令和３年八幡平市議会第３回定例会
議事日程（第２号）
令和３年８月２４日（火）
日程第 １ 一般質問
田 村 善 男
渡 辺 義 光
田 村 孝
立 花 安 文
出 席 議 員（１９名）
１番 関 治 人 君 ２番 羽 沢 寿 隆 君
３番 工 藤 多 弘 君 ４番 勝 又 安 正 君
５番 北 口 功 君 ６番 工 藤 隆 一 君
７番 田 村 善 男 君 ８番 井 上 辰 男 君
９番 立 花 安 文 君 １０番 渡 辺 義 光 君
１１番 工 藤 直 道 君 １２番 古 川 津 好 君
１３番 田 村 孝 君 １４番 髙 橋 悦 郎 君
１６番 関 善 次 郎 君 １７番 髙 橋 光 幸 君
１８番 米 田 定 男 君 １９番 小 野 寺 昭 一 君
２０番 工 藤 剛 君
欠 席 議 員（１名）
１５番 熊 澤 博 君
説明のために出席した者
市 長 田 村 正 彦 君
副 市 長 田 村 泰 彦 君
教 育 長 星 俊 也 君
企 画 財 政 課 長 関 本 英 好 君
総 務 課 長 渡 辺 信 君
防 災 安 全 課 長 多 田 和 雄 君
ま ち づ く り推進課長 佐 々 木 善 勝 君
文 化 ス ポ ー ツ 課長 村 上 直 樹 君
税 務 課 長 遠 藤 福 子 君
市 民 課 長 小 笠 原 文 彦 君
地 域 福 祉 課 長 金 田 一 捷 誠 君
健 康 福 祉 課 長 津 志 田 勇 孝 君
農 林 課 長 佐 々 木 仁 君
花 き 研 究 開 発 工 藤 輝 樹 君
セ ン タ ー 副 所 長
商 工 観 光 課 長 遠 藤 幸 宏 君
建 設 課 長 工 藤 剛 君
上 下 水 道 課 長 森 政 彦 君
八幡平市立病院事務局長 高 橋 康 幸 君
会 計 管 理 者 兼 阿 部 春 美 君
会 計 課 長
西 根 総 合 支 所 長 葛 西 美 羽 子 君
安 代 総 合 支 所 長 阿 部 正 昭 君
教 育 総 務 課 長 工 藤 久 志 君
教 育 指 導 課 長 照 井 英 輝 君
事務局出席者
事 務 局 長 高 橋 政 典
議 事 係 長 高 橋 美 穂
☆
開 議
☆
〇議長（工藤 剛君） ただいまの出席議員は19名であります。定足数に達していますので、会議は成立いたします。
これから本日の会議を開きます。
（１０時００分）
☆
一般質問
☆
〇議長（工藤 剛君） 日程第１、一般質問を行います。
この際、お願いします。本定例会の一般質問の方法は、会議規則第64条及び一般質問及び会派代表質問に係る実施運用基準により行います。したがいまして、質問回数は制限をしないこととし、再質問以降は一問一答方式または二問二答方式、三問三答方式のいずれかの方式で行うことができます。なお、質問者は一般質問席で質問を行い、答弁及び再質問についても一般質問席で行うこととします。ただし、質問の制限時間等については、一般質問及び会派代表質問に係る実施運用基準を適用し、また発言順序や通告以外の質問は行わないことなどは申合せ事項により取り計らうこととしておりますので、ご協力をお願いいたします。あわせまして、質問、答弁は要点をまとめてお願いいたします。
通告順位１番、田村善男議員。
（議員 田村善男君一般質問席登壇 ※プロジェクター使用）
〇議員 田村善男君 おはようございます。議席７番、八起会、田村善男でございます。さきに通告しておりました大きく２点について質問させていただきます。
まず、１点目の農業振興についての１点目でございますが、米価の下落が続き、地域の水田農業に危機が迫っている感じがしています。新型コロナウイルス禍による予期せぬ需要減が響いているものと思います。2021年度の生産調整のさらなる推進と併せ、2020年産の需要改善対策が求められます。2020年産の５月の相対取引価格は、平均で前年同期比７％、60キロ当たり1,000円程度の下落となっています。このままでは、2021年産の概算金にも影響し、経営を圧迫することが心配されます。また、生産調整参加農家に不公平感が募り、米政策への信頼が揺らぎかねないと思われます。水田フル活用の取組も困難になるおそれがあります。収入減少影響緩和対策、ナラシ対策などのセーフティーネットはありますが、加入者が限定されるなどの課題があります。米政策改革で2018年度から政府が生産数量目標の配分などを止めて以降、過剰が続いています。コロナ禍による業務用需要の減少の影響も大きいものと思います。
米の需要は、2020年６月までの１年間で714万トンで、例年の２倍に当たる21万トンも減り、民間在庫が増えたと言われています。2021年産では、過去最大規模の6.7万ヘクタール、量にして36万トンの転作拡大に取り組んでいます。農水省によると、拡大面積は４月末までで3.7万ヘクタール、さらに３万ヘクタールの深掘りが必要だと言っています。営農計画書について、農水省は６月末の提出期限後に地域の農業再生協議会ごとに修正もできるようにしました。ただ、6.7万ヘクタールは、2021年６月までの年間需要量が前年同期間と同水準になることが前提といいます。例年並みの減少や新型コロナの影響が懸念されるが、以下について伺います。
１つ、岩手県の令和３年産の生産目安は、令和２年度に比べ6,600トン減少しており、八幡平市農業再生協議会も県から示された2,219ヘクタールを生産目安と定めています。これは、前年より32ヘクタール、生産量では180トン減少するものと３月定例会で説明がありました。営農計画書提出後の実績を伺います。
２つ目、ＪＡグループは、水田農業対策の基本的考え方で、2021年度の深掘り支援と2020年産の在庫対策をセットで行うことが必要と提起していますが、見解を伺います。
農業振興の２点目ですが、八幡平市の畜産は、農業生産額から見ても大きな産業として市を支えているものと考えています。全国的に畜産の人手不足が深刻と言われています。規模拡大には働き手の確保が必須であります。同じ農業でも、労働日数が多いなど、畜産は耕種に比べ働き手が確保しづらいのが実情ではないかと考えます。仕事を探している１人に対し何件の求人があるかを示す有効求人倍率は、2019年が全産業平均1.14、農水省によると同年の農耕作業員の有効求人倍率は1.57で、農業界の雇用確保は厳しく現れています。
さらに、養畜作業員は2.83にもなり、農業の中でも畜産の人手不足は際立っています。全日本畜産経営者協会がまとめた畜産経営者雇用促進調査事業の報告書では、経営体が予定人数を採用できなかった理由として、人口流出や他産業の求人などが挙げられています。地方では、働き手が少ない上に、他産業との奪い合いが激化していると言われています。特に畜産の農場は、都市部から離れており、過疎化の影響が大きいと思われます。労働時間はそれほど長くはないが、動物相手で労働日数が多くなりがちであります。報告書では、汚い、きつい、臭いといった３Ｋも雇用の課題として指摘されます。農業でも、他部門とは違った特徴であり、労働力不足に対応するため、外国人技能実習生を受け入れる経営体も多いが、報告書では高齢者や女性、障害者ら、地域の人的資源を積極的に活用することも進めています。以下について伺います。
１つ、そのためには、機械やスマート畜産技術を導入し、誰でも働きやすい作業環境を整備したり、柔軟な勤務制度を設けたりするなど、従業員の立場に立った仕組みが大切と思いますが、見解を伺います。
２つ目、中小企業でも労働環境の改善や従業員への投資が雇用の確保、定着のきっかけにならないか、見解を伺います。
大きな質問の２番目の教育振興について。１つ目、国民の健康につながる食習慣を広げるには、学校給食を通じた食育が重要と考えます。社会の活力の源泉は、国民の心身の健康であると思います。食生活を取り巻く環境の変化で、偏った食生活や肥満傾向の強まり、過度の痩身、朝食の欠食、孤食などが問題となっています。望ましい食習慣を身につけさせるためには、学校、家庭、地域の３つの場での食育がさらに重要と考えます。とりわけ学校給食は、生きた教材であり、乱れがちな食生活の改善への期待が高いと考えます。
食育を学校で担うのは栄養教諭であると言われ、栄養教諭の役割は学校給食を作ることに加え、児童生徒への食や栄養に関する指導を行うこととされています。栄養教諭制度は、平成17年度より児童生徒の偏食などによる食生活の乱れを改善し、児童生徒が食事や栄養を自己管理する能力、好ましい食習慣を身につけることを目的に、文科省によって開始されました。以下について伺います。
１つ、八幡平市内に栄養教諭が配置されているのか伺います。
２つ目、食生活を取り巻く環境の変化で、偏った食生活や肥満傾向の強まり、過度の痩身、朝食の欠食、孤食など問題になっていると言われていますが、市内の現状を伺います。
教育振興の２点目、本県中学生のスポーツ、文化活動を研究する有識者会議は、今後の在り方の提言をまとめました。学校の部活動加入を強制せず、生徒の自主的、自発的な活動を基本とし、中長期的には休日に地域が受皿となる地域部活動への転換を進めます。中学生のニーズの多様化や教員の働き方改革といった課題の解消へ、関係機関が連携して環境整備を目指すとしています。具体的には、全市町村で学校の部活動参加を強制しない方針を定め、部活動指導員の積極的任用や複数校による合同部活動を検討している。中長期的には、休日の部活動を学校から地域に移行する国の動きに連動した取組を進め、総合型地域スポーツクラブの活性化など、学校外における生徒の受入れ態勢整備を促進するとしております。この提言を踏まえ、岩手、葛巻の両町の教育委員会は、本年度地域部活動の実践研究に着手し、地域人材を活用し、岩手町はホッケー、葛巻町は野球など、７競技の合同部活動を目指すとしていますが、八幡平市はどのような取組を検討しているのか伺います。よろしくお願いします。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
（市長 田村正彦君登壇）
〇市長 田村正彦君 田村善男議員のご質問に順次お答えをしてまいります。
まず、大きな１点目の農業振興についての１つ目にございます営農計画書提出後の実績についてのお尋ねでございます。令和３年産の主食用米への取組につきましては、３年３月に各地域のそれぞれの集会施設において、生産者を対象とした営農座談会を開催し、主食用米の需要状況と今後の見通しについて情報提供を行っております。生産目安や水田活動の直接支払交付金について説明をいたしております。また、主要食用米に代わる水田を活用した作物として、えさ米への作付転換を中心に、ホウレンソウやトマト、ピーマンといった高収益作物への転換を促進をしてきたところでございます。
この座談会での説明を基に、生産者の皆さんから営農計画を策定をしていただき、４月には各地域において営農計画書の受付を行ってまいりました。また、市農業再生協議会では、例年どおり座談会や関係機関の会議等を通じまして、水田転換について説明を行っておりますことから、７月以降のえさ米等の新規需要米への作物変更は行っていないところでございます。
さて、本年度の営農計画書の７月末時点の作付実績でございますが、現在圃場の二次確認を実施中であるため、現在の作付意向の状況として答弁をさせていただきます。まず、主食用米は、生産目安2,219ヘクタールに対し2,166ヘクタールと、目安を53ヘクタール、53町歩下回る作付面積となっております。令和２年産の作付実績面積と比較いたしますと、135ヘクタール減少をいたしております。次に、えさ米につきましては、昨年度の作付面積403ヘクタールに対し508ヘクタールと、105ヘクタールほど増加をいたしております。また、野菜については、昨年の208ヘクタールに対し本年度は202ヘクタール、６ヘクタールの減少となっておりますが、ニンニク、ネギ、加工用トマトで面積が増加している状況にございます。また、７月29日に農林水産省から発表されました全国の作付意向についてでございますが、全国的に主食用米の作付は減少傾向となっておりまして、６月末時点の作付意向を集計した結果、全国の主食用米の作付面積は前年比で約6.1万ヘクタールほど減少することが見込まれ、計画どおりに作付転換が進めば、最終的に6.2万ヘクタールから6.5万ヘクタール程度の減少が見込まれているところでございます。
次に、２つ目のＪＡグループは水田農業対策の基本的考え方で2021年産の深掘り支援と2020年産の在庫対策をセットで行うことが必要と提起しているが、その見解についてのお尋ねでございます。議員ご承知のとおり、米の需要は年間10万トン程度の減少が続いておりまして、３年産は米の需給環境を整えるため、主食用米の生産量は693万トンと設定をし、作付面積では6.7万ヘクタールの削減目標が示されております。これを受け、当市では昨年度から作付面積32ヘクタール、生産量で180トンの削減という生産目安を定めまして、水田の有効活用による農業所得の確保のため、高収益作物への転換を進めてきておるところでございます。
主食用米の在庫対策につきましては、米価に影響するとされる民間在庫を適正水準まで減らしていくための対策や取組が必要と認識しているところでございます。この在庫対策といたしましては、国の事業で主食用米の長期計画的な販売への取組や業務用向けなどへの販売促進に対し助成をする事業がございます。過去の例を見ましても、需給の安定と価格の回復には数年かかっていることから、米の販売事業者にはこのような事業に積極的に取り組んでいただき、生産数量目標の達成と併せて取り組んでいかなければならないものと考えておるものでございます。また、当市の２年産米のＪＡ取扱分につきましては、全て販売契約済みであるという報告をいただいております。
水稲生産におきましては、今後も生産数量目安を守りながら、生産技術の省力化や病害虫防除の徹底、土壌改良など、良質米生産のため関係機関の協力をいただきながら取り組んでいるところでございますので、今後も安全、安心な米を生産しているという信頼と実績を重ね、売れる米づくりを推進してまいりたいと考えておるところでございます。
次に、２点目の畜産についての１つ目のご質問であります機械やスマート畜産技術の導入などによる従業員の立場に立った仕組みが大切と思うがというお尋ねでございます。全国的に飼養戸数は全ての畜種で減少する一方、１戸当たりの飼養頭数あるいは端数は、国の対策もございまして、増加傾向で大規模化への進展が見られているところでございます。労働力不足対策といたしまして、機械化やスマート畜産技術の導入、雇用環境の改善など、様々な方向性が模索されているところでございますが、スマート畜産技術の導入コストや雇用待遇改善の適正な賃金の在り方、働き方改革への対応など、それぞれに課題があるものと認識をいたしているところでございます。
畜産業は、議員ご承知のとおり、牛や豚、鶏などの生き物を飼うということをなりわいとしておりまして、その過程においてふん尿の処理や餌の準備、衛生管理などは日常の業務として行われているところでございます。当市においても、畜産経営を行っている経営体においても、ご質問にございますいわゆる３Ｋの解消に向けた取組を進めていくことは、それぞれ自らの経営の向上につながるものであり、そのことにより従業員の定着が図られていくものと考えております。費用や時間がかかるとは思いますが、市の畜産業の振興のために必要な考え方でございまして、市としても経営改善に向けた取組を継続して検討してまいりたいと考えておるところでございます。
次に、２つ目の中小規模でも労働環境の改善や従業員への投資が雇用の確保、定着のきっかけにならないのかというお尋ねでございます。中小規模につきましても、労働力不足など同様の課題があるものと認識をいたしているところでございます。このことから、労働環境の改善や従業員への投資による雇用確保は必要なものと考えられることから、改善や定着に向けた環境整備が必要と捉えております。また、当市においても、高齢化による担い手不足や労働環境の改善、生き物を扱う産業であることから、働き方改革に当たっては労働日数等の課題解決が必要であるものと捉えております。
なお、農協におきましては、畜産経営の労働環境改善といたしまして、酪農ヘルパー事業による労働の改善を図ってきており、また市におきましては、省力化や効率化のため、畜産クラスター事業などによる機械導入や施設整備に取り組んでいるところでございます。
なお、以下のご質問につきましては、教育長から答弁がございますので、私からの演壇からの答弁とさせていただきます。
（市長 田村正彦君降壇）
〇議長（工藤 剛君） 教育長。
（教育長 星 俊也君登壇）
〇教育長 星 俊也君 私からは、大きな２点目の教育振興についての１つ目、学校給食による食育についてのご質問に順次お答えいたします。
最初に、１つ目の八幡平市内の栄養教諭の配置についてのお尋ねでございます。議員ご指摘のとおり、栄養教諭制度は平成17年度から施行され、栄養教諭は食に関する専門家として児童の栄養の指導と管理をつかさどることを職務とし、学校における食育の推進の中核的な役割を担っているものであります。また、平成20年６月には、学校給食法の改正が行われ、栄養教諭が学校給食を活用した食に関する実践的な指導を行うことなどが定められました。栄養教諭の配置につきましては、学校における教職員の定数を定めた義務標準法に基づき、給食単独実施校または共同調理場の給食提供児童生徒数に応じて配置されているものであります。
本市では、共同調理場方式により学校給食を提供しており、西根、松尾地区では西根地区学校給食センターに２名の栄養教諭が配置され、小学校８校と中学校３校の計11校の児童生徒に対しての給食提供と食育指導を実施しております。また、安代地区は、安代地区学校給食センターに１名の栄養教諭が配置され、小学校２校と中学校１校の計３校の児童生徒に対して給食提供と食育指導を実施しております。
栄養教諭の主な業務は、給食の献立作成や食育指導となりますが、食育については給食センターから各校へ出向き、給食の時間や学級活動を通して学級担任とともに食に関する指導を行っております。
なお、令和２年度においては、全14校で延べ65回実施しており、小学校２年生には給食調理員、小学校３年生には生産者も同行し、児童と一緒に会食を行うなどして、食に対する関心を高めているところでございます。
次に、２つ目の市内児童生徒における偏った食生活や肥満傾向の強まり、過度の痩身、朝食の欠食、孤食の状況についてのお尋ねでございます。八幡平市学校保健会が取りまとめた令和２年度における肥満傾向、痩身傾向の調査結果によりますと、肥満傾向児童生徒の出現率が小中学校全ての学校で全国値を上回り、特にも小学校では１年生は全国値の3.1倍の14.1％、３年生は1.8倍の13.8％、６年生は1.8倍の18.2％と、高い出現率になっております。年次傾向では、平成29年度まで出現率は減少傾向にありましたが、それ以降は増加傾向になっております。中学校では、１年生は全国値の1.7倍の17.1％、２年生は1.8倍の16％、３年生は1.5倍の11.8％の出現率となっており、年次推移では平成26年度以降増加傾向にありましたが、令和２年度は前年度より減少しております。痩身傾向の児童生徒につきましては、出現率が全国値を上回っているのは小学校４年生の1.9％、６年生の5.2％、中学校２年生の3.0％の出現率となっておりますが、全国値を0.01から3.2上回っている程度の状況であり、大きな差異はありません。肥満や痩身については、様々な要因があると考えられますが、一番の原因はやはり偏った食生活にあると思われます。そのほかにも、夜型の食生活や朝御飯の欠食、極端な偏食、またはおやつ類の過度の摂食により、このような傾向が強まるのではないかと推測されます。
児童生徒の食生活に関しましては、岩手県学校栄養士協議会が小学校５年生及び中学校２年生を対象に食生活に関する実態調査を３年ごとに行っており、この調査により朝食の欠食、孤食の状況を把握しているところであります。本年の調査結果では、毎日朝食を食べるの問いにつきましては、315名中、「はい」と答えたのが290名と、全体の約92％を占めております。「いいえ」と答えたのが24名、「分からない」と答えたのが１名であり、それらを合計しますと朝食の欠食は全体の約８％となっております。家族と一緒に食事をするの問いでは、同じく315名中、「はい」と答えたのが284名と、全体の約90％を占めております。「いいえ」と答えたのが16名、「分からない」と答えたのが15名となり、それらを合計すると孤食の割合は約10％となっております。
このように、朝食欠食などの食生活の乱れや肥満、痩身傾向、偏った栄養摂食など、子供たちの健康を取り巻く問題が深刻化してきております。このような子供を一人でもなくするため、本市において食育指導につきましては、「心身の健康の保持、増進の上で望ましい栄養や食事の摂り方を理解し、自ら管理していく力を身につける」、また、「食物を大切にし、食物の生産等に関わる人々への感謝の心を持つ」、「地域の食文化を理解し、尊重する心を持つこと」を指導の大きな目標とし、学年ごとに指導内容や指導目標を掲げ、授業を行っているところであります。今後につきましても、食育指導を通じて、食事の重要性や心身の健康はもちろんのこと、食育基本法の基本理念に基づき、引き続き指導を行ってまいりたいと考えております。
次に、２つ目の地域部活動についてのお尋ねでございます。本市におきましては、令和２年３月24日に、中学校における部活動の在り方検討会を設置し、中学校の部活動を学校から地域への移行に向けて検討してまいりました。委員として、体育協会長、市スポーツ推進協議会長、スポーツ少年団本部長、市校長会代表にお願いし、地域移行に関するさまざまなご意見、ご助言をいただいております。具体的には、地域移行については賛意をいただいているところですが、地域指導者の恒久的な人材確保、生徒のニーズと地域部活動とのマッチング、練習場所への生徒の移送方法とその財源、保護者の費用負担、中体連の大会や文化部の各種コンクールの参加資格の変更など、解決しなければならない課題が多く存在しております。また、県教委の指定を受け実践研究に取り組んでいる岩手町や葛巻町においても、抱えている課題は本市と同様であり、なかなか取組は進んでいないと伺っております。
本市の地域移行への進め方は、２通りあると考えております。１つは、平舘高等学校を中心に取り組んでいる相撲競技のように、地域指導者による体制が整っている競技について、地域指導者の方々と学校、教育委員会とで協議し、段階的に地域部活動に移行していく方法です。もう一つは、地域指導者による指導体制が整っていない競技については、八幡平市として合同部活動の体制を取り、土曜日、日曜日は市内４校で合同練習を行うこと、併せて個々の競技の地域指導者を確保及び育成しながら、将来的に地域部活動に移行していくという方法が考えられます。今後関係課及び関係団体と連携して、さきに述べました様々な課題の解決を図りながら、地域部活動に向けた環境整備を行い、保護者や地域の方の意見を伺いながら、2023年、令和５年度から予定されている中学校部活動の地域への段階的な移行に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
（教育長 星 俊也君降壇）
〇議長（工藤 剛君） ７番、田村善男議員。
〇議員 田村善男君 それでは、何点か再質問したいと思います。
再質問に入る前に、ＪＡ新いわての八幡平営農センターから資料を頂き、私なりにまとめてみましたものをちょっと説明させていただきたいと思います。八幡平営農センター管内での販売実績ですけれども、平成30年、令和元年、令和２年、米の場合は大体14億から15億、雑穀1,200万から1,400万、園芸特産については22億から23億、畜産におきましては成牛が大体14億から15億、畜産物については15から16億、合わせれば約30億の生産ということで、先ほど質問の中にも、畜産は市を支える産業というふうに表現させていただきましたが、この先、今キャトルセンターの建設も進んでおるところでございますが、それでは質問させていただきます。
７月の30日に転作拡大の、先ほど市長答弁にもありましたが、6.7万ヘクタールをほぼ達成する報道がありました。また、それに伴い、８月に入って概算金の提示もそれぞれの県から提示されるところで、大体1,800円値下げというふうな提示をされております。では、質問させていただきますが、昨年の価格から単純に1,000円程度の値下がりであれば、転作で作付面積が減った分どれぐらいの減収というふうに見られているか、お伺いしたいと思います。
あわせて、先ほど市長答弁にもありましたけれども、水田に代わる、水田を活用した作物への転換状況をもう一度お願いしたいと思います。
〇議長（工藤 剛君） 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
今年度、昨年度から比べまして32ヘクタールほどの減ということでございますが、この分を相対取引価格、60キロ換算でございますが、現在の価格で、大体でございますが、１万4,500円とみなした場合、反収を10アール当たり570キロ、9.5俵と仮定いたしますと、32ヘクタール減少する分に相当する金額とすれば、4,400万程度下がるということになっております。そのほか、作物の状況ではございますが、市長答弁でもございましたが、飼料用米が約105ヘクタール増えているということは、ここ数年の傾向といたしまして主食用米のほうが6,000円を超えるときもございまして、なかなか逆に飼料用米が増えず、主食用米が増えていったと。あとは、生産目安ということで、罰則もなくなったということで、そちらのほうに移行していったことも２年ほど前はございましたが、今年度は国の緊急対策の事業もございまして、作物転換で転換しやすい作物ということで、飼料用米のほうを推進してきたわけでございますが、その結果といたしまして105ヘクタールほど増えていると。そのほかにつきましては、大きなところではソバも約20ヘクタールほど増えておりますし、あと個別の園芸野菜につきましては、総体といたしましては減っているというようなこともございますが、その中におきましてもニンニク等につきましては生産される方が補助事業等の導入もございましたので増えているといったよう状況でございますので、どうしても10アール当たりの収量とすれば米よりは園芸特産といったような、そちらの作物のほうが収入的には多いものでございますので、設備投資も必要になってくるわけでございますが、なるべくそちらのほうに転換していただくような形で推進してまいりたいなと考えているところでございます。
以上でございます。
〇議長（工藤 剛君） ７番、田村善男議員。
〇議員 田村善男君 今減反分の減収については、現在のところの中においては大体4,400万の減収というふうな形のようですが、この先岩手県でもいずれ概算金の提示がなされると思います。極端な値下げのないようなことを願いたいなというふうに思っております。
では、次に畜産についてですが、家畜の飼養頭数をちょっと調べましたので。平成29年から令和２年までの中におきますと、乳牛の場合であれば戸数で58戸から53戸、５戸減っているという状況です。黒毛和種の場合であれば、186戸から163戸で、23戸減っています。日本短角種は、29年は28戸から令和２年ではもう13戸、肥育農家においては29年５戸から令和２年に２戸増えたのは全農の預託が始まったということを聞いております。頭数からいきましても、乳牛も大体229頭減っています。黒毛和種は42、短角の場合であれば半分というふうなことの中で、先ほど質問しましたが、畜産農家においては非常に担い手、後継者の問題を含めて、大きな問題ではないのかなというふうに考えております。2021年２月時点の肉用牛の飼養頭数が前年より1.9％増えたことが農水省の調べで分かりました。同省の生産基盤強化の最重点課題として、和牛繁殖雌牛の増頭を挙げ、畜産クラスター計画に基づく繁殖農家向けの施設整備や機械導入など支援し、増頭につながったものと思われます。また、農家数の減少を規模拡大で補っているというふうな形なのかなと思っております。八幡平市の場合は、一部を除き家族経営が多いわけで、この先後継者、先ほど申しましたが、担い手確保ということに十分配慮していかなければ、先ほどお話ししました30億の生産がおぼつかなくなるのではないかなというふうに考えております。
そこで、質問させていただきますが、それぞれの経営の後継者、担い手不足の中、完成に向けて建設が進んでいると思われるが、キャトルセンターの役割と在り方をどのように捉えているのか伺います。
〇議長（工藤 剛君） 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 お答えいたします。
キャトルセンターにつきましては、その都度議会の皆様に契約案件等や施設の規模等ご説明を申し上げて、現在建設中というところでございます。今現在の進行状況でございますが、建設のほうは順調に進んでおるところでございます。それと並行いたしまして、現在は農協さんや家畜保健衛生所さん、あるいは普及センターさんや振興局さんと併せて、今度は運営面の打合せを今続けているところでございます。
市のほうの予定といたしましても、これから設置条例あるいは指定管理手続をするということで、今定例会ではございませんが、条件が整いましたら改めてご提案申し上げたいなと思っているところでございます。キャトルセンターにつきましては、肉用牛につきましては繁殖をするといったような部分を担うものでございますし、乳用牛につきましては搾乳牛になるのが見込まれるといった状態で農家のほうに戻ってくるといったところで、農家の経営にとっては非常に重要な部分といいますか、そういう部分を担う施設となっております。逆に言えば、非常に負担が大きいような部分でございます。そして、その部分をキャトルセンターで補っていただくことによって、農家経営の負担をある程度改善しようというものもございますし、あとは牛をキャトルセンターに預けることによって農家の馬屋のほうは空くわけでございますが、その部分に増頭をしていただこうというようなこともその目的としてございますので、きちんと運営していけば農家の経営の支援にも必ずつながるものだと思っておりますし、あるいは増頭にもつながって、畜産振興そのものが底上げになっていくのではないかなと考えているところでございますので、今後は運営面のほうをきちんと推進してまいりたいなと考えているところでございます。
以上でございます。
〇議長（工藤 剛君） ７番、田村善男議員。
〇議員 田村善男君 せっかく畜産農家の支援のために、今建設されているキャトルセンターについてはうまく運営されることをご期待したいというふうに思います。
もう一点質問したいのですが、市内に外国人営農実習生というの何人ぐらいおられますか。
〇議長（工藤 剛君） 農林課長。
〇農林課長 佐々木 仁君 ちょっと資料は用意してはおりませんで、人数は把握できてはおらないところでございます。ただ、このコロナの関係で、なかなか予定していた方が来られないといった耕種農家の方からのお話は聞いているところでございますが、具体的に何人の方がいらっしゃるかというのが、申し訳ございませんが、ちょっと把握しておらないところでございますので、ちょっとまた別の機会にということになろうかと思いますので、すみませんが、よろしくお願いいたします。
〇議長（工藤 剛君） ７番、田村善男議員。
〇議員 田村善男君 分かりました。
それでは、学校給食の件について何点か伺います。この問題を取り上げましたのは、特に食生活による肥満と朝食の欠食が、今後の生活または学力に大きな影響を与えることになるだろうというふうな考えからでございます。特に朝食の欠食については、午前中の授業に影響が出ると言われています。私が10年以上前のことになりますが、福島県での東北大学のある教授の講演の中で、朝食の欠食のある児童生徒の追跡調査の話を聞く機会がありました。その中で今も記憶に残っているのが、早寝、早起き、朝御飯の生活が最も大事であるということをそのときに聞いて、確かに先ほど教育長の答弁の中にも、食生活の大切さをいろいろお話しいただきましたが、特に肥満傾向にあるというデータもありますので、何点か質問します。栄養教諭に必要な資格というのは、特別何かございますか。
〇議長（工藤 剛君） 教育総務課長。
〇教育総務課長 工藤久志君 お答えいたします。
まず、栄養教諭は、教員免許法に基づく免許状の所持者となります。いわゆる栄養管理士の養成課程における必要科目と従来からの教職に関する科目、それに加えて栄養に係る教育に関する科目、これがいわゆる平成17年度の制度創設から加えられまして、こういったものの免許状の所持、これが条件となるものでございます。一方では、従来から栄養職員という方々もおりました。今は、実は栄養職員として勤務されている方々も、その経験を積んだ後には栄養教諭として成り上がられる、そういう制度にもなっているのが現状でございます。
〇議長（工藤 剛君） ７番、田村善男議員。
〇議員 田村善男君 栄養教諭は、先ほど教育長の答弁の中にもあったと思いましたが、全ての小中学校への配置が義務づけられているわけではなくて、各都道府県教育委員会の判断によって配置されるというふうなことを耳にしていますが、どういう学校あるいは給食センターに配置されているのか、お伺いしたいと思います。
〇議長（工藤 剛君） 教育総務課長。
〇教育総務課長 工藤久志君 お答えいたします。
栄養教諭の配置基準、先ほど教育長からも義務教育標準法に基づくということで、実は岩手県につきましても、その標準法に倣った形で配置されております。例えばお知らせしますが、給食を単独で実施している学校、学校で給食を調理して提供している、そういった学校につきましては、実は児童生徒が550人以上の学校に１人ということになっております。県内では、大概それ以下にはなっているのかなと思いますが、549人以下の学校でありますと、実は１学校当たり４分の１の配置ということで、４校に１人、そういう割合になっているところでございます。
一方、本市のように共同調理場、給食センター方式、そういったところで給食提供と食育をやっているところでありますと、1,500人が基準となります。まず、最低のところで。1,500人の児童生徒に、1,500人以下であれば１人の配置、1,500人から6,000人という大きい幅の中であれば２人の配置、6,001人以上であれば３人ということにはなっておりますが、ただ実際共同調理場ということは、複数の学校を受け持っております。例えば本市であれば、実際1,500人、多いほうであれば西根の給食センターであっても、せいぜい児童生徒1,200人程度です。本来であれば、1,500人以下ということで１人の配置となるところでありますが、抱えている学校数が多いということがあります、一つ。
また、実際調理する場、調理しながら、調理指導しながら食育もしなければならない、そういったところを配慮したもの、あとはいろんな今アレルギーをお持ちのお子さんもやっぱり多く抱えている、そういう実情を踏まえて、安心、安全な給食の提供、食育指導ということで、県のほうから加配措置いただきまして、そういうところから現在西根センターでは２名の栄養教諭を配置していると。実際は、中学校の実は栄養教諭として所属しておって、勤務は給食センターの勤務、そういうことで任命を受けているというのが現状でございます。
〇議長（工藤 剛君） ７番、田村善男議員。
〇議員 田村善男君 分かりました。時間もなくなりました。
最後に、地域部活動の件について１点質問させていただきます。中学生の部活動に当たっては、生徒数の減少による部活動の運営の難しさや課外活動の多様化、教職員の負担軽減などの課題が多くある中で、地域部活動の実施をどのように捉えているのか伺います。
〇議長（工藤 剛君） 教育指導課長。
〇教育指導課長 照井英輝君 お答えいたします。
議員ご指摘のとおり、子供たちの減少、それから教職員の働き方改革等を含めまして、地域部活動への移行を進められるということで、国のほうでもお示しをいただいているところです。ただし、答弁にも申し上げましたが、非常にたくさんの課題がございます。課題については復唱いたしませんけれども、いずれ子供たちの希望に添った様々な運動活動や文化活動が提供されるように、地域の各団体の皆様と足並みをそろえて、そういった子供たちのニーズがきちんと整うように進めてまいりたいなと思っております。教員の働き方改革というのは副次的な目的でありまして、やはり子供たちが将来にわたって生涯スポーツにつながるようなスポーツ活動または文化活動をできるように、地域の大人たちが一緒になって体制を整えていくと、そういうような考え方で教育委員会も取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
〇議長（工藤 剛君） ７番、田村善男議員。
〇議員 田村善男君 中学生において、部活動というのは非常に大事な活動だと思いますので、子供たちのためになるような活動にしていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
（議員 田村善男君一般質問席降壇）
〇議長（工藤 剛君） これで田村善男議員の質問を終わります。
ここで11時15分まで休憩します。
（１０時５９分）
☆
休 憩
再 開
☆
〇議長（工藤 剛君） 休憩前に引き続き会議を再開します。
（１１時１５分）
〇議長（工藤 剛君） 引き続き、一般質問を行います。
通告順位２番、渡辺義光議員。
（議員 渡辺義光君一般質問席登壇 ※プロジェクター使用）
〇議員 渡辺義光君 議席番号10番、市民クラブの渡辺義光でございます。さきに通告しておりました２点について質問します。
１点目、田村市政16年の成果と将来展望について。10月１日の任期満了の市長選挙に、市長は後任を託せる人材が現れた、４期を一区切りと考え出馬しないと退任表明しました。私は、合併時には、市長の部下職員として福祉事務所の立ち上げなどに大所高所から多大なご指導をいただきました。議員としては11年余、41回の一般、代表質問で市政の課題や政策提言を行い、私のライフワークであります川上行政、人づくりの視点から議論してきました。
市長は、西根町議会議員、岩手県議会議員在任３期の実績と経験を生かして、初代八幡平市長に当選。４回の選挙戦を制しました。１回は無投票でした。２期目は、新庁舎建設が選挙の争点になりましたが、市長の先見力、実行力、発信力に期待した有権者が絶対多数を占めました。松尾村では、合併の是非を問うアンケートが行われ、反対が上回りましたが、佐々木村長は諸情勢を考慮して合併するべきとコメントしていました。西根町、安代町でも、住民投票の要求がありましたが、アンケートや投票は行われませんでした。合併前後には、強引な合併であるという市民の声もありましたが、しこりや不和は市長のリーダーシップと市民の団結力で数年で払拭されたものと考えております。
平成17年10月27日の八幡平市議会第１回定例会で、市長は新生八幡平市の将来はこれからの10年にかかっている。重大な局面の中、自らを律し、初代八幡平市長の職責を果たすべく、全力を尽くす覚悟でおりますと所信表明演述しております。平成18年第１回定例会は、３月１日に西根地区市民センターで開会されました。62議案が可決されております。議員55人、市当局25人、合わせて80人のマンモス議会でありました。オーバーヘッドで示しております。以後、４期16年の長期政権で、市長は八幡平市の将来像「農と輝の大地」実現に向けて、合併協定56項目の実践や山積する問題解決に果敢に取り組み、市政運営に尽力されたことに対しまして、深甚なる謝意を表するものであります。
１つ、市長が掲げたマニフェストと合併協定56項目の達成度をどう評価しているか、見解を伺います。
次に、コロナ後を見据えた市総合計画、ＳＤＧｓのまちづくりに今までの成果をどのように生かしていくお考えですか。
次に、行政改革と財政の健全化の取組の成果と今後の展望をどう構想していますか。
次に、市立病院は、開院１年で順調な成果を上げています。市立病院を核とした第二次構想に掲げる大更駅東側開発計画をどのように継続していく考えですか。
次に、市職員の意識改革、資質向上と専門的研修の成果と評価はどう考えておりますか。
２点目です。３町村史を活用した教育、まちづくりについて。私は、一般質問に当たっては、縦軸思考、歴史として常に旧３町村史をバイブルとして活用しています。西根町史３冊2,821ページ、松尾村史１冊489ページ、安代町史３冊2,589ページ、総数5,899ページの大冊です。編さん年数は、３町村合わせて25年以上を有しています。町村史は、市民と関係者の力作であり、市の知識の泉でもあります。
安代町史民俗編発刊挨拶で、市長は多くの市民に愛読され、八幡平市の魅力再発見、成長と発展に資する、教育長は温故知新の糧として活用したい、旧安代町長は郷土愛醸成と述べています。３町村史を教育、まちづくりにどのように活用していますか。
次に、３町村史の在庫数と保管状況、換価総額は幾らになりますか。
次に、在庫冊数管理状況など、市の監査を受けたことがありますか。
次に、３町村史は、社会科副読本の補完的な機能があります。学校教育の教材などの活用について研究してはいかがでしょうか。
次に、３町村史のダイジェスト版の編さんや続刊、現代編の発刊についての見解をお伺いします。
以上、２点10項目について答弁願います。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
（市長 田村正彦君登壇）
〇市長 田村正彦君 渡辺義光議員の質問に順次お答えをしてまいります。
まず、大きな１点目の市政16年の成果と将来展望についての１つ目にございますマニフェストと合併協定56項目の達成度に対するお尋ねでございます。まず、市民の皆様にお示ししたマニフェストでございますが、旧松尾村、安代町、西根町が合併し、八幡平市が誕生した平成17年当時は、当時三重県知事の北川知事が提唱したマニフェストが盛んに各種の選挙においてもてはやされた時代でございまして、一種のブームとなり、マスコミにおいても盛んに取り上げられておったと記憶をいたしております。
私は、当時そういったことに強い疑念を持っておりまして、票欲しさのために、選挙人向けに現実にはできもしないマニフェストを掲げ選挙戦に臨む候補者も多数いたものと承知をいたしております。そういったことから、初代八幡平市長選挙に臨んでは、具体的な政策を主とした３つのプロジェクトを公約として掲げさせていただき、以来４期目に至るまで、１期目の公約というのはこういう刷り物で市民の皆さんにお示ししたわけですけれども、この公約を４期目、現在に至るまで、基本に政策を展開してまいりました。
掲げさせていただいた３つのプロジェクトの中で、12の具体的項目をお示ししたわけでございますが、最後に掲げました市職員の意識を改革しますと、そういうことでは合併以降採用した職員がもう既に全職員の３分の１を超える数となっております。当然意識は変わってきているものとは思います。しかしながら、全ての職場での永遠のテーマだと思いますが、市役所職員としての一体感、それぞれの職種の連携については、まだまだ強化が必要なのかなと思っております。また、その項目の中で、職員が生き生きとして働ける行政体の構築を目指す、そうしておりますが、職員の皆様が本当に生き生きとして働いているのか、今現在掌握しかねる部分がございますので、その項目は除いて、おおむね私の掲げた12のマニフェストで掲げたものは実現しつつあるものというふうに考えておりますし、また私の掲げた12のそれぞれの項目は、合併時に策定されました合併協定書の中の新市建設基本計画、それと大体同じような方向性があったということもございまして、まず順調に実現してきたのかなというふうに考えております。
そういった中ではございますけれども、合併当初から現在まで、市行政を進める中で大きな環境の変化もございました。例えば思ってもいなかった政権交代というのもございました。そしてまた、東日本大震災、インバウンドの飛躍的な進展、そして今現在は新型コロナ災害、とにかく行政を取り巻く環境は日々、一日一日変化をいたします。私は、公約の実現はもちろんではございますが、その時々の変化に柔軟にかつスピード感を持って対応してきたと考えております。
合併協定56項目の達成度につきましては、一部の条例の再編を除き、市民の皆さん、各種団体等のご理解、ご協力を賜り達成をいたしておりますし、新市建設計画についても計画に盛り込まれております229事業及びプロジェクトの着手、完了が182事業、約80％の実施率となっております。また、新市建設計画を具体化し策定されました平成18年度から27年度までの第１次総合計画、引き続き策定されました平成28年度から令和２年度までの第２次総合計画前期基本計画に盛り込まれました681事業は、今現在574事業に着手または完了をいたしており、84％の達成率となっており、おおむね順調に推移しているものと認識をいたしております。
次に、２つ目のコロナ後を見据えた市総合計画、ＳＤＧｓのまちづくりに成果をどう生かしていくのかについてのお尋ねでございます。全国各地で今もなお新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いております。いまだ終息の見通しが立たない状況にはございます。これまでも、感染症の拡大により大きな影響を受けた事業者の皆さんに対しましては、様々な支援を行ってまいりました。今後におきましても、国の様々な支援制度を活用し、地域経済を維持しながら、ポストコロナ時代に対応していかなければならないと考えているところでございます。同時に我が八幡平市の持つ様々な資源を生かし、これまで取り組んでまいった市総合計画の着実な実施と誰一人取り残さないという考えの下に定められた持続可能な開発目標、いわゆるＳＤＧｓの理念も踏まえ取り組んでまいりたいと考えております。
次に、３つ目の行政改革と財政の健全化の取組の成果と今後の展望についてというお尋ねでございます。私が市長に就任した当時を振り返りますと、地方分権型社会の推進、少子高齢化社会の進展、多様化、高度化する行政需要及び国、地方を通じた厳しい財政状況に対応していくため、小規模町村の行政運営では厳しさが増すものと考えられ、合併問題は緊急の課題となっておりました。合併前の旧町村におきましては、将来の財政運営は極めて厳しいものと見込まれておりまして、将来のよりよい行政サービスの提供と行財政基盤の確立を図るため、様々な議論を経ながら合併を行ったものと承知をいたしております。合併によりまして、財政的な優遇措置として普通交付税の合併算定替えの適用や新市建設計画に基づく事業経費に対し、合併特例事業債の発行が可能となり、財政基盤の強化につながったものと考えております。
合併後の行政改革につきましては、平成18年２月に第１次行政改革大綱及び同年12月の実施計画策定以降、持続可能な行財政経営の確立のため、事務事業の見直しや職員定数削減による人件費の抑制など、継続的に取り組んでまいりました。また、住民サービスの維持、向上を図りつつ、効率的な組織機構の再編につきましても併せて進めてきたところでございます。
行政改革大綱及び実施計画策定の趣旨に鑑みまして、着実に推進してきたものであることから、一定の成果が得られたものと認識をいたしております。財政の健全化につきましては、近年財源不足を補うために基金残高は減少傾向にはございますが、合併初年度であります平成17年度と令和２年度の決算状況を比較いたしますと、地方債現在高で約43億5,000万円の減です。積立金現在高、いわゆる預金は、現在高で43億円の増となっております。このことは、合併特例事業債や過疎対策事業債などの有利な借金を活用しながら、財政調整基金などの各種基金、いわゆる将来に備えた預金を積み立て、繰入れしながら計画的に事業を展開してきたことや、歳入の大きな財源であります普通交付税の合併算定替えによる増額分が要因であったと考えておるものでございます。令和２年度決算に係る健全化判断比率につきましても、実質公債費比率が16.2％、将来負担比率、いわゆる将来の子供たちに負わせる負担の比率が、基準が360％なわけですが、その中で八幡平市は47％、早期健全化基準を下回っておりまして、ある程度良好な状態にあるものと認識をいたしておるところでございます。
今後の展望につきましては、普通交付税の合併算定替えによる特例が令和２年度で終了いたしまして、今年度から一本算定になったことから、合併特例事業債の発行可能額が限度額に達するなど、厳しい財政運営を強いられることが見込まれますが、先般の市議会議員全員協議会におきましてもご説明させていただきました第４次行財政改革大綱及び実施計画に基づき、事務事業の選択と集中を徹底するとともに、縮減や廃止などを検証し、中長期的視点を重視した取組を進め、持続可能な行財政経営に引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
次に、４つ目の市立病院は開院１年で順調な成果を上げている。第二次構想に掲げる大更駅東側及び駅周辺の計画にどう継続する考えかについてのお尋ねでございます。市立病院の建設に併せた大更駅自由通路の建設や大更駅東側の道路等整備につきましては、平成30年２月に大更駅自由通路が供用開始されまして、令和２年度には市立病院の開院に併せ、市道大更中央線及び大更駅東口駅前広場を供用開始いたしております。また、市立病院の東側に位置します市道大更駅東線につきましては、平成29年度に着手をいたしまして、市道大更中央線から南側に200メートルの整備が完了をいたしております。今後は、市道赤森線までの100メートルを順次整備する予定といたしているところでございます。
次に、大更駅東側の土地利用及び駅周辺の整備につきましては、平成23年９月策定の八幡平市都市計画マスタープラン及び24年の３月に策定しております大更駅周辺及び隣接地域のまちづくり環境整備基本計画において、土地利用を含めた環境整備を位置づけております。これらの計画に基づきまして、26年12月に策定いたしました大更駅東側土地利用基本計画で駅の東側につきましては、駅を中心としたコンパクトなまちづくりを進めることにより、日常生活や交通の利便性の向上、定住化などが期待される地域と位置づけるとともに、駅の東西が連担した町並みを形成する地域として土地利用を計画し、大更駅自由通路、東西駅前広場及び大更中央線などの環境整備を事業化をし推進しているものでございます。
住宅地につきましては、民間活動を導入した住環境の整備を視野に住宅地の形成を図ることといたしておりまして、社会情勢の変化を踏まえ、開発需要や住宅需要の動向などを見極めながら、令和６年度以降に予定しております八幡平市都市計画マスタープランの見直しにおいて、駅東側の土地利用を含めた駅周辺の環境整備の手法等について検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、５つ目の市職員の意識開発、資質向上と専門的研修の成果と評価についてのお尋ねでございます。新しい八幡平市の創造に向けて、様々な政策、施策を展開するためには、市行政を担う職員一人一人の意識改革と能力開発を図り、施策し実行する職員を育成していかなければなりません。社会環境の変化のみならず、高度化、多様化する市民ニーズに迅速かつ的確に対応するため、これまで職員のやる気や意欲の高揚を図り、職員の潜在能力を十分に引き出し、組織力を拡充、強化することを目指し、人材育成に取り組んできたところでございます。
平成18年９月には、職員の資質の向上を図ることを重点に、八幡平市人材育成基本方針を策定いたしまして、その方針に基づき毎年職員研修計画を立案し実践してきております。平成17年９月の合併から令和３年３月までの15年７か月の間に、人材育成事業として延べ人数でおよそ6,700人の職員が、専門的研修など多種多様な庁内、庁外の研修を受講をいたしております。そのほかに、政策参加意識の向上と市政推進の共通認識を深めることを目的として、平成18年、19年、22年、24年に幹部職員以外の職員と私との懇談会を実施いたしてきております。さらに、職員が自己能力を開発することを目的として、主体的に取り組む自主研修を支援するために、25年に助成制度を構築しております。職員自身の主体的な取組と多様な研修機会の提供等の支援とが相まって、職員個々の政策形成能力や創造的能力、法務能力等の向上に成果を上げてきたものと考えております。
しかし、先ほど述べましたとおり、市役所職員としての一体感、それぞれの職種の連携については、これまで以上に強化が必要と思いますので、八幡平市の将来像や行政の在り方等を踏まえながら、今後も職員育成の取組を継続していく必要があるものと考えております。
次に、大きな２点目、旧３町村の町村史を活用した教育、まちづくりについてのお尋ねでございます。１つ目の３町村史をまちづくりにどう活用しているかについてでございますが、本市の歴史、文化を網羅しました３町村史は、発行以来多くの市民に親しまれ、学術研究や様々な学習の場で歴史、文化を学ぶことで郷土を知る、また新たな知識を得るための教科書として活用されているものと考えております。私自身も常に３町村史は手元に置きまして、様々な場面場面で旧安代町、旧松尾村、旧西根町の取り組んできた行政、あるいは歴史、文化、そういったものを拝見しながら、これを行政に反映してきたというふうに考えておりますし、それぞれの旧町村の村史、町史というのは、まさに新しい行政を進める上でも非常に参考になりますし、すばらしい優れたものだというふうに認識しておるものでございます。
郷土の歴史、文化を学ぶことで育まれた郷土愛や郷土に対する知識は、本市の地域資源を活用した様々な分野での学習振興やまちづくりにつながっているものと考えております。また、昨年の本市安比川流域の奥南部漆物語の日本遺産登録、本年７月の一戸町の御所野遺跡を含む北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録によりまして、本市を含む北東北エリアの歴史、文化に関する注目度が高まっております。今後は、日本遺産、世界遺産に関する様々な事業が展開される中で、町村史活用の機会が増え、さらなる本市の発展、まちづくりの推進に寄与するものと考えております。
次に、２つ目の３町村史の在庫数と保管状況、換価、いわゆるお金に換えれば幾らかというお尋ねでございます。在庫は、本庁、西根総合支所、安代総合支所でそれぞれ保管しておりまして、在庫総数は文化スポーツ課が把握をいたしております。在庫数、換価額につきましては、在庫数、単価、換価額の順で、西根町史が上巻が298冊、単価が3,500円、そのトータルの価格は104万3,000円となっております。下巻が1,153冊、同じく単価が3,500円で、価格が403万5,500円相当となっております。そして、同じ西根町史の民俗資料編ということですが、743冊で、これは単価が2,000円でございまして、148万6,000円ということになっております。松尾村史は、在庫が87冊、単価が3,000円でございますので26万1,000円、安代町史の上巻が635冊で、これも単価2,000円で127万円、下巻が607冊で、同じ単価の2,000円で121万4,000円、そして同じ安代町史の民俗編が803冊で、単価が2,000円で160万6,000円となっておりまして、総額の価格としては1,091万5,500円でございます。
なお、安代町史につきましては、市民2,000円、市外定住者には3,000円での販売となっておりまして、今回の価格は市民への販売価格2,000円で残しております。
次に、３つ目の在庫冊数、管理状況など、市の監査を受けたことがあるのかというお尋ねでございます。在庫冊数、管理状況などの監査を受けたことはございませんが、毎年の販売実績につきましては定期監査や決算審査の際に歳入に関連して監査委員に説明をいたしているところでございます。
次に、５つ目の３町村史のダイジェスト版の編さんや続刊発刊の考えはあるかというお尋ねでございます。合併以前の町村史の発行は、西根町史の最終発行でございます民俗資料編が平成２年８月、松尾村史が平成元年の９月となっております。続刊としては、各町村史の発行年を踏まえた上で、八幡平市史としての発行が妥当であると考えているところでございます。ダイジェスト版につきましても、八幡平市史編さん発行と併せて検討してまいりたいと考えております。
なお、他のご質問につきましては、教育長から答弁がございますので、以上で私からの演壇からの答弁とさせていただきます。
（市長 田村正彦君降壇）
〇議長（工藤 剛君） 教育長。
（教育長 星 俊也君登壇）
〇教育長 星 俊也君 私からは、大きな２点目の３町村史を活用したまちづくりについてのご質問に順次お答えいたします。
議員お尋ねの１点目、安代町史民俗編発刊挨拶で、教育長は温故知新の糧として活用したいと述べているが、３町村史を教育にどう活用しているかとのお尋ねでございます。発刊当時の高橋北英元教育長は、発刊に寄せた挨拶の中で次のように述べておられます。この安代町史民俗編が、書棚の飾りだけでなく、折に触れて手に取られ、温故知新、古きをたずね新しきを知る糧として活用されること、ひいては新生八幡平市の発展の礎となるよう願ってやみませんとあります。渡辺議員は、町村史は市の知識の泉であると表しておられますが、まさに３町村の成り立ちや歩みが丁寧に説明され、そこには先人の苦労や教育の充実に寄せられた願いがかいま見られました。残念ながら、これまでのところ十分な活用とまでは至っておりませんが、まずは私自身が３町村の歩みをしっかりと理解し吸収しなければならないと思っているところでございます。
お尋ねの４点目、３町村史は社会科副読本の補完機能がある。学校教育の教材などの活用に研究してはどうかとのお尋ねでございます。社会科副読本は、小学校３年生と４年生を対象とした内容となっております。町村史と関連した内容としては、八幡平市の様子や人々の生活の様子がどのように移り変わってきたのかや八幡平市に古くから残る文化財や祭りはどのように残されてきたのだろうかという学習課題が深く関わっております。しかし、町村史そのものの文章表現は、子供に向けて書かれたものではありませんので、むしろ指導者である教師が副読本の内容を説明する際の補充資料として活用するのが効果的であろうと考えております。また、町村史には、戦時中の暮らしを取り上げた内容や岩手山の噴火被害を取り上げた内容など、幅広く収録してありますので、小中学校の社会科、歴史の領域や防災教育の資料としても活用できるものと考えております。各小中学校に町村史が配付されておりますので、今後機会を捉えてその積極的な活用について働きかけていきたいと考えております。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
（教育長 星 俊也君降壇）
〇議長（工藤 剛君） 10番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 今回は、いつもと違った質問で、16年分を思いっ切り答えていただきたい、そういう趣旨でございましたので、質問の時間が少ないですが、再質問いたします。
市長は、このほかに全国規模の全国過疎地域連盟の副会長、あるいは全国市長会の過疎関係の協議会の会長、そして県市長会等でも要職を務められまして、例えば新過疎法制定に尽力された、あるいは合併特例債の発行等にも各省庁等を回って行動力で陳情、請願したということがあまり市民の皆さんには分かっていないのですが、全国的な規模の活動と、そして県市長会等の要職も務めましたが、その辺の太いパイプが今の八幡平の現状であろうと思っています。特に朗報がありましたが、８月10日、全国６か所にスマートインターチェンジ、安比のスマートインターチェンジが設置される、これは長い間の国土交通省、道路局長、関係省庁にも強い要望事項があった結果だろうと深く敬意を表しております。あるいは公共関与型産業廃棄物等県事業も現在進めておられますが、その辺の国、県とのつながりなり、継続を今後新しい市長にどのようにつないでいきたい考えか、お伺いします。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
〇市長 田村正彦君 やはり振り返ってみますと、市政を運営するためにはどうしても財源、お金がないと何ともなりません。そういう意味で、合併特例債も当初国から示された方針は合併して以後10年ですよと、10年間だけ使えるのですよという法律でございました。その法律の10年のさなかに、皆さんもご案内のとおり東日本大震災という未曽有の災害が発生しました。その災害を受けた市町村の中には、合併した町村もたくさんございました。そういった中で、10年の期限の設定ではとても復興はできないだろうということで、当時民主党政権に政権交代がなったときでしたけれども、私と仙台市長と青森市長と３人で国会に行きまして、当時の官房長官、幹事長、そういった方々に直接何としてもあと10年延長してくれというお話を申し上げて、これが当時の政権によって10年延長されて、今現在まで八幡平市は利用できるという状況になったと、これが私にとっては非常に印象に残ることでございました。
あと、もう一つは、過疎債、いわゆる例えば旧町村で安代町で道路を造るにしても建物を造るにしても、松尾村もそうなのですけれども、全部過疎債という借金をしながら造ってきました。その過疎債というのは、１億借金すればそのうちの7,000万は国が責任持って返してくれるという非常に有利な借金の仕方です。この過疎法によって旧安代も松尾も地域の生活基盤整備をしてきたわけですが、旧西根町は過疎債を使えない町だったわけで、合併したことによって過疎債が旧西根地域でも対象になると、こういう合併の効果がございました。それによって、遅れていた西根町のインフラ整備等も結構進んだものというふうに承知をいたしております。その過疎法、いわゆる有利な今までの旧安代、松尾、これの全てのインフラ整備に利用してきた過疎法が、今年の３月で切れる、なくなってしまう、そういうことがございまして、これはどうしても継続してもらわなければ、地方自治体の経営は成り立たないということで、市長会のほうの私が会長させていただいて、知事会の会長が青森の三村知事でございまして、私と三村知事と２人が一つのトップといいますか、そういう形で過疎法の継続の運動をずっとここ五、六年続けてまいりました。その間想像もできない方々とお会いできることもありましたし、時の政権の本当にしょっちゅうテレビに出てくるような人たちと懇談したり、そういった誰もが経験できないような経験をさせていただきました。
そういったいろんな活動の中で、今年の３月の末に新たな過疎法が制定されました。これが、期間が15年ぐらいの期間で過疎法が設定されたと思いますけれども、この改正法律が成立したことによりまして、これから10年以上はきちっとこれまでどおりにインフラの整備、道路を造ったり建物を建てたり、そういったものに対してそういった有利な借金で行政が運営されることになったということでございまして、本当に私、市長としてこれが最大の地域にとっての貢献ができたのかなというふうに思っております。この過疎法成立については、本当に全国各地のいろんな方々の支援をいただいて成立したわけで、何とか今後ともこれをうまく利用しながら、八幡平市の発展につなげていっていただければなというふうに思っております。
また、スマートインターも、これは当時30年ぐらい前ですか、安比の開発が進んだときに、当時ハイウェイオアシス構想というのがございまして、高速道路のそばにオアシス的な施設をつくって、そこで集客を図るという構想だったわけですが、これは近いところでは北海道の砂川にあります。徳島にもあります。そういったのを当時の旧松尾村は目指しておったのですが、それが実現できなかったということで、その後国の方針も変わりまして、もっと簡単にスマートインターというものをつくることによって利便性を高めるという国の方針変換がございまして、それではやはり長年の懸案である安比のインターを何とか実現しようということで、再三国とも交渉し、様々な皆さんのご支援をいただきました。今回３回目の挑戦になったわけですけれども、これも地元の国会議員の先生、あるいは隣の青森県の国会議員の先生方からも支援をいただいて、このたび事業採択がなったということで、何とかこれを実現することによって、ハロウスクールもできることですし、あの辺一帯の振興策が図れればいいのかなというふうに考えているところでございます。
いずれ様々なことがありましたけれども、何とか八幡平市に住んでいる人たちの所得が一円でも百円でも上がること、とにかく市の行政としてそういったことにどう予算を有効に使うのかということを最重点に考えながら、現在進めてまいりました。本当に長い間だったわけですけれども、ご支援いただいた皆さんには改めて心から感謝を申し上げたいというふうに思っております。
〇議長（工藤 剛君） 10番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 こういう事例は、あまり市民の皆さんが分からない、私たちも過疎の大会に佐賀県に会派で出席して研修受けたことがありました。特に過疎債で恩恵を受けたのは、西根町でございました。ぜひこういう先鞭をつけた有利な起債ですので、今後とも継続しながら、そして市長が培いました国、県、あるいはいろんな各方のお話がありましたが、そういう方との連携しながら、あるいはご支援をいただくなど、そういう正しい継続をしていただくようにお願いしていかなければならないと思っていましたが、その辺のお考えと、それから41回私も質問しましたが、リンドウを飾っていました。オリンピックのブーケにもリンドウを提言いたしました。今回テレビ見ながら、八幡平の安代のリンドウが使われているのかなという感じをしていました。その辺の明るい情報もありますし、パラリンピックも始まりますので、そういうふうな細かな議員の提言が生かされたことを大変うれしく思っています。
それと、選挙の期間になりましたが、選挙公報を発行すべきだというのを私提案して、これも実現していただきました。小さなことでございますけれども、時期的な問題として、その２つについての進捗状況なり、あるいは特にリンドウも今回飾りましたが、ぜひ天皇杯をもらったリンドウ、外国でも施策している、あるいは赤いリンドウも出ています。そういうこの３点について、お考えをお伺いします。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
〇市長 田村正彦君 リンドウについては、旧安代町の本当にもう40年になるのか、40年ぐらい前から先駆者たちが取り組んで今に至っております。先人たちの努力には、本当に心から敬意を表しますし、市としてそれをやはりこれからもきちっとバックアップしながら、安代のリンドウ、八幡平市のリンドウというのを、全国はもちろんのこと海外にも大きく展開していければなというふうに思っています。そういった中で、この間のオリンピックの入場行進の際に、ルワンダの選手たちが安代で取れたリンドウを１人１本ずつ持ちながら行進していただいたというのは本当にありがたいことだし、そういったものを機会に、もっともっと安代のリンドウというのを広めていければなというふうに思っております。
また、継続の話があった、そういった私個人的なというか、市長としていろんな人的な交流、あるいは組織とのつながりというのが現在16年間にわたってつくり上げてきております。やはりこれから八幡平市政を担う人にとっては、貴重な私は市にとって財産だというふうに思っております。ぜひこの八幡平市政を担う方にあっては、つくり上げたそういった人的な交流、あるいは国とのつながり、県とのつながり、そういったものをぜひ大事にしながら、この八幡平市を、より発展する余地は十分にある私はすばらしい市だというふうに思っておりますので、そういったことを、今培ってきたことをきちっと利用しながら、新たな発展に向けて頑張っていただければいいのかなというふうに考えているものでございます。
〇議長（工藤 剛君） 10番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 コロナ禍で失速した社会情勢ですけれども、私は市長が今申し述べたように、いろんな資源、あるいは未来は明るく開けている、私もそう思っています。特に今申し上げましたインターチェンジ、そしてハロウスクールの文教で最上位のホテルが建設中でございます。これら国際化に向けた八幡平市の市政、そして海外に向けたインバウンド、そういう失速した時代から、これを乗り越えて、今までの常識が通用しなくなりました。ぜひそういう新しいアイデアで職員の皆さんも努力していただきたい、それが職員の意識改革ということもお話ししましたが、そのように希望したいと思います。
それと、時間があれですが、これは大更中央線のところの市で計画しています住宅供給地に、こういう看板が乗っていました、大更中央線のところです。あるいは市のバイパスから入り口のところに、薬店のチェーン店ができるというようなお話も聞いていましたが、虫食いなり、あるいはこういう不動産会社が入ってきて、予定しているところがスプロール化、買占め現象など起こらなければいいなと私毎日見ているのです。こういう看板が３か所にあるのです。バイパスの下に１つ、あとは松子線のところに１つあります。近くの人が電話かけて聞いたそうですが、かなり地価が普通のこの辺の地価よりは高かったというのでそのままにしていましたが、その現状をどのように考えているのか、規制もできないと思いますけれども、それから薬店等ができるということですが、その辺の進み具合なり許認可等はどうなっているのか、お聞きしたいと思います。
〇議長（工藤 剛君） 建設課長。
〇建設課長 工藤 剛君 お答えします。
まず、売り物件の広告につきましては、私も現場に行った際に確認している状況ではありますが、ここの地区につきましては、農振の規制のかかっている場所でございます。それぞれまず農振解除してからの手続ということが必要な場所になっておりますので、そういう必要な手続を今後されるものなのかなというふうな認識を持っております。
また、薬店の出店についてですが、こちらについては面積要件等によりますけれども、開発許可の可能性があるものになる場合には、県知事の許可が必要になります。現時点では、まだ申請等がなされているわけではございませんので、詳細な内容については市としては知り得てはおらない状況ですけれども、そのような問合せ等については、確かに来ているものであるというのは認識しております。
先ほど市長答弁でもお答えしましたように、現在市立病院及び東西駅前広場の完成によって、交通動態等も変化しつつありますし、今後開発需要や動向等を見極めながら、市のほうの計画についても見直し等、検討のほうは行っていきたいものだと考えております。
以上です。
〇議長（工藤 剛君） 10番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 これは、現在工事を行っております下水道の復旧工事でございます。あの辺、最近住宅が非常に建ってきまして、まだ欲しいという方が、業者さん、大工さん等もありますし、こういう虫食い現象で例えば業者さんが入って売り買いすると、市で構想する土地利用計画に支障があると思いますが、これ全体的に見直さなければならないと思います。ぜひ大更周辺の開発、そして例えば大更南線（仮称）もありますけれども、私は個人的には南線なんかは要らないし、現在市立病院の周りを通っている道路なんかも歩行者とか自動車道で残していましたが、あれも歩けない状態で、崖なのです。だから、全体に見直さないと、住民の人たちはこういうのはできるのだよと頑張って農地を守っていたわけですけれども、もう我慢し切れなくて、こういう市外の業者が入ってくる、不安に感じているのです。市内の不動産屋ですと幾らか安心できますけれども。それから、この中にドッグランというのもありまして、大変犬の散歩をしている方が多いので、ドッグラン構想なんかも土地利用計画に入っていました。ぜひこういう観点から見直すということですけれども、できるのは早めにやらないと、またスプロール化して進めるところに大変困難だし、地価も暴騰するだろうと思います。その辺のお考えをお願いします。
〇議長（工藤 剛君） 建設課長。
〇建設課長 工藤 剛君 お答えします。
確かに平成24年に策定しました駅周辺の環境整備事業の中では、ドッグラン等も計画の中に絵として示されているものでございます。ただ、その後平成26年度の段階では、平成26年に計画しました大更駅東側土地利用基本計画の中においては、住宅用地として利便性がある土地という位置づけにしておるものでございます。ただし、先ほども市長答弁でも申し上げたとおり、周辺の状況についてはいろいろな状況変化に合わせながら今後見直しをしていく必要があるものと思っておりますので、今渡辺議員さんから言われていましたとおり、スプロール化が進まないうちに、やるのであれば早めにということではございますけれども、現在着手して完成を目指している大更駅東線等もございます。そちらの事業を優先しながら、周辺の計画についても見直しを検討してまいりたいと考えておるところでございます。
〇議長（工藤 剛君） 10番、渡辺義光議員。
〇議員 渡辺義光君 田村市長の16年の成果を十分お聞きして、目的達成した事情がほとんどでありました。改革半ばや未着手の分もあり、特に職員の育成というのは、私もこれが一番難しいと思っていました。これからも取り組んでいきたいと思います。
それから、ぜひそういう太い信頼関係なり、各省庁なり、そういう培ってきた人材、皆さんとも太いパイプでつながって、将来に引き継いでいただきたいと思います。
西根町議会議員、そして岩手県議会議員、初代八幡平市長として、八幡平市のまちづくりに尽力されました田村市長には、深甚なる謝意を表します。この貴重な足跡を私たちは今後つないで発展させていかなければならない、そう思っております。人生100歳時代と言われております。市長におかれましては、健康に留意され、趣味の野球や果樹づくり等を楽しみながら、退任後もさらなる八幡平市の魅力あるまちづくりへ大所高所からご指導を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、市長の思いを一言お聞かせ願います。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
〇市長 田村正彦君 ただいま渡辺議員がおっしゃったとおり、42歳だったと記憶していますけれども、西根町議会議員として地方自治に関わりました。町議会議員６年、県会議員10年、いわゆる議員としての16年でした。そして、新政八幡平市の市長として皆さんのご支援いただいて現在まで16年、地方自治体としての議員としての16年、首長としての16年、ちょうど区切りもいいし、そしてまた健康なうちに後継にやはりきちっと道を譲りながら見守っていければなというふうに思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
（議員 渡辺義光君一般質問席降壇）
〇議長（工藤 剛君） これで渡辺義光議員の質問を終わります。
ここで昼食のため13時15分まで休憩いたします。
（１２時１５分）
☆
休 憩
再 開
☆
〇議長（工藤 剛君） 休憩前に引き続き会議を再開します。
（１３時１５分）
〇議長（工藤 剛君） 引き続き、一般質問を行います。
通告順位３番、田村孝議員。
（議員 田村 孝君一般質問席登壇）
〇議員 田村 孝君 13番、八起会の田村でございます。さきに通告してありました３点について質問させていただきます。
大きな１問目、河川の土砂撤去について。政府は、自治体が管理する河川について、川の流れを塞ぐ土砂の撤去などの維持管理の一部を国が代行できるようにする方針を固めた。土砂撤去について市の考えなど、以下について伺う。
市内には、県管理の１級河川が20河川あると聞いているが、それぞれの河川名と場所をお伺いいたします。
②、これまで県が行った河川改修事業は、浅沢地区１か所であったが、今後の要望箇所などの考えを伺う。
２点目、本市の土砂災害危険箇所について。７月６日、達増知事が定例記者会見で県で行った土砂災害基礎調査結果の再確認を行っていることを発表した。県の資料によると、本市は令和２年３月時点で急傾斜が59か所、土石流91か所、地滑り３か所の計53か所であると述べておりました。以下について伺う。
危険箇所に該当する場所について、西根、松尾、安代の地区別に伺う。土砂災害を防止、軽減するために土砂災害警戒区域に対する県の具体的な対応方法をお伺いいたします。
３点目、県北横断道について。新聞の記事により、この横断道は延長約75キロメートル、八幡平市の西根インターチェンジから野田村の三陸沿岸道路野田インターチェンジをつなぐ構想である。2018年に八幡平市、岩手町、葛巻町、久慈市、野田村、普代村の６市町村で北岩手・北三陸横断道路整備推進期成同盟会を設立、昨年10月には盛岡市、宮古市など13自治体が新たに加わったとのことであった。これまでの活動の内容はどうだったのか、また今後どのように進んでいくのかお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
（市長 田村正彦君登壇）
〇市長 田村正彦君 田村孝議員のご質問に順次お答えを申し上げます。
まず、大きな１点目の河川の土砂撤去についてのお尋ねでございます。まず初めに、議員がお尋ねの河川の土砂撤去を国が代行できることにつきましては、近年の豪雨等で全国各地での水害激甚化、頻発化を受けまして、流域治水関連法に基づき河川法が改正をされたところでございます。このことによりまして、国土交通大臣による災害時の権限代行工事等の対象を、これまでの都道府県知事等が管理する１級河川、もしくは２級河川としていたものを、市町村長が指定する準用河川まで範囲が拡大されたものと認識をいたしております。国による工事等の代行につきましては、採択の要件として工事等の実施体制、その他地域の実情を勘案し、高度な技術を要するもの、または高度な機械力を使用して実施することが適当であるなど、難易度の高い場合とされておりますことから、対象となる案件は極めて限られたものになるものと考えております。また、代行に係る費用につきましても負担法に基づく災害復旧事業と同様に、市の負担が発生するものと認識しているところでございます。
次に、１つ目、県管理１級河川の河川名と場所についてのお尋ねでございますが、市内には岩手県管理の１級河川が23河川ございまして、総管理延長約162キロメートルとなっております。詳細の内訳につきましては、西根、松尾地区の北上川水系については松川、赤川、涼川、長川、北ノ又川、若旗沢川、若旗小沢川と夜沼川、落峯沢川、赤川、焼切川、尻志田川の12河川であり、管理延長は約82キロメートルとなっております。また、安代地区には２つの水系がございまして、馬淵川水系は安比川、鍋越川、白沢川、打田内川、黒沢川の５河川でございまして、管理延長は約37キロメートルとなっております。さらに、米代川水系は、米代川、兄川、瀬の沢川、矢神川、大又沢川、根石川の６河川でございまして、管理延長は43キロメートルとなっております。
次に、２つ目の県が実施しております河川改修事業と今後の要望についてのお尋ねでございます。現在岩手県から実施していただいております河川改修事業につきましては、議員お尋ねのとおり、１級河川安比川浅沢地区の河川改修事業となっております。この事業は、平成13年度から岩屋、岩木工区の築堤護岸を整備していただいておりまして、現在も用地補償に係る地権者交渉を含め、継続して実施していただいております。今後も河川改修要望箇所につきましては、市内各所未整備箇所がございますが、市町村要望で取り上げた１級河川安比川小屋の畑地区について、市道鴨志田線との水衡部分の河川改修を最優先としながら、その都度必要に応じて他の河川においても要望を行ってまいりたいと考えております。
また、昨年度も一部の河川ではございますが、河道内の立木伐採や、堆積している土砂排除など、予防保全にも対応していただいているところであり、来年度以降についても防災・減災、国土強靱化のための５か年加速化対策等を積極的に活用しながら、河道掘削を推進することとしていることから、今後も岩手県と連携を図りながら、災害の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
次に、大きな２点目の本市の土砂災害危険箇所についてのお尋ねの１つ目にあります、西根、松尾、安代の地域別の危険箇所についてのお尋ねでございます。土砂災害警戒区域は、土砂災害が発生した場合、住民の生命、または身体に危険が生ずるおそれのある区域を示すもので、イエローゾーンという呼び名で崖崩れや土石流、地滑りといった土砂災害が発生する可能性が高い箇所を、市の意見も踏まえながら、県知事が指定しているものでございます。また、土砂災害の発生により、建築物にまで損壊が生じ、住民の生命、または身体に危険が生ずるおそれのある区域はレッドゾーンと呼ばれておりまして、特別警戒区域として指定をされておりまして、より土砂災害による危険度の高い箇所とされているところでございます。
議員お示しの岩手県公表資料の最新版となる令和３年３月時点の数値で、本市には全部で153か所の土砂災害が発生するおそれのある箇所がございます。このうち基礎調査や住民説明を経て、土砂災害警戒区域指定になっているものが128か所のほか、これから指定する予定の危険箇所が25か所ございます。区域指定となっております128か所の内訳でございますが、地域別では西根地区21か所、松尾地区７か所、安代地区100か所となっております。種類別では、急傾斜地が56か所、土石流警戒箇所が69か所、地滑り警戒箇所が３か所でございます。また、これから土砂災害警戒区域等に指定を行う予定の25か所は、地域別では西根地区が２か所、松尾地区が23か所となっておりまして、種類別では急傾斜地が３か所、土石流警戒箇所が22か所、地滑り警戒箇所は該当がない状況となっております。
次に、２つ目の土砂災害を防止、軽減するために、土砂災害警戒区域に対する市の具体的な対応方法についてのお尋ねでございます。先ほど申し上げました土砂災害警戒区域及び特別警戒区域の指定は、土砂災害から国民の生命及び身体を守るため、土砂災害のおそれのある区域を明らかにすると同時に、警戒避難態勢の整備、住宅等の新規立地の抑制、崖崩れ等の土砂災害発生時に建築物に作用する衝撃に対して安全なものとする構造の規定等のソフト対策を図ることによりまして、土砂災害を防止しようとするものでございます。
市の対応といたしましては、八幡平市防災マップに警戒区域を掲載しまして、指定避難場所の情報や、崖崩れ、土石流及び地滑りといった土砂災害の種類、非常時の持ち出し品の準備及び各家庭における防災対策などと併せて周知を図っているところでございます。
また、土砂災害特別警戒区域に建っている住宅の移転費用の一部を補助する制度といたしまして、がけ地近接等危険住宅移転事業がございます。この事業は、危険住宅の撤去、動産の移転、仮住居、跡地整備の整備費、危険住宅に代わる住宅の建築や購入をするために要する資金を金融機関から借り入れた場合の借入金利子に相当する額の経費を国、県、市で補助を行う制度となっております。多発する土砂災害による人的被害を未然に防止するため、現行制度の利活用を図りながら、土砂災害警戒区域へ避難指示や誘導について関係機関と連携を強化してまいりたいと考えております。
次に、大きな３点目の県北横断道についてのお尋ねでございます。北岩手・北三陸横断道路の整備につきましては、平成30年に八幡平市を含む６市町村で北岩手・北三陸横断道路整備推進期成同盟会の設立をいたしております。令和２年10月には、新たに盛岡市を含む13自治体が加わり、全19市町村が東北自動車道から三陸沿岸道路までを結ぶ総延長75キロメートルの自動車専用道路の整備実現に向け、国土交通省、県への要望を行っているところでございます。要望を行っている路線につきましては、県内陸部の国道４号から三陸沿岸北部を結ぶ国道281号などがございますが、現況の線形不良や、狭隘区間のため、急勾配、急カーブが連続する山間部を縫うように走る道路となっており、交通の難所とされ、また移動に多くの時間を要している実情でございますことから、県北地域を横断する道路整備は、産業はもとより、防災、医療、観光と多面的な分野において必要不可欠であり、非常に重要であるものと考えております。現在までの要望活動といたしましては、設立後、国土交通省、岩手県への要望を計３回実施いたしておりまして、今月５日には赤羽国土交通大臣への直接の要望も実施したところでございます。
そうした中、県においては、本年６月に岩手県新広域道路交通ビジョン、岩手県新広域交通計画を策定し、これまで要望しておりました北岩手・北三陸横断道路に関わっては、高規格道路としての役割が期待されるものの、個別路線の調査に着手していない構想路線として、三陸沿岸道路から国道４号までを久慈内陸道路の名称で位置づけたところでございます。このことは、要望路線の必要性について一定の理解をいただいたものと考えております。
今後は、同構想路線に係る調査への早期着手と、東北自動車道への接続整備について、関係市町村と連携しながら、引き続き要望活動を行ってまいりたいと考えております。
以上、演壇からの答弁とさせていただきます。
（市長 田村正彦君降壇）
〇議長（工藤 剛君） 13番、田村孝議員。
〇議員 田村 孝君 これほどのやはり危険箇所があるということは、私も今まで分からなかったわけですけれども、こういうことは市民の方々にはどういう情報を流してご理解していただけているのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
〇議長（工藤 剛君） 防災安全課長。
〇防災安全課長 多田和雄君 市民への伝達ということでございますが、先ほど市長答弁にもございましたとおり、市内の各ご家庭のほうに防災マップを配布させていただいております。その中で、危険箇所については周知を図っておりますし、また現在は県のほうのデジタルマップ等でもそういった情報を提供しておりましたので、なかなか実際議員ご指摘のとおり知らなかったというふうなお話もございましたので、今後もそういった周知に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
〇議長（工藤 剛君） 13番、田村孝議員。
〇議員 田村 孝君 やはりこういう今の気象状況を考えると、いつどういうあれが起きるか分からないもので、こういう箇所のある住民には、時間をかけないできちっと住民にお知らせしていっていただきたいと思いますので、そういう点のことは何か計画とか、そういうものがございましたら、お願いいたします。
〇議長（工藤 剛君） 防災安全課長。
〇防災安全課長 多田和雄君 ただいまご指摘をいただきました。これからの周知等の関係でございますが、市長答弁の中で申し上げた、まだ指定になっていないところというのがございます。これにつきましては、過去において住民説明等を申し上げた際に、10年ほど前の住民説明だったと伺っておりますが、やはり未指定エリアが観光地を含む場所が多いということで、当時は土地の評価が下がるとか、あとはそれによっていたずらに危険な箇所として認知されるのが非常に困るといったような意見があったというふうに伺っております。ただ、昨今は、危険な災害、本当に今まで経験したことがないというような表現を多々聞く機会が増えております。まさにそういった予測できない災害が非常に増えているというふうに認識しておりましたので、県のほうではそういった未指定地区に関して、未指定になっている区域に関して、早急に指定をして、ちゃんと公表、周知を図っていきたいというふうに県のほうからも伺っておりましたので、そういった作業を我々も一緒に進めることによって、危険箇所がこれぐらいあるのだということの周知をしていきたいと考えております。
以上です。
〇議長（工藤 剛君） 13番、田村孝議員。
〇議員 田村 孝君 土砂災害が起きるということで、皆様ご存じのとおり、テレビ、新聞等で熱海なんかも工事現場からの残土を捨てて事故が起きたということなのですけれども、市内にはそういう工事現場から出た残土とか何か捨てる場所が今までもあったでしょうか。
〇議長（工藤 剛君） 防災安全課長。
〇防災安全課長 多田和雄君 今、先日、いわゆる熱海の土砂災害の関係がありまして、県のほうからもそういった該当箇所があるかというような調査もございまして、庁内全て、もしそういった関係するような案件があるかということで調査をさせていただいておりましたが、市内にはそういった箇所は該当がないということで確認をしてございます。
〇議長（工藤 剛君） 13番、田村孝議員。
〇議員 田村 孝君 今工事現場なんかで結構いろんな材料が入っているものを残土だとか、埋立てにするということで問題になっているわけですけれども、やはりそういう残土なんかをどこかにやるときは、市のほうに書類出すとか、市のほうで許可出すとかという、そういう何か法律的なこととかというのはございますか。
〇議長（工藤 剛君） 建設課長。
〇建設課長 工藤 剛君 残土を処理する場所の土地の状況にはよると思いますけれども、農地等であれば資材置き場等にするために埋立てするとかというものであれば、届出というのは当然必要になってくるものでありますけれども、それ以外に、例えば熱海のように山林を埋め立てるとかというふうになった場合には、山林の埋立て箇所、当然木の伐採も出てくるものだと思います。そういった場合に、林地開発等なりの届出というのが必要になるものだと思いますし、それはある程度大きい規模になると、そういう届出も出てくるものだとは思いますけれども、小規模のものについてであれば、自分の土地なりに残土を持っていくとかということになると、市のほうではちょっと知り得ない場所もあるかもしれませんが、これまでそういう大きな残土処理として、市のほうで協議を受けてというのは今のところございません。
また、これも県のほうからの調査ではございますけれども、都市計画に係る開発許可によって、大規模な盛土造成がされた場所というものの調査もございました。八幡平市における開発許可による造成については、ほぼ切土の造成地が多くて、大規模な盛土造成による宅地開発なりというのはこれまで行われた経緯がないということで県のほうには報告しているものであります。
〇議長（工藤 剛君） 13番、田村孝議員。
〇議員 田村 孝君 さっきも申し上げたとおり、気象状況にていつ何があるか分からないですけれども、山の斜面に結構住宅が建っているわけですけれども、そういう点でこういう事件が発生してから、市のほうに相談件数なんかあったのかなかったか、お聞きしたいと思います。
〇議長（工藤 剛君） 建設課長。
〇建設課長 工藤 剛君 お答えします。
これまで岩手県が指定する段階で、住民説明を行ってきております。その中で、そういった相談というのは、これまでは来てはおりません。先ほど答弁でも申しましたとおり、補助事業もございます。これを希望される方というのも、これまでのところは希望するということで市のほうに申し出た方も今のところない状況になっております。
〇議長（工藤 剛君） 13番、田村孝議員。
〇議員 田村 孝君 私は、河川について何回も一般質問させていただきましたけれども、今度は政府では河川の土砂撤去を代行してやるということですけれども、前からお願いしていたとおり、立木とかいろんなあれで赤川やっていただいたのですけれども、それには、県、国に要望出すためには、やはり市としては計画を立てて、ここの河川はこうだ、ここの河川はこうだというようなあれで早めの活動をしていただいて要望していただきたいと思います。そういう計画は、立ててあるのかないのか、お伺いしたいと思います。
〇議長（工藤 剛君） 建設課長。
〇建設課長 工藤 剛君 お答えします。
県管理河川に係る河道掘削と土砂等の撤去につきましては、今年度要望箇所としては４か所ほど要望させていただいております。その中で、岩手土木センターが管理する管内、八幡平市、岩手町、葛巻町の中から事業費に応じて何か所やっていただけるか、今ちょっと選定をしていただいているところですけれども、県のほうに必要箇所について要望を実施しておりますし、今後も実施してまいりたいと考えております。
〇議長（工藤 剛君） 13番、田村孝議員。
〇議員 田村 孝君 これだけの箇所が危険だということが今の説明で分かりましたけれども、早めに地域の皆さんにハザードマップを作って、ここが大変なところですから、何かあったときはすぐ撤去とか待避するようにとかというような行動を取っていただきたいと思う。そういうハザードマップなんか作る予定なんかございますか。
〇議長（工藤 剛君） 防災安全課長。
〇防災安全課長 多田和雄君 ただいまご指摘をいただきましたマップ等の関係でございますが、今年度今の防災マップが平成28年に作成したものでございますが、今年度この防災マップの改定を予定しております。途中災害の対策の法律が変わったり、それによっていろいろお知らせを新たにしなければならない部分が増えたり、あとは今進めてきた土砂災害の危険区域の指定部分なども全部網羅して、新しいものをまた全世帯に配布をさせていただきたいというふうな計画をしておりましたので、この機会にまた皆様に、あっ、こういう防災マップがあるのだなということで、それを自分のお住まいのところをぜひ見ていただいて、もし危険箇所等に該当しているのであれば、やはり日頃……危険箇所に該当していなくてもふだんからこういう備えが必要なのだという認識を持っていただく機会になればというふうに考えております。
以上でございます。
（議員 田村 孝君一般質問席降壇）
〇議長（工藤 剛君） これで田村孝議員の質問を終わります。
ここで13時55分まで休憩します。
（１３時４２分）
☆
休 憩
再 開
☆
〇議長（工藤 剛君） 休憩前に引き続き会議を再開します。
（１３時５５分）
〇議長（工藤 剛君） 引き続き、一般質問を行います。
通告順位４番、立花安文議員。
（議員 立花安文君一般質問席登壇）
〇議員 立花安文君 議席番号９番、八起会、立花安文です。３項目について質問します。
１項目め、窓口業務の民間委託について。令和３年６月23日開催の議員全員協議会において、第４次八幡平市行財政改革実施計画（案）の説明がありました。基本方針２、質の高い行政運営の推進、（３）、民間運営の推進で、上下水道課窓口業務を令和５年から民間に委託する計画ですが、総務省は住民票や戸籍関係などの市民課窓口業務などの民間委託を認めています。当市の現在の業務委託の状況と今後の計画について伺います。
①、既に実施済みの委託業務内容と評価について伺います。
②、市民課窓口業務、総合案内業務等の委託については、どの程度検討をしているのか伺います。
③、６月に安代総合支所の職員複数名が特別休暇を取得したため、急遽本庁及び西根総合支所から職員を派遣して業務を継続したと聞いていますが、安代総合支所に派遣した延べ日数と延べ人数を伺います。
２項目め、山村留学、地域みらい留学制度の取組について。来年８月に開校するハロウインターナショナルスクール安比校によって、当市の恵まれた自然環境、教育環境が全国的に注目されるようになり、当市に関心を持つ東京周辺の児童生徒の保護者が増えるものと思います。以下について伺います。
①、小中学校の児童生徒の減少が続いており、対応策が必要と思います。今年度から新過疎法が施行になり、柱の１つに空き家の活用などにより移住と定住を促し、多様な人材を呼び込む施策を求めています。小中学校の山村留学制度は、母親と田舎に来る親子式が増加している旨の新聞報道がありました。また、今後の県立高校再編では、平舘高校が再編の対象になる心配があることから、地域みらい留学制度を導入して、全国から生徒を募集してはどうかと思います。考えを伺います。
②、過疎債を活用して、公設進学塾の運営や、地域みらい留学生の寮などを運営している自治体があります。考えを伺います。
３項目め、教育による地方創生について。北海道の東川町には、町立日本語学校や、日本語学科のある専門学校があり、人口約8,000人の町に200人から300人の留学生が生活をして地域経済に寄与していると聞いています。ハロウインターナショナルスクール安比校が果たす役割は、相当大きいと思いますが、文化面及び経済面など、どんな期待をしているのか伺います。
以上です。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
（市長 田村正彦君登壇）
〇市長 田村正彦君 立花安文議員のご質問に順次お答えを申し上げます。
まず、大きな１点目の窓口業務の民間委託についての１つ目にございます、既に実施済みの委託業務内容と評価についてのお尋ねでございます。現在本市におきまして、窓口業務の民間委託を行っている実績はない状況でございます。議員お尋ねのとおり、上下水道課窓口業務の民間委託につきましては、令和５年度から実施を目指し、委託に係る業務内容などの整理、検討を行っているところでございます。
次に、２つ目の市民課窓口業務、総合案内業務等の委託の検討についてのお尋ねでございます。市民課窓口業務につきましては、平成30年度から窓口サービスの質的向上を図るための窓口補助員といたしまして、会計年度任用職員を２名配置をいたしております。また、今年度におきましては、西根総合支所に窓口補助員１名を配置し、市民課の２名と合わせて３名の補助員による窓口体制の充実を図っているところでございます。現時点では、窓口補助員や窓口ワンストップサービスの導入効果を検証している段階でございまして、民間への窓口業務の委託検討までには至っていない状況でございます。市といたしましても市民課窓口業務及び総合案内業務につきましては、質の高い行政運営を実現する上で、重要な業務であると考えており、先般の市議会全員協議会におきましてご説明させていただきました第４次行財政改革大綱の主要施策として、窓口サービスの向上及び民間運営の推進を位置づけていることからも、市民目線に立った満足度の高い窓口サービスの提供に努めるとともに、民間活力の有効活用による窓口業務の効率化につきましても併せて検討してまいりたいと考えております。
次に、３つ目の安代総合支所への職員派遣状況についてのお尋ねでございます。安代総合支所では、６月30日から７月12日の期間で職員の特別休暇の取得が重なってしまうこととなったため、市民課及び西根総合支所等の職員を９日間で延べ12人を派遣したところでございます。
次に、大きな２点目の山村留学、地域みらい留学制度の取組についての１つ目にございます、平舘高校に地域みらい留学制度を導入して、全国から生徒を募集してはどうかというお尋ねでございます。地域みらい留学につきましては、島根県の一般財団法人、地域・教育魅力化プラットフォームが全国展開している事業で、高校１年から３年までの３年間、あるいは高校２年の１年間の期間、都道府県の枠を超えて地域の高校に入学し、自然豊かな環境に触れたり、地元住民と交流するなど、新しい体験やチャレンジを通じて未来を創る意志ある若者があふれる持続可能な地域社会をつくることをビジョンとして活動をしているものでございます。
本県におきましては、県立葛巻高校など７校で生徒募集を行っていると承知をいたしております。本市においては、県教育委員会が事業実施しております県外からの志願者受入れ要領に基づき、平舘高校が志願者を募集しておりまして、現在２年生の２名がこの制度を活用して在学している状況でございます。
議員ご案内のみらい留学制度の導入につきましては、自治体側で受入れ態勢を整える必要がございまして、生徒が安全で規則正しい生活を送ることができるよう寄宿舎整備や３食の食事の提供のほか、生徒が地域社会になじめるようサポートする支援員の配置や、卒業後の就職、進学支援など、学校、地域、企業等が一体となって取り組むことが必要であると考えられます。また、県内で導入している自治体の事例によりますと、これらに係る年間事業費は約5,000万円であるとのことで、財源確保の観点からも課題がございます。
本市といたしましては、既存の県外、市外学生の募集、受入れ制度を有効に活用し、必要な支援を引き続き行っていくとともに、先ほど申し上げました地域みらい留学制度について研究してまいりたいと考えております。
次に、２つ目の過疎債を活用して公設進学塾の運営や地域みらい留学生の寮などの運営の取組についてのお尋ねでございます。議員ご指摘のとおり、過疎債を活用して地元高校に対し、公設民営の学習塾を開設し、授業の補完、大学進学等のための講習及び学習指導の実施を行い、入学者増加の成果を残している自治体は確かにございます。当市の地元高校である平舘高等学校につきましても人口減少や少子化に伴い、年々入学者が減少しておりますが、高校の魅力化を図るためにも生徒、保護者、高校等の意見を伺いながら、検討してまいりたいと考えております。
次に、大きな３点目の教育による地方創生についてのお尋ねでございます。現在ハロウインターナショナルスクール安比校につきましては、令和４年４月の開校を目指し、着々と工事が進められております。12歳から18歳までの７年制で、将来的には生徒数920人規模の学校を目指しておると聞いております。議員お尋ねのとおり、開校に当たり、文化面、経済面などで大きな期待をしているところでございます。文化面においては、地元の小中学校、高校との交流も積極的に行ってまいりたい旨のお話もございまして、また日本文化や歴史についても教育課程に組み入れる予定と伺っているところでございます。様々な交流の中で、国際理解と文化交流も進むものと考えております。また、経済面におきましても様々な分野での新たな雇用や食材調達などの地域内の経済効果が期待されております。今後文化、スポーツを通じた国際交流や、地域資源の活用に関する協力関係など、地域振興に関する連携協定の締結を検討してまいりますので、引き続き関係者からの状況を把握しながら、市といたしましても可能な範囲で支援、連携してまいりたいと考えているところでございます。
以上で私の演壇からの答弁とさせていただきます。
（市長 田村正彦君降壇）
〇議長（工藤 剛君） ９番、立花安文議員。
〇議員 立花安文君 再質問します。
最初は、窓口業務の民間委託について。総務省が平成20年に民間事業者に委託することができる各種業務範囲について通知を行ってから約13年が経過をしました。しかし、全国的に窓口業務の民間委託は進まない状況です。
会派八起会では、２年前に当市と人口規模が同程度の自治体で窓口業務を民間委託していた熊本県上天草市、人口約２万6,000人を視察してまいりました。上天草市は、2013年度から業務委託を始めており、視察したときは既に６年くらい経過しておりました。業務委託の目的は、単なる経費の節減だけではなく、市役所で働いていた多くの臨時職員、現在でいう会計年度任用職員の生活安定のために、業務委託に変えたほうがよいと判断したということでした。業務委託先事業所の職員の大半が元臨時職員で組織されており、臨時職員で働くより業務委託先の会社員になれば臨時職員よりは給料が高く、継続して長期間働き続けることができることなどが最大の理由だったようです。さらに、委託してから窓口業務の対応がよいという評価を多くの住民からいただいているということでした。当市でも優秀な会計年度任用職員を大勢雇用していると思いますが、思い切って上天草市のように安心して長期間働けるように環境を整えてはいかがでしょうか。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
〇市長 田村正彦君 私は、かねてから退職職員に退職辞令を渡すときに、何とか経験のある皆さんでＮＰＯ法人でもつくって、臨時、期間採用職員を雇い上げながら、そして市の窓口業務なり、そういった委託業務を引き受ける組織をつくったらどうですかといつも言っているのですけれども、なかなか実現しないで今に至っているというのが実態です。窓口業務、行政全般にわたってそうなのですけれども、個人情報をきちっと保護しなければならないという重要な役割もあります。そういう意味では、それを請け負う、受託する組織というのは、そういった経験のある人があって、そしてそこに会計年度任用職員たちが集って、そういう受託事業をしていただくのが私はベストではないのかなというふうに思っていますので、これからもそういった呼びかけというのですか、そういったことをして、ぜひ窓口業務の民間委託というのは、これは進めなければならないというふうには考えておりますので、ぜひご理解をいただきたいというふうに思います。
〇議長（工藤 剛君） ９番、立花安文議員。
〇議員 立花安文君 市長の大変前向きな発言をいただきましたので、残る副市長には十分伝わったものと思いますので、できるだけ退職職員と言わずに、先ほど私が言ったように、上天草市の場合は臨時職員で入ってくる方でも職員以上に非常に優秀な方がたくさん来ると。そういった方から長くやっぱり勤めていただくということで、委託ということをいち早く取り組んだということですので、ぜひ前向きな取組をお願いしたいと思います。
今回安代総合支所の窓口閉鎖は、一日もなかったのか伺います。
〇議長（工藤 剛君） 安代総合支所長。
〇安代総合支所長 阿部正昭君 お答えいたします。
市長答弁にもありましたとおり、市民課並びに西根総合支所等の協力により、窓口閉鎖のほうはございませんでした。
〇議長（工藤 剛君） ９番、立花安文議員。
〇議員 立花安文君 安代総合支所の窓口は、一日も休まず、全くふだんどおりに業務を継続し、何事もなかったような対応の仕方は、その後の安代地区における民間事業者の対応とは全く逆なものであります。自動車整備工場の場合は、工場のシャッターを下ろして閉鎖をしました。私の近くのスキー場は、夏休みの稼ぎどきでしたが、ゴンドラ営業を休止しました。いずれもお客様相手の商売であり、お客様への安全が確認されるまでの間は、一旦業務をストップしました。一般的な選択としては、万全を期すためには何はともあれ休むという選択もあった気がします。ぜひ同様の事態が起きた場合は、民間の動向も参考にしながら、窓口業務を進めていただければと思いますが、いかがでしょうか。
〇議長（工藤 剛君） 副市長。
〇副市長 田村泰彦君 お答えいたします。
結論から申し上げますと、閉鎖するということはできないというふうに考えております。やっぱり行政の仕事と民間の仕事では考え方が違いますし、確かに安全性とかを考えれば、閉鎖することも考えなければならないとは思いますけれども、業務を継続するための対策は市役所としては取って継続させているということで、今後においてもできるだけ窓口業務は停滞させないような形で対処していきたいというふうに考えております。
〇議長（工藤 剛君） ９番、立花安文議員。
〇議員 立花安文君 今回の特別休暇に関して、ちょっと私なりに腑に落ちないことを今から申し上げます。
個人のプライバシーを大切にすることに対しては、全くそのとおりですが、安代地区ではいまだに個人の名前より屋号で声をかけられることが多い地域です。その安代総合支所福祉係の職員４人中、安代地区職員が２人おります。その２人の名前の上のほうが同じで、１人が住んでいる集落名と、もう一人が同じ屋号の方でした。分かりやすく私の名前で例えて説明しますと、私の集落は星沢集落の立花です。もう一人、屋号の方も立花という方がおると仮定します。私が最初に今回の件で耳にした方の名前は、集落の方でありました。次に耳にした方は屋号の方でした。伝言ゲームのように名前が伝わるうちに人が入れ替わったのか、はたまた２人とも体調を悪くしたのか、正確な情報を確かめないことにはうかつなことを言ってはならないと思いました。今回のように、誤った情報が流れることもあると思いますので、地域によってはある程度のプライバシーの保護でもいいような気がしますが、この辺のさじかげんというのはどういうふうにかならないものか伺います。
〇議長（工藤 剛君） 副市長。
〇副市長 田村泰彦君 お答えいたします。
大変答えづらい内容なのですが、究極から言うと、個人情報の保護ということになろうかと思います。市としても行政指導というか、職員への指導もできない状況ですので、今回の件に関してはいろいろご意見があろうかと思います。ただ、最終的には、個人の方が判断した内容ということで、その部分については市としては尊重しなければならないのかなというふうに考えております。
〇議長（工藤 剛君） ９番、立花安文議員。
〇議員 立花安文君 次は、山村留学、地域みらい留学制度の取組について質問します。
2015年、会派八起会では、島根県沖ノ島諸島にある中ノ島というところを視察しました。この離島が海士町という移住者の多いことで有名な自治体で、人口が約2,400人、海士町には県立高校があり、今から13年前の2008年時点の入学者が28人と廃校の危機が迫ったことから、生徒募集を全国に広げて、私たちが視察した2015年には入学者が57人に増加しておりました。岩手県からも１人入学しているということでした。学校の隣には、町が整備した寮と進学塾があり、生徒は島の大自然の中で生活しながら、勉強にも力を入れることができる環境を整備しておりました。視察当時は、国公立大学や有名私立大学に卒業生の３割程度が合格していると言っておりました。視察した2015年度には、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール指定校になったと自慢をしておりました。生徒が増えれば教える先生も増えて、１学年１学級時代と比べれば９名も増員になったと。当然先生の中には、家族で島に引っ越してくる方もいるそうで、島の人口増加に一役買っているということでありました。
平舘高校も、入学者を増やす思い切った対策を取る時期が来ている気がします。お金がかかるという先ほどの答弁でございましたが、やはり全国の先駆けて取り組んだ海士町のように、全国から生徒を募集して生徒数を増やすことが唯一高校の生き残る道かと思いますが、いかがでしょうか。
〇議長（工藤 剛君） まちづくり推進課長。
〇まちづくり推進課長 佐々木善勝君 お答え申し上げます。
島根県の事例に関しては、こちらのほうでもちょっと勉強させていただきまして、かなりの生徒数が増えていることは存じ上げております。これを受けてかどうかは分からないのですけれども、令和２年度より岩手県の教育委員会のほうで県外からの志願者の全国的な募集を希望する高校が県教委のほうに協議をすることによって、募集ができるというか志願できるということの制度が始まっております。平舘高校につきましてもこの制度に乗っかりまして、令和２年度より生徒募集を開始しております。市長答弁にもありましたとおり、現在県外から２名、この制度に乗って入学されております。島根県の事例は、全県的な取組として取り組んでいるものでございますが、こちらとしても一市で取り組むものはちょっと限界がありますので、今県教委が行っている制度の状況を見ながら、ちょっと入学の流れを見ながら、研究してまいりたいなと考えております。
以上です。
〇議長（工藤 剛君） 市長。
〇市長 田村正彦君 県外からの留学の件ですけれども、皆さんご案内のとおり、県教委においては高校再編の協議がずっとなされてきました。もう10年も前から我々も参加して、様々なブロックごとに協議してきたわけですが、その中で県教委に対してこのままでは平舘高校も、地域の高校もどんどん生徒が減る一方だと。やはり県教委も考えて、県外からも留学生として受け入れるような方向を示すべきではないか、そういう取組をすべきではないかということをずっと要望してまいりました。その結果として、県内の高校何校かを指定して、県外からの留学生を受け入れることが可能になったわけです。
ただ、私は、県教委に対して苦言を呈したいわけですが、県外から受け入れる場合も定員数の５％以内だとか、そんな規制をがっちりかけています。そして、留学に来た場合には、責任を持ってその子供たちに宿舎、そういったものを提供できる体制をつくることとか、様々な制約を課した上での令和２年度からの実施ということになっています。幸い平舘高校の場合は、２名何とか確保しているようですけれども、そういったことではなくて、やはりある程度オープンにして定員の５％とか何かを、そういう規制ではなくて、来たい人はどんどん来られる、あるいは葛巻みたいにオープンにして、定数をあまり設けない……葛巻も定数は設けているのですけれども、もっと緩めた形での留学制度というのをやはり県教委においても考えるべきではないかというふうなことを今思っているところでございます。
特にも皆様ご承知のとおり、平舘高校、この間インターハイの相撲の部で100キロクラス優勝ということもございます。ああいったことがあると、県外から平舘高校を目指して留学したいという子供も必ず増えるというふうに思っていますので、そういったことで今後とも県教委に対してはそういう規制というのを緩めて、オープンに留学生を受け入れられるような、そういう制度設計にしてもらう要望というのをこれからも粘り強くしていかなければならないなというふうに思っているところでございます。
〇議長（工藤 剛君） ９番、立花安文議員。
〇議員 立花安文君 大変難しいというご答弁は頭にしっかり入れておきます。ただ、最近のことなのですが、東京のほうから来た方、私の隣が細野集落なのですが、この里山の雰囲気が非常に子供たちの教育の現場として最適だということでお話をした方がおります。７月と８月の２度、地域の方を集めて、非常に熱心に環境がいいと。地元の方は災害級の大雪と地吹雪が来るこの地域の何が最適なのか、非常に首をひねりながらも、２回もお話を聞いたら、私も何かここの地域というのは、地元から言うのもなんですが、正直言ってハロウインターナショナルスクールもひどいところに建つなと思っていたところに、そういう褒める方が来てお話をすることが、地元にとっては本当に何か今までと意識が180度変わるみたいに、この地域は本当に教育環境がいいのかなと思い始めるような状況が今地域には来ております。そういったことで、平舘高校も当然同じ地域の中と思っていますので、全国から集めようと思えば集まる、当八幡平市と私は思いますので、この辺も県教委だけに押しつけるのではなく、地元から高校の生徒を増やす提案をして、ぜひこれを実現していただきたいと、こう思います。
続きまして、教育による地方創生ですが、まさに高校あっての地方創生なわけでして、何としてもやっぱり地元には高校が必要だと思います。インターナショナルスクールの校舎の建築も完成に近づいており、順調に進めば、この先数年、近い将来ですが、約1,000人に近い、先ほどの年齢層のところが当市の人口増加になるわけであります。国が言うところの地方創生というのは、ただ人口が増えればいいというわけではないと思うのですが、生徒にプラスして多くの教職員、家族も頻繁に訪れるようになる、あるいは先ほど答弁があった様々な経済的な恩恵も受ける、そういったことを様々併せて地方創生という言葉になると思うのですが、先ほど私がちょっと細野集落のことも言ったのですが、非常にここ安比周辺については、正直言って私ら安代地区の者としては、安比スキー場開設以来の２回目の地域が飛躍する大きなチャンスが来たのかなと、こう思っています。ぜひその辺も市役所から酌み取っていただいて、地域の地方創生についてしっかりと、これからあまり間を置かずに指導していただきたいと思うのですが、ちょっと漠然としたお話で恐縮なのですが、やはり的確な指導がなければ、なかなか今混沌とした状況が来ていますので、ぜひその辺はお願いしておきたいと思います。
〇議長（工藤 剛君） 副市長。
〇副市長 田村泰彦君 お答えいたします。
ハロウの関係につきましては、定例会のごとに何回か議員さん方から一般質問を受けて、その都度お答えしているところです。同じような回答にしかならないのですけれども、いずれハロウと、あとは県と協定を結んだ中で、どういうふうな交流ができるかということで検討してまいりたいというふうに思います。
あとは、議員お話しのとおり、ハロウについては、八幡平市にとっても大きなチャンスといいますか、変わることが考えられます。このことによって、八幡平市がどういうふうに変わっていくかということにもつながろうかと思いますので、その辺も含みながら、いろいろ検討を重ねながら、進めてまいりたいというふうに思っております。
〇議長（工藤 剛君） ９番、立花安文議員。
〇議員 立花安文君 無理やり地方創生のところに入れて質問いたします。
大更駅前の顔づくり施設の図書館についてですが、様々な意見が出ました。海士町を視察した際のことをお話しします。何もない離島に都市部から移住した方々の唯一の居場所として図書館を充実させ、多くの新聞、週刊誌、月刊誌を買いそろえて、仲間と交流しながら図書館内で時間を過ごせるスペースをつくり、日々忙しい住民とは別な世界をつくる努力をしておりました。先ほども言いましたが、約1,000人を超えるような生徒と教職員が当市に住むと仮定した場合、図書館を訪れる人数は飛躍的に増加するものと思います。教育分野で当市が生まれ変わろうとしている今、文化面の民度とも言える図書館の充実を図ることは当然のことで、将来を見据えて外国人にも楽しめる図書館づくりに努めていただければと思います。
最後に、地方創生に欠かすことのできないスマートインターチェンジを新設する前段となる、国交省が準備調査に着手する旨の記事が岩手日報に掲載されました。市長には、長年にわたり安比周辺地域住民の悲願を国に届けていただき、これを実現していただいたことに心から感謝を申し上げて、質問を終わります。
（議員 立花安文君一般質問席降壇）
〇議長（工藤 剛君） これで立花安文議員の質問を終わります。
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散 会
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〇議長（工藤 剛君） 以上をもちまして本日の日程は終了しました。
本日の会議はこれをもって閉じ、散会いたします。
（１４時３１分）