなというふうにも思っていますが、そういう形で新たないろいろなことを、マスタープラン策定の中でハード的なところも整備しつつ、プランも整備しつつ、そうやって地域を盛り上げていくことが、一般的な観光客の皆様の波及効果にもつながっていくものと思っています。
少し話長くなりましたけれども、過日大館能代空港の利用促進協議会に、岩手県からは八幡平市、私だけが会員になっておりまして、そこに出席した際にもこの話になりました。大館能代空港の利用促進にもつながっていくものということで、大館市あるいは鹿角市もこのことについては非常に大きな期待を寄せられておりましたし、さらには青森空港とか三沢空港とか、そういったところもやはり飛行機の重要性というのは、このマスタープラン策定の中では外せないものというふうに思っていますので、地域の皆さん、周りの皆さんの期待も大きなものがあるわけでありますので、広域的な協議も進めながら、冒頭の話になりますけれども、我々が主体的にマスタープラン策定の中心的役割は担っていく、そういったことで進めていきたいというふうに思っております。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 ぜひ強いリーダーシップを持って取り組んでいただきたいと思います。
それでは次に、教育のほうは飛びまして、貝梨峠の環境整備について最初に質問したいと思います。まず、このプロジェクターを見ていただきたいのですけれども、先ほど答弁でもう峠付近はやらないというふうな話だったのですけれども、取りあえず今年のごみ拾いの状況をお知らせします。赤いラインの部分が、これはネットで引いたやつですけれども、これは苗石田、新興矢神地区の掃除の範囲になっております。この赤い部分が約5キロあります。そして、居住地が緑のアンダーラインで線を引いたところで、これが約2.5キロ、そして峠道が2.5キロありまして、こちらの居住地に住んでいる皆さんは、歩いたり、車で貝梨峠のほうにごみ拾いに行くわけであります。これが今年の現状なのです。このように道路に駐車しながらやったりとか、例えばですけれども、これもそうですけれども、今回非常に天気がよくて、逆光で車が来るのが見えない、その上には登坂車線があって、車が飛ばして歩いているところで非常に危険だということであります。この画像にもあるように、実際今住民の方々は、作業している方は70歳を超えている方がほとんどで、前後の方が多いし、80歳の方もいらっしゃいます。非常に、この危険性は前回も言ったのですけれども、早く手を打たないと大きな事故があってもおかしくない状況だということを申し上げたいと思います。
また、注意喚起の看板は立てたと、これは恐らく注意喚起かどうか分からないですけれども、何個かその前から立っていたのぼりですけれども、こういう形で何が何だか分からないような状況になっていたというのもあるのです。
これについて、答弁ではもう峠付近はやらないというふうなことでしたけれども、来年度以降どのような形でやろうと思っているのか、その辺の考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。
〇議長(工藤 剛君) 安代総合支所長。
〇安代総合支所長 畠山健一君 お答えいたします。
来年度以降の取組についてですけれども、公衆衛生組合さんと協議させていただきまして、歩道のない国道についてはやめる方向で協議を進めていきたいと思います。そのほかの部分につきましては、可能な限り組合さんのほうにお願いしまして、クリーン作戦を行っていただくということで進めていきたいと考えております。
以上です。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 歩道のないところということですけれども、ちなみにこれが今回の安代クリーン作戦の、これは地域割表ですけれども、今回問題になっている赤いラインのところですけれども、実際歩道があるところというのは、先ほどの居住地のところの2.5キロぐらいが範囲になると思うのですけれども、苗石田、新興矢神というのはもともとこれは5つの部落が一緒になったところで、この2.5キロのところをぼんとこの地区でやりなさいと言われても、正直な話どこをやっていいのか分からないということがあります。ですから、もう少し、この地域以外にもきっとこういうところがあると思うのです。なるべくこういうのをもし設定するのであれば、しっかりと区分けしていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇議長(工藤 剛君) 安代総合支所長。
〇安代総合支所長 畠山健一君 お答えいたします。
先ほど言いましたように、苗石田地区以外にも、安代地区、旧田山地区については国道に面している地区が多くございます。そちらについても、現状を調べさせていただきまして、組合さんとお話ししながら、危なくないようにごみの収集活動を進めていくようにお願いしてまいりたいと考えております。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 それから、以前も申し上げましたけれども、峠付近は非常にアルコール缶のポイ捨てが多いです。この写真は、10人前後で大体200メートルぐらいの間を集めたごみなのですけれども、200メートルほどの中で10本以上のアルコール缶が拾われた。私も3本、4本拾いましたけれども、実際アルコール缶が非常に多いなというのは、今回この地域以外でも、戸沢のほう、峠を越えて荒屋新町のほうに行っても、皆さんこれは非常にアルコール缶が多いということをおっしゃっております。このようにアルコール缶が非常に多く入っていると、峠のところですけれども。このアルコール缶というのは、どこかうちから持ってきて、ぽいっと捨てたような感じではないのです。点々と捨てられている。ということは、家庭から持ってきたものでない限り、周辺で飲んで捨てたか、もしくは飲みながら運転したのではないかということも考えられるわけであります。つまり私たちが今暮らしている地域を日常的に飲酒運転の車が通っているかもしれないということで、非常に怖い話であります。まずは、これを、警察にもこのような状況であるということを報告して、例えば夜間の取締りとか、防犯カメラだとか、何らかの対策を講じないと本当に怖い話だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇議長(工藤 剛君) 安代総合支所長。
〇安代総合支所長 畠山健一君 お答えいたします。
待避所のごみ、環境悪化の対策につきましては、昨年度相沢地区のほうにごみよけトリーという赤い鳥居のようなものを岩手土木センターのほうで設置しまして、ごみの捨てる対策を取っております。また、貝梨峠の上りパーキングにつきましても監視カメラを設置していただきまして、そちらのほうについてもごみの投げ捨て防止を狙った取組を岩手土木センターのほうでは行っていただいております。さらに、今年度につきまして、星沢パーキングと戸沢パーキングにつきましても、ごみよけトリーという鳥居に似た、あくまでも心情に訴えてごみが捨てられないような、心理に訴えるような取組を行って、昨年の相沢橋手前のごみよけトリーにつきましては、設置後大きな効果が出ておりましたので、そちらについて岩手土木センターさんのほうでも取組をしていただいておりましたので、そちらのほうでごみの軽減対策を図って行っていただいております。
以上です。
〇議長(工藤 剛君) 防災安全課長。
〇防災安全課長 多田和雄君 お答えいたします。
ご提言をいただきました警察機関との連携につきましては、ただいまお話をいただいた内容を私どものほうから警察のほうにも連絡をさせていただいて、取組を強化していただくようにお伝えしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 このような、例えば今回の安代クリーン作戦も、各自治会のほうにこういう要請がまずされているのですけれども、この地域のといいますか、特にこの地域は高齢化が6割以上を超えている中で、クリーン作戦にも出られない方が多くなってきている。この数年で過疎化や高齢化は著しく増えているのが現状なのですけれども、こういうふうな作業とか、今自治会のほうにお願いしているというか、そういう作業について、やはり現状に合わせた形で、地域によって重荷になっているところが多いわけですから、少し地域性を見て、いろんな形で変えてもらうところは変えていただきたいと思っております。そのためには各地域の現状、人の多いところはある程度こういうのも回していけるのですけれども、だんだんやっぱり回せなくなっている自治会もあるということを調査していただいて、市が最低限度これだけはやってくださいという部分をなるべく減らしてもらわないと、本当に自治会活動が生活する上で非常に大きな負担になっているということもあります。
例えばですけれども、そのほかにも、今回クリーン作戦取り上げましたけれども、常任委員会でも申し上げましたけれども、例えば消防の婦人協力隊、それから交通安全母の会、こういうのも本当に自治会が選出するものなのか、そして現状にこれが合っているものなのか、時代に合っているものなのか、こういうのをもう一度精査して、洗い直していただきたいと私は思っております。皆さん真面目なので、もうだんだんこういうのはやらなくてもいいとか、そういうのまで真面目に、誰かが、市がちゃんと言ってくれないと、みんな真面目にこつこつやっているのです。ですから、こういうのは調査をして、ぜひ見直していただきたいと思いますが、これはどうですか。通告になくてすみませんが。
〇議長(工藤 剛君) 防災安全課長。
〇防災安全課長 多田和雄君 お答えいたします。
ただいま関議員さんからご提言がありました、いわゆる婦人消防協力隊、あとは交通安全母の会といったような活動が今状況としてどうなのかというようなところのお話でございます。さきの常任委員会のほうでもお答えはさせていただいたのですけれども、なかなか活動の在り方というのがやはり変わってきているなというのは、市としても非常に感じているところでございますので、とはいったものの、今せっかく自主的に一生懸命活動いただいているというのも確かなところでございますので、いずれそれぞれの組織とまずご相談をさせていただきながら、今後どういった形で今の活動を続けていく、もしくは見直していく、そういったところが必要かというところを検証しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
〇議長(工藤 剛君) 4番、関治人議員。
〇議員 関 治人君 時間がありませんで、すみません、教育のほうに行きたいと思いますけれども、小中一貫教育については私は非常にいいことだと思っていますし、私たちも前に北海道の当別町とか行って、今現在義務教育学校などを開設して成功している例もあるのですけれども、ぜひこれは推し進めていただきたいと思うのですが、やはりアンケートでも分かれているように、半分ぐらいの方はずっと学校を残してもらいたいというふうな方もいます。その一方で、人数の多いところで自分の子供を育てたいという方も中にはあるわけでありますけれども、地域にとっては学校とか病院がなくなるということは非常に大きな問題で、やはり過疎の地域では余計この過疎に拍車がかかるということもありますので、ぜひ委員会の中でこういう部分を加味しながら、タイミングとか、そういうものを慎重に判断しながらやっていただきたいと思いますが、教育長、一言いただけますか。
〇議長(工藤 剛君) 教育長。
〇教育長 星 俊也君 お答えいたします。
地域から学校がなくなることの意味を考えてほしいと、全くご指摘のとおりかと思います。安代地区の小中学校に、様々な機会に私も参ります。運動会でありましたり、地区の学習発表会であったり。そうしますと、田山小学校のような小さな学校でも、本当にすばらしい教育が行われております。子供たちが生き生きと活動し、それを見守る地域の方々、保護者の方々、学校を本当に大事にしてくださって、子供たちを大事に大事に育てておるということがよくよく伝わってまいります。そういうことからも、地域にとって学校の持つ意味というのは非常に大きいということを重々理解しておりますので、今後まだまだ児童数が維持されればいいなと願っておりますけれども、今後児童数が急激に減っていくような状況もやがてやってまいるかもしれません。そういったことも視野に入れながら、地域の方々と十分意見交換をしながら、どの時期にということについては慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
(議員 関 治人君一般質問席降壇)
〇議長(工藤 剛君) これで関治人議員の質問を終わります。
ここで11時15分まで休憩いたします。
(11時01分)
☆
休 憩
再 開
☆
〇議長(工藤 剛君) 休憩前に引き続き会議を再開します。
(11時15分)
〇議長(工藤 剛君) 引き続き、一般質問を行います。
通告順位2番、渡辺義光議員。
(議員 渡辺義光君一般質問席登壇 ※プロジェクター使用)
〇議員 渡辺義光君 議席番号12番、渡辺義光です。さきに通告しております2項目8点について質問いたします。
1点目、市民総参加による(仮称)大更駅前顔づくり施設建設と運営戦略について伺います。大更駅前顔づくり施設建設については、令和7年秋の完成と運営開始を目指して進行中であります。この事業は合併以来、田村前市長及び佐々木現市長の2代の市長が公約に掲げた市最大のプロジェクトであります。建設について、いまだ賛否の論戦が繰り広げられていますが、図書館、子育て支援施設、屋根付公園などの機能を有する複合施設の完成とにぎわい創出に市民の期待が高まってきています。令和7年9月1日には、合併20周年を迎えます。全市民、職員が英知を結集して、市政の金字塔となるよう取り組んでいきたいと考えています。
会派研修で、BGMを聞きながら本に親しみ、子育て機能や市民交流、福祉活動などを取り入れた図書館活動を展開している佐賀県武雄市などの先進地を視察したことがあります。図書館を核としたユニークなまちづくり、人づくりの全国事例を研究し、市民総参加による施設建設と運営戦略を構想すべきと考えます。
1、当該事業を支援する寄附募集やクラウドファンディング、ネーミングライツ、命名権の活用、導入についての見解を伺います。
2、旧3町村の庁舎屋上に掲示されていた町村章をモニュメントとして建築物の壁面に飾りつけてはどうでしょうか。
3、市内の小中高校生、ハロウ安比校を含む、によるモザイクアート等を制作し、建築物の壁面の装飾に用いてはどうですか。これらの在校生は、現在1,700人ほどでございます。
4、関係部署を横断した準備室と市民協働のワーキンググループを立ち上げて、施設の総合的な運用を検討してはいかがでしょうか。
5、新図書館と学校図書室、同図書館司書の連携強化の考えをお聞きします。
2点目、北東北3県を代表するいとしい兄川の山神像の魅力と保全について伺います。岩手県立美術館で「みちのく いとしい仏たち」と題して、岩手、秋田、青森の北東北3県の神仏像が4月8日から5月21日まで展示されました。9月には京都龍谷大学ミュージアム、12月には東京ステーションギャラリーで展示が計画されています。この展覧会、134体を代表し、主役としてポスター、チラシ、図録、ファイル、トートバッグ等、全ての表紙を飾っているのが平成26年8月1日指定の市指定文化財、兄川の山神像です。4月22日の同館主催の講演会で、本展の監修者である弘前大学名誉教授、須藤弘敏氏は、大きなプロモーションで如来像と男神像が合体した合掌形の民間仏は、東北でこの1体だけであると強調されておりました。ほかに、市内からは4体が展示されておりました。
1、兄川の山神像の魅力、山村文化をどう評価していますか、見解を伺います。
2、同像のレプリカ作製や模刻と市内展示、学習会を実施してはいかがでしょうか。
3、無人社に祭られる同神像等の保全をどう支援する考えですか。
この通告書提出後の5月25日に、県立美術館でこの企画展を担当された学芸普及課長さんに面会し、お話を伺ってまいりました。「予想を上回る8,200人余の入場者、図録1,200冊の販売で、この種の展示会では異例の数です。特に若い女性が多かったことが印象的であった」と述べておられました。この日、全仏像が丁寧に梱包され、京都の龍谷大学に発送の作業中でした。なお、9月にはNHKで放映が予定されているということで伺ってまいりました。
今回もタブレットの効用を最大限に活用し、質問、答弁の理解を深めていただきたいとの思いから、盛岡市の県立美術館2階、博物館、図書館並びにマリオス、盛岡バスセンター、県自治会館、もりおか歴史文化館などを調査しましたので、その現場写真の一部を紹介し、質問といたします。座ってやります。バスセンターの壁画ですが、これはワーキンググループが、市民が一緒になって立ち上げて、シラカバの木を磨いているそうです。だから、荷重はかかりません。ジャズコーナーの3階にあります。とてもすばらしい壁画でございました。これぐらいの輪切りした木ですから、もっと小さいのや大きいのも大事です。手帳のくらいですから、何センチもないです。それから、これはマリオスの壁画です。明治24年の盛岡鉄道管理局の模型を昭和60年に復元したものでございます。これはマリオスの中です。それから、大更小学校のモザイクで、これは壁に貼っていないのですけれども、枠ですが、卒業記念にみんなに配ったモザイクです。これも同じです。それから、これは当大更八坂神社に大更小学校、西根中学校、平舘高校の美術部の皆さんが天井画を描きました。120人ほどです。これが描いた皆さんです。ハロウスクールあるいは小中学校にもこうやって参加してほしいというのが質問の趣旨でございます。
これは名札ですが、名札を掲げると寄附する人が多くなるのです。かなり前ですが、会派研修で県外視察したときに、立派な名札を掲げて寄附者を募って、みんなが参加した文化会館活動をしている都市がありました。その例によって、名前を書くことによって皆さん、「あっ、私も、ではこれぐらい」というのが、市民総参加というのは、あるいは寄附文化、クラウドファンディングというのはそういう意味で、ここに……それから、県自治会館のロビーにあります。松尾村、上、下、真ん中が西根町、左、安代町です。私は、20周年記念に3町村の町章や村章等を用いるべきだということでかつて質問しておりました。荷重がかかるか、あるいはかからなければということですけれども、こういうような形でぜひ合併20周年を残して、みんなで、市民でつくるというのが市民参加の意味でこの質問をしています。
これは趣味と実用を兼ねて、私函館に3月に行ってきました。函館駅の壁画です。「きのうの敵はあすの友」、箱根戦争の物語を描いたモザイクです。これは、市民憲章とか何か、函館駅の前にありました。
それから、県立図書館です。これはモニュメント、あるいはモデルスポットと思われます。特に郷土資料に力を入れておりまして、レファレンス事務を積極的にやっているところで、レファレンスをやっていただきたいというのがこの趣旨でございます。郷土資料も充実しています。これは、1946年6月22日、岩手日報です。マイクロフィルムから取ってきました。この日は私の誕生日なのです。こういうのをずっと見ている方が、文章を書くっていうのでずっと研究している方がいらっしゃいました。この中には、伊藤猛虎県議会議員の名前が裏面に載っていました。こういうように総合的にいろんなのを考えなければならないというので、自分の誕生日、77年前の新聞です。これは明治時代からあります。
これはマリオスの蒸気機関車です。かつては、大更のまちづくりでも松尾鉱山の列車とか、そういうのも展示してほしいと言っていましたが、精巧なモデル、ディーゼル機関車でしたので、写真に撮ってきました。これもです。こういうのも合併記念になるし、研究して、地元にいっぱいいいのがあるのです。
これはいとしい仏たちで、先ほど申し上げましたが、すばらしい仏像でございます。兄川の主役の仏像と佐比内の仏像がこの本に載っています。特に「別冊太陽」、平凡社、200号記念に載っております。私もこのときにプロの写真家を連れて案内して、その頃から仏像なり神社に興味を持って調べております。恐らく三十四、五年これに関わっています。これはファイルとトートバッグと手帳です。これが現在はもうないです。終われば多分戻ってくると思いますけれども、まだ京都、東京に行きます。
これは、八幡平の山神さんです。左は佐比内の市指定文化財、右が今回のいとしい仏像、そしてこれは皆さん見たことがないですが、寺田の山神さん、こういうのなのです。あまり美人でない、おっかない神様です。3種類あるというのは県内でも珍しいです。ぜひこういうのも入れて、おっかない神様だから、12月12日にはおばあちゃんたちがおしろいつけて、団子を供えています。
図書館でトートバッグを作っていましたが、こういうのにもせっかくですからこういう仏像なり、あるいは田山のめくら暦等も入れて、これからテーマに沿った形でやれば大変このバッグも生きてくると思います。
これは、何とユニークな田頭地区の、時間があって私も関わっていれば、これもこの前の仏像展に出られるくらい、兄川の山神に匹敵するくらい大事な仏像です。笑っています、これ。ないです、こういうふうな。大日如来、観音菩薩、阿弥陀如来です。こういう地元の宝探しというのを、同僚議員も前回話ししましたが、身近なものを調べながらやってほしいというのはずっと私説明していました。ぜひこういうのに光を当てて、北東北のまちづくりにも生かしていきたい、そのように考えますので。
これは山神という石像ですが、西根地区には、私の調査では32基あります。山神は、12月12日は私が役場の職員の頃は午後から休んで、清めて、酒飲みしたものでございます。
以上で、タブレットを使いながら、分かりやすく説明したほうがいいというので説明しましたので、また答弁をいただいてからしますが、答弁をお願いします。
〇議長(工藤 剛君) 市長。
(市長 佐々木孝弘君登壇)
〇市長 佐々木孝弘君 渡辺義光議員のご質問に順次お答えしてまいります。
大きな1点目の市民総参加による(仮称)大更駅前顔づくり施設建設と運営戦略についてのお尋ねでございます。初めに、1つ目の当該事業を支援する寄附募集やクラウドファンディング、ネーミングライツ、いわゆる命名権でありますが、これの活用、導入についてでございますが、現時点においては建設に係る寄附募集、クラウドファンディング等の導入は予定していない状況でありまして、建設後の各事業実施の際には検討課題の一つとして考えておるところでございます。
次に、2つ目の旧3町村の庁舎屋上に掲示されておりました町村章をモニュメントとして建築物の壁面に飾りつけてはどうかについてでございますが、(仮称)大更駅前顔づくり施設の外観につきましては、窓を多く使用し、また自然光を取り込む窓をシリンダー、円柱の最上階にも設置し、日光をふんだんに取り込み、明るい雰囲気をつくるとともに、外からも屋内のにぎやかさを確認することができるものとしようと思っておるところであります。また、木材の利用、あるいは木目調を意識し、全体的に曲線的で柔らかい外観を予定しておりまして、現在実施設計図書作成、建築確認申請中でございまして、荷重条件による構造への影響が懸念されることから、建築物の壁面に飾りつける予定は現在ないものであります。
次に、3つ目の市内の小中高校生徒、ハロウ安比校を含みますが、によるモザイクアート等を制作し、建築物の壁面の装飾に用いてはどうかについてでございますが、前段2つ目の答弁と重複いたしますが、実施設計図書作成、建築確認申請中でございまして、荷重条件による構造への影響が懸念されることから、建築物の壁面に飾りつける予定はないものであります。
市内の小中高校生徒との連携につきましては、今後(仮称)大更駅前顔づくり施設内のイベントコーナー、企画展示スペースの活用の中で考えてまいりたいと考えております。
次に、4つ目の関係部署を横断した準備室と市民協働のワーキンググループを立ち上げて、施設の総合的な運営の検討についてでございますが、(仮称)大更駅前顔づくり施設につきましては、大更にぎわい創出事業において、大更駅周辺商業地の現況分析、市民のニーズ調査などを実施し、商店街活性化とにぎわいづくりについての目標と方針などの検討を行い、ニーズ調査では市民からの積極的な提言が数多く寄せられております。これらのご意見、ご提言を参考にしながら、設計に係る委託業務と並行して、庁内に私、市長を座長として、副市長、教育長及び関係課長で構成する(仮称)大更駅前顔づくり施設に係る庁内検討会議を設置し、施設の在り方、運営方法について協議を重ねているところでございます。引き続き、庁内検討の結果を踏まえて施設運営の方法を定め、令和7年度の運用開始を目指していきたいと考えているところであります。
次に、大きな2点目の北東北3県を代表するいとしい兄川の山神像の魅力と保全についてのお尋ねでございます。初めに、1つ目の兄川の山神像の魅力、山村文化をどう評価しているかについてでございますが、山神像は安代地区に多く祭られているもので、その中でも兄川の山神像は最も古いと見られているものでございます。兄川の山神像は、螺髪をつくり合掌する如来像で、はかまをはかせて山神としているのが特徴でございますが、このような素朴で優しい造形の民間仏は、近世の宗教美術の一部分としても、その造形的価値が近年評価され始めているところであり、本尊として京都や江戸から運ばれた仏像と比べて、山に暮らす人々を優しく見守っているような表情と素朴な造形が魅力と言われております。
山村文化につきましては、当市には山村として日々生計を立ててきた地域が多くございまして、特に安代地区においては山神を祭るほこらや神像が20か所ほど認められることからも、人々と山のつながりの深さを計り知ることができるものであります。
また、令和2年度に日本遺産に認定された奥南部漆物語は、安比川流域で受け継がれる漆に関する生活そのものが評価されたものであると言えると思います。まさに本市に残る山村文化の一つが評価されたものであります。地域の高齢化、後継者不足により、継承が課題となってきておりますが、現在に至るまで受け継がれる山村文化は貴重なものであると考えているところであります。
次に、2つ目の同像のレプリカ作製と市内展示、学習会の実施についてでございますが、レプリカ作製については費用の面もさることながら、関係機関の協力が不可欠でございます。今後市文化財の所有者や地域の意向を尊重しながら、保全の在り方について研究してまいりたいと考えております。
市内展示、学習会の実施に関しましては、地域の民間仏と山村文化について、市民の方々に関心を持っていただくことは、市の指定文化財の保全の観点からも重要であることから、今後そのような機会を設けてまいりたいと考えております。
次に、3つ目の無人社に祭られる山神等の保全への支援についてでございます。近年、全国的に仏像等の盗難被害が相次いでおり、社会的な問題となっていることを承知しておるところであります。その要因の一つに、高齢化、人口減少が進み、管理の担い手不足により、防犯対策を構築できない地域が増加していることが掲げられます。この問題への具体的な対策として、和歌山県では高校や大学と連携して仏像のレプリカを作製し、防犯環境の整わない寺院や神社に安置し、本物を博物館で管理するという取組を行っております。
市といたしましては、先ほど申し上げたとおり、文化財の保全の在り方について研究をした上で、支援等について検討してまいりたいと考えております。また、保全の第1段階として、万が一盗難された場合の捜索に必要な情報となる記録作成が有効とされております。まずは、町村史等の情報を基に、地域の方々の協力を得ながら、記録台帳を作成することが可能かどうか検討してまいりたいと考えております。
なお、このほかのご質問につきましては教育長から答弁がございますので、以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(市長 佐々木孝弘君降壇)
〇議長(工藤 剛君) 教育長。
(教育長 星 俊也君登壇)
〇教育長 星 俊也君 私からは、大きな1点目の市民総参加による(仮称)大更駅前顔づくり施設建設と運営戦略についての5つ目、新図書館と学校図書室、同図書館司書の連携強化についてのご質問にお答えいたします。
議員ご案内のとおり、学校図書館司書につきましては、学校図書館法の改正により、平成27年度から設置するよう努めなければならないこととなったところであり、その内容は「学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する」こととされております。本市におきましては、それを受けまして平成28年度に2名の学校図書館司書を採用し、令和元年度からは4名体制で全ての小中学校を巡回し、各学校長の監督の下、各学校の図書担当教員の指示により図書室の運営に当たっているところであります。
さて、公立図書館と学校図書室、司書の関係につきましては、学校図書館法や文部科学省の図書館の設置及び運営上の望ましい基準でも、緊密な連絡、協力または連携することとされております。
新図書館の設置後につきましても、学校図書室あるいは各コミュニティセンターの図書室との一層の連携を図りながら、よりよい図書館事業の推進に努めたいと思っております。具体的には、新図書館と学校図書館の図書データを共有することであります。まず、市内の図書館と小中学校の学校図書館にある全ての図書をデータ化し、市内のどこにどういう本が収蔵保管されているのかを明らかにいたします。その上で借りたい本があった場合に、市立図書館からはもちろん、他の学校図書館とも貸し借りできるようなシステムを構築したいと考えております。その際、図書館司書の方々には、図書のデータ化はもちろん、図書の紹介、貸出し等で、一層お力を発揮していただきたいものと期待しております。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(教育長 星 俊也君降壇)
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 荷重の関係でできないということですが、実施設計なり最終、建設についてのスケジュールはぎりぎりだなと思って私質問しましたが、今後の実施設計の説明もあると思いますけれども、いつまでに確定するのか、あるいは入札等はいつになるのか、その辺の大まかな日程をお願いします。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 お答えいたします。
ただいまご指摘ありましたとおり、実施設計の中で間に合えばということでご発言もいただいておりましたが、現在実施設計につきましては、建築費等を含めた最終段階の詰めを行っておるところでございます。でき得れば7月の中で、そこを明確にした上で、改めまして議員各位の皆様方に説明の場というものを現在検討させていただいているところでございます。その上で、7年度のオープンに向けまして、建築の期間等を改めて逆算をいたしまして、入札、契約のタイミングを図っていきたいと、そのような状況でございます。ですので、壁面に係るものにつきましては、現時点ではなかなか難しい状況ということで、先ほどの答弁とさせていただいた次第でございます。よろしくお願いいたします。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 私は、市民参加のまちづくりが、市民は自分たちの住む地域をより魅力あるまちにするために、この資料を手に入れて現地視察してきました。ぜひこういう形で、神社の例を出して失礼ですけれども、大変子供たちが喜んで、「今度来たいよ。俺は行きたいよ」と。村章、町章、これは荷重がかかるかもしれませんが、そんなではないし、これだってそんなにかからないよね。これぐらいのですから。荷重はそんなに私はかからないと思うけれども、ぜひこういうような形で作って、この予算は、前にも提言していましたが、4,000万円去年寄附されました。その使途については、20周年の記念になるような事業に使ってほしい、市長は市政モニター等で皆さんの意見を聞きながら検討するということですが、予算オーバーについては、この件についてはその4,000万の中から使って、村章等も別な形でもいいですから、あるいはこういうような形も、こういうの、1,000個って大したことはないよ。盛岡では、ワーキンググループで、肴町のアーケード街でみんなしてやすりかけたのです。私は、ブナとか市の木をやすりをかけて、全生徒で、そして漆でも塗って、外だけ木目で中は東京と同じ仕様では張り合いないなと思って、この提言しました。ぜひその点について、できなければこれを、3町村の章、これについても何とか考える余地はないでしょうか。
〇議長(工藤 剛君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 まず最初に、4,000万ということでご寄附のお話をいただきました。まだ使途は決めていないといいますか、いろいろ考えているところではありますが、やはりまず優先するべきは、今度3階に、新しい顔づくり施設に図書館ができるわけでありますが、蔵書数が現在の図書館では5万冊程度であるわけでありますが、その倍程度を見込んでいるわけでありますので、できれば当初の整備といいますか、そういったところにも多く活用していければいいのかななんていうことを今考えておるところでありますが、そういったところはこれから議員の皆様方ともご相談しながらといいますか、意見交換をしながら進めたいというふうに思っております。
あと、今いろいろご提言いただきましたが、先ほど商工観光課長が申し上げましたとおり、実施設計についてはもう既にほぼ出来上がってきているような状況でありまして、ご提言いただきましたことにつきましてはご意見として承らせていただきたいと思います。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 蔵書の拡大も必要ですけれども、レファレンスサービスなり、あるいは相互連携なり、そういうのをもっとしないと、蔵書だけしても本来の、さっきのデジタル化とか、私はそう思います。本増やすだけでは市民の理解がなかなか得られないというのが皆さんの、ほかの議員の意見もありましたし、特にレファレンスサービスとか、あるいは調査とか、そういうのをしないと、本増やしたからすぐ行くというのではないし、それらの関係部署で、関係課長で検討しているということですが、どの課長、具体的に何々の課長が担当しているのかお聞きします。
〇議長(工藤 剛君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 ただいま申し上げました本を増やすという話については、4,000万といういただいたご寄附の活用の方法という一例として申し上げたわけでありまして、当然レファレンスサービスとか、そういった調査等につきましては、寄附を活用するということというよりは、これについては当然市の財源を活用しながらサービス向上等に努められるような、そういった施設にしていきたいというふうに思っておるところであります。
組織につきましては、教育委員会のほうでそこは対応していくというようなことになりますので、よろしくお願いします。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 答弁にございました庁内検討会議の組織の件のお尋ねかと存じますので、お答え申し上げます。
答弁にございましたとおり、市長、副市長、教育長に加えまして、教育総務課、地域福祉課、健康福祉課、そしてまちづくり推進課、以上の課の課長及び担当の職員等を踏まえて、当課のほうで開催等、失礼いたしました、企画財政課も踏まえまして、会議を構成しているものでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 レファレンスサービスの事例を申し上げまして、担当の課長に、山神像ですけれども、山神シンポジウムというのをやったときがあるのです。その資料がないかということで、粘り強く担当課長に調べていただいて、私もこれを聞いた、平成13年10月にやっているのです。私も受講しましたので、粘り強くこういうような資料を探してもらいました。なかなか今の図書館では、こういう粘り強いレファレンスサービスはできていないです。ないよで終わりです。これは、担当課長に敬意を表したいと思います。
それから、地域福祉課あるいは図書館で、高齢者等も多かったし、そういう方が担当しているのですが、西根総合支所は西根のことを一番知っていると思いますが、総合支所の支所長は入っていないのですか、これに。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 先ほど申し上げましたように、庁内検討会議につきましての構成メンバーは現在そのような形で動いておるところでございます。西根総合支所長をはじめ、必要に応じましてもちろん各関係課の同席というものはあろうかと思っておりましたが、現在はそのような形で進めているという現状でございます。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 ぜひあの4,000万円の使途についても、本ですが、私もこの方とはもう子供のときから付き合っている方でございまして、その意志も十分考えていました。ぜひ本もですけれども、残るようなのをこの人からもらったというのは、本というのは残らないですよね。モニター等から聞くということですけれども、今言ったモザイクアートなり、あるいは3町村章の活用なり。この町村章はどこに保管して、どうやってあるのですか。
〇議長(工藤 剛君) 総務課長。
〇総務課長 佐々木善勝君 お答えします。
かつての町村章に関してですが、以前の市の答弁でありましたけれども、かつて市民センターのほうに一堂に会して展示をした経緯がございます。その後、様々なイベントでそれを引き合いに出して展示した経緯もあるやに伺っていましたが、どこにあるのかというところが、今ちょっと捜索をしているのですが、なかなか見つけられないところでありましたので、捜索は続けていきたいなと思っております。
いずれ今後合併20周年という式典等々を迎えるに当たっては、今までの経緯を申し上げますと、20年までは一体感の醸成ということで、合併に当たって、結局かつての町村という枠組みを外して一体感の醸成を図っていこうということで頑張ってきたところでございますけれども、議員ご案内のとおりかつての先人の思い等々、町村の中身、それの礎をもって今があるということも、皆さんのほうにはお伝えしなければならないということだと思いますので、20周年の記念事業に関してはプロジェクトチームを今回立ち上げたところでありますので、それに向かって検討は進めてまいりたいと思います。20周年ということで、かつての歴史等々も皆さんのほうにはお知らせしながら、併せて八幡平市というものを皆さんのほうに情報発信していくといういい契機になればいいなと、そういう事業を展開していければいいなと思っております。
町村章についても、皆さんご案内のとおり、かつて庁舎のほうの壁面に掲げてあったものです。かなり大きなものでしたので、これを展示するとなると、かなりのスペースを要するものだと思いますので、今後の展開としては、一つの案としてはそれのレプリカを作って展示をするとか、そういった方法もあるのかなと今のところは考えているところでございますので、ご理解をいただければと思います。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 町村章については、私質問したときはあったのです。かなり大きなものがどこにあるか分からないという答弁では、ちょっとお粗末ではないですか。確認するべきです。私は、前にもこれを20周年に使いたいということを話ししていましたが、正直言ってどこにあるか分からないのですか。かなり大きなものだから、移ったりなんかしているということですけれども、大事な西根町、松尾村、安代町の唯一の歴史を知る町村章です。確認をひとつお願いしたいけれども、こういう場合はやっぱり調べて、どこにあるかとやるのが本当のあれだと思いますが、かなり大きなものがどこにあるか分からないというのはちょっと私は納得できませんが、いかがでしょうか。
〇議長(工藤 剛君) 総務課長。
〇総務課長 佐々木善勝君 お答えします。
前回の答弁でも行方のことについては言及はなかったのですが、今も当然探してはいるところでございます。町村章については、壁面に掲げてあった町村章のみならず、当然町村章の旗というのもありますでしょうし、町村章のデザインというものが大事だと思いますので、それにこだわらずにかつての町村章については継承していければいいのかなとは考えております。いずれ議員ご指摘のとおり、そのぐらい大きな町村章ですから、かなり目立つものだと思いますが、捜索は続けていきたいなと思っております。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 これはちょっと、こだわらないで捜索続ける、かなりでかくて、重くて、掲げていたのを、どこに行ったでしょうね。大事な西根町、松尾村、安代町の唯一の残っている物品で、何十年も、100年ももつ町村章です。ぜひその辺、副市長も全体ですから、探して、今議会であったよということを説明して、ここに写真でも報告していただきたいと思います。宝物です。書類とか、いろんなのは何年保存とありますけれども、これは永久保存の町村章だと思います。書式とか文書は、100年とか永久保存とは言わないですけれども、永久保存に当たる物品だと思いますが、いかがでしょうか。
〇議長(工藤 剛君) 副市長。
〇副市長 田村泰彦君 お答えいたします。
繰り返しの答弁になりますけれども、捜索を続けたいというふうに考えております。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 それでは、いろいろ課題申し上げましたが、荷重もかからないし、そういう市民参加で全生徒が何らかの壁でなくても、側面でもいいですし、3町村章と、あるいはモザイクアート等について研究して、もう一度私聞きますので。今聞かないと、もう失効、契約になりますから。9月か12月に聞きますので、検討結果を。
それでは、次に移ります。この仏像で、ユーチューブ見ている人は何しゃべっているか分からないと言うから、ここに出しました。市内の仏像が、県内はもとより京都、東京で展示される快挙をたたえたいと思います。過疎化が特に著しい兄川で、多分六十五、六%の過疎化です。これを大事なものとして継承し、崇敬し、守ってきた関係者に心から敬意を表するものでございます。
ただ、毎回申し上げておりましたが、スポーツ、あるいはスキー、陸上であれば、あるいはドラゴンアイであれば、誰が見てもこれだと分かるのですけれども、何せ仏像というのは仏像の歴史なり見方なり、そういうのを勉強しないとよさが分からないです。芸術文化というのはそういうものです。歌舞伎好きな人は何万円も出して行くけれども、嫌いな人は分からない。だから、ぜひ地元に光を当てるという、前任者の質問もありましたが、学習会なり展示会なり、そして地元のガイドを育ててくださいというのをずっと言っていました。その辺を総合的に、文化、スポーツの面、そしてそれから観光に利用、活用する面、地域づくりにどうそれを結びつけていくか、その辺についてお伺いします。
〇議長(工藤 剛君) 文化スポーツ課長。
〇文化スポーツ課長 関 貴之君 お答えします。
兄川の山神像ということで、今回「みちのく いとしい仏たち」展の中で紹介をいただいているところでございます。こちらにつきましては、事実に基づいた客観的な価値、こちらは何百年受け継がれている、残っているであるとか、唯一無二の造形であるというようなところと、あとは主観的な価値、今までは造形に対してどういう評価を受けてきたかというところで、今回の展示につきましてはかわいらしさとか、愛らしさというところで評価を受けて、先ほど議員からご紹介をいただきました、今回の盛岡での展示会には8,000人を超える方が見にいらしたと、その中では若い女性が多かったというところは、そういったフォーカスのされ方で評価を受けているというようなものではないかと思っております。また、こちらの展示に関わりましたNHKエンタープライズのプロデューサーの方とお話をする機会がありまして、女性の方だったのですが、彼女は開口一番に「かわいらしい」というようなことをおっしゃっておりました。まさにそういったところなのだろうなと思っております。
そういったところに加えまして、やはり議員からご指摘をいただいているとおり、これを受け継いできた山村文化というものが背景にはございます。その辺り、市の文化財指定をしているというところは、それも含めての指定だと思っておりますので、今回こういったフォーカスが当たった機会を捉えて、そこの歴史的なところというようなところを市民の皆様にも伝えていけたらなと思っております。市長答弁にございますとおり、今後そういった企画展等を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 商工観光課長。
〇商工観光課長 佐々木宣明君 お答えいたします。
こういったまちづくり、まちの文化財、歴史の文化財、これまでも議員のほうから様々ご意見、ご提言を頂戴しておったところと認識しておるところでございます。先ほど仏像そのものに関しましては文化スポーツ課長のほうでお答えしておりましたけれども、確かに、若干個人的な感想も入りますけれども、奈良、平安の中央のものとは一線を画す造形というところ、そしてこれを引き継いできた文化そのもの、こういったものがどういった層に訴えられるのか、どういったお客様に刺さるのか、そしてこれを見に来て万歳ということだけではなく、どういう見せ方で感動を持って接していただけるのか、こういったことを整理していかないとなかなか具体的な誘客にはつながらないと、そのように感じておるところでございます。自然のほうでもそうですし、なかなかこの辺のガイドというところの養成というのは大きな課題の一つであるということは認識しておりますが、そういったところを、先ほどのお答えとともに文化の伝承という形がどう商品化できるかというところは、引き続き研究を続けていかなければならないものと、そのように捉えておるところでございます。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) まちづくり推進課長。
〇まちづくり推進課長 工藤輝樹君 お答えいたします。
地域づくりにどのように役立てていくかというご質問だと思います。私も、実はここの神社に毎年お祭りに参加させていただいているのですが、実は山神の存在は今まで、この企画展があるまで知ることがありませんでした。やはり地域の宝といいますか、なかなか知る機会もないものですから、コミュニティセンターのほうの教育事業がかなりありますので、これから文化スポーツ課、また博物館と協力しながら、そういった事業の中でやっぱり地域のことを学び、地元愛を育むような事業をこれからも展開していければいいかと思いますので、併せましてご指導もよろしくお願いいたします。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 初めて知ったということで、正直でいいです。足元に宝物がいっぱいあるのです。それを磨きをかけるか、発見するかです。この仏像については、市議会で私指定文化財にするべきだというので、指定していただきました。こっちの右です。そして、こういうのはまたあまり美人でない、山神というのはおっかない神様です。美人でない神様いらっしゃるのです。この比較文化。そして、シンポジウム、平成十何年にやったときに、やっぱり田山は特殊な地域で、ほかの模造をしない、そして当時の権力に屈しない気骨のある地だと報告書にありました。私もそう思っています。北緯40度、七時雨と中山の接点の文化、日本海と太平洋文化の接点で田山はそのまま残っているのです。非常に大事な土地ですし、ぜひ地元の宝を磨いて、そして北東北3県の観光振興、先ほどありましたが、私はその先駆けをつくる、この山神さんがつくってくれたと思っているのです。そして、学習を重ねないとなかなかよさが分からないです。
では、教育委員会にも聞きますが、大変学生とか、デザインで若い人たちが、私初めて講演会に行ったときに、こういうのに若い人がずっといて、デザイン学習している人とか、あるいは美術の先生とか、そういう方が大変いらっしゃいました。普通の文化財ですと、年寄りで私クラスの人たちが行くのですが、大変若い人たちに人気がある、あるいはそういうような美術振興、美術の面から、教育委員会では若い先生方とか、そういう方が多かった現状でした。その辺の観点で教育委員会からお伺いいたします。
〇議長(工藤 剛君) 教育長。
〇教育長 星 俊也君 なかなか難しいご質問をいただいたなと思っております。若い人たちが非常に多かったと、こういったものに関心を向けているということはとても大事なことであろうというふうに思います。実は、先日安代中学校を訪問しましたならば、安代中の校長から、この山神が載った冊子を紹介してもらいました。そして、この中に兄川の山神像が入っているのですよということで、大変うれしそうな表情で紹介してくれたのが印象に残っております。やはり先ほど議員がおっしゃった地元の宝だということを認識しておられるのだと思いますし、そういう思いを子供たちにもぜひ持たせたいものだなというふうに思いました。地元に光を当てるという言葉もいただきました。こういったものを機会を捉えながら、そしてまだまだたくさんの伝統、文化、芸術、そういったものが残っているのがこの八幡平のそれぞれの地区だと思っておりますので、それぞれにどんな宝物があるのかということをこれからも小中学生、子供たちと一緒に発見できるような、そういう教育活動に取り組んでいければなと考えております。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 ぜひ図書館活動もですし、子供たちにレファレンスなり、指導なりして、地元の郷土愛を育む、育むためには郷土を知らなければならないし、知るためにはどうすればいいか、現場に行ってみる。私は、何回も現場に行っているのです。そういうような現場主義を貫きながら、学習指導ガイドブックとかいろいろありますけれども、やっぱり机上だけではなくて、職員の皆さんも現場を踏んで、ぜひ北東北3県を代表する神仏像ですので、その辺に光を当てて、特に高齢化が一番激しい地区で、私も別当さんにもお話ししました。
それから、保安状況については、いろいろこれからまた課題ですが、例えば防犯灯をつけるとか、あるいは見えるようにしないと駄目なのです。模造、レプリカを、私は安比スクールで、最新の3Dプリンターだか買って、これすごいなと言っていましたが、縮小したり、そういうのでお願いしてみたらどうでしょうか。イノベーションセンターでしたか、これはすごい、小学校からそういうのをやっている。大きさも七十何センチでこのぐらいですから、同じでなくても、何分の1かでもいいし、そういうようなお話をして、世界の子供たちにもそういうように作って参加していただける、あるいは模造等もぜひ進めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
〇議長(工藤 剛君) 文化スポーツ課長。
〇文化スポーツ課長 関 貴之君 お答えします。
市の指定の文化財ではございますが、まずは所有者があるものでございます。管理、保全につきましては、所有者にお願いをしているものでございまして、市のほうでも補助金という形で若干は現在のところ支援をさせていただいております。
レプリカ作製ということでありますけれども、まずは所有者のご意向によるものもございます。その辺りを確認しながら検討したいと、ハロウスクールとのことにつきましても、可能かどうかというところも併せまして研究してまいりたいと思います。
以上でございます。
〇議長(工藤 剛君) 12番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 ぜひ世界の子供たちにも、そういう北東北3県を代表する仏像です。その意味もお聞きしましたけれども、まだまだ深い造形美、信仰美、仏像の見方、知り方、学芸員さんも配置になりましたので、図書館も一緒ですし、博物館、学芸員、それから学校図書館等も一体となってこういうような文化財も進めてほしいと思います。
この展覧会の説明、「苦しさや悔しさを「てえしたこだねのさ」と笑ってみせる北東北人のやさしさがニコニコする仏像たちを生んできたのです」。なるほど、この厳しい環境下で、こういう笑っている仏像はないです。これは田頭の仏像ですけれども、これも一級品です。木造です。ぜひそういう、いずれ現場に基づいて、見ていただく。
それと、文化財について何回か説明しましたが、郷倉の看板、それから鹿角街道の石像、追分碑が倒れている、それから餓死供養塔ここにあるよと説明しましたけれども、そういう発言した分は現場に行ってみて、東大更小学校の上にある恩賜の郷倉の看板とか、それがちょっと欠けていると思うのです。寺田の斗内橋のところの追分石も何回もしているけれども、まだ転んだままです。ぜひ発言を大事にしながら、1回答弁したらいいではなくて、行ってみて現場を確認してほしいと思いますが、その辺を総合的にご答弁願います。
〇議長(工藤 剛君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 ご提言大変ありがとうございます。いろいろこれまでの議会でもご質問いただいている中で、私どもからも答弁をさせていただいて、それぞれの担当課にあっては現地の確認等もしておるわけでありますが、やはり正直申し上げまして、渡辺議員のような知見を持っている職員というのはなかなかまだ育っていない、そういう状況であります。今年度から学芸員を配置いたしまして、こういったものについても学芸員に現地を見ていただいて育てていく、今そういった途上でありますので、議員からもご指導よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。進め方についても、やはり造詣が深い渡辺議員等のご指導等があってからこそ、我々職員も動ける部分もあるかというふうに思いますので、議員が思い描くところと我々が文化行政を進めていく中でのそういうそごというのは、今多少はあるかというふうには思うのですが、そこのところの調整を図っていただく意味でも、今後ともご指導よろしくお願い申し上げたいと思います。
(議員 渡辺義光君一般質問席降壇)
〇議長(工藤 剛君) これで渡辺義光議員の質問を終わります。
ここで昼食のため13時15分まで休憩します。
(12時16分)
☆
休 憩
再 開
☆
〇議長(工藤 剛君) 休憩前に引き続き会議を再開します。
(13時15分)
〇議長(工藤 剛君) 引き続き、一般質問を行います。
通告順位3番、勝又安正議員。
(議員 勝又安正君一般質問席登壇)
〇議員 勝又安正君 議席番号7番、八起会、勝又安正、2項目について一般質問を行います。
大きな1、移住定住対策について。今年の1月17日に、総務教育常任委員会で東京都にある認定NPO法人ふるさと回帰支援センターへ視察研修を実施しました。このふるさと回帰支援センターは、昨年11月に創立20周年を迎えた。経済やライフスタイルの変化、価値観の多様化により、移住相談は年々増加しています。2010年には年間6,000件まで拡大し、相談者の年齢構成はシニア中心から若者へと徐々に変化した。2008年は50歳以上が全体の70%以上だったものの、2017年には20代から40代が70%を超え、若者の価値観の多様化や規制緩和の一環として労働者派遣法改正もあり、非正規雇用が40%を占めるなど、東京での暮らしに夢が持てなくなったことなども影響していると考えられる。
また、2011年には東日本大震災が起き、ふるさと回帰支援センターは2012年4月に有楽町の東京交通会館に事務所を移転した。
状況が大きく動いたのは2014年、日本創成会議で、このままの事態を放置すれば、2040年には少子化が進み、896の自治体が消滅する可能性があるといういわゆる増田レポートが発表された。内閣の中に、まち・ひと・しごと創生本部が設置され、1,000億円の補正予算を組み、まち・ひと・しごと創生総合戦略5か年計画を策定して、本格的に地方創生に乗り出した。このため、2015年4月には22県1政令市がセンターに移住相談ブースを設置し、相談員を配置した。その結果、2019年には相談件数が年間4万9,401件に達した。コロナ禍で事務所を一旦閉鎖したが、その後東京都を取り巻く各県の移住相談件数が前年度同月比で1.3から2倍へと大幅に増加、それが2021年には全国に拡大した。
移住相談者のトレンドも変わり、本気度の高い移住相談が増加している。コロナ対策として、都心の暮らしから郊外への分散志向、また働き方改革も進められ、テレワークの推進も行われていることが動向に拍車をかけている。このような中で、都市からの移住獲得に向けた競争時代が訪れる可能性もあり、各地方の自治体は戦略を問われると考え、以下について質問する。
@、令和4年度の定住対策事業の予算額は245万6,000円で、令和5年度の予算額は倍以上の516万5,000円に増額している。その中で、特に移住支援金の増額の内容と新規事業の若者・移住者空き家住まい支援事業補助金を具体的にどのように行っていくか伺います。
A、ふるさと回帰支援センターが首都圏1都3県で実施した地方移住検討者の実態把握調査2021年によれば、はっきりとした目的や目標を持つ人のほか、漠然層とも言われる何となく田舎で暮らしたいと思っている人を含め、地方移住に関心のある人は12.3%、推計309万人に上ることが明らかになった。こうした方々に地方移住という暮らし方を働きかけ、現地でのお試し暮らしや期間限定の短期移住暮らしなど、移住から定住へつないでいくことはそれほど難しいことではないと考える。
一方で、2022年4月1日現在、過疎地域と言われる地域を含む市町村は、全市町村の半数とも言える885市町村にも達しており、既に待ったなしの状況にある。現在の当市の過疎化の現状について伺う。
B、移住者の受皿である空き家バンクの整備、働く場所の確保、移住者の支援組織の立ち上げ、移住セミナーの開催など、移住希望者相談なども含めた今後の取組について伺う。
次に、大きな2、八幡平市のリンドウ振興と安代りんどうの販売戦略について。昨年、JA新いわて八幡平花卉生産部会創立50周年を迎えた。オリジナル品種開発、種苗の供給体制も37年を経過した。販売額は、コロナ禍の中で前年対比103%と、農業を取り巻く環境が非常に厳しい中、全国一のリンドウ産地として、需要期に向けた生産拡大と信頼される品質規格の向上に努めている。
今年度は、花卉販売額15億円を目標に、新品種を開発した八幡平市管内リレー出荷の構築と、切り花リンドウ選花機の開発、当市の支援事業、高単価りんどう品種作付転換支援事業により、旧盆、彼岸需要期の生産量拡大を図り、消費者に信頼される花卉産地のさらなる強化に努めています。
ロシア、ウクライナ紛争による国際経済の混乱などにより、昨年度は生産部会からのルワンダへの輸出事業は、航空機のコンテナ確保が困難となることや高額な輸送運賃などを考慮し、出荷を見送りました。しかし、市場を経由しての輸出については、なにわ花いちば、愛知豊明花き地方卸売市場のご協力を得て、アジア、中東、アメリカなどに対応することができた。国内外の不安情勢の中、今年度のリンドウの苗16.5ヘクタールの定植もほとんど終わり、年々定植の面積は少しずつですが減少はしているが、若手生産者が規模拡大をしながら、販売数量95%前後を維持している。八幡平市管内リレー出荷事業の促成栽培切り花リンドウも、西根方面を中心に高単価の出荷となり、今年度も消費者に信頼される花卉産地のさらなる強化に取り組んでいる中、以下について質問する。
@、アフリカ、ルワンダの株式会社ブルーム・ヒルズ・ルワンダが出荷する安代りんどうは、オランダで良品質の評価の下、販売されている。令和元年度は11万本の出荷だったのが、ここ3年で販売本数が120万本を超え、販売額は約1億1,000万円、市への許諾料収入も期待される。八幡平市内の生産者は、販売額の1%を許諾料として市に納め、八幡平市花き研究開発センターの貴重な財源として運営費に充てられている。この許諾料の内容説明と今後の特にも市外、国外への取組について伺う。
A、令和4年11月17日、八幡平花卉生産部会創立50周年記念大会が行われ、記念事業として花育教科書の「われらリンドウ探検隊 安代りんどう」を発刊した。この安代りんどう花育教科書には、基礎知識から栽培管理、歴史などを漫画「わたしたちの花 安心りんどう物語」と題して紹介し、先人たちの貴重な経験や言葉が掲載されている。花卉生産部会も、将来の担い手確保などの発展のため、この教材を基に花育活動を行っていくとある。児童生徒たちの農業体験学習、花育の際に使用する教材としてこの花育教科書を学習時に使用できるよう、増刷の支援の考えはないか伺う。
B、今年度花き研究開発センターの予算額は、前年度より1,200万円ほどの減額となった。令和4年度の新規温室栽培用ベンチ等改修工事と花き種苗生産普及実証ビジネス化事業補助金の完了によるものだと考えるが、この2つの事業結果について伺う。
以上、よろしくお願いいたします。
〇議長(工藤 剛君) 市長。
(市長 佐々木孝弘君登壇)
〇市長 佐々木孝弘君 勝又安正議員のご質問に順次お答えしてまいります。
大きな1点目の移住定住対策についてのお尋ねでございます。初めに、1つ目の移住支援金の増額内容と若者・移住者空き家住まい支援事業補助金を具体的にどのように行っていくかについてでございます。議員ご案内のとおり、令和5年度定住対策事業につきましては、当初予算で516万5,000円を措置しており、対前年度当初予算額比較では270万9,000円の増額となっておるところでございます。主な増額の理由といたしましては、東京23区人口一極集中是正を目的として、国主導により実施している移住支援金に300万円を、空き家バンク物件の購入や改修費用の一部を補助する若者・移住者空き家住まい支援事業補助金に110万円をそれぞれ予算措置しているところでございます。このうち、移住支援金につきましては、国の制度一部改正により支援金額が増額され、本年4月1日以降に本市に転入した子育て世帯に対して、基礎額100万円に加えて、18歳未満の子供1人当たりの加算額が30万円から100万円に拡大されました。昨年東京で開催された移住相談会において、この支給要件に該当する2人の子供を持つ世帯から、本年度Uターン移住したいとの意向を受けて予算措置をしたものでございます。
また、県の補助事業を活用して実施いたします若者・移住者空き家住まい支援事業補助金につきましても、補助要件等の拡大がございまして、これまでは空き家バンク物件を購入し、改修した県外からの移住者に対して、改修費用に最大20万円を補助していたものでございますが、県外からの移住者のほか、申請日において39歳以下の方が空き家バンク物件を取得した場合には最大30万円を、また改修した場合には最大40万円を補助するとともに、子育て世帯につきましては取得または改修のどちらか一方の補助上限額に20万円を加算するものでございます。
議員ご指摘のこれら支援策の具体的な推進対策といたしましては、市ウェブサイトや県いわて暮らし移住定住ポータルサイトへの掲載をはじめ、移住相談や空き家バンクの利用相談時などにおいて積極的に周知や制度説明を行いながら、移住者の増加と市民の定住につなげてまいりたいと考えておるところであります。
次に、2つ目の現在の過疎化の現状についてでございますが、過疎地域に関しましては昭和45年に過疎地域対策緊急措置法が10年間の時限立法で施行されて以来、これまで途切れなく法律が制定され、現在は令和3年4月1日に施行された過疎地域持続的発展の支援に関する特別措置法により、様々な対策が講じられているところでございます。この法律における過疎地域とは、「人口の著しい減少等に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域」とされており、定められた期間における人口減少率、高齢者比率、若年者比率などの人口要件及び財政力要件が細かく規定されておるものであります。
岩手県内では、33市町村のうち25市町村がこの要件に該当し、過疎地域の指定を受けている状況であり、当市につきましては合併以前は旧安代町、旧松尾村がそれぞれ指定され、合併後は市全域が指定されております。当市における過疎化の現状でございますが、人口の推移を見ますと、昭和50年が3万4,491人、平成27年が2万6,355人と、40年間の人口減少率が23.6%となっており、人口要件である40年間の人口減少率23%を上回っている状況にあります。また、財政力指数は、平成29年度から令和元年度まで3年間、いずれも0.29であり、財政力要件である3か年平均0.40を下回っている状況でございます。
次に、3つ目の空き家バンクの整備、働く場所の確保、移住者の支援組織の立ち上げ、移住セミナーの開催など、移住希望者相談なども含めた今後の取組についてでございます。まず、平成30年度から運用しております空き家バンクにつきましては、登録物件数の増加を目的として、空き家所有者や将来所有する可能性のある方などを対象に、建築士や司法書士を講師に招き、空き家利活用セミナーを開催する予定でございます。また、空き家バンクに登録された物件につきましては、市ウェブサイトへの掲載をはじめ、市公式ラインで配信するほか、本年度新たに全国版空き家バンクへの情報公開を行うことで、より広く周知を図ることとしております。
次に、働く場所の確保につきましては、本年4月分の県内有効求人倍率が1.23倍、新規求人倍率が1.71倍と売手市場になっていることから、求職者にとっては仕事を探す選択肢が比較的多い状況にあると認識しているところであります。なお、本市が移住相談者の希望職種と求人とのマッチングなど、仕事をあっせんすることは、人材紹介業の免許制度の関係から困難でありますことから、県が主体となって事業展開しております求人情報検索ウェブサイト、シゴトバクラシバいわてをご紹介いたしまして、仕事探しを側面からサポートしているところであります。
次に、移住者の支援組織につきましては、市内で現在活動している組織はございませんが、他の自治体においては住民が主体となって組織された支援団体により、移住者の受入れを行っている事例があることから、本市といたしましてはそれらの事例を参考にしながら、今後研究してまいりたいと考えているところであります。
次に、移住セミナーや移住相談につきましては、東京有楽町のふるさと回帰支援センター主催で開催される移住相談会に2回、岩手県が主催する移住相談会に3回出展するほか、本市単独の東京での移住相談会の実施を予定しているほか、昨年度から実施しておりますライン移住相談の活用につきましても、引き続きPRをしてまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染症分類が5類に移行したことから、以前のような対面による移住相談が活発になると思われますので、本市といたしましても移住者の増加につながるよう、対面による移住相談の機会を随時増やしてまいりたいと考えているところでございます。
次に、大きな2点目の八幡平市のリンドウ振興と安代りんどうの販売戦略についてのお尋ねでございます。初めに、1つ目の許諾料の内容と市外及び国外への取組についてでございますが、まずは許諾料の内容でございますが、許諾料は著作物などの知的財産等を使用する際に発生する対価であり、安代りんどうの場合、市内においては販売額の1%を生産者からいただいております。その使用目的としては、品種開発費として花き研究開発センター費に充当させていただいていることは議員ご承知のとおりでございます。
今後の取組の国外生産につきましては、現在販売実績のあるルワンダ共和国の切り花生産におきまして、生産量は右肩上がりで推移しており、昨年度の生産量は約120万本で、販売額が日本円にして8,384万1,000円となり、ルワンダ共和国内の源泉徴収税を差し引いた後の1.5%が市への許諾料となり、令和4年度の一般会計収入額115万2,462円を収入としているところであります。今シーズンにつきましても、昨年を上回る140万本に達する見込みであると伺っております。
また、EUでの鉢物リンドウの販売については、独立行政法人国際協力機構の事業により、EUで販売する鉢物リンドウの苗の生産をルワンダ共和国で行う計画としておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により事業の着手が遅れている状況でありました。本年2月に事業に着手され、組織培養施設の整備が行われている状況となっており、整備後は実証試験が行われた後、順次生産体制に入っていく計画と伺っております。
市外生産の取組につきましては、現在JA新いわて八幡平花卉生産部会が安代りんどうの市外生産条件を市外生産者に示しているところであります。今後は、花卉生産部会と情報を共有しながら進めてまいりたいと考えております。
次に、2つ目の児童生徒が農業体験で使用する花育教科書の増刷の考えについてでありますが、安代りんどう花育教科書は令和4年12月にJA新いわて八幡平花卉生産部会が発行をしております。これまで安代地区の小学校で取り組まれている花育の授業において教本として使用されているほか、組合員にも配付し、生産に係るマニュアルとして活用すると伺っております。この教科書の活用は本年度からとのことでありますので、現段階での増刷に対する支援は考えておりませんが、今後、現在行っている学校以外でも花育の授業が拡大されるなどの場合には検討を要するものと考えております。
次に、3つ目の令和4年度事業の温室栽培用ベンチ等改修工事と花き種苗生産普及実証ビジネス化事業補助金の事業内容に係る結果についてでございますが、温室栽培用ベンチ等改修工事につきましては、花き研究開発センターのガラスハウス内に設置しております育種用の鉢を並べるテーブルを改修したものでございます。施設が建設された平成7年から使用してきており、経年劣化の腐食により脚部の欠落が数か所にわたり、使用できない箇所も出てきたことから、今回改修を行ったものであります。
花き種苗生産普及実証ビジネス化事業補助金につきましては、株式会社R―GATE八幡平が独立行政法人国際協力機構の事業を利用し、ルワンダ共和国で実施する花卉種苗生産と親株増殖のビジネス化事業に対して行った市の単独補助事業であります。国際協力機構からは、令和2年に事業内示を受けていたものでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響により事業の実施が遅れておりまして、本年1月にR―GATE八幡平と国際協力機構においてこの事業に係る契約が締結され、本年2月に事業に着手されたものであります。当市の補助の内容といたしましては、国際協力機構の補助対象外経費となる備品及び消耗品類の購入に対して補助を行ったところであります。今後ルワンダ共和国内に花卉の組織培養施設を設置し、種苗生産の普及実証が行われ、ビジネス化に向けた取組が行われる予定となっております。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
(市長 佐々木孝弘君降壇)
〇議長(工藤 剛君) 7番、勝又安正議員。
〇議員 勝又安正君 それでは最初に、移住定住について再質問します。
ふるさと回帰支援センターに移住相談を設置している自治体は、44都道府県1政令市で、相談件数が月当たり1桁台の低迷を続ける県と、3桁台を確保している県が明確化している状況で、各市町村間の格差も拡大しているとのことでした。こうしたことが起きている原因として、移住施策に取り組んでも人口減少に歯止めをかけることができないと諦めているのではないかとセンターは考えているようです。
当市は、予算も大幅に計上しており、そのような考えはないかと思いますが、見解を伺います。
〇議長(工藤 剛君) まちづくり推進課長。
〇まちづくり推進課長 工藤輝樹君 お答えいたします。
初めに、県の相談件数の情報をお伝えいたします。東京都の回帰支援センターでは、令和4年度、昨年度ですけれども、1,116件、またいわて銀河プラザでも岩手県は相談を受け付けしておりまして、そちらで969件、合わせて東京での受付状況は2,085件となっております。また、市でも移住セミナーなどで相談を受け付けておりますが、令和3年度64件でありましたけれども、昨年度については184件、132件の増加となっているところであります。
また、市では転出入者に対しまして、県とタイアップしてアンケートを取っているところでございますけれども、昨年度の転入者は378世帯、614人の方があったのですが、そのうちアンケートにお答えいただいた方が276世帯ございました。転勤など、受動的要因というのですけれども、あと市内への就職や親との同居、あとは自宅取得などで市内に自発的に転入した世帯は、そのうち201世帯で53%となっております。昨年度の転入者数は転出者数を上回ることができておりましたので、移住施策は人口減少に対して一定の効果を得ているのではないかと担当課としては捉えているところでございます。引き続き、移住定住の推進にもまた力を入れてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
〇議長(工藤 剛君) 7番、勝又安正議員。
〇議員 勝又安正君 思ったより相談件数が多いのにほっといたしました。
次に、ふるさと回帰支援センターでは、かつてない勢いで地方移住を希望する都市住民が増加傾向にあり、東京での暮らしや生活に希望が持てないことが考えられ、若者の価値観が変わり、地方で暮らすことの新たな価値や意味を見出し、そうした暮らしの中に自己実現の夢を託す例は全国各地で見られています。環境の厳しい地域にはほかにないものがあり、八幡平市は有名で人気もあり、誇りを持って取り組んでくださいと高橋理事長さんから元気をいただきました。同じような状況で、厳しい環境下の地域で、自治体を参考に視察などを行い、一人でも多くの方を地方移住へと推し進めていく考えはないかお伺いします。
〇議長(工藤 剛君) まちづくり推進課長。
〇まちづくり推進課長 工藤輝樹君 移住先進地の研修につきましては、これまでも県主催のセミナーなども含めまして四国とか、あと県外も歩いてきたところでございます。実際各自治体とも自治体間の差別化を図り、やはり自分のところに招き入れたいということで、新たな取組を様々模索しているところでございますので、私どもも常に情報のアンテナを高く張りまして、移住相談会など、他市町村と触れ合う機会も多くございますので、そういったところで他市町村の情報を得ながら、またこちらの情報も提供し、いろいろ交換しながら力を入れてまいりたいと思います。その際、また特色ある自治体等ありましたら、積極的に視察のほうに伺ってまいりたいと考えているところでございます。
〇議長(工藤 剛君) 7番、勝又安正議員。
〇議員 勝又安正君 次ですが、国土交通省は、空家等対策特別措置法改正案で空き家活用を重点的に進めようとしています。促進区域を市町村が設定し、カフェや宿泊施設に転用しやすくするように、また老朽化が進み、倒壊などの危険性が高い場合は自治体が撤去できるようにしていき、そして管理が不十分な物件は税金の軽減対象から除外し、事実上の増税で、所有者に対して早期の対応を求めようとしているが、移住定住に関連した施策方針があったか、また空き家対策を含めた住宅リフォーム等の整備支援を行う考えはないか、あるとすれば具体的にどのように取り組むかについて考えを伺います。
〇議長(工藤 剛君) 防災安全課長。
〇防災安全課長 多田和雄君 お答えいたします。
ただいまのご質問ですが、空家等対策特別措置法に関連するということで、法に基づく対応につきましては防災安全課が担当しておりましたので、私のほうから答弁をさせていただきます。特措法の改正につきましては、ご案内のとおり3月に改正の案が示されまして、一昨日、6月14日に法律のほうが公布されておりまして、これからこの先6か月以内に法律のほうが施行されるというような方向で、今まさに動いているところでございます。今回の改正につきましては、大きく改正点が4点ございます。まず1点目、所有者の責任強化ということで、国や自治体の施策に空き家の所有者等が協力するという努力義務が課されております。
それからあと、空き家の活用拡大ということで、市等が空き家の活用促進指針を定めた、区域指定をした場合、用途変更や建て替え等の促進を可能にしているというような内容でございます。
それから、管理の確保ということで、放置すると、このまま先何年か進んでいくと、いわゆる特定空家等になってしまうような空き家について、議員のほうからもご指摘がありましたとおり、管理不全空き家ということで市が指定をすると、そうするとその指定された物件については固定資産税の、いわゆる住宅用地の特例、税金が減額になっているものが通常の税額で課税される、つまり税金が高くなるというような、そういった措置が取れるというふうな内容も含まれております。
そして、4点目になりますが、除却の促進ということで、各自治体の首長に特定空家等の所有者等に対する報告徴収権や財産管理人への選任請求権を付与するということで、それらを含めて緊急的な代執行制度とか、あとは所有者不明時の略式代執行の部分、あとは緊急代執行にかかった費用の徴収の手続を簡略化したということで、これらが今回の特措法の改正部分となってございます。
したがいまして、議員ご指摘のというか、ご質問の今般の改正法によりまして、直接的に移住定住を促進するような内容とはなっていないというのがこちらのほうで、空家特措法の改正の内容はそういうふうな理解をしてございます。
あと、またご質問にありました促進区域云々という、促進区域を市町村が設定して、カフェとか、あとは宿泊施設に転用しやすくなるといった部分でございますが、その部分につきましては例えば都市周辺において、市街化調整区域が設定されておりまして、その区域内で開発行為や商業施設等の再築等に制限がかかっている場合はその制限を緩和できるという、そういうケースになります。ですから、当市の場合は市街化調整区域がございませんので、今回の法改正によって促進区域の設定を行うとか、そういった手続を踏まなくても、現状でも空き家をカフェや宿泊施設に転用できるというふうな状況になってございます。
今年度から市といたしましては、空き家の解体等に助成を行うというような制度も行っておりましたので、空き家の管理のほうの促進と併せて移住定住のほうにも、まちづくり推進課のほうとも連携して取り組んでまいりたいというふうに考えておりましたので、よろしくお願いいたします。
〇議長(工藤 剛君) 7番、勝又安正議員。
〇議員 勝又安正君 移住定住対策について、最後に市長にお伺いします。
第2次八幡平市総合計画後期基本計画に、八幡平市に住んでよかったと思えるまちづくりを目指し、子育て支援、移住定住を積極的に促進し、持続可能な地域コミュニティーの形成に重点的に取り組むとあります。ふるさと回帰が盛り上がっている今がチャンスだと考えます。市長の見解をお伺いします。
〇議長(工藤 剛君) 市長。
〇市長 佐々木孝弘君 お答え申し上げます。
私もついこの間、東京での全国市長会議の帰り際にふるさと回帰支援センターに寄りまして、現状どういう状況かというようなことで意見交換、情報共有をさせていただいてきたところであります。ふるさと回帰支援センターの担当者から聞きますと、やはり岩手県内の中でも八幡平市の相談というのも非常に多いということ、あるいはいろいろ提供できる、そういう条件も他の自治体に比べると非常に多くある、話題性もあるというようなことで高い評価を得たわけでございます。
ただ、最近の動向として、コロナが明けて5類になってから、岩手県のブースだけではなくて、回帰センター全体の利用者数が減ってきているという傾向が見られているということであります。ですから、コロナ禍において地方移住を志向するような方々というのは現実に増えてきたという現状があったと思いますが、これが明けてからまた東京に戻る、東京回帰の動きも一方では懸念されるというような現状もあるという話を聞いてまいりました。これまで社会増減の推移を見ておりますと、昨年は、令和4年は社会増減がハロウに転入されてきた方々を除いてマイナス24人ということで、ハロウの転入者を含めればプラスに転じてきているというようなことで、非常に大きな成果が見られておるわけでありますが、それがコロナの影響も多少なりにはあったのかもしれませんけれども、今後の推移もしっかりと見ていきたいというふうには当然思っております。
そして、今防災安全課長あるいはまちづくり推進課長が申し上げたとおり、新たな支援制度も市独自のものも含めて展開をしていくわけでありますが、いろいろなことをやりながら、移住政策には本当に力を入れて、結果として特に若者の移住を呼び込んで、出生率の改善にもつなげていけるところまでいきたいというようなことで考えておるところであります。そのためにも市の移住相談体制については、今は市役所が、市の職員が行っているわけでありますが、どうしても相談できる時間とか、土日にはなかなか対応できないとか、いろいろあるわけでありますので、今度大更の駅前の顔づくり施設に整備をする移住相談センター、これは当然箱だけではなくて、コーディネーターもしっかりと配置して、そういった市内での相談体制もしっかりと構築しながら、さらに力を入れて取り組んでいきたいと、そのように思っているところであります。
〇議長(工藤 剛君) 7番、勝又安正議員。
〇議員 勝又安正君 次に、2項目めの八幡平市のリンドウ振興と販売戦略について再質問いたします。
国際情勢が厳しい状況が続いていますが、このような中でルワンダの切り花リンドウの出荷は伸びてきています。海外ということもあり、特に栽培指導が必要不可欠で、現在の状況と何か問題点はないか、また組織培養苗生産事業への支援の具体的な内容と取組についてお伺いします。
〇議長(工藤 剛君) 花き研究開発センター所長。
〇花き研究開発センター所長 津島佐智幸君 お答えいたします。
ルワンダ共和国内での切り花生産に係る栽培指導ということでございますが、平成30年度に市内生産者と当センターの技師がルワンダ現地に出向きまして、現地での生産、栽培指導を行ってきてございます。翌年、令和元年に現地法人の社長と職員1名が市内の生産圃場で実施研修ですか、行ってございまして、コロナの影響もございまして以降の栽培指導についてはオンラインで、当センターの技師が当たってその業務をやってきてございます。今のところ特に大きな課題、問題等は見つかっておりませんので、今後の栽培指導に関してはこれまでと同様オンラインで対応できるものかと考えているところでございます。
ただ、現地法人は、新しい品種にもチャレンジしたいというようなことも言ってございますので、今後その作付が順調にいかないようであれば、現地へ派遣しての栽培指導等もあろうかと思いますので、そのときは協力をお願いいたしたいというふうに考えているところでございます。
組織培養生産事業への支援の具体的な内容でございますが、市長答弁でもございましたとおりEU諸国で販売する鉢物リンドウの苗を、ルワンダ共和国内で苗生産を行うことを計画しているものでございます。多くの鉢を生産するには親株の増殖が必須でございまして、増殖した親株から挿し芽をEU圏に輸出するという内容でございまして、輸出先のEUで挿し芽を鉢に生産して販売するというふうな計画としているところでございます。この組織培養施設の整備に係る備品及び消耗品に対する経費につきまして、昨年度補助金を交付したものでございます。
今後の支援としては、実証試験に使う苗の供給と組織培養技術の指導等が主な支援になってくるかと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
〇議長(工藤 剛君) 7番、勝又安正議員。
〇議員 勝又安正君 再質問の最後になります。
令和4年度温室栽培用ベンチ等改修工事、860万円ほどで改修工事が行われましたが、今後このような大きな改修工事が見込まれるかどうか伺います。
〇議長(工藤 剛君) 花き研究開発センター所長。
〇花き研究開発センター所長 津島佐智幸君 花き研究開発センターの今後の改修工事の見込みということでございますが、市の公共施設再編計画におきましては、計画的な改修を行い、長寿命化を図る方針を立ててございまして、今後改修、改善が見込まれるものにつきましては、ガラス温室の加温器の修繕、天窓や側窓の開閉機の修繕であるとか、遮光幕のモーター修繕等を見込んでいるところでございます。
なお、今年度につきましては、細野の循環ハウスのビニール張り替え修繕を行う予定としてございます。年度で区分しながら、計画的に修繕を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
(議員 勝又安正君一般質問席降壇)
〇議長(工藤 剛君) これで勝又安正議員の質問を終わります。
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散 会
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〇議長(工藤 剛君) 以上をもちまして本日の日程は終了しました。
本日の会議はこれをもって閉じ、散会いたします。
(13時59分)